アゼトウナ 畔唐菜

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae アゼトウナ属

学 名 Crepidiastrum keiskeanum (Maxim.) Nakai
アゼトウナの花
アゼトウナの花
アゼトウナの雄しべ
アゼトウナの総苞
アゼトウナの蕾
アゼトウナ
アゼトウナ茎
アゼトウナ葉表
アゼトウナ葉裏
花 期 9~11月
高 さ 5~15㎝
生活型 多年草
生育場所 海岸の岩場
分 布 在来種(日本固有種)  本州(伊豆半島~紀伊半島)、四国、九州
撮 影 渥美半島先端岩場 04.11.23
愛知県内では渥美半島、佐久島、知多半島など生育地が限られる。伊良湖岬では11月中旬以降に花が満開になる。
 全体に無毛。茎は太く、這って広がり、ロゼット状になる。葉は厚く、倒卵形。葉先が円く、基部は次第に細くなって翼になり、縁に細かい鋸歯がある。根生葉は下半部が羽状に切れ込むことがある。頭花の直径は約1.5㎝、黄色の舌状花のみ。花期にはまだ早い時期に数株の花が見られることも多い。総苞は細長く、総苞片は2列。外総苞片は短い。
 ホソバワダンは日本海側の島根県、山口県から沖縄に分布する。葉先が尖り、全縁。根生葉は羽状に深裂することもある。
 ワダンは千葉県~静岡県、伊豆諸島に分布し、草丈が高く、葉幅が広く、全縁。

アゼトウナ属

  family Asteraceae - genus Crepidiastrum

 1年草、2年草又は多年草、ときに亜低木、しばしば、ロゼットがあり、直根をもつ。茎は普通、葉がありる。葉は分裂せず、又は羽状分裂する。茎葉はしばしば抱茎。頭花は小花を5~20個もつ。総苞は狭い円筒形。総苞片は狭い薄膜質の縁があり、外総苞片は少数、最も長い外総苞片は内総苞片の長さの約1/4(~1/2.。内総苞片は5又は8個、線状披針形、長さは等しい。花托は無毛。小花は黄色。痩果は±紡錘形、わずかに扁平、5本の主うねがあり、1~2本の2次うねが互生し、普通、前向きの鋭いパピラでざらつき、特に前部で多く、まれに無毛又は微細突起があり、先は漸尖又は痩果の長さの1/5以下~1/2以下の嘴をもつ。冠毛は白色、ザラつき、普通、±脱落性。
 世界に約15種があり、中央アジアと北太平洋の小笠原諸島を含む東アジアに分布する。

アゼトウナ属 の主な種

1 Crepidiastrum ameristophyllum (Nakai) Nakai  ユズリハワダン
 日本固有種(小笠原諸島)。湿性林に生える。
 常緑小低木。高さ約1m。茎は1本、分枝せず、直立し、葉痕が目立つ。葉は頂部に密集し、ユズリハに似る。花は白色、5弁。花期は1月頃。

2 Crepidiastrum chelidoniifolium (Makino) Pak et Kawano  クサノオウバノギク
   synoym Crepidiastrum koidzumianum (Kitam.) Pak et Kawano  チイサンヤクシソウ
 日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は少花假还阳参 shao hua jia huan yang shen

3 Crepidiastrum denticulatum (Houtt.) Pak et Kawano  ヤクシソウ 薬師草
   synoym Youngia denticulata (Houtt.) Kitam. オニタビラコ属
   synoym Paraixeris denticulata (Houtt.) Nakai
   synoym Prenanthes denticulata Houtt
 日本(北海道、本州、四国、九州、)朝鮮、中国、ロシア、ベトナム原産。中国名は黄瓜假还阳参 huang gua jia huan yang。 日当たりのよい山野に生える。
 1・2年草。高さ30~120cm。茎はよく分枝し、根生葉は花時には普通ない。葉は互生し、長さ3~12㎝、幅1~7㎝の倒披針形~倒卵形~バイオリン形、浅い鋸歯があり、基部は心形でしっかり茎を抱く。花は枝先に数個固まってつき、花後に下を向く。頭花は直径約15㎜。舌状花は11~15(19)個。舌状花の花冠の長さ7.8~8.3㎜。総苞は長さ7~9㎜。総苞内片は長さ約7㎜、平滑。総苞外片は小さい。痩果は長さ2.5~3.5(3.8)㎜、黒褐色、嘴は長さ0.2~0.6㎜。冠毛は長さ3.5~4.5㎜、白色。秋、普通に見られる。道路脇の削られた斜面などに群生しているのがよく見かけられる。2n=10。花期は9~11月。
3-1 Crepidiastrum denticulatum (Houtt.) Pak et Kawano f. pallescens (Momiy. et Tuyama) Yonek.  ウスイロヤクシソウ
 花が淡黄白色。
3-2 Crepidiastrum denticulatum (Houtt.) Pak et Kawano f. pinnatipartitum (Makino) Sennikov  ハナヤクシソウ
 葉が深裂する。下部の葉だけ深裂する中間的なものも見られる。

4 Crepidiastrum grandicollum (Koidz.) Nakai  コヘラナレン 小箆菜連
 日本固有種(小笠原諸島)。
 多年草又は半草質亜低木。高さ10~25㎝。葉は質が厚く、楕円形、全縁、粉白色を帯びる。茎葉は茎を抱く。頭花は黄色、小花は5個。

5 Crepidiastrum hallaisanense (H.Lev.) Pak  タンナタカサゴソウ 
 朝鮮原産。

6 Crepidiastrum keiskeanum (Maxim.) Nakai  アゼトウナ 畔唐菜
 日本固有種(本州の伊豆半島~紀伊半島、四国、九州)
 多年草。高さ5~15㎝。全体に無毛。茎は太く、這って広がり、ロゼット状になる。葉は厚く、倒卵形。葉先が円く、基部は次第に細くなって翼になり、縁に細かい鋸歯がある。根生葉は下半部が羽状に切れ込むことがある。頭花の直径は約1.5㎝、黄色の舌状花のみ。花期にはまだ早い時期に数株の花が見られることも多い。総苞は細長く、総苞片は2列。外総苞片は短い。花期は9~11月。
6-1 Crepidiastrum keiskeanum (Maxim.) Nakai f. pinnatilobum Hisauti  ソテツバアゼトウナ
 葉が羽状に中浅裂する。

7 Crepidiastrum lanceolatum (Houtt.) Nakai  ホソバワダン 細葉海菜
 日本(日本海側の島根県、山口県から沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は假还阳参 jia huan yang shen
7-1 Crepidiastrum lanceolatum (Houtt.) Nakai f. pinnatilobum (Maxim.) Nakai  ハマナレン 浜菜連
 根出葉が羽状に切れ込むもの
7-2 Crepidiastrum lanceolatum (Houtt.) Nakai var. daitoense (Tawada) Hatus.  ダイトウワダン 大東海菜
 沖縄、北大東島、南大東島に分布する。

8 Crepidiastrum linguifolium (A.Gray) Nakai  ヘラナレン 箆菜連
 日本固有種(小笠原諸島)。日当たりのよい通風地に生える。
 常緑小低木、高さ20~100㎝。茎は直立、太く、柔らかく、葉痕が目立つ。葉はへら形、上部に密集する。頭花は白色の舌状小花が5個。花期は11月。

9 Crepidiastrum platyphyllum (Franch. et Sav.) Kitam.  ワダン 海菜
 日本固有種(本州の千葉県~静岡県)。海岸の岩場、砂礫地に生える。
 多年草。高さ30~60㎝。茎は基部が太く、短く、木質化し、根茎状になり、ロゼット状に数個の根生葉をつけ、枝を横に多数出し、広がる。根生葉は、多肉質(キャベツに似る)、さじ形~倒卵形、長さ8~18㎝、基部は楔形~漸尖し翼があり、全縁、先は円形~鈍形~やや鋭形。茎葉は互生し、倒卵形、長さ5.5~8.6㎝、基部は狭くやや茎を抱く。1回繁殖型で花が咲くと枯れる。枝は多数分枝し、枝先の密な散房花序に頭花を多数、密集してつける。頭花は直径1~1.5㎝、総苞は筒形、黄色の5個の舌状小花からなる。小舌の先は切形、5小歯がある。痩果は長さ約2㎜、狭い紡錘形~円柱形、冠毛は白色、剛毛状。花期は(7)9~11月。 .

※ Dendrocacalia crepidifolia (Nakai) Nakai ワダンノキ
 日本固有種(小笠原諸島)。母島の標高300メートル以上の雲霧帯に自生する。
 常緑低木、大きいものは高さ3~5m、幹の直径10㎝以上に達し、群生する。しかし、樹林地内では大きく成長しない。幹は上部でよく分枝する。樹皮は灰白色、縦に裂け目ができる。 葉は互生し、葉柄は長い。葉身は長楕円形。花序は枝先付近の葉腋につき、散房状の円錐花序、多数の頭花をつける。頭花は長さ10㎜弱、幅約2㎜、普通、5個の淡紅紫色の筒状小花からなる。痩果は円柱形。雌雄異株で、雌株では雄しべが退化して花粉が形成されないとされいるが、両性花と雌性花からなる雌性両全性ではないかとの指摘もある。 花期は11月下旬~ 12月上旬。果期は1~ 2月。
 小笠原諸島固有の木本のキク科植物には、他にアゼトウナ属のヘラナレンとユズリハワダンがある。

10 Crepidiastrum sonchifolium (Bunge) Pak et Kawano  イヌヤクシソウ 犬薬師草
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は尖裂假还阳参 jian lie jia huan yang shen

11 Crepidiastrum taiwanianum Nakai  アシブトワダン
 台湾原産。中国名は台湾假还阳参 tai wan jia huan yang shen

12 Crepidiastrum tenuifolium (Willd.) Sennikov  クシバニガナ 櫛葉苦菜
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は细叶假还阳参 xi ye jia huan yang shen

13 Crepidiastrum yoshinoi (Makino) Pak et Kawano  ナガバヤクシソウ 長葉薬師草
 日本固有種(岡山県西部~広島県東部)。石灰岩地に生える。別名はイワヤクシソウ。
 多年草。茎は高さ7~43㎝。全体に無毛。根生葉は短い葉柄があり、葉身はさじ形~楕円形、長さ5~20㎝×幅1.5~3.5㎝、全縁~ほぼ全縁、花時には枯れる。茎葉は互生し、広披針形~細披針形、長さ4~10㎝×幅1~2.5㎝、先は鋭形、縁は全縁~ほぼ全縁、基部は狭まり、茎を抱かない。密な散房状に頭花が多数つく。 頭花は直径約1.2㎝。総苞は狭円柱形、長さ7.5~8㎜。小花は5個、黄色の舌状花。小舌の長さ9.0~9.3.㎜。痩果は褐色、長さ(4.0)4.5~5.0㎜、10~12本のうねがあり、先の嘴は長さ約0.5㎜。冠毛は汚白色、長さ約3.5㎜。花期は 8~10月。

14 ハイブリッド
(1) Crepidiastrum x muratagenii H.Ohashi et K.Ohashi  ヤクシホソバワダン
 ヤクシソウとホソバワダンとの自然交雑種。
(2) Crepidiastrum x nakaii H. Ohashi et K.Ohashi  ヤクシワダン
 ヤクシソウとワダンとの自然交雑種。
(3) Crepidiastrum x semiauriculatum N.Yamam. et H.Ikeda  アテツヤクシソウ
 ナガバヤクシソウとヤクシソウとの自然交雑種。頭花の小花が6~9個。葉は茎をやや抱く。2n=10
(4) Crepidiastrum x surugense (Hisauti) Yonek.  ヤクシアゼトウナ
 ヤクシソウとアゼトウナとの自然交雑種

参考

1) Flora of China
 Crepidiastrum
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=108337
1) GRIN
 Crepidiastrum
 http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=14129
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Crepidiastrum
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329201-2
3)植物研究雑誌 10(10): 660-662(1934)
 わだんトあせZとうなノ一群
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_010_660_662.pdf
4) 植物研究雑誌 82(6): 337-347(2007)
 Hybrids in Crepidiastrum (Asteraceae)
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_082_337_347.pdf
5) 植物研究雑誌 83(1): 061-062(2008)
 キク科ハナヤクシソウの学名
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_083_061_062.pdf
6) 植物研究雑誌 84(4): 224-228(2009)
 岡山県で見出された新雑種アテツヤクシソウ(キク科タンポポ連)
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_084_224_228.pdf