アワゴケ 泡苔
Flora of Mikawa
オオバコ科 Plantaginaceae アワゴケ属
中国名 | 日本水马齿 ri ben shui ma chi |
学 名 | Callitriche japonica Engelm. ex Hegelm. |
花 期 | 5~6月 |
高 さ | 地を這う(長さ2~5㎝) |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 湿った庭、境内、公園など |
分 布 | 在来種 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、中国、台湾、インド、インドネシア、タイ |
撮 影 | 岡崎市 09.7.30 |
苔の生えるような湿った場所に生え、小さくて地を這い、葉が丸くて泡のようにも見えることから名付けられた。葉は対生し、長さ2~5㎜の倒卵形、基部は長い柄となる。雌雄同株。花は花弁や萼がない。雄花は雄しべ1個。雌花は雌しべ1個、花柱2個。花後に花柱は脱落し、果実に花柱は残らない。果実は長さ1㎜弱の基部が狭まったハート形、綾に翼がある。
同属のミズハコベは浮葉・沈水植物で、果実に花柱が直立して残る。最近は帰化種のアメリカアワゴケが増えているようである。アメリカアワゴケは葉の幅が狭く、果実に柄があり、稜の翼がない。
沈水生(submersed)、水陸両生(amphibious)、又は陸生(terrestrial)の草本、陸生又は水生の植物の基部で根を出し、茎は細い。葉は対生、十字対生、無托葉、線形又はへら形、先にノッチがあり、縁は全縁、ごく稀に、歯があり、やや水面に届きロゼットを作り、茎の先に密集する。葉の基部はしばしば、節を横切って広がる組織の縁により結合し、常に中脈をもち、吻合(anastomosing)又は輪になって接合する2次脈系をもつ。鱗片(しばしば腺といわれる)は茎、葉、葉軸にあり、短い柄があり、茎と葉の鱗片は暗色の放射状の細胞をもち、葉軸の鱗片は扇形。雌雄同株、まれに雌雄異株。花は不完全で小さく、雌花( carpellate )と雄花(staminate)は様々な組み合わせでときに同軸につき、花被はなく、基部に対の苞がある種もある。雌花は2心皮があり、しばしば雄花の背軸面(内側)につき、柱頭は2個、直立又は後屈し、パピラがある。雄花は単生、花糸は短又は長、葯は縦の隙間により横から裂開し、花粉は楕円形、角張り、又は長くなり、表面のリッジは1又はそれ以上の長口(leptomata)があり、外壁(exine)は非テクタム性(intectate)[又は欠く]、尖る又は丸いmicrogemmaeの彫紋があり(sculpturing)、又はこれらが無い。果実は分離果(schizocarps)、4小堅果に分かれ、小堅果は乾き、翼は有又は無、翼は内部の果実の層からなる。
世界に約75種があり、世界中に広く分布する。
アワゴケ科Callitrichaceae はオオバコ科に含められた。
synonym Callitriche autumnalis L.
北半球の極地、温帯地域に分布。中国名は线叶水马齿 xian ye shui ma chi
2 Callitriche japonica Engelm. ex Hegelm. アワゴケ 泡苔
日本、中国、台湾、インド、タイ、インドネシア原産。中国名は日本水马齿 ri ben shui ma chi。和名は小型で 葉が丸くて泡のようにも見えることから。
地上生、湿った土壌、河川泥、砂利道に生え、小さくて地を這う。葉柄は長さ1~1.5㎜。葉身は広がり、長さ1.5~4.5 ㎜×幅1~2.5㎜、光沢があり、整い、葉脈は単純、通常、1本の1次脈と対の2次脈に限定され、たまに2次脈の内側と外側に短脈が生じる。雌雄同株。花は単生、しばしば対の葉腋に雄花が対生する雌花をもつ。花は花弁や萼がない。苞は無い。雌花は雌しべ1個、花柱2個。花柱は長さ0.28~0.33㎜、ほぼ真っすぐ、花後に花柱は脱落し、果実に花柱は残らない。雄花は雄しべ1個。花糸は長さ0.2~0.4㎜、ほぼ真っすぐ。葯は長さ 0.1~0.2㎜×幅0.1~0.3㎜。花粉は約・長さ13μm×15.4μm。果実は長さ0.7~1㎜×幅0.7~1㎜、熟すと褐色~帯黒色、基部に向かって先細になったハート形、先に幅0.05~0.13の翼があり、横の翼は幅0.03~0.08㎜。花期は3~8月。.
3 Callitriche palustris L. ミズハコベ 水繁縷
synonym Callitriche verna L.
日本、韓国、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、カシミール、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は水马齿 shui ma chi 。英名はwater-starwort, vernal water-starwort。
1年草、浮葉・沈水植物で浮遊するロゼットをもち、又は湿った泥に生える。細い舌状の葉(水中葉)は線形~倒披針形、長さ (4~)5.6~9.7㎜×幅 0.5~1.2㎜、凹形、1脈をもつ。広い葉(水上葉)は楕円形~ほぼ円形、長さ3.6~9.9(~10.3)[12]㎜×幅1.2~4.3(~4.5)㎜、ほとんど3次脈をもち、通常、2次脈から生じる付加脈をもち、隣接する2次脈と再結合して 輪になり、又は葉縁に向かって短くわずかに曲がった脈になる。花は普通、各軸につく雌花に代表され、又は雄花と雌花が1個の雌花に対生してつき、たまに、1葉腋に雌花1個が対生し、1個の雄花と3個以下の雌花がつく。単性の花は両方の性のものがあり、シュートにつき、対生する葉腋にはつかない。花は花弁や萼がなく、雄花は雄しべ1個、雌花は雌しべ1個で花柱2個が直立する。苞は半透明、帯白色、宿存性又は早落性又は欠く。花粉は長さ6~24 μm×幅5~23μm、おそらく無口粒(inaperturate)、黄色、±球形、外壁は強く装飾され、彫紋(sculpture type)は網状模様又は城壁状(murus , muri)、supratectal 要素は欠く。果実は長さ[0.7
]0.9~1.4㎜×幅[0.7]0.8~1.1㎜、無柄、高さは幅より 高く、翼は幅0.05~0.16㎜又は欠き、もしあれば果実の先で翼の幅が広い。2n=20
3-1 Callitriche palustris L. var. elegans (Petrov) Y.L.Chang マンシュウミズハコベ
synonym Callitriche verna L. var. elegans (Petrov) Kitag.
日本、中国、ロシア原産。中国名は东北水马齿 dong bei shui ma chi 。
东北水马齿(dong bei shui ma chi)は日本、中国、ロシアに分布する。果実が長さ1~1.4㎜、幅0.7~1.1㎜。果実の翼は幅0.3㎜以下。
花は普通、他の葉腋の1個の雌花が対生する葉腋の対の1個に雌花(carpellate)と雄花(staminate) をもち、ごくたまに1個の葉腋に2個の雌花と1個の雄花がつく。苞は早落性、長さ0.8~1.2㎜、かま形。花柱は直立~わずかに開出し、長さ1.5㎜以下。花糸はほぼ真っすぐ、早落性、長さ2.2㎜以下。葯は約・長さ0.4㎜×幅0.3㎜。花粉は黄色、卵状楕円形、長さ21~26μm×幅17~25μm。果実は長さ1~1.4㎜×幅0.7~1.1㎜、中間の上の幅が最も広く、わずかにこぶ状突起があり(strumose)、熟すと黒色、分果は鋭い網目があり、網目は垂直の列が±明瞭、翼は幅0.3㎜以下、主に先にある。花期は通年。
3-2 Callitriche palustris L. var. oryzetorum (Petrov) Lansdown ナンゴクミズハコベ
synonym Callitriche oryzetorum Petrov
日本、中国、台湾原産。中国名は广东水马齿 guang dong shui ma chi
花は各葉腋に雌花と雄花をもち、ごくたまに、1個の葉腋に2個の雌花と1個の雄花をもつ。苞は宿存し、広卵形、長さ0.58~0.9(~1)㎜。花柱は直立~開出し、長さ1.7㎜以下。花糸は真っすぐ、長さ1.6~2.7㎜。葯は長さ0.4~0.5㎜×幅0.3~0.4㎜。果実は長さ0.7~1㎜×幅0.6~0.8㎜、中間近くの幅が最も広く、熟すと、褐色、平滑、翼は無いか又は幅0.1㎜以下、先だけにある。花期は3~10月。
4 Callitriche peploides Nutt.
北アメリカ原産。中国名は台湾水马齿 tai wan shui ma chi
5 Callitriche raveniana Lansdown タイホクミズハコベ
台湾原産。中国名は细苞水马齿 xi bao shui ma chi
6 Callitriche stagnalis Scop. イケノミズハコベ
ロシア、西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はcommon starwort , common water-starwort , starwort , water chickweed , European waterstarwort
果実がほぼ円形で、稜の翼が全周につき、花柱が曲がる。
7 Callitriche terrestris Raf. アメリカアワゴケ
北アメリカ(USA,カナダ)原産。英名はterrestrial water-starwort , terrestrial starwort
Callitriche
Callitriche
Callitriche
Callitriche stagnalis Scop.
同属のミズハコベは浮葉・沈水植物で、果実に花柱が直立して残る。最近は帰化種のアメリカアワゴケが増えているようである。アメリカアワゴケは葉の幅が狭く、果実に柄があり、稜の翼がない。
アワゴケ属
family Plantaginaceae - genus Callitriche沈水生(submersed)、水陸両生(amphibious)、又は陸生(terrestrial)の草本、陸生又は水生の植物の基部で根を出し、茎は細い。葉は対生、十字対生、無托葉、線形又はへら形、先にノッチがあり、縁は全縁、ごく稀に、歯があり、やや水面に届きロゼットを作り、茎の先に密集する。葉の基部はしばしば、節を横切って広がる組織の縁により結合し、常に中脈をもち、吻合(anastomosing)又は輪になって接合する2次脈系をもつ。鱗片(しばしば腺といわれる)は茎、葉、葉軸にあり、短い柄があり、茎と葉の鱗片は暗色の放射状の細胞をもち、葉軸の鱗片は扇形。雌雄同株、まれに雌雄異株。花は不完全で小さく、雌花( carpellate )と雄花(staminate)は様々な組み合わせでときに同軸につき、花被はなく、基部に対の苞がある種もある。雌花は2心皮があり、しばしば雄花の背軸面(内側)につき、柱頭は2個、直立又は後屈し、パピラがある。雄花は単生、花糸は短又は長、葯は縦の隙間により横から裂開し、花粉は楕円形、角張り、又は長くなり、表面のリッジは1又はそれ以上の長口(leptomata)があり、外壁(exine)は非テクタム性(intectate)[又は欠く]、尖る又は丸いmicrogemmaeの彫紋があり(sculpturing)、又はこれらが無い。果実は分離果(schizocarps)、4小堅果に分かれ、小堅果は乾き、翼は有又は無、翼は内部の果実の層からなる。
世界に約75種があり、世界中に広く分布する。
アワゴケ科Callitrichaceae はオオバコ科に含められた。
アワゴケ属の主な種と園芸品種
1 Callitriche hermaphroditica L. チシマミズハコベsynonym Callitriche autumnalis L.
北半球の極地、温帯地域に分布。中国名は线叶水马齿 xian ye shui ma chi
2 Callitriche japonica Engelm. ex Hegelm. アワゴケ 泡苔
日本、中国、台湾、インド、タイ、インドネシア原産。中国名は日本水马齿 ri ben shui ma chi。和名は小型で 葉が丸くて泡のようにも見えることから。
地上生、湿った土壌、河川泥、砂利道に生え、小さくて地を這う。葉柄は長さ1~1.5㎜。葉身は広がり、長さ1.5~4.5 ㎜×幅1~2.5㎜、光沢があり、整い、葉脈は単純、通常、1本の1次脈と対の2次脈に限定され、たまに2次脈の内側と外側に短脈が生じる。雌雄同株。花は単生、しばしば対の葉腋に雄花が対生する雌花をもつ。花は花弁や萼がない。苞は無い。雌花は雌しべ1個、花柱2個。花柱は長さ0.28~0.33㎜、ほぼ真っすぐ、花後に花柱は脱落し、果実に花柱は残らない。雄花は雄しべ1個。花糸は長さ0.2~0.4㎜、ほぼ真っすぐ。葯は長さ 0.1~0.2㎜×幅0.1~0.3㎜。花粉は約・長さ13μm×15.4μm。果実は長さ0.7~1㎜×幅0.7~1㎜、熟すと褐色~帯黒色、基部に向かって先細になったハート形、先に幅0.05~0.13の翼があり、横の翼は幅0.03~0.08㎜。花期は3~8月。.
3 Callitriche palustris L. ミズハコベ 水繁縷
synonym Callitriche verna L.
日本、韓国、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、カシミール、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は水马齿 shui ma chi 。英名はwater-starwort, vernal water-starwort。
1年草、浮葉・沈水植物で浮遊するロゼットをもち、又は湿った泥に生える。細い舌状の葉(水中葉)は線形~倒披針形、長さ (4~)5.6~9.7㎜×幅 0.5~1.2㎜、凹形、1脈をもつ。広い葉(水上葉)は楕円形~ほぼ円形、長さ3.6~9.9(~10.3)[12]㎜×幅1.2~4.3(~4.5)㎜、ほとんど3次脈をもち、通常、2次脈から生じる付加脈をもち、隣接する2次脈と再結合して 輪になり、又は葉縁に向かって短くわずかに曲がった脈になる。花は普通、各軸につく雌花に代表され、又は雄花と雌花が1個の雌花に対生してつき、たまに、1葉腋に雌花1個が対生し、1個の雄花と3個以下の雌花がつく。単性の花は両方の性のものがあり、シュートにつき、対生する葉腋にはつかない。花は花弁や萼がなく、雄花は雄しべ1個、雌花は雌しべ1個で花柱2個が直立する。苞は半透明、帯白色、宿存性又は早落性又は欠く。花粉は長さ6~24 μm×幅5~23μm、おそらく無口粒(inaperturate)、黄色、±球形、外壁は強く装飾され、彫紋(sculpture type)は網状模様又は城壁状(murus , muri)、supratectal 要素は欠く。果実は長さ[0.7
]0.9~1.4㎜×幅[0.7]0.8~1.1㎜、無柄、高さは幅より 高く、翼は幅0.05~0.16㎜又は欠き、もしあれば果実の先で翼の幅が広い。2n=20
3-1 Callitriche palustris L. var. elegans (Petrov) Y.L.Chang マンシュウミズハコベ
synonym Callitriche verna L. var. elegans (Petrov) Kitag.
日本、中国、ロシア原産。中国名は东北水马齿 dong bei shui ma chi 。
东北水马齿(dong bei shui ma chi)は日本、中国、ロシアに分布する。果実が長さ1~1.4㎜、幅0.7~1.1㎜。果実の翼は幅0.3㎜以下。
花は普通、他の葉腋の1個の雌花が対生する葉腋の対の1個に雌花(carpellate)と雄花(staminate) をもち、ごくたまに1個の葉腋に2個の雌花と1個の雄花がつく。苞は早落性、長さ0.8~1.2㎜、かま形。花柱は直立~わずかに開出し、長さ1.5㎜以下。花糸はほぼ真っすぐ、早落性、長さ2.2㎜以下。葯は約・長さ0.4㎜×幅0.3㎜。花粉は黄色、卵状楕円形、長さ21~26μm×幅17~25μm。果実は長さ1~1.4㎜×幅0.7~1.1㎜、中間の上の幅が最も広く、わずかにこぶ状突起があり(strumose)、熟すと黒色、分果は鋭い網目があり、網目は垂直の列が±明瞭、翼は幅0.3㎜以下、主に先にある。花期は通年。
3-2 Callitriche palustris L. var. oryzetorum (Petrov) Lansdown ナンゴクミズハコベ
synonym Callitriche oryzetorum Petrov
日本、中国、台湾原産。中国名は广东水马齿 guang dong shui ma chi
花は各葉腋に雌花と雄花をもち、ごくたまに、1個の葉腋に2個の雌花と1個の雄花をもつ。苞は宿存し、広卵形、長さ0.58~0.9(~1)㎜。花柱は直立~開出し、長さ1.7㎜以下。花糸は真っすぐ、長さ1.6~2.7㎜。葯は長さ0.4~0.5㎜×幅0.3~0.4㎜。果実は長さ0.7~1㎜×幅0.6~0.8㎜、中間近くの幅が最も広く、熟すと、褐色、平滑、翼は無いか又は幅0.1㎜以下、先だけにある。花期は3~10月。
4 Callitriche peploides Nutt.
北アメリカ原産。中国名は台湾水马齿 tai wan shui ma chi
5 Callitriche raveniana Lansdown タイホクミズハコベ
台湾原産。中国名は细苞水马齿 xi bao shui ma chi
6 Callitriche stagnalis Scop. イケノミズハコベ
ロシア、西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はcommon starwort , common water-starwort , starwort , water chickweed , European waterstarwort
果実がほぼ円形で、稜の翼が全周につき、花柱が曲がる。
7 Callitriche terrestris Raf. アメリカアワゴケ
北アメリカ(USA,カナダ)原産。英名はterrestrial water-starwort , terrestrial starwort
参考
1) Flora of ChinaCallitriche
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105145
2) Plants of the World Online | Kew ScienceCallitriche
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30006057-2
3)GRINCallitriche
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1904
4)Invasive Plant Atlas Native Plant Society of Oregon, 2008 Callitriche stagnalis Scop.
https://www.invasiveplantatlas.org/subject.html?sub=11538