アオツヅラフジ  青葛篭藤
[別名] カミエビ
[中国名] 木防己 mù fáng jǐ
[学名] Cocculus trilobus (Thunb.) DC.
Cocculus orbiculatus (L.) DC.
ツヅラフジ科 Menispermaceae  アオツヅラフジ属
三河の植物観察
アオツヅラフジ花序
アオツヅラフジ雄花
アオツヅラフジ雌花
アオツヅラフジの果実
アオツヅラフジ核
アオツヅラフジ
アオツヅラフジ葉
アオツヅラフジ葉
 葉は互生し、長さ3~12㎝の広卵形~卵心形、変化が多く、3裂することもある。全縁で、長さ2~4㎝の柄がつく。雌雄異株。夏に円錐花序に小さな黄白色の花を多数つける。雌花、雄花とも花弁も萼片も6個。花弁は先が2裂する。萼片も花弁と色が同じで、花弁より大きい。雄しべは6個、葯室はそれぞれ4個ある。雌しべは1個、子房が6個の心皮に分かれている。花後に心皮が離れ、各々が1個の果実になる。果実は直径約6㎜の核果、秋に熟し、藍黒色に白粉を被る。核は直径約5㎜、厚さ約3㎜、黄褐色、アンモナイトのような形をしている。2n=20。
 よく似たツヅラフジは葉が大きく、扁円形で、5~7裂する。
[花期] 7~9月
[高さ] 蔓性
[生活型] 落葉蔓性木本(藤本)
[生育場所] 低地の道端、林縁
[分布] 在来種 北海道、本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、台湾
[撮影] 豊田市  07.9.18

 アオツヅラフジ属

  family  Menispermaceae - genus Cocculus
 
 つる性木、直立の低木又は小高木。葉身は全縁又は分裂し、盾状ではなく、掌状脈。花序は腋生又は頂生、集散花序又は密錐花序(hyrsoid)。雄花は咢片6(又は9)個、 2(又は 3)輪につき、覆瓦状、外側の咢片は小さく、内側の咢片は大きく、凹面。花弁は6個、先は2裂し、裂片は開出し、基部に後屈する耳をもつ。核果は倒卵形又は丸く、わずかに扁平、花柱の傷跡が基部近くにある。内果皮は骨質、馬蹄形、外側はいぼ状突起があるか又はうねがあり、果頭( condyle)には2個の明瞭な側室をもち、それぞれ、大きな側部の開口部をもつ。種子は馬蹄形、胚は短い幼根をもち、胚乳は乏しい。子葉は線形で平ら。
 世界に約8種があり、アフリカ、アジア東部~南東部~南部、太平洋諸島、中央アメリカ、北アメリカに分布する。


 アオツヅラフジ属の主な種

 1  Cocculus laurifolius DC.  イソヤマアオキ 磯山青木
 日本(九州、四国の高知県)、中国、台湾、インド、ネパール、ラオス、マレーシア、インドネシア原産。中国名は樟叶木防己 zhang ye mu fang ji 。別名はコウシュウウヤク(衡州烏薬)。
 直立する低木又は小高木、まれによじ登り、普通、長さ1~5(~8)m。枝には条線があり、小枝はわずかに角(かど) があり、無毛。葉柄は普通、長さ1㎝以下、無毛。葉身は楕円形、卵形又は長い楕円形~披針形、まれに、倒披針形、長さ 4~15㎝×幅1.5~5㎝、薄い革質、両面とも無毛で光沢があり、基部は楔形又は鋭形、先は鋭形で先細になり、掌状3脈があり、基部の対脈は葉身の中間を越えて明瞭、網状脈は細かく、両面に盛り上がる。花序は腋生、集散花序又は密錐花序、長さ1~5㎝、無毛。雄花:咢片6個、外側の輪の咢片は類楕円形、長さ0.8~1㎜。内側の輪の咢片は卵状楕円形~広楕円状円形、長さ約1.3㎜。花弁は6個、倒心形、長さ0.2~0.4㎜、基部は内側に後屈;せず、先は2裂。雄しべは6個、長さ約1㎜。雌花:咢片と花弁は雄花と同様。仮雄しべは6個、小さい。心皮は3個、無毛。核果は黒色、丸く、わずかに扁平、直径6~7㎜。内果皮は骨質、外側には飾りがあり、枝分かれするうねがある。花期は春~夏。果期は秋。

 2  Cocculus orbiculatus (L.) DC.  ホウザンツヅラフジ 宝山葛藤
   synonym Cocculus sarmentosus (Lour.) Diels 
 日本(徳之島)、中国、台湾、インド、ネパール、ラオス、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシア、フィリピン原産。中国名は木防己 mu fang ji
 つる性木。若枝は条線があり、微軟毛~類無毛。葉柄は長さ1~3(~5)㎝、帯白食の綿毛又は毛がある。葉身は形が様々、線状披針形~広卵形、狭楕円形~円形、倒披針形~倒心形、ときに、 3(~5) 裂し、長さ3~8(~10)㎝、幅は様々、紙質~薄い革質、両面には微軟毛~無毛、基部は円形~切形、たまに、広楔形又は浅い心形、縁は全縁、先は鋭形又は鈍形、たまに鋭い微突があり、ときにわずかに凹形又は2裂し、掌状に 3(又は 5)脈があり、脈の基部の対は葉身の中間を越えて、不明瞭になり、 下面にわずかに盛り上がる。花序は腋生、集散花序、花が少数又は多数、狭い頂生又は腋生の密錐花序につき、長さ10㎝以下又はそれ以上、微軟毛がある。雄花:小苞は1又は2個つき、長さ約0.5㎜、咢片に密接してつき、微軟毛がある。咢片は6個。外側の輪の咢片は卵形~楕円状卵形、長さ1~1.8㎜。内側の輪の咢片は広楕円形~円形、ときに広倒卵形、長さ2.5㎜以下又はわずかに長い。花弁は6個、長さ1~2㎜、側部が対生する花糸の周りの内側に基部が短く上に折り畳まれ、先は2個の尖鋭形又は鋭形の裂片に分かれる。雄しべは6個、花弁より短い。雌花:咢片と花弁は雄花と同様。仮雄しべは6個、小さい。心皮は6個、無毛。核果は丸く、赤色~赤無麻黄色、普通、直径7~8㎜。内果皮は骨質、直径5~6㎜、外側には飾りがあり、枝分かれするうねがある。
2-1 Cocculus orbiculatus var. orbiculatus
 日本、中国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は木防己 mu fang ji
 咢片が無毛。
2-2 Cocculus orbiculatus var. mollis (Wallich ex J. D. Hooker & Thomson) H. Hara
 中国、インド、ネパール原産。中国名は毛木防己 mao mu fang ji
  咢片の外側に微軟毛がある。

 3  Cocculus trilobus (Thunb.) DC.  アオツヅラフジ 青葛藤
   synonym Cocculus orbiculatus auct. non (L.) DC.
 日本(北海道、本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、台湾原産。中国名は木防己 mù fáng jǐ。別名はカミエビ。
 落葉つる性木。葉は互生し、長さ3~12㎝の広卵形~卵心形、変化が多く、3裂することもある。全縁で、長さ2~4㎝の柄がつく。雌雄異株。夏に円錐花序に小さな黄白色の花を多数つける。雌花、雄花とも花弁も萼片も6個。花弁は先が2裂する。萼片も花弁と色が同じで、花弁より大きい。雄しべは6個、葯室はそれぞれ4個ある。雌しべは1個、子房が6個の心皮に分かれている。花後に心皮が離れ、各々が1個の果実になる。果実は直径約6㎜の核果、秋に熟し、藍黒色に白粉を被る。核は直径約5㎜、厚さ約3㎜、黄褐色、アンモナイトのような形をしている。2n=20。花期は7~9月。

 4  Cocculus acutus (Thunb.) Makino  ツヅラフジ(オオツヅラフジ)
   ⇒Sinomenium acutum (Thunb.) Rehder et E.H.Wilson


 参考

1) Flora of China
  Cocculus
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=107477
2)GRIN
 Cocculus
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=2741
3) Flora of North America
 Cocculus
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=107477

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