シロヨメナ 白嫁菜

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae シオン属

別 名 ヤマシロギク
中国名 三脉紫菀 san mai zi wan
山白蘭 shān bái lán
学 名 Aster ageratoides var. laticorymbus (Vaniot) Hand.-Mazz.

 synonym Aster leiophyllus Franch. et Savat. var. leiophyllus [YList]

 synonym Aster ageratoides Turcz. var. leiophyllus (Franch. et Sav.) Y.Ling

 synonym Aster ageratoides Turcz. 広義

 synonym Aster ageratoides Turcz. subsp. leiophyllus (Franch. et Savat.)Kitam.


シロヨメナの花
シロヨメナの筒状花
シロヨメナの花横
シロヨメナの総苞
シロヨメナの茎
シロヨメナ
シロヨメナ葉表
シロヨメナ葉裏
花 期 (8)9~11月
高 さ 30~100㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の林縁、林内
分 布 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
撮 影 東栄町  14.9.23
キク科シオン属の多年草であり、山に多く、林縁などの半陰地に生える。
 全体に毛は少なく、まばら。茎は直立~やや斜上し、やや紫色を帯び、下部はほぼ無毛。葉は長さ5~15㎝、幅2~5㎝、先が尖り、長楕円状披針形、3脈が目立ち、下部の葉では粗い鋸歯がある。葉に毛がほとんどないため、葉裏の脈が目立ち、ざらつかない。基部はくさび形で、根元に近いところでくびれてやや翼状になり、柄はほとんどない。花柄は長さ0.5~3㎝。花は普通、白色で、直径1.5~2㎝と小型。総苞は長さ約4㎜、筒形~球形。総苞片は3列。果実は長さ2~3㎜、冠毛の長さ3~4㎜。2n=18,27,36.(45),54
 シロヨメナの学名は分類が難しく、学名には諸説ある。Kewscienceでは広義には東アジアに広く分布するAster ageratoides Turcz.とし、狭義にはAster ageratoides var. laticorymbusとされる。Aster ageratoidesは中国、台湾、朝鮮などにも分布する。花が紫色を帯び、日本のシロヨメナとはやや異なるところもある。日本のシロヨメナでも、四国には紫色を帯びるものが多い。Aster ageratoides var. ageratoidesは

シロヨメナの学名

 KewscienceではAster ageratoides Turcz.を東アジアに広く分布する種とし、Aster ageratoides var. ageratoidesは日本を分布域に含め、東アジアに広く分布する変種としている。Flora of ChinaはAster ageratoides var. laticorymbusとAster ageratoides var. leiophyllus(シロヨメナ)を区別しているが、KewscienceではAster ageratoides var. laticorymbusにAster ageratoides var. leiophyllusを含めており、これに従った。しかしYListではシロヨメナはAster leiophyllus var. leiophyllusとし、他の日本産をAster leiophyllusの変種としている。Aster ageratoides var. ageratoidesはチョウセンノコンギクとし日本を分布域に含めていない。Flora of TaiwanではAster ageratoides Turcz.を広義に扱い、Aster leiophyllusを含め、シロヨメナ(中国名は山白蘭)としている。

Plants of the World Online(Kewscience)の分類

1 Aster ageratoides Turcz. シロヨメナ 広義

  synonym Aster trinervius subsp. ageratoides (Turczaninow) Grierson [Flora of China]

 日本、韓国、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム原産。林内、林縁、雑木林、谷間の湿った場所に生える。
 茎は直立し、高さ40~100㎝、細くまたは太く、枝分かれし、伏剛毛がある(strigose)。葉は紙質(薄く、ときにかなり厚い)。葉身は広卵形、楕円形、または長円状披針形、下面には微軟毛があり、脈は伏剛毛があり、上面は伏剛毛があり、しばしば腺があり、または両面に小綿毛があり、基部の上に3脈があり(三行脈 triplinerved)、基部は漸尖する。総苞は直径4~10㎜。総苞片は先が緑色または紫褐色。周辺小花は紫色、帯緑色、または白色(Flora of China)。
1-1 Aster ageratoides var. alatopetiolatus (Kitam.) Kitam.
 アッサム、東ヒマラヤ、ラオス、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナム原産
 茎葉は基部が卵形で、基部が狭くなり、くさび形で、葉柄には翼がある。葉には、中央近くで枝分かれする明瞭な3脈があり(suprabasal trinervation:基部の上から出る三行脈)、よりザラつく。舌状小花は白色または淡青色。 総苞はやや狭く、総苞片は一般に淡緑色で、それほど黒紫色にならず、薄緑色または褐茶緑色。[Acta Phytotax. Geobot. 41(1-3): 87 (1990)]。
1-2 Aster ageratoides var. ageratoides チョウセンノコンギク
 日本、韓国、中国、台湾、ロシア、東ヒマラヤ、アッサム、チベット、ネパール、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。Flora of Chinaでは日本を分布域に含めない。YListでは日本を分布域に含めず、チョウセンノコンギクとし、シロヨメナを別種(Aster leiophyllus)に分けている。中国名は三脉紫菀 san mai zi wan。別名はシベリアノコンギク、ノヤマコンギク。
 葉は長円状披針形または狭披針形、質が薄く、上面は密に剛毛があり、下面はまばらに毛があるか、または無毛、葉脈に±毛があり、わずかに腺があり、縁は粗い鋸歯がある。総苞は長さ5~7㎜×幅6~10㎜、先は紫褐色。周辺小花は紫色または赤色(Flora of China)。
 茎は円柱形、高さ1m、分枝し、小剛毛がある。中部の茎葉は、しばしば長円状披針形で、基部は中央のやや下で、急に狭くなり、くさび形~円形、3脈があり、先は尖鋭形、紙質、上面は緑色、剛毛でザラつき、下面は淡色。総苞は卵形、乾くと半球状こま形、長さ5㎜×幅8~10㎜、花序柄は堅い。総苞片は鈍形、褐紫色、多少、薄膜状革質、縁には縁毛がある。花冠は淡紫色。花柱の枝の先は鋭い三角形。冠毛は褐紫色、長さ3mm、外側の剛毛は短く、少数。内側の剛毛は長い。外形は Aster leiophyllum に近いが、総苞が褐紫色、花冠は淡紫色。朝鮮、中国に分布する(参考9: J. J. B. 12(9) 643 1936)。
1-3 Aster ageratoides var. firmus (Diels) Hand.-Mazz.
 中国、ヒマラヤ南部原産。中国名は坚叶三脉紫菀 jian ye san mai zi wan。
 葉は卵形または長円状披針形、厚い紙質、下面は脈上に長い粗い毛があり、脈は明瞭で、網状。上面は密に剛毛があり、無毛になり、しばしば光沢があり、小区画(areoles)は泡状。周辺小花は白色または帯赤色(Flora of China)。
1-4 Aster ageratoides var. gerlachii (Hance) C.C.Chang ex Y.Ling
 中国原産。中国名は狭叶三脉紫菀 xia ye san mai zi wan。
 茎は上部に剛毛がある。葉は線状披針形、長さ5~8㎝×幅0.7~1㎝、下面は無毛、上面はまばらに粗い毛があり、基部は漸尖し、縁は浅い鋸歯があり、先は尖鋭形。総苞片は先が緑色。周辺小花は白色。2n=36(Flora of China)。
1-5 Aster ageratoides var. heterophyllus Maxim.
  synonym Aster nigrescens Vaniot
  synonym Aster ageratoides var. holophyllus Maximowicz [Flora of China]
 中国原産。中国名は异叶三脉紫菀 yi ye san mai zi wan。
 茎は多数、分枝する。中部の葉は長円状披針形、縁は粗く鋸歯がある。上部の葉は小さく、縁はしばしば全縁。総苞片は狭く、先は緑色、しばしば褐色の微突起がある(Flora of China)。

1-6 Aster ageratoides var. intermedius (Soejima) Mot.Ito & Soejima ケシロヨメナ 毛白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. intermedius Soejima [YList]

 日本固有変種。本州(中部地方以西)、四国、九州(北部)に分布。
 染色体数2n=36の4倍体がシロヨメナとイナカギクの中間的な形質を示し、シロヨメナの変種として分類されている。葉裏や茎に短毛が多く、長軟毛が少ない。ビロード状でなく、手触りがざらつく。頭花は直径約1.5㎝。4倍体2n=36。

1-7 Aster ageratoides var. lasiocladus (Hayata) Hand.-Mazz. ビロードヤマシロギク

  synonym Aster lasiocladus Hayata
  synonym Aster ageratoides subsp. lasiocladus (Hayata) Kitamura
  synonym Aster trinervius var. lasiocladus (Hayata) Yamamoto
 中国、台湾に分布。中国名は毛枝三脉紫菀 mao zhi san mai zi wan。
 茎は黄褐色または灰色の綿毛がある。葉は長円状披針形、しばしば小さくなり、長さ4~8㎝×幅1~3cm、質が厚く、上面には密に剛毛または密に綿毛があり、脈にはしばしば粗い毛があり、縁は浅い歯があり、先は鈍形または鋭形。総苞片は厚く、密に綿毛がある。周辺小花は白色。この植物は、一般的に風邪や頭痛、骨痛、蛇に咬まれ傷の治療用に使用されている [Flora of China]。

1-8 Aster ageratoides var. laticorymbus (Vaniot) Hand.-Mazz. シロヨメナ 白嫁菜

  synonym Aster ageratoides var. leiophyllus (Franch. & Sav.) Y.Ling
  synonym Aster laticorymbus Vaniot
  synonym Aster leiophyllus Franch. & Sav.

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. leiophyllus シロヨメナ[YList]

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. stenophyllus (Kitam.) H.Hara [YList]

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. robustus (Koidz.) H.Hara [YList]

  synonym Aster ageratoides var. leiophyllus (Franch. & Sav.) Y.Ling
 日本(本州、四国、九州)、中国、台湾原産。しかし、Flora of Chinaでは中国固有種とし、中国名は宽伞三脉紫菀 kuan san san mai zi wan、シロヨメナは日本、台湾に分布するAster ageratoides var. leiophyllusとしている。YListではシロヨメナを別種のAster leiophyllusに分けている。
 山地に多く、林縁などの半陰地に生える。KewscienceではAster ageratoides var. laticorymbusにAster ageratoides var. leiophyllusを含めている。Flora of ChinaではAster ageratoides var. laticorymbusとAster ageratoides var. leiophyllus(シロヨメナ)を分けている。YListではシロヨメナを別種のAster leiophyllus var. leiophyllusとしている。
 全体に毛は少なく、まばら。茎は高さ0.3~1m。直立~やや斜上し、やや紫色を帯び、下部はほぼ無毛。葉は長さ5~15㎝×幅2~5㎝、先が尖り、長円状披針形、3脈が目立ち、下部の葉では粗い鋸歯がある。葉に毛がほとんどないため、葉下面の脈が目立ち、ざらつかない。基部はくさび形で、根元に近いところでくびれてやや翼状になり、葉柄はほとんどない。花序柄は長さ0.5~3㎝。頭花は普通、白色で、直径1.5~2㎝と小型。総苞は長さ約4㎜、筒形。総苞片は3列。痩果は長さ2~3㎜、冠毛は長さ3~4㎜。2n=18,(45),54。花期は8~11月。
1-9 Aster ageratoides var. micranthus Y.Ling
 中国原産。中国名は小花三脉紫菀 xiao hua san mai zi wan。林内、茂みに生える。
 茎は高さ60~100㎝、細く、多数、分枝する。葉は線状披針形、薄い紙質、両面がほぼ無毛で、上面の小区画(areoles)は±泡状です。中部の葉は長さ6~17㎝×幅0.4~1.5㎝、縁はまばらに浅い歯があるかまたはほぼ全縁。頭花は小さく、腋生および頂生の散房花序につく。花序柄は細い。総苞は長さ3~4㎜×幅4~5㎜。総苞片は薄く、先は紫褐色または緑色。周辺小花は白色、線形、長さ4~5㎜。中心小花よび冠毛は長さ約4㎜。2n=18(Flora of China)。
1-10 Aster ageratoides var. oophyllus Ling ex J.Q.Fu
  synonym Aster blinii H. Léveillé
 中国(湖北省、陝西省、四川省、雲南省)原産。中国名は卵叶三脉紫菀 luan ye san mai zi wan。
 葉は卵形または卵状披針形、やや厚く、下面にはまばらに毛があり、上面は剛毛があり、縁には浅い鋸歯がある。総苞片は先が赤みを帯びる。周辺小花は帯赤色または白色(Flora of China)。

1-11 Aster ageratoides var. ovalifolius Kitam. タマバシロヨメナ 珠葉白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. ovalifolius (Kitam.) H.Hara [YLiost]

 日本固有変種。日本(東北~近畿地方)に分布。主に日本海側の海岸近くの林縁、草地などに生える。
 多年草。地下茎は長く這う。茎は高さ45~100cm、曲毛がある。茎中部~下部につく葉は短柄があり、葉身は卵形、長さ6~13㎝×幅3~6.5㎝、縁に欠刻状の歯があり、質はやや薄いが、硬く、上面は緑色、多少短毛があり、下面は淡緑色。頭花は白色、直径1.5~2㎝。総苞は筒形、長さ約4mm。総苞片は質がやや薄く、先が鈍形、暗緑色で微毛がある。痩果は狭長倒卵形、やや扁平、長さ1.8~2.8㎜×幅約1mm、有毛、先は急に少し狭まる。冠毛は多数、長さ3.5~4㎜。花期は9~11月。
 茎はより丈夫で、直立し、曲がりくねり、先で枝分かれする。茎葉は卵形、長さ10~12㎝、幅4.5~6㎝、先は鋭形、基部は丸みを帯びたくさび形で無柄、縁は粗く欠刻状の歯があり、歯は鈍形で微突があり、質は薄く、上面は緑色、下面は淡色、両側に微細なザラつく微軟毛がある(scabropuberula)。頭花はしばしば密につき、花序柄は短く、硬い。総苞の基部はこま形(turbinatum)、長さ4㎜、幅5~6㎜、総苞片(squamæ)は緩く覆瓦状、先は鈍形、帯褐色、縁毛がある。花柱の枝は先が鋭三角形。冠毛は長さ3㎜、汚赤色(sordide rufescens)。小舌(Ligulæ)は白色(albæ)(参考9)。
1-12 Aster ageratoides var. pendulus W.P.Li & G.X.Chen
 中国(湖南省)原産。中国名は垂茎三脉紫菀 chui jing san mai zi wan。
茎は垂れ下がり、多数分枝する。根生葉と下部の茎葉は頻繁に紫色になる。茎葉は線状披針形、上面にしばしば剛毛があり、基部は漸尖し、縁は約4対の鋸歯がある。総苞片は幅1.25~1.75㎜、先は緑色。周辺小花は白色。2n=60~92(Flora of China)。
1-13 Aster ageratoides var. pilosus (Diels) Hand.-Mazz.
  synonym Aster trinervius var. pilosus Diels
 中国原産。中国名は长毛三脉紫菀 chang mao san mai zi wan。
 葉は卵形または楕円状披針形、やや厚く、下面は密に短毛があり、腺があり、上面は短い小伏剛毛(strigillose)がある。葉脈と茎の上面には白色または灰色の長毛を開出し、毛は長さ約1㎜、基部は次第にまたは急に漸尖し、縁は浅い鋸歯がある。総苞片は先が紫褐色(Flora of China)。

1-14 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. sawadanus (Kitam.) H.Hara キントキシロヨメナ 金時白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. oligocephalus Nakai ex H.Hara [YList]

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. sawadanus (Kitam.) H.Hara

 日本固有変種。静岡県、神奈川県に分布する。別名はカミヤマシロヨメナ。
 茎は高さ30~40㎝、直立、屈曲し、細く、密に絨毛があり、まばらに散房花序が先端で分枝し、しばしば(sæpe)紫色を帯びる。下部(inferiora)と中部(mediaque)の葉(folia)は長円状披針形、長さ6~8㎝、先は長い尖鋭形、基部は急に狭まり鋭形、無柄、中央より上部にはまばらに微突のある鈍歯があり、両面に密に絨毛があり、質は薄く(textura debilia)、3脈がある。上部の葉は次第に小さくなる。頭花は緩く散房花序につき、花序柄は無毛で細い(oligocephala graciliter)。総苞は小さな筒形(parvum tubulosum)、長さ3mm、幅5㎜、総苞片(squama)は鈍形、紫色。花冠は白色(albæ)。花柱の枝(styli rami)は先が長い三角形、先端が鋭形。冠毛は長さ3~3.5㎜。痩果(achenia)は扁平、倒卵状長円形、長さ2.5㎜、絹毛状の絨毛がある(参考9)。花期は9~11月。
1-15 Aster ageratoides var. scaberulus (Miq.) Y.Ling
  synonym Aster scaberulus Miquel
  synonym Aster trinervius f. pubescens Kuntze
 中国、ベトナム原産。中国名は微糙三脉紫菀 wei cao san mai zi wan。
 葉は通常、卵形または卵状披針形、やや厚く、下面は密に微軟毛があり、密に腺があり、脈にはしばしば絨毛があるかまたは無毛、上面は密に剛毛、基部は徐々にまたは急に漸尖し、翼の狭いまたは翼のない短い葉柄があり、縁には浅い6~9鋸歯がある。総苞は長さ5~7㎜×幅6~10㎜、総苞片の先は緑色。周辺小花は白色または赤色を帯びる(Flora of China)。

1-16 Aster ageratoides Turcz. var. tenuifolius Kitam. ナガバシロヨメナ 長葉白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. tenuifolius (Kitam.) H.Hara [YList]

 日本固有変種。本州、四国、九州に分布。別名はイワバノギク。山地の渓流の岩上などに生える。
 渓流型の変種。高さ55~70㎝。葉が比較的小型で、線状披針形、長さ15~20㎝、先が長い尖鋭形。変異が連続的である。顕著に葉が小型で、細くなるものをイワバノギクと分類することもあったが、現在は同一変種として扱うのが普通。茎上部で分かれて頭花を3~5個つける。

 Kewscienceには掲載されていないが、以下のハイブリッドも知られている。
1-17 Aster ageratoides x A. iinumae  シロヨメナ×ユウガギク
  synonym Aster leiophyllus(シロヨメナ) x A. iinumae(ユウガギク)
1-18 Aster ageratoides x A. microcephalus var. ovatus ノコンシロヨメナ

  synonym Aster leiophyllus(シロヨメナ) x A. microcephalus var. ovatus(ノコンギク)


Digital Flora of Taiwanの分類

1 Aster ageratoides Turcz シロヨメナ
  synonym Aster ageratoides var. leiophyllus (Franch. et Savat.) Ling.
  synonym Aster ageratoides var. scandens
  synonym Aster leiophyllus Franch. & Sav.
  synonym Aster trinervius var. scandens Hayata
 日本、韓国、中国南東部~北東部、台湾、モンゴル、シベリア、東アジア原産。台湾名は山白蘭。1,500~2,500mの山地に生える。
 多年草、直立し、長い匍匐性の根茎を持つ。茎は円柱形、高さ40~110㎝、まれに、屈曲し、無毛または上部にわずかに毛があり、上部で分枝する。花期に根生葉は枯れる。茎葉は明瞭な3脈があり、両面はほぼ無毛またはほとんど毛がない。中部の葉は長さ4~12㎝×幅2~4㎝、卵状長円形または長円状披針形、先は尖鋭形または漸尖する尖鋭形、基部は鋭く狭まり、漸尖するくさび形、ほぼ無柄または短柄があり、縁は鋸歯があり、4~8 対の浅い歯がある。上部の葉は小さい。頭花は数個~多数、緩い散房花序につき、幅1.5~2㎝。花序柄は長さ2~10㎜。総苞は鐘形~半球形、高さ3~4.5㎜×幅4.5~6㎜、総苞片は3~4列、緑色~帯紫色、草質、やや薄膜質、1脈が内側にあり、狭披針形、先は鈍形~鋭形、全縁、無毛または外側にわずかに粗毛があり、縁は通常、繊毛がある。内側の総苞片は徐々に長くなり、長さ3~4.5㎜×幅 0.5~1㎜。外側の総苞片は長さ1.7~2㎜×幅0.8~1.3㎜。周辺小花は10~15個、舌部は通常、白色、まれに帯紫色、長さ5~8㎜×幅0.8~1.4㎜。中心小花は黄色。冠毛は汚白色または帯赤色、成熟すると長さ4~5㎜になる。痩果は披針形~倒卵形、扁平、淡褐色、長さ2~3㎜×幅0.7~1.2㎜、絹毛がある。花期は9~2月。2n=18, 36, 37。

YListの分類

1 Aster ageratoides Turcz. チョウセンノコンギク 朝鮮野紺菊 狭義
  synonym Aster ageratoides Turcz. var. adustus Maxim.
  synonym Aster adustus (Maximowicz) Koidzumi ex Nakai
 朝鮮、中国、ロシアに分布。中国名は三脉紫菀 san mai zi wan。別名はシベリアノコンギク、ノヤマコンギク。
 茎は円柱形、高さ1m、分枝し、小剛毛がある。中部の茎葉は、しばしば長円状披針形で、基部は中央のやや下で、急に狭くなり、くさび形~円形、3脈があり、先は尖鋭形、紙質、上面は緑色、剛毛でザラつき、下面は淡色。総苞は卵形、乾くと半球状こま形、長さ5㎜×幅8~10㎜、花序柄は堅い。総苞片は鈍形、褐紫色、多少、薄膜状革質、縁には縁毛がある。花冠は淡紫色。花柱の枝の先は鋭い三角形。冠毛は褐紫色、長さ3mm、外側の剛毛は短く、少数。内側の剛毛は長い。外形は Aster leiophyllum に近いが、総苞が褐紫色、花冠は淡紫色。朝鮮、中国に分布する(参考9: J. J. B. 12(9) 643 1936)。
2-1 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. leiophyllus シロヨメナ 白嫁菜

  synonym Aster ageratoides Turcz. var. leiophyllus (Franch. et Sav.) Y.Ling [Flora of China]

  synonym Aster ageratoides subsp. leiophyllus (Franchet & Savatier) Kitamura. [参考9]

  synonym Aster leiophyllus Fr. et Sav.
  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. stenophyllus (Kitam.) H.Hara
  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. robustus (Koidz.) H.Hara

  synonym Aster ageratoides var. laticorymbus (Vaniot) Hand.-Mazz. [Kewscience]

 KewscienceではAster ageratoides var. laticorymbusのsynonymとされている。
 日本(本州、四国、九州)、台湾に分布。中国名は光叶三脉紫菀 guang ye san mai zi wan(野白菊花, 山白蘭)。別名はヤマシロギク、ホソバノシロヨメナ、オオバナシロヨメナ、オオヤマシロギク。Flora of Chinaでは中国を分布域に含めず、Aster ageratoides var. laticorymbusを中国固有種としている。
 茎は円柱形、斜上し、高さ1m、分枝し、曲がりくねる。 葉は長円状披針形、先が長い尖鋭形、基部は中央よりやや急に狭くなり、漸尖し無柄、縁は粗く鋭い鋸歯があり、上面は鮮やかな緑色で、 3脈があり、下面は淡緑色で、しばしば多少、ザラつく。頭花は小さく、多数、細い花序柄がある。総苞は小さな筒形、乾くと、倒円錐形(こま形)、長さ4㎜×幅5~6㎜、総苞片は薄く、鈍形、背は褐緑色がかった縁毛があり、脈はない。花冠は白色。花柱の枝は長円状披針形、先は鈍形。冠毛は白色または帯赤色、長さ4㎜(参考9)。2n=18, 18+1-3B, 27, 34, 36+0-4B, 37, 54, 81。

2-2 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. harae (Makino) H.Hara サガミギク 相模菊

  synonym Aster ageratoides Turcz. var. harae (Makino) Kitam., J. Jap. Bot. 12: 645 (1936)

  synonym Aster leiophyllus var. purpurascens Honda Tokyo Bot. Mag. XLIV (1930) p. 668.

 日本固有変種。本州(関東地方南西部)に分布。ー相模、駿河、武蔵山地の岩場、林内に生える。別名はムラサキヤマシロギク。
 多年草、高さ50~70㎝。茎は斜上または垂れ下がり、紫色を帯び、まばらに短毛があるかまたは無毛。葉は質がやや硬く、線状披針形~披針形、先は長い鋭尖形。頭花はややまばらに5~7個つく。周辺小花は淡紫色~白色。総苞片は先端が紫褐色。花期は9~11月。
 茎は、最上部を除いて非常に無毛で、条線があり、暗紫色。葉は両面無毛 または、ほぼ無毛(glabriuscula)、上面は暗紫色(atro-purpurea)、下面は褐緑色(fusco-viridia)。花は放射状の紫色。(参考16)

2-3 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. intermedius Soejima ケシロヨメナ 毛白嫁菜

  synonym Aster ageratoides Turcz. var. intermedius (Soejima) Mot.Ito et Soejima [Kewscience]

 日本固有変種。本州(中部地方以西)、四国、九州(北部)に分布。
 染色体数2n=36の4倍体がシロヨメナとイナカギクの中間的な形質を示し、シロヨメナの変種として分類されている。葉裏や茎に短毛が多く、長軟毛が少ない。ビロード状でなく、手触りがざらつく。頭花は直径約1.5㎝。4倍体2n=36。

2-4 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. oligocephalus Nakai ex H.Hara キントキシロヨメナ 金時白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. sawadanus (Kitam.) H.Hara

  synonym Aster ageratoides Turcz. var. sawadanus Kitam. [Kewscience]
 日本固有変種。静岡県、神奈川県に分布する。別名はカミヤマシロヨメナ。
 茎は高さ30~40㎝、直立、屈曲し、細く、密に絨毛があり、まばらに散房花序が先端で分枝し、しばしば(sæpe)紫色を帯びる。下部(inferiora)と中部(mediaque)の葉(folia)は長円状披針形、長さ6~8㎝、先は長い尖鋭形、基部は急に狭まり鋭形、無柄、中央より上部にはまばらに微突のある鈍歯があり、両面に密に絨毛があり、質は薄く(textura debilia)、3脈がある。上部の葉は次第に小さくなる。頭花は緩く散房花序につき、花序柄は無毛で細い(oligocephala graciliter)。総苞は小さな筒形(parvum tubulosum)、長さ3mm、幅5㎜、総苞片(squama)は鈍形、紫色。花冠は白色(albæ)。花柱の枝(styli rami)は先が長い三角形、先端が鋭形。冠毛は長さ3~3.5㎜。痩果(achenia)は扁平、倒卵状長円形、長さ2.5㎜、絹毛状の絨毛がある(参考9)。花期は9~11月。

2-5 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. ovalifolius (Kitam.) H.Hara タマバシロヨメナ 珠葉白嫁菜

  synonym Aster ageratoides var. ovalifolius Kitam. [Kewscience]
 日本(東北~近畿地方)に分布。主に日本海側の海岸近くの林縁、草地などに生える。
 多年草。地下茎は長く這う。茎は高さ45~100cm、曲毛がある。茎中部~下部につく葉は短柄があり、葉身は卵形、長さ6~13㎝×幅3~6.5㎝、縁に欠刻状の歯があり、質はやや薄いが、硬く、上面は緑色、多少短毛があり、下面は淡緑色。頭花は白色、直径1.5~2㎝。総苞は筒形、長さ約4mm。総苞片は質がやや薄く、先が鈍形、暗緑色で微毛がある。痩果は狭長倒卵形、やや扁平、長さ1.8~2.8㎜×幅約1mm、有毛、先は急に少し狭まる。冠毛は多数、長さ3.5~4㎜。花期は9~11月。
 茎はより丈夫で、直立し、曲がりくねり、先で枝分かれする。茎葉は卵形、長さ10~12㎝、幅4.5~6㎝、先は鋭形、基部は丸みを帯びたくさび形で無柄、縁は粗く欠刻状の歯があり、歯は鈍形で微突があり、質は薄く、上面は緑色、下面は淡色、両側に微細なザラつく微軟毛がある(scabropuberula)。頭花はしばしば密につき、花序柄は短く、硬い。総苞の基部はこま形(turbinatum)、長さ4㎜、幅5~6㎜、総苞片(squamæ)は緩く覆瓦状、先は鈍形、帯褐色、縁毛がある。花柱の枝は先が鋭三角形。冠毛は長さ3㎜、汚赤色(sordide rufescens)。小舌(Ligulæ)は白色(albæ)(参考9)。

2-6 Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. tenuifolius (Kitam.) H.Hara ナガバシロヨメナ 長葉白嫁菜

  synonym Aster leiophyllus Franch. & Sav. var. tenuifolius (Kitam.) H.Hara
  synonym Aster ageratoides Turcz. var. tenuifolius Kitam. [Kewscience]
 日本固有変種。本州、四国、九州に分布。別名はイワバノギク。山地の渓流の岩上などに生える。
 渓流型の変種。高さ55~70㎝。葉が比較的小型で、線状披針形、長さ15~20㎝、先が長い尖鋭形。変異が連続的である。顕著に葉が小型で、細くなるものをイワバノギクと分類することもあったが、現在は同一変種として扱うのが普通。茎上部で分かれて頭花を3~5個つける。

2-7 Aster leiophyllus(シロヨメナ) x A. microcephalus var. ovatus(ノコンギク) ノコンシロヨメナ

  synonym Aster ageratoides(シロヨメナ) x A. microcephalus var. ovatus(ノコンギク)

Flora of Chinaの分類

 Flora of Chinaでは広義のシロヨメナをAster trinervius subsp. ageratoides (Turczaninow) Griersonとし、その変種はAster ageratoidesの変種を列記している。
1 Aster ageratoides Turcz. シロヨメナ 広義
  synonym Aster trinervius subsp. ageratoides (Turczaninow) Grierson
 日本、韓国、中国、台湾、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、東ロシア、北タイ、ベトナム原産。中国名は三脉紫菀 san mai zi wan。
 茎は直立し、高さ40~100㎝、細くまたは太く、枝分かれし、伏剛毛がある(strigose)。葉は紙質(薄く、ときにかなり厚い)。葉身は広卵形、楕円形、または長円状披針形、下面には微軟毛があり、脈は伏剛毛があり、上面は伏剛毛があり、しばしば腺があり、または両面に小綿毛があり、基部の上に3脈があり(三行脈 triplinerved)、基部は漸尖する。総苞は直径4~10㎜。総苞片は先が緑色または紫褐色。周辺小花は紫色、帯緑色、または白色(Flora of China)。
1-1 Aster ageratoides var. ageratoides
  synonym Aster ageratoides Turcz. var. adustus Maxim.
  synonym Aster adustus (Maximowicz) Koidzumi ex Nakai
 朝鮮、中国、ロシアに分布。中国名は三脉紫菀 san mai zi wan(基準変種)。別名はシベリアノコンギク、ノヤマコンギク。
 葉は長円状披針形または狭披針形、質が薄く、上面は密に剛毛があり、下面はまばらに毛があるか、または無毛、葉脈に±毛があり、わずかに腺があり、縁は粗い鋸歯がある。総苞は長さ5~7㎜×幅6~10㎜、先は紫褐色。周辺小花は紫色または赤色。
1-2 Aster ageratoides var. firmus (Diels) Handel-Mazzetti
  synonym Aster trinervius var. firmus Diels
 中国、ヒマラヤ南部原産。中国名は坚叶三脉紫菀 jian ye san mai zi wan。
 葉は卵形または長円状披針形、厚い紙質、下面は脈上に長い粗い毛があり、脈は明瞭で、網状。上面は密に剛毛があり、無毛になり、しばしば光沢があり、小区画(areoles)は泡状。周辺小花は白色または帯赤色。
1-3 Aster ageratoides var. gerlachii (Hance) C. C. Chang ex Y. Ling
  synonym Aster gerlachii Hance
 中国原産。中国名は狭叶三脉紫菀 xia ye san mai zi wan。
 茎は上部に剛毛がある。葉は線状披針形、長さ5~8㎝×幅0.7~1㎝、下面は無毛、上面はまばらに粗い毛があり、基部は漸尖し、縁は浅い鋸歯があり、先は尖鋭形。総苞片は先が緑色。周辺小花は白色。2n=36。
1-4 Aster ageratoides var. holophyllus Maximowicz 
  synonym Aster nigrescens Vaniot.
 中国原産。中国名は异叶三脉紫菀 yi ye san mai zi wan。
 茎は多数、分枝する。中部の葉は長円状披針形、縁は粗く鋸歯がある。上部の葉は小さく、縁はしばしば全縁。総苞片は狭く、先は緑色、しばしば褐色の微突起がある。
1-5 Aster ageratoides var. lasiocladus (Hayata) Handel-Mazzetti ビロードヤマシロギク
  synonym Aster lasiocladus Hayata
  synonym Aster ageratoides subsp. lasiocladus (Hayata) Kitamura
  synonym Aster trinervius var. lasiocladus (Hayata) Yamamoto
 中国、台湾に分布。中国名は毛枝三脉紫菀 mao zhi san mai zi wan。
 茎は黄褐色または灰色の綿毛がある。葉は長円状披針形、しばしば小さくなり、長さ4~8㎝×幅1~3cm、質が厚く、上面には密に剛毛または密に綿毛があり、脈にはしばしば粗い毛があり、縁は浅い歯があり、先は鈍形または鋭形。総苞片は厚く、密に綿毛がある。周辺小花は白色。この植物は、一般的に風邪や頭痛、骨痛、蛇に咬まれ傷の治療用に使用されている。
1-6 Aster ageratoides var. laticorymbus (Vaniot) Handel-Mazzetti
  synonym Aster laticorymbus Vanio
 中国に分布。中国名は宽伞三脉紫菀 kuan san san mai zi wan。
 茎は多数、分枝。中部の葉は長円状披針形または卵状披針形、下面はしばしば無毛になり、基部は漸尖し、縁には7~8対の鋸歯がある。上部の葉は卵形または披針形、小さく、縁は全縁または歯がある。総苞片は狭く、先が緑色。周辺小花はしばしば白色。2n=18 ,36 ,54。
1-7 Aster ageratoides var. leiophyllus (Franchet & Savatier) Y. Ling シロヨメナ

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. leiophyllus [YList]

  synonym Aster leiophyllus Franchet & Savatier
  synonym Aster ageratoides f. leucanthus Kitamura

  synonym Aster ageratoides subsp. leiophyllus (Franchet & Savatier) Kitamura.

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. stenophyllus (Kitam.) H.Hara

  synonym Aster leiophyllus Franch. et Sav. var. robustus (Koidz.) H.Hara

 日本(本州、四国、九州)、台湾に分布。中国名は光叶三脉紫菀 guang ye san mai zi wan(野白菊花, 山白蘭)。別名はヤマシロギク、ホソバノシロヨメナ、オオバナシロヨメナ、オオヤマシロギク。Flora of Chinaでは中国を分布域に含めない。
 葉は長円状披針形、下面は脈上に短く荒い毛があり、上面は±剛毛があり、基部は急に狭まり、無柄または短柄があり、縁は密に鋭い鋸歯があり、先は長い尖鋭形。頭花は小さく、花序柄は細い。総苞は乾くと倒円錐形、長さ約4㎜×幅5~6mm。総苞片は先が鈍形、先端は褐色。周辺小花は白色。冠毛は白色または赤褐色。2n=18, 18+1-3B, 27, 34, 36+0-4B, 37, 54, 81。
1-8 Aster ageratoides var. micranthus Y. Ling
 中国原産。中国名は小花三脉紫菀 xiao hua san mai zi wan。林内、茂みに生える。
 茎は高さ60~100㎝、細く、多数、分枝する。葉は線状披針形、薄い紙質、両面がほぼ無毛で、上面の小区画(areoles)は±泡状です。中部の葉は長さ6~17㎝×幅0.4~1.5㎝、縁はまばらに浅い歯があるかまたはほぼ全縁。頭花は小さく、腋生および頂生の散房花序につく。花序柄は細い。総苞は長さ3~4㎜×幅4~5㎜。総苞片は薄く、先は紫褐色または緑色。周辺小花は白色、線形、長さ4~5㎜。中心小花よび冠毛は長さ約4㎜。2n=18。
1-9 Aster ageratoides var. oophyllus Y. Ling
  synonym Aster blinii H. Léveillé
 中国(湖北省、陝西省、四川省、雲南省)原産。中国名は卵叶三脉紫菀 luan ye san mai zi wan。
 葉は卵形または卵状披針形、やや厚く、下面にはまばらに毛があり、上面は剛毛があり、縁には浅い鋸歯がある。総苞片は先が赤みを帯びる。周辺小花は帯赤色または白色。
1-10 Aster ageratoides var. pendulus W. P. Li & G. X. Chen
 中国(湖南省)原産。中国名は垂茎三脉紫菀 chui jing san mai zi wan。
茎は垂れ下がり、多数分枝する。根生葉と下部の茎葉は頻繁に紫色になる。茎葉は線状披針形、上面にしばしば剛毛があり、基部は漸尖し、縁は約4対の鋸歯がある。総苞片は幅1.25~1.75㎜、先は緑色。周辺小花は白色。2n=60~92。
1-11 Aster ageratoides var. pilosus (Diels) Handel-Mazzetti
  synonym Aster trinervius var. pilosus Diels
 中国原産。中国名は长毛三脉紫菀 chang mao san mai zi wan。
 葉は卵形または楕円状披針形、やや厚く、下面は密に短毛があり、腺があり、上面は短い小伏剛毛(strigillose)がある。葉脈と茎の上面には白色または灰色の長毛を開出し、毛は長さ約1㎜、基部は次第にまたは急に漸尖し、縁は浅い鋸歯がある。総苞片は先が紫褐色。
1-12 Aster ageratoides var. scaberulus (Miquel) Y. Ling
  synonym Aster scaberulus Miquel
  synonym Aster trinervius f. pubescens Kuntze
 中国、ベトナム原産。中国名は微糙三脉紫菀 wei cao san mai zi wan。
 葉は通常、卵形または卵状披針形、やや厚く、下面は密に微軟毛があり、密に腺があり、脈にはしばしば絨毛があるかまたは無毛、上面は密に剛毛、基部は徐々にまたは急に漸尖し、翼の狭いまたは翼のない短い葉柄があり、縁には浅い6~9鋸歯がある。総苞は長さ5~7㎜×幅6~10㎜、総苞片の先は緑色。周辺小花は白色または赤色を帯びる。

参考

1) Taxonomy - GRIN-Global Web v 1.9.9.2
 Aster
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1069
2) Flora of North America
 Aster
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=316902
 Mauranthemum paludosum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=250067169
3) Flora of China
 Aster
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=102902
4) Recent name changes in the aster family (Asteraceae)
 Aster.
http://www.guynesom.com/AsternamesWEB.htm
5) Asteraceae
 Asteraceae Bercht. et J.Presl (キク科), aster family
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~tsuyu/top/plt/aster/fam.html
6)Aster amellus - La Valle del Metauro
 Aster amellus  
http://www.lavalledelmetauro.it/contenuti/funghi-flora-fauna/scheda/1415.html
7)ノコンギクの学名の訂正
 Aster microcephalus (Miq.) Franch. & Sav.,
 the Correct Name for A. ovatus (Franch. & Sav.) Mot. Ito & Soejima
https://ci.nii.ac.jp/naid/110003758669
8)植物研究雑誌 12(8): 529–536(1936)
 北村四郎:本邦産シオン属の分類及び分布(其一)   9)植物研究雑誌 12巻 9号 640-652 (1936)
 本邦産シオン属の分類及び分布(共二)   10)植物研究雑誌 12(10): 721–729(1936)
 本邦産シオン属の分類及び分布(共三)   11)植物研究雑誌 32(1): 31–32(1957)
 籾山泰一:アキハギク(キヨスミギク)を三浦に採る   12)植物研究雑誌 34(5): 158–159(1959)
 水島正美:エゾノコンギクと其の白花品   13)植物研究雑誌 78(4): 203–207(2003)
 林容錫,玄眞旿,申鉉哲:韓国産シオン属の1新種Aster pseudoglehni(キク科)   14)植物研究雑誌 91(1): 49–51(2016)
 粂川義雅 etc:ヤナギノギク(キク科)の管弁咲き新品種ツツザキヤナギノギク   15)横浜国立大学理科紀要. 第二類, 生物学・地学 27巻 7-18 1980
Polyploids and Distribution of Aster ageratoides subsp. leiophyllus Group in the Kanto District and Surrounding Area. I.
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1648&item_no=1&page_id=59&block_id=74
16)Tokyo Bot. Mag. XLIV (1930) p. 668.
 M. Honda:Nuntia ad Floram Japonicae VIII.   Tokyo Bot. Mag. XL (1926) p. 577.