ナギイカダ 梛筏

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ナギイカダ属

中国名 假叶树 jia ye shu
英 名 box-holly , butcher's-broom
学 名 Ruscus aculeatus L.
ナギイカダの花2
ナギイカダの花3
ナギイカダの葉状枝表
ナギイカダの葉状枝裏
ナギイカダの茎
ナギイカダ
ナギイカダ雌花
ナギイカダ花後
花 期 1~4月(果期 9~11月)
高 さ 20~80(100)㎝
生活型 常緑小低木
生育場所 栽培種
分 布 帰化種  地中海沿岸(トルコ、ハンガリー、アルバニア、旧ユーゴスラビア、ギリシャ、イタリア、フランス、ポルトガル、スペイン)
撮 影 豊橋市(植栽)   16.3.16
以前はナギイカダ科Ruscaceae」とする説もあった。APGⅢでは旧分類のユリ科から分割されたキジカクシ科とされている。和名は葉の様子がナギに似て、花がハナイカダのように葉の上に咲くように見えることから。 日本でも古くから栽培され、刺があるため、カラタチと同じように生け垣に使われていたとされている。今ではほとんど見られない。
 多年の常緑低木。根茎は匍匐し、太く、仮軸分枝し、茎を多数、直立する。灌木の茂みは楕円状~ピラミッド状。茎は多数の縦条線があり、緑色、直立し、多数分枝して、高さ20~80(100)㎝。葉は三角形の乾膜状の小鱗片、長さ2~4㎜、代わりに堅い革質の葉状枝(cladode)が葉腋から出る。葉状枝は長さ1~3.5㎝、幅1~2.5㎝、卵形、全縁、暗緑色、先が長さ1~2㎜の刺になる。ほぼ雌雄異株であり、両性花だけの株や、雄株に雌花がつくことがあり、これは不完全雄花(subandroecious)と分類されている(Martınez-Palle and Aronne 1999)。雄株と雌株は外観がよく似ている。花は1~2個、葉状枝の上面の中央にある長さ約2㎜の小さな乾膜質の苞の腋につく。短い花柄がある。花被は緑白色~白色、長さ1.5~3㎜、花被片は3個ずつが2輪につき、パピラがある。雌花は子房の周りに、花糸が融合して杯形になってつく。子房は上位、単室。柱頭はほぼ無柄、頭状。雄花は雄しべ3個、花糸は緑色~紫色、退化した子房の周りに、環状に融合する。果実は鮮やかな赤色、球形、直径8~14㎜、1~4個の大きな種子が入る。2n= 40。

ナギイカダ属

  family Asparagaceae - genus Ruscus

 低木または多年草。 高さ約1mになり、分枝し、退化した薄膜質の葉腋に平らな葉状枝(cladodes =平らな葉状の枝組織、phyllocladesともいわれる)をもつ。葉状枝は緑色で宿存し、平ら、単生し、卵形、披針形、又は楕円形、平行脈がある。雌雄同株又は雌雄異株。 花は単性、単生又はごく短い軸の総状花序につき、葉状枝の下面又は上面の中間で苞腋につく。花被は小さな星形、花被片は6個、基部でわずかに合着し、内花被片はわずかに小さい。 雄花は3本の雄しべが花糸で結合した雄しべ群が花被片の基部につき、葯は3個。雌花は子房に柄があり、3室。胚珠は各室に2個。果実は球形の液果、赤色に熟す。種子は1~8個。
 世界に5種あり、地中海沿岸地域、イラン、イギリスに分布する。

ナギイカダ属の主な種と園芸品種

1 Ruscus aculeatus L.  ナギイカダ  梛筏
  synonym Convallaria majalis L. var. majalis
  synonym Convallaria transcaucasIca Utkin ex Grossh コーカサススズラン
 地中海沿岸(トルコ、ハンガリー、アルバニア、旧ユーゴスラビア、ギリシャ、イタリア、フランス、ポルトガル、スペイン)原産。英名はbox-holly , butcher's-broom。中国名は假叶树 jia ye shu。観賞用によく栽培され、多くの園芸品種がある。
 多年の常緑低木。高さ20~80(100)㎝。根茎は匍匐し、太く、仮軸分枝し、茎を多数、直立する。灌木の茂みは楕円状~ピラミッド状。茎は多数の縦条線があり、緑色、直立し、多数分枝して、高さ20~80(100)㎝。葉は三角形の乾膜状の小鱗片、長さ2~4㎜、代わりに堅い革質の葉状枝(cladode)が葉腋から出る。葉状枝は長さ1~3.5㎝、幅1~2.5㎝、卵形、全縁、暗緑色、先が長さ1~2㎜の刺になる。ほぼ雌雄異株であり、両性花だけの株や、雄株に雌花がつくことがあり、これは不完全雄花(subandroecious)と分類されている(Martınez-Palle and Aronne 1999)。雄株と雌株は外観がよく似ている。花は1~2個、葉状枝の上面の中央にある長さ約2㎜の小さな乾膜質の苞の腋につく。短い花柄がある。花被は緑白色~白色、長さ1.5~3㎜、花被片は3個ずつが2輪につき、パピラがある。雌花は子房の周りに、花糸が融合して杯形になってつく。子房は上位、単室。柱頭はほぼ無柄、頭状。雄花は雄しべ3個、花糸は緑色~紫色、退化した子房の周りに、環状に融合する。果実は鮮やかな赤色、球形、直径8~14㎜、1~4個の大きな種子が入る。2n= 40。花期は1~4月。果期は9~11月。
品種) 'Christmas Berry' , 'John Redmond' (PBR) (f/m) , 'Lanceolatus' (f) , 'Mr. Lonely' , 'Sparkler' , 'Wheeler's Variety' (f/m)

2 Ruscus colchicus Yeo
 トルコ、西コーカサス原産。
品種) 'Trabzon'

3 Ruscus hypophyllum L.
 スペイン、シシリア島、北アフリカ(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)原産。英名はspineless butcher's-broom 。
 直立、低い低木、高さ45~55銭t。茎は単純、細かいうねがある。葉状枝(cladode)は幅25~35(~60)㎜×長さ 50~60 (~80) ㎜、下部では対生又は輪生、上部では互生し、楕円形~長円状披針形、基部が狭くなり、先は尖鋭形。鱗片葉は長さ約13㎜、披針形。花は白色~淡青色、葉状枝の上に束生する。苞は披針形、鱗片状。花柄は長さ約7㎜。花被片は長さ約5㎜長円形、鈍形。内花被片はほぼ鋭形。果実は直径8~10㎜、赤色、種子は2個。
品種) 'Irene Angel' , 'Spider' (PBR)

参考

1)Flora of Pakistan @ efloras.org
 Ruscus  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=128892
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Ruscus  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:24720-1
3)GRIN
 Ruscus  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus?id=10600
4)Flora Vascular
 Ruscus  
https://www.floravascular.com/index.php?genero=Ruscus
 Ruscus aculeatus L.  
https://www.floravascular.com/index.php?spp=Ruscus%20aculeatus