コバノカモメヅル 小葉の鴎蔓

mark

Flora of Mikawa

キョウチクトウ科 Apocynaceae カモメヅル属

中国名 镇江白前 zhen jiang bai qian .
学 名 Vincetoxicum sublanceolatum (Miq.) Maxim. var. sublanceolatum
Cynanchum sublanceolatum (Miq.) Matsum.
コバノカモメヅル花
コバノカモメヅル花2
コバノカモメヅル萼
コバノカモメヅル普通の花
コバノカモメヅル裂片が短く見える花
コバノカモメヅル短い花筒
コバノカモメヅル花4
コバノカモメヅル花粉塊
コバノカモメヅル果実
コバノカモメヅル
コバノカモメヅル副花冠・小球
コバノカモメヅル副花冠を上から
コバノカモメヅル種子
コバノカモメヅル葉
コバノカモメヅル葉(基部が切形)
コカモメヅル基部が心形の葉
花 期 7~9月
高 さ つる性
生活型 多年草
生育場所 湿地、草地、休耕田
分 布 在来種  本州(関東地方~近畿地方の太平洋岸)、中国
撮 影 新城市 11.9.8
旧ガガイモ科はキョウチクトウ科に含められた。
 茎は蔓状、よく分枝して伸び、他の木や草に巻きつく。葉は対生し、披針形~広披針形で、先が尖り、基部は浅い心形~切形。葉縁は全縁で、柄がある。花は直径7~15㎜、暗紫色。花冠は無毛、星形に5裂し、裂片は細長く、先が明瞭に捻じれる。ガガイモ科の特徴である副花冠は環状、5裂し、裂片は雄しべの真下にあり三角状卵形、基部が丸みを帯びて張り出し、表面は平滑。雄しべは雌しべを囲んで短筒状に合着し、肉柱体(ずい柱)を形成する。葯には膜質の付属体がある。花粉は花粉粒が集合し、黄色の塊状の花粉塊(惰円形)を作る。花粉塊は長さ約0.24㎜、葯室の中にあり、外からは見えない。隣の葯との付属体の間にある長さ約0.2㎜の紫褐色の小球(捕捉体)に2個ずつぶら下がってつく。袋果は長さ5~7㎝。種子は長さ約8㎜、長い種髪がつき、幅約5㎝に円く広げ、風で散布される。
 アズマカモメヅルはコバノカモメヅルの白花品種。花が緑白色。変種のシロバナカモメヅルも花が白色。
 コカモメヅルは葉が三角状卵形~卵状披針形で、基部が浅い心形。花序が長く、花が小型で、花冠の裂片が短く、三角状で内面に白色の毛がある。副花冠に微毛がある。
 コバノカモメヅルは葉の基部が円形~切形とされているが、明瞭な心形となることがあり、花冠の裂片も幅が広く見えるものもあり、基部の心形に注目するとコカモメヅルと混同しやすい。葉の形を比べるなら、基部でなく、コカモメヅルの葉は三角状である。花は花序の長さと花の大きさ、花冠の毛で確認すると簡単である。