和名の由来は神前に捧げる、白紙で作られる四手に花穂が似ていることからシデという。
幹は灰白色、平滑、老木は樹皮に縦筋状に浅い割れ目が入る。若芽は赤色を帯びない。葉は互生し、長さ4~12㎝、幅2~5㎝の卵形~卵状長楕円形。先が鋭形、基部は円形~広いか椀形。側脈は12~16対、裏面に出っ張り、縁は不揃いの重鋸歯。葉裏の脈上と脈腋に毛がある。葉柄は長さ8~15㎜、淡褐色の毛が密生する。雌雄同株。開花は葉の展開と同時。雄花序は長さ約5㎝、垂れ下がり、苞の縁には長毛がある。雌花序は本年度の先又は短枝の腋から垂れ下がる。果穂は長さ4~12㎝、葉状の果苞がまばらに開き気味につく。果苞はアカシデより大きく、2~2.5(3.5)㎝、先が尖り、外側の縁に不揃いの鋭い鋸歯があり、内側はほぼ全縁、基部に堅果を包むように裂片がある。堅果は果苞の基部につき、長さ4~5㎜の扁平な広卵形、表面に縦の筋が約10本ある。
アカシデは若芽が赤色を帯びる。葉先が尾状に長く尖り、側脈が7~15対。果苞の幅がやや狭く、密集してつき、縁が基部で3裂し、粗い鋸歯がある。
サワシバや
クマシデは葉の重鋸歯が細かく、果穂の果苞が密につく。サワシバ は幹に菱形の裂け目が入り、クマシデより葉の幅が広く、基部が心形。果穂が長く、果苞の鋸歯が浅い。