ハハコグサ 母子草
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ハハコグサ属
別 名 | ホオコグサ、オギョウ |
中国名 | 拟鼠麴草 ni shu qu cao |
英 名 | cottonweed |
学 名 | Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb. synonym Gnaphalium affine D. Don |
花 期 | 4~6月 |
高 さ | 15~30㎝ |
生活型 | 2年草 |
生育場所 | 道端、空地、草地 |
分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国、東南アジア、イラン、オーストラリア |
撮 影 | 蒲郡市形原町 02.4.7 |
春の七草の1つで古くはホオコグサ又はオギョウ(御形)ともいわれた。ハハコグサ属が Gnaphalium からPseudognaphaliumに変更された。
全体に綿毛があり白っぽく見える。茎は下部がやや倒伏して先が直立する。花期にも根生葉が残る。茎葉はへら形で、長さ2~6㎝、幅0.4~1.2㎝、基部が茎に沿下する。茎の先が短く分枝し、多数の花をつける。頭花は黄色、球形、中央に両性花、周囲に雌花がつく。花冠は黄色、雌花の花筒が糸のように細く、先が3裂し、両性花の花筒は太く、先が5裂する。開花初期には雌花の2裂した花柱の先が細い花冠から突き出ている。春に咲くが、秋に咲いていることも多い。総苞片は総苞内片の中央基部を除いてほぼ透明、先半部の縁が黄色であり、果実が熟すと平開する。痩果は長さ0.5~0.6㎜、表面に乳頭状突起があり、長さ約2㎜の冠毛が1列につく。2n=14。
アキノハハコグサは秋に咲く別種である。茎が細く、上部でよく枝分かれし、秋には下部の葉は枯れたまま残っていることが多い。根生葉はへら状長楕円形、3脈があり、両面に毛がある。茎葉は線形、上面がほとんど無毛で、緑色に見え、基部は茎を抱く。小花の花柱が花冠から突き出す。
セイタカハハコグサは頭花が帯黄褐色~帯褐紫色。
ハハコグサやチチコグサの果実は冠毛があり、風で飛んでしまい採取が難しい。簡単な方法は果実ができた花を採取してきて、屋内の静かなところに置いておく。冠毛が乾いてきて開き、綿くずの塊のようになり果実が見えるようになる。
多年草、2年草、又は1年草。葉は互生し、平らで全縁、両面に綿毛がある。頭花は多数、団散花序( glomerule)状の散房花序につき、円盤型頭花(disciform :中心小花は両性又は機能が雄性、周辺小花は雌性)。総苞はほとんどが鐘形~円筒形。総苞片は紙質、帯白色、バラ色、黄褐色、又は帯褐色、不透明又は透明、鈍く又は光沢があり、機械組織(stereome)があり、普通、緑色。花托は平ら、パレアは無い。外側の小花は黄色、糸状。中央の小花は両性、黄色。葯は平らな付属体をもつ。花柱の枝は切形、先に毛がある。痩果は長円形、普通、平滑又はパピラがあり、4~6本の縦のうねがあり、短いこん棒形の対の毛をもつ。冠毛は1列、細管状の剛毛、分離。x=7。
世界に約90種があり、世界中に分布し、主に南アメリカから北アメリカの温帯にある。
synonym Gnaphalium luteoalbum L. subsp. affine (D.Don) Koster
日本全土、朝鮮、中国、東南アジア、イラン、オーストラリア原産。中国名は拟鼠麴草 ni shu qu cao。英名はcottonweed。別名はホオコグサ、オギョウ。道端、空地、草地に生える。
2年草。高さ15~30㎝。全体に綿毛があり白っぽく見える。茎は下部がやや倒伏して先が直立する。花期にも根生葉が残る。茎葉はへら形で、長さ2~6㎝、幅0.4~1.2㎝、基部が茎に沿下する。茎の先が短く分枝し、多数の花をつける。頭花は黄色、球形、中央に両性花、周囲に雌花がつく。花冠は黄色、雌花の花筒が糸のように細く、先が3裂し、両性花の花筒は太く、先が5裂する。開花初期には雌花の2裂した花柱の先が細い花冠から突き出ている。春に咲くが、秋に咲いていることも多い。総苞片は総苞内片の中央基部を除いてほぼ透明、先半部の縁が黄色であり、果実が熟すと平開する。痩果は長さ0.5~0.6㎜、表面に乳頭状突起があり、長さ約2㎜の冠毛が1列につく。2n=14。花期は4~6月。
中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は宽叶拟鼠麴草 kuan ye ni shu qu cao 。山の斜面、道端、むき出しの岩場に生える。
丈夫な草本。茎は直径4~8㎜、高さ50~100㎝、分枝せず又は稀に、下部で分枝し、丈夫で散房花序状に分枝し、密に羊毛状の毛がある。根生葉は花期に枯れる。中間と下部の茎葉は倒披針形~類楕円形、長さ4~9㎝×幅1~2㎝、革質、両面に密に綿毛があり、中脈は盛り上がり、基部は沿下し、先は鈍形。頭花は直径5~7㎜、茎上部の散房花序につく。総苞は黄色又は帯白色、3~4列、球形、幅5~6㎜、薄膜質。外総苞片は倒卵形~倒披針形、長さ約4㎜、円い。内総苞片は楕円形~長円形、長さ約4㎜。外側の小花は多数、花冠は長さ約3㎜。中央の小花は5~7個、長さ約3㎜。痩果は長円形、長さ約0.5㎜。冠毛は白色、長さ約3㎜。花期は8~10月。
日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、南西アジア(イラン)原産。中国名は秋拟鼠麴草 qiu ni shu qu cao。荒地、草地、道端に生える。
茎は直立し、高さ30~60(~80)㎝、普通、単純、上部で分枝し、灰色の軟毛~羊毛状の毛があるか又は帯褐色の腺がある。葉は線形、長さ1.5~7.5㎝×幅0.1~0.7㎝、2色、下面に白色の綿毛があり、上面は鈍い緑色の腺軟毛があり、縁は全縁~縮れ又は外巻きし、半抱茎、普通、波打つ。
頭花は密に散房花序に束生し、密に羊毛状の毛があり、直径3~3.5㎜。総苞片は4又は5裂、黄色~雪白色長円形、長さ約4㎜、先は鋭形まれに類鋭形。外側の小花は糸状、花冠は黄色、長さ約2㎜、3~4歯がある。中心小花は長さ約2㎜、花冠は5裂。痩果はパピラがあり、長さ約0.5㎜。冠毛は剛毛、白色、分離、微細な剛毛(刺状)があり、花冠と等長。花期は4~10月。2n=14。
Kewscienceではこの変種を認めていない。
synonym Gnaphalium luteoalbum L. 旧ハハコグサ属
synonym Gnaphalium adnatum auct. non Wall. ex DC.
中国、台湾、インド、パキスタン、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、パプアニューギニア、フィリピン、中央アジア、南西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、ニュジーランド原産。中国名は丝棉草 si mian cao。英名はjersey cudweed . winged cudweed。露出した野原や畑、道端、埋立地、荒地に生える。
1年草。高さ15~60㎝。全体に綿毛があり、ハハコグサに似て白っぽく見える。茎は基部で分枝し、下部がやや倒伏して先が直立する。葉は長さ1~6㎝の線形~スプーン形。小型の場合は葉が茎に沿うことも多い。茎の上部で1~6に分枝し、長さ1~8㎝の花序の柄の先に頭花を固めてつける。頭花は直径2~4㎜、先が帯黄褐色~帯褐紫色、色の濃いものもある。中央に筒状の4~10個の両性花、周囲に135~160個の雌花がつく。雌花の花筒が糸のように細い。総苞は長さ3~4.5㎜の円筒形~卵形、総苞片は3~4列。外総苞片はほぼ透明、内総苞片は下部が緑色、熟すと褐色になる。痩果は長さ0.6~0.7㎜、表面に乳頭状突起がある。冠毛は緩く合着し、長さ1.5~2㎜、束になって落ち、簡単に欠けた環になる。2n=14,28。花期は4~6月。
5 ハイブリッド
ハハコグサ×セイタカハハコグサ
Pseudognaphalium
BPseudognaphalium
Pseudognaphalium
Pseudognaphalium
全体に綿毛があり白っぽく見える。茎は下部がやや倒伏して先が直立する。花期にも根生葉が残る。茎葉はへら形で、長さ2~6㎝、幅0.4~1.2㎝、基部が茎に沿下する。茎の先が短く分枝し、多数の花をつける。頭花は黄色、球形、中央に両性花、周囲に雌花がつく。花冠は黄色、雌花の花筒が糸のように細く、先が3裂し、両性花の花筒は太く、先が5裂する。開花初期には雌花の2裂した花柱の先が細い花冠から突き出ている。春に咲くが、秋に咲いていることも多い。総苞片は総苞内片の中央基部を除いてほぼ透明、先半部の縁が黄色であり、果実が熟すと平開する。痩果は長さ0.5~0.6㎜、表面に乳頭状突起があり、長さ約2㎜の冠毛が1列につく。2n=14。
アキノハハコグサは秋に咲く別種である。茎が細く、上部でよく枝分かれし、秋には下部の葉は枯れたまま残っていることが多い。根生葉はへら状長楕円形、3脈があり、両面に毛がある。茎葉は線形、上面がほとんど無毛で、緑色に見え、基部は茎を抱く。小花の花柱が花冠から突き出す。
セイタカハハコグサは頭花が帯黄褐色~帯褐紫色。
ハハコグサやチチコグサの果実は冠毛があり、風で飛んでしまい採取が難しい。簡単な方法は果実ができた花を採取してきて、屋内の静かなところに置いておく。冠毛が乾いてきて開き、綿くずの塊のようになり果実が見えるようになる。
ハハコグサ属
family Asteraceae - genus Pseudognaphalium多年草、2年草、又は1年草。葉は互生し、平らで全縁、両面に綿毛がある。頭花は多数、団散花序( glomerule)状の散房花序につき、円盤型頭花(disciform :中心小花は両性又は機能が雄性、周辺小花は雌性)。総苞はほとんどが鐘形~円筒形。総苞片は紙質、帯白色、バラ色、黄褐色、又は帯褐色、不透明又は透明、鈍く又は光沢があり、機械組織(stereome)があり、普通、緑色。花托は平ら、パレアは無い。外側の小花は黄色、糸状。中央の小花は両性、黄色。葯は平らな付属体をもつ。花柱の枝は切形、先に毛がある。痩果は長円形、普通、平滑又はパピラがあり、4~6本の縦のうねがあり、短いこん棒形の対の毛をもつ。冠毛は1列、細管状の剛毛、分離。x=7。
世界に約90種があり、世界中に分布し、主に南アメリカから北アメリカの温帯にある。
ハハコグサ属の主な種
1 Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb. ハハコグサ 母子草synonym Gnaphalium luteoalbum L. subsp. affine (D.Don) Koster
synonym Pseudognaphalium luteoalbum (L.) Hilliard et B.L.Burtt subsp. affine (D.Don) Hilliard et B.L.Burtt
synonym Gnaphalium affine D.Don日本全土、朝鮮、中国、東南アジア、イラン、オーストラリア原産。中国名は拟鼠麴草 ni shu qu cao。英名はcottonweed。別名はホオコグサ、オギョウ。道端、空地、草地に生える。
2年草。高さ15~30㎝。全体に綿毛があり白っぽく見える。茎は下部がやや倒伏して先が直立する。花期にも根生葉が残る。茎葉はへら形で、長さ2~6㎝、幅0.4~1.2㎝、基部が茎に沿下する。茎の先が短く分枝し、多数の花をつける。頭花は黄色、球形、中央に両性花、周囲に雌花がつく。花冠は黄色、雌花の花筒が糸のように細く、先が3裂し、両性花の花筒は太く、先が5裂する。開花初期には雌花の2裂した花柱の先が細い花冠から突き出ている。春に咲くが、秋に咲いていることも多い。総苞片は総苞内片の中央基部を除いてほぼ透明、先半部の縁が黄色であり、果実が熟すと平開する。痩果は長さ0.5~0.6㎜、表面に乳頭状突起があり、長さ約2㎜の冠毛が1列につく。2n=14。花期は4~6月。
2 Pseudognaphalium adnatum (DC.) Y.S.Chen タイワンハハコグサ 台湾母子草
synonym Pseudognaphalium formosanum (Hayata) Yonek.中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は宽叶拟鼠麴草 kuan ye ni shu qu cao 。山の斜面、道端、むき出しの岩場に生える。
丈夫な草本。茎は直径4~8㎜、高さ50~100㎝、分枝せず又は稀に、下部で分枝し、丈夫で散房花序状に分枝し、密に羊毛状の毛がある。根生葉は花期に枯れる。中間と下部の茎葉は倒披針形~類楕円形、長さ4~9㎝×幅1~2㎝、革質、両面に密に綿毛があり、中脈は盛り上がり、基部は沿下し、先は鈍形。頭花は直径5~7㎜、茎上部の散房花序につく。総苞は黄色又は帯白色、3~4列、球形、幅5~6㎜、薄膜質。外総苞片は倒卵形~倒披針形、長さ約4㎜、円い。内総苞片は楕円形~長円形、長さ約4㎜。外側の小花は多数、花冠は長さ約3㎜。中央の小花は5~7個、長さ約3㎜。痩果は長円形、長さ約0.5㎜。冠毛は白色、長さ約3㎜。花期は8~10月。
3 Pseudognaphalium hypoleucum (DC.) Hilliard et B.L.Burtt アキノハハコグサ 秋の母子草
synonym Gnaphalium hypoleucum DC.日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、南西アジア(イラン)原産。中国名は秋拟鼠麴草 qiu ni shu qu cao。荒地、草地、道端に生える。
茎は直立し、高さ30~60(~80)㎝、普通、単純、上部で分枝し、灰色の軟毛~羊毛状の毛があるか又は帯褐色の腺がある。葉は線形、長さ1.5~7.5㎝×幅0.1~0.7㎝、2色、下面に白色の綿毛があり、上面は鈍い緑色の腺軟毛があり、縁は全縁~縮れ又は外巻きし、半抱茎、普通、波打つ。
頭花は密に散房花序に束生し、密に羊毛状の毛があり、直径3~3.5㎜。総苞片は4又は5裂、黄色~雪白色長円形、長さ約4㎜、先は鋭形まれに類鋭形。外側の小花は糸状、花冠は黄色、長さ約2㎜、3~4歯がある。中心小花は長さ約2㎜、花冠は5裂。痩果はパピラがあり、長さ約0.5㎜。冠毛は剛毛、白色、分離、微細な剛毛(刺状)があり、花冠と等長。花期は4~10月。2n=14。
3-1 Pseudognaphalium hypoleucum (DC.) Hilliard et B.L.Burtt var. amoyense (Hance) Yonek. アキノハハコグサモドキ 秋の母子草擬
synonym Gnaphalium hypoleucum DC. var. amoyense (Hance) Hand.-Mazz.Kewscienceではこの変種を認めていない。
4 Pseudognaphalium luteoalbum (L.) Hilliard et B.L.Burtt セイタカハハコグサ 背高母子草
synonym Laphangium luteoalbum (L.) Tzvelev [The Plant List] 旧ハハコグサ属
synonym Helichrysum luteoalbum (L.) Rchb. ムギワラギク属synonym Gnaphalium luteoalbum L. 旧ハハコグサ属
synonym Gnaphalium adnatum auct. non Wall. ex DC.
中国、台湾、インド、パキスタン、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、パプアニューギニア、フィリピン、中央アジア、南西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、ニュジーランド原産。中国名は丝棉草 si mian cao。英名はjersey cudweed . winged cudweed。露出した野原や畑、道端、埋立地、荒地に生える。
1年草。高さ15~60㎝。全体に綿毛があり、ハハコグサに似て白っぽく見える。茎は基部で分枝し、下部がやや倒伏して先が直立する。葉は長さ1~6㎝の線形~スプーン形。小型の場合は葉が茎に沿うことも多い。茎の上部で1~6に分枝し、長さ1~8㎝の花序の柄の先に頭花を固めてつける。頭花は直径2~4㎜、先が帯黄褐色~帯褐紫色、色の濃いものもある。中央に筒状の4~10個の両性花、周囲に135~160個の雌花がつく。雌花の花筒が糸のように細い。総苞は長さ3~4.5㎜の円筒形~卵形、総苞片は3~4列。外総苞片はほぼ透明、内総苞片は下部が緑色、熟すと褐色になる。痩果は長さ0.6~0.7㎜、表面に乳頭状突起がある。冠毛は緩く合着し、長さ1.5~2㎜、束になって落ち、簡単に欠けた環になる。2n=14,28。花期は4~6月。
5 ハイブリッド
(1) Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb. x P. luteoalbum (L.) Hilliard et B.L.Burtt アイセイタカハハコグサ
synonym Gnaphalium affine D.Don x G. luteoalbum L.ハハコグサ×セイタカハハコグサ
参考
1) GRINPseudognaphalium
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=4336
2) Kewscience BPseudognaphalium
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:290947-2
3) Flora of North AmericaPseudognaphalium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=127088
4)Flora of ChinaPseudognaphalium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=127088