樹皮着生、岩上着生。薄い膜状の葉状地衣、円形又は不規則に直径10㎝以下、深裂する。裂片の先は円く、ところどころに皺があり、粉芽や裂芽を欠く。子器はレカノラ型、多数、散生～密生してつき、直径0.8～2㎜。盤は平坦、光沢は無いかわずかにあり、淡赤色～暗赤色。果托は薄い。子嚢は長さ65～80µm、幅13～20 µm。胞子は長紡錘形、両端が尖り、長さ30～56µm、幅 4.0～8.5µm、 6室、まれに4室又は7～8室。粉子器は普通にあり、幅200µm以下。粉子は長さ約4µm、幅約1µm。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
　トゲカワホリゴケ Collema subflaccidum は樹皮着生、岩上着生。直径3～6㎝、裂片は幅0.5～1.5(3)㎝、先は円く、背面は中央から伸びる皺がなく、暗褐色～暗緑褐色～黒色、平滑、裂芽がある。裂芽は幅約0.05～0.1㎜、粒状～円筒状～サンゴ状となる。子器はまれ、幅1.5～2.5㎜。盤は淡赤色～暗赤色、果托は厚く、平滑。子嚢層は透明、高さ90～130µm。子嚢は胞子を8個入れる。胞子は透明、長さ 42～60(65)µm、幅(3)4.5～6.5µm 、(4)6～8室。粉子器は埋没する。粉子は長さ (3)4～4.5(6)µm、幅1～1.5(1.8)µm。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
　トゲカワホリゴケモドキ Collema fufuraceum は樹皮着生。背面中央から伸びる皺があり、裂芽に柄がある。
　カワホリゴケ Collema complanatum は樹枝上に着生する。裂芽や粉芽がない。背面に放射状の襞があり、顆粒を散生する。子器はレカノラ型、多数つき、直径0.5～1㎜、盤は暗赤褐色。胞子は無色、針状、長さ50～90µm、幅3～9µm、隔壁6～9.。
　イズカワホリゴケCollema leptaleum は樹皮着生の普通種。直径5㎝以下、背面に直立する高い襞が多数あり、顆粒がある。子器は多数つき、直径0.6～1.2㎜。盤は赤褐色、中凸。縁は不明瞭、果托に皮層がない。
　コバノイワノリCollema coccophorum 、イシバイイワノリ Collema tenax 、オオイシバイイワノリ Collema auriforme は石灰岩上に着生する。