ウスツメゴケ 薄爪木毛
Flora of Mikawa
ツメゴケ Peltigeraceae ツメゴケ属
中国名 | 裂边地卷 lie bian de juan |
英 名 | Degen's felt lichen |
学 名 | Peltigera dilacerata (Gyeln.) Gyeln. |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
生育形 | 葉状 |
大きさ | 直径 3~7 (10)㎝ |
生育場所 | 樹皮、土上 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、中国、台湾、ユーラシア、オーストラリア、ニュージーランド、北アメリカ |
撮 影 | 新城市(土上)設楽町 14.7.16 |
ツメゴケ属は子器が爪のようであり、腹面に普通、網目状の脈があることが特徴である。その多くはシアノバクテリアを共生藻とし、藍色ツメゴケ類という。腹面の脈が黒色のものと白色のものに分けられる。
地衣体は直径3~7(10)㎝、不規則に分裂し、裂片は平坦~凹面、長さは5㎝以下、幅(3~) 5 (~15)㎜、ほぼ全縁。背面は乾くと緑褐色~赤褐色、平滑、トメンタや白斑はなく、粉芽、裂芽を欠く。腹面は白色~淡褐色、腹面と同色の脈がある。偽根は単一~束生、淡褐色~褐色、太く、長さ15㎜以下。子器はサドル形、わずかに凸面、幅1.5~3.0 (5.0)㎜。盤は暗褐色。胞子は無色、長い紡錘形、5~7隔壁、長さ40~50µm、幅2.5~5.0µm。粉子器はない。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
<腹面の脈が白色のもの>
チヂレツメゴケ Peltigera praetextata は乾くと灰色~白色~青白色、ところどころにトメンタがあり、裂片は厚手で粉芽は無いが、縁部には扁平の小葉片がいぼ状~鱗片状に発達する。腹面は白色に淡褐色~褐色の網目があり、長い白色~褐色の偽根がある。胞子は無色、針状、長さ30~60µm、幅3~6µm、3~5隔壁。スポットテストは全て(-)。
フイリツメゴケ Peltigera didactyla は亜高山~高山に分布し、小さく、直径1~5㎝。背面は乾くと、灰色~白灰色~青灰色、湿ると黒色を帯びた緑色、平滑、光沢はなく、薄く、裂片の先端に白灰色のトメンタがあり、中央に白色のソラリアが多数つく。腹面は淡褐色、明瞭な淡褐色の脈がある。子器はよく見られ、縁につき、楕円状のサドル形、直径5㎜以下。盤は平滑、赤褐色~褐色。胞子は無色~淡褐色、長さ55~75µm、幅3.5~4.5µm、3~7隔壁。粉子器は見られない。スポットテストは全て(-)。
アカツメゴケ Peltigera rufescens 世界に広く分布し、比較的、陽地に生じ、直径5~15㎝。背面は乾くと灰褐色~褐色。裂片は細長く、幅1㎝以下、縁が波状になることが多い。粉芽を欠き、灰白色のトメンタがある。古くなると白粉も見られる。腹面は淡褐色~クリーム色、褐色の網状脈がある。偽根は褐色、密につく。子器は赤褐色~黒色。胞子は無色~淡褐色、ごく狭い紡錘形、長さ30~70µm、幅3~5µm、3~5(6)隔壁。スポットテストは全て(-)。
イヌツメゴケ Peltigera canina 高山の針葉樹林帯の蘚類の多い、地上、岩上に生じる。背面は灰色~灰褐色、白色のトメンタがある。腹面は白色を帯び、低い脈があり、偽根は白色、よく分岐する。いくつかの品種がある。
<腹面の脈が黒色のもの>
モミジツメゴケ、コモチモミジツメゴケ、ナガネツメゴケ、コフキツメゴケなど。
地衣体は直径3~7(10)㎝、不規則に分裂し、裂片は平坦~凹面、長さは5㎝以下、幅(3~) 5 (~15)㎜、ほぼ全縁。背面は乾くと緑褐色~赤褐色、平滑、トメンタや白斑はなく、粉芽、裂芽を欠く。腹面は白色~淡褐色、腹面と同色の脈がある。偽根は単一~束生、淡褐色~褐色、太く、長さ15㎜以下。子器はサドル形、わずかに凸面、幅1.5~3.0 (5.0)㎜。盤は暗褐色。胞子は無色、長い紡錘形、5~7隔壁、長さ40~50µm、幅2.5~5.0µm。粉子器はない。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
<腹面の脈が白色のもの>
チヂレツメゴケ Peltigera praetextata は乾くと灰色~白色~青白色、ところどころにトメンタがあり、裂片は厚手で粉芽は無いが、縁部には扁平の小葉片がいぼ状~鱗片状に発達する。腹面は白色に淡褐色~褐色の網目があり、長い白色~褐色の偽根がある。胞子は無色、針状、長さ30~60µm、幅3~6µm、3~5隔壁。スポットテストは全て(-)。
フイリツメゴケ Peltigera didactyla は亜高山~高山に分布し、小さく、直径1~5㎝。背面は乾くと、灰色~白灰色~青灰色、湿ると黒色を帯びた緑色、平滑、光沢はなく、薄く、裂片の先端に白灰色のトメンタがあり、中央に白色のソラリアが多数つく。腹面は淡褐色、明瞭な淡褐色の脈がある。子器はよく見られ、縁につき、楕円状のサドル形、直径5㎜以下。盤は平滑、赤褐色~褐色。胞子は無色~淡褐色、長さ55~75µm、幅3.5~4.5µm、3~7隔壁。粉子器は見られない。スポットテストは全て(-)。
アカツメゴケ Peltigera rufescens 世界に広く分布し、比較的、陽地に生じ、直径5~15㎝。背面は乾くと灰褐色~褐色。裂片は細長く、幅1㎝以下、縁が波状になることが多い。粉芽を欠き、灰白色のトメンタがある。古くなると白粉も見られる。腹面は淡褐色~クリーム色、褐色の網状脈がある。偽根は褐色、密につく。子器は赤褐色~黒色。胞子は無色~淡褐色、ごく狭い紡錘形、長さ30~70µm、幅3~5µm、3~5(6)隔壁。スポットテストは全て(-)。
イヌツメゴケ Peltigera canina 高山の針葉樹林帯の蘚類の多い、地上、岩上に生じる。背面は灰色~灰褐色、白色のトメンタがある。腹面は白色を帯び、低い脈があり、偽根は白色、よく分岐する。いくつかの品種がある。
<腹面の脈が黒色のもの>
モミジツメゴケ、コモチモミジツメゴケ、ナガネツメゴケ、コフキツメゴケなど。