不規則に分裂し、直径1～5(8)㎝。裂片は幅2～4㎜、先はほぼ円く、ときに深裂し、縁は歯のようになる。背面は褐色～暗褐色～赤褐色、まれに灰褐色、光沢があるか又は毛がある。裂芽があり、初期には円筒形だが、扁平になり、幅0.1～0.2㎜。粉芽は無いが、しばしば鱗片状になる。髄層は白色。共生藻はシアノバクテリアのネンジュモ属 Nostoc。腹面は暗褐色～黒色、縁は淡色になり、毛があるが、パピラは無い。子器はよくつき、裂片の先の腹面に埋め込まれ、直径約5(8以下)㎜の盃形、無柄。子器の背面は荒れ、ときにハチの巣状になる。子器の縁は突出し、葉状～くしの歯状になる。盤は暗褐色。果殻は透明～淡褐色、厚さ20～30µm。子嚢上層は褐色～黄褐色。子嚢下層は透明。子嚢は8胞子。胞子は長さ15～22.7(27)µｍ、幅6～7.5(8) µm、3隔壁。粉子器は無い又は縁に埋没し、直径0.09～0.15㎜。粉子は長さ3～4µm、幅1～2µm。スポットテスト 皮層：K-, C-, KC-, P-、髄層：K+淡黄色/－, C-, KC-, P- 。二次代謝物質は上皮層は未確認の褐色色素を含み、、髄層はhopane-7α, 22-diol (major), ±7β-acetoxyhopan-22-ol (minor or trace)、±iso-O-methylleprolomin (minor or trace)、±O-methyl-leprolomin (minor or trace)、±methyl gyrophorate (trace).を含む。
　チヂレウラミゴケ Nephroma helveticum form.caespitosum は裂芽状の小裂片を多数つける。二次代謝物質にｈopane-7α, 22-diolを含まない。
　ヘリトリウラミゴケNephroma parile (Ach.) Ach. は裂芽が無く、粉芽がある。 子器はまれ。皮層：K-, C-, KC-, P-、髄層：K+淡黄色/-, C-, KC-, P-。zeorin [hopane-6α, 22-diol] (major), nephrin [15α-acetoxyhopane-22-ol] , hopane-15α, 22-diol (trace) を含む。