テリハヨロイゴケ 照葉鎧木毛
Flora of Mikawa
カブトゴケ Lobariaceae ヨロイゴケ属
中国名 | 平滑牛皮叶 ping hua niu pi ye |
英 名 | spotted felt lichen |
学 名 | Sticta nylanderiana Zahlbr. |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
生育形 | 葉状 |
大きさ | 直径 5~20㎝ |
生育場所 | 樹皮、蘚苔類のある岩上 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ブータン、ネパール、チベット、タイ |
撮 影 | 豊根村(樹皮) 147.23 |
地衣体は葉状、緑色~灰緑色、直径5~20㎝、裂片は幅05~1.5㎝、裂芽、粉芽、小裂片は無い。背面は平滑、光沢があり、マキュラも無い。髄層は白色、厚さ60~200µm、まばらに織り合う。藻類層は厚さ15~70µm、共生藻は緑藻。腹面は淡褐色~暗褐色、中央に密にトメンタがあり、縁にはトメンタはない。盃点は円形、狭く掘られ、縁は高くならない。子器はまれ、直径0.6~3㎜。盤は褐色。胞子は無色、紡錘状長楕円形~線形、長さ40~60µm、幅4~6µm、5~7隔壁。粉子器は縁によくつく。粉子は長さ3~5µm、幅1~1.5µm。皮層:K-
, C-, KC- , P- 髄層:K- , C-, KC+バラ色~赤色 , P-, UV-。ジロホール酸、コンジロホール酸、pseudocyphellarin
A、数種の未確認物質を含む。
アツバヨロイゴケ Sticta wrightii はテリハヨロイゴケに似て、共生藻が緑藻。背面が緑色~灰緑色であるが、光沢がなく、マキュラがある。盃点が円形~不規則、縁は高くならない。髄層にジロホール酸を含まない。クロロモルフ chloromorph とシアノモルフ cyanomorph の2種類の形態型がある。
コウヤクゴケSticta fuliginosa は直径2~6(8)㎝、中央部でゆるく固着し、裂片は広くて円く、ぼろぼろに切れ込み、重なり合い、幅(0.5)1~4(6)㎝、ときに狭く切れ込み、下向きに曲がる。背面は湿ると鉛青灰色~暗灰色~青黒色。 乾くと淡灰色~褐色になり、浅い凸凹がある。湿るとぶよぶよになり、乾くともろく、背面に白いマキュラが繊細に現れる。まれに、小葉片状になり、粉芽は無いが裂芽がある。裂芽は小型、顆粒状や針状で、黒褐色、光沢がある。髄層は白色。共生藻はシアノバクテリア。腹面は縁が淡クリーム白色~淡黄褐色、中央は淡褐色、縁から中央までトメンタが密生する。盃点が普通あり、噴火口状、直径(0.1)0.5~2(3)㎜、狭い縁はトメンタの上にわずかに突き出る。盃点の底は白色の膜状。子器はまれ、直径05~2(3)㎜。盤は淡~暗赤褐色。子嚢は8胞子。胞子は無色、長さ22~33(38)µm、幅5~7µmの紡錘形~長楕円形、1~3隔壁。粉子器はまれ。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
トゲヨロイゴケ(タキミヨロイゴケ)Sticta weigeliiは樹皮、岩上着生。青灰色~灰褐色、直径5~7㎝、不規則に分枝し、裂片は幅0.5~1.5µ㎝、背面にマキュラがある。裂芽があり、粉芽はない。裂芽は暗灰褐色、円筒状~サンゴ状、縁に多い。背面は無毛、平坦~凹面。髄層は白色、厚さ80~120µm、織り合わされる。藻類層は厚さ60~100µm、共生藻はシアノバクテリアのNostoc。 腹面は暗褐色~黒色、トメンタが密生する。盃点は円形、深く掘られ、縁が高くなる。子器や粉子器は見られない。皮層:K- , C-, KC- , P- 髄層:K+黄色 , C-, KC- , P-, UV-。
腹面に盃点とトメンタがあり、地衣体の基部が柄状になって基物に固着するセンスゴケ類には裂芽をつけるヘリゲセンスゴケSticta duplolimbata と裂芽のないエツキセンスゴSticta gracilis がある。
アツバヨロイゴケ Sticta wrightii はテリハヨロイゴケに似て、共生藻が緑藻。背面が緑色~灰緑色であるが、光沢がなく、マキュラがある。盃点が円形~不規則、縁は高くならない。髄層にジロホール酸を含まない。クロロモルフ chloromorph とシアノモルフ cyanomorph の2種類の形態型がある。
コウヤクゴケSticta fuliginosa は直径2~6(8)㎝、中央部でゆるく固着し、裂片は広くて円く、ぼろぼろに切れ込み、重なり合い、幅(0.5)1~4(6)㎝、ときに狭く切れ込み、下向きに曲がる。背面は湿ると鉛青灰色~暗灰色~青黒色。 乾くと淡灰色~褐色になり、浅い凸凹がある。湿るとぶよぶよになり、乾くともろく、背面に白いマキュラが繊細に現れる。まれに、小葉片状になり、粉芽は無いが裂芽がある。裂芽は小型、顆粒状や針状で、黒褐色、光沢がある。髄層は白色。共生藻はシアノバクテリア。腹面は縁が淡クリーム白色~淡黄褐色、中央は淡褐色、縁から中央までトメンタが密生する。盃点が普通あり、噴火口状、直径(0.1)0.5~2(3)㎜、狭い縁はトメンタの上にわずかに突き出る。盃点の底は白色の膜状。子器はまれ、直径05~2(3)㎜。盤は淡~暗赤褐色。子嚢は8胞子。胞子は無色、長さ22~33(38)µm、幅5~7µmの紡錘形~長楕円形、1~3隔壁。粉子器はまれ。スポットテストは全て(-)。二次代謝物質は検出されない。
トゲヨロイゴケ(タキミヨロイゴケ)Sticta weigeliiは樹皮、岩上着生。青灰色~灰褐色、直径5~7㎝、不規則に分枝し、裂片は幅0.5~1.5µ㎝、背面にマキュラがある。裂芽があり、粉芽はない。裂芽は暗灰褐色、円筒状~サンゴ状、縁に多い。背面は無毛、平坦~凹面。髄層は白色、厚さ80~120µm、織り合わされる。藻類層は厚さ60~100µm、共生藻はシアノバクテリアのNostoc。 腹面は暗褐色~黒色、トメンタが密生する。盃点は円形、深く掘られ、縁が高くなる。子器や粉子器は見られない。皮層:K- , C-, KC- , P- 髄層:K+黄色 , C-, KC- , P-, UV-。
腹面に盃点とトメンタがあり、地衣体の基部が柄状になって基物に固着するセンスゴケ類には裂芽をつけるヘリゲセンスゴケSticta duplolimbata と裂芽のないエツキセンスゴSticta gracilis がある。