スミイボゴケ 墨疣苔
Flora of Mikawa
スミイボゴケ Buelliaceae スミイボゴケ属
英 名 | disc lichen |
学 名 | Buellia disciformis (Fr.) Mudd. |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
[草丈] | 痂状 |
生育場所 | 樹皮まれに木材上 |
分 布 | 在来種 日本、ヨーロッパ、北アメリカ、温帯に広く分布 |
撮 影 | 蒲郡市 14.3.28 |
樹皮に着生し、まれに木材にもつく。ムカデゴケ科Physciaceae に分類されていることもある。
痂状地衣、地衣体は亀裂状~小区画状、薄くか、やや厚く、ほぼ連続する。下生菌糸は欠くか周囲に黒色の縁の境界をつくる。表面は白色~淡黄灰色(象牙色)、暗色、平滑、フェノコルテックス(phenocortex)があり、粉芽はない。髄層は白色、シュウ酸カルシウムはない。子器はレキデア型、直径(0.2)0.4~0.6(0.7)㎜。子器の縁は厚く、黒色、永存性ときに古くなると無くなり、ときに子器の出現時に地衣体を被る。子器盤は黒色、細粉はなく、平坦、まれに凸面になる。果殻はdispersa型、内側の果殻菌糸は異なっており、縮小せず、色素をもち、繊維菌糸組織(厚膜菌糸組織)があり、深赤褐色の子嚢下層(KOHを加えると黄木褐色になり、 交錯菌糸組織 leptoclinoides-brown)から伸びる。外側の果殻菌糸は短細胞、角ばり、明瞭に膨れ(多角菌糸組織)、炭化し、褐色の色素をもつ(HNO3-)。子嚢上層は褐色色素が外側の果殻につながる(HNO3-)。子嚢層は透明、小油滴を密に含む。側糸は単一かやや枝分かれし、先が膨らみ、褐色の色素をもつ。子嚢は棍棒形、Bacidia型、8胞子。胞子は褐色、1隔壁、扁平な狭楕円体、長さ(12)15.6~[18.5]~21.3(21.5)µm、幅 (5.5)6.6~[7.7]~8.9(10)µm。粉子器はまれ、球形。粉子柄はtype V。粉子は稈形、長さ2.5~5 µm、幅0.5~1µm。スポットテスト K+黄色, P-, C- , UV-。二次代謝物質はアトラノリン、fulgidinを含む。
スミイボゴケ属は痂状、鱗片状。暗色の下生菌糸がある。子器はレキデア型、盤は黒色。子嚢は4~8胞子。胞子は褐色、2~4室、まれに単室。
ホシスミイボゴケ(ヒメホシイボゴケ) Buellia stellulata は本州(和歌山県以西)の岩上に着生する。地衣体が灰色~灰緑色、小区画状。
Buellia ocellata は岩上に着生する。地衣体が直径2~3㎝、緑灰色~黄灰色、小区画状。下生菌糸は黒色。子器は直径0.2~0.5㎜、埋没する。子嚢上層は褐色~オリーブ色。胞子は褐色、2室、長さ(11)13~17(21) µm、幅6.5~9(11) µm.。K-, C+橙色, P-, UV- 。
Buellia aethaleaは岩上に着生する。亀裂状~小区画状。灰色~淡褐色、まれに暗褐色。下生菌糸は明瞭、黒色。子器は直径(0.1)0.2~0..5㎜。子嚢上層は褐色。胞子は2室。K+黄色~赤色結晶, P+黄色, C-, KC-, CK- 。
コウヤイボゴケ Buellia crocata は高野山に分布する。樹皮着生。地衣体は灰白色、顆粒状。子器は不定の円形、直径1㎜以下、盤は初期に赤褐色、後に黒色。
痂状地衣、地衣体は亀裂状~小区画状、薄くか、やや厚く、ほぼ連続する。下生菌糸は欠くか周囲に黒色の縁の境界をつくる。表面は白色~淡黄灰色(象牙色)、暗色、平滑、フェノコルテックス(phenocortex)があり、粉芽はない。髄層は白色、シュウ酸カルシウムはない。子器はレキデア型、直径(0.2)0.4~0.6(0.7)㎜。子器の縁は厚く、黒色、永存性ときに古くなると無くなり、ときに子器の出現時に地衣体を被る。子器盤は黒色、細粉はなく、平坦、まれに凸面になる。果殻はdispersa型、内側の果殻菌糸は異なっており、縮小せず、色素をもち、繊維菌糸組織(厚膜菌糸組織)があり、深赤褐色の子嚢下層(KOHを加えると黄木褐色になり、 交錯菌糸組織 leptoclinoides-brown)から伸びる。外側の果殻菌糸は短細胞、角ばり、明瞭に膨れ(多角菌糸組織)、炭化し、褐色の色素をもつ(HNO3-)。子嚢上層は褐色色素が外側の果殻につながる(HNO3-)。子嚢層は透明、小油滴を密に含む。側糸は単一かやや枝分かれし、先が膨らみ、褐色の色素をもつ。子嚢は棍棒形、Bacidia型、8胞子。胞子は褐色、1隔壁、扁平な狭楕円体、長さ(12)15.6~[18.5]~21.3(21.5)µm、幅 (5.5)6.6~[7.7]~8.9(10)µm。粉子器はまれ、球形。粉子柄はtype V。粉子は稈形、長さ2.5~5 µm、幅0.5~1µm。スポットテスト K+黄色, P-, C- , UV-。二次代謝物質はアトラノリン、fulgidinを含む。
スミイボゴケ属は痂状、鱗片状。暗色の下生菌糸がある。子器はレキデア型、盤は黒色。子嚢は4~8胞子。胞子は褐色、2~4室、まれに単室。
ホシスミイボゴケ(ヒメホシイボゴケ) Buellia stellulata は本州(和歌山県以西)の岩上に着生する。地衣体が灰色~灰緑色、小区画状。
Buellia ocellata は岩上に着生する。地衣体が直径2~3㎝、緑灰色~黄灰色、小区画状。下生菌糸は黒色。子器は直径0.2~0.5㎜、埋没する。子嚢上層は褐色~オリーブ色。胞子は褐色、2室、長さ(11)13~17(21) µm、幅6.5~9(11) µm.。K-, C+橙色, P-, UV- 。
Buellia aethaleaは岩上に着生する。亀裂状~小区画状。灰色~淡褐色、まれに暗褐色。下生菌糸は明瞭、黒色。子器は直径(0.1)0.2~0..5㎜。子嚢上層は褐色。胞子は2室。K+黄色~赤色結晶, P+黄色, C-, KC-, CK- 。
コウヤイボゴケ Buellia crocata は高野山に分布する。樹皮着生。地衣体は灰白色、顆粒状。子器は不定の円形、直径1㎜以下、盤は初期に赤褐色、後に黒色。