サビイボゴケ 錆疣木毛

mark

Flora of Mikawa

サビイボゴケ Brigantiaeaceae サビイボゴケ属

学 名 Brigantiaea ferruginea (Mull. Arg.) Kashiw. et Kurok.
サビイボゴケ2
サビイボゴケ子器
サビイボゴケ子器大
サビイボゴケ子器横
サビイボゴケ
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 痂状
生育場所 j樹幹の蘚類上
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、ロシア
撮 影 豊根村   14.7.23
痂状地衣。地衣体は灰白色、平滑、樹幹につく蘚類上に着生する。子器は直径0.5㎜以下、無柄。盤は黄色を帯びた赤錆色、古くなると褐色。子嚢下層は淡黄色。胞子は石垣状、長さ70~90µm。地衣体はアトラノリン (major)、ゼオリン(major)、 6α-acetoxyhopane-16β,22-diol (minor)、 leucotylin (minor)、parietin (trace)を含む。
 オオサビイボゴケBrigantiaea nipponica は樹皮着生、まれに蘚類につく。本州、四国に分布する絶滅危惧種。外観はサビイボゴケに酷似し、胞子が石垣状、長さ95~130µm。子嚢下層は淡黄色。
 コナサビイボゴケBrigantiaea sorediata は福島県のみに分布する稀産種。顆粒状の粉芽がある。子嚢に胞子は1個。胞子は石垣状、長さ90~120μm。ウスニン酸、ゼオリンを含む。子嚢下層は淡黄色。
 クロサビイボゴケ(仮称) Brigantiaea purpurata は日本、ロシア、チベット、北アメリカに分布する。白色~黄白色。子器は橙色~錆色。子器の縁は藻類細胞を欠く。子嚢下層が黒褐色。胞子は無色、古くなると褐色、長さ75~135µm、幅28~50µm、石垣状。アトラノリン、ゼオリン、ウスニン酸を含む。
 オオコゲボシゴケ Megalospora tuberculosa は樹皮着生。白色~黄白色、粉芽は無い。子器盤は赤褐色~黒色、細粉状にならない。縁は暗褐色~黒色、藻類細胞を欠く。子嚢は1胞子。胞子は無色、古くなると褐色を帯び、長さ70~140µm、幅 25~35µm、縦隔壁0、横隔膜5~7(11)。髄層:P+橙黄色。ゼオロイン、パンナリンを含み、ウスニン酸を含まない。
 コゲボシゴケ (クロコボシゴケ) Megalospora atrorubicans subsp. sendaiensis 樹皮着生。子器盤は赤褐色。胞子は無色、1室。髄層:P-。ウスニン酸を含む。
 ウスキコゲボシゴケ (ヤマトクロコボシゴケ) Megalospora sulphurata var . sulphurata は岩上着生。裂芽がある。子器盤は赤褐色。子嚢上層は橙色~褐色、胞子は無色、2室、腎形。髄層:P-。ウスニン酸を含む。