コフキモジゴケ 粉吹文字木毛

mark

Flora of Mikawa

モジゴケ Graphidaceae クロミモジゴケ属

英 名 pencilmark lichen
学 名 Phaeographis pruinosa M.Nakan.
コフキモジゴケ2
コフキモジゴケ3
コフキモジゴケ4
コフキモジゴケ5
コフキモジゴケ
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 痂状
生育場所 樹皮
分 布 在来種  本州(千葉県以西)
撮 影 豊根村   14.7.23
樹皮着生。灰白色~灰緑色、直径10㎝以上になる。共生藻はtrentepohlia lagenifera 長さ15~25µm、幅6~10µmの亜球形。子器は地衣体から突出する。子器は果殻が底まで厚くあるが、全く炭化せず、上部に溝はない。盤は平坦~凸面、白色の粉霜があり、灰白色~灰色。胞子は褐色、長さ15~20µm、4室。スポットテスト 髄層:K+赤色 , P+淡黄色。二次代謝物質はノルスチクチン酸を含む。
 日本では7種のクロミモジゴケ属が確認されている。
 ボンジゴケ Phaeographis asteriformis は日本各地の低山に多く、済州島にも分布する。樹皮着生。子器は平坦で突出せず、長さ05~1(5)㎜、幅約0.4㎜、黒色~黒褐色、盛んに放射状に分枝する。果殻は底面まであるが発達せず、茶褐色で炭化しない。側糸に微顆粒を含まない。盤はわずかに凸面、薄い粉霜がある。胞子は褐色、長さ長さ24~42µm、横の隔壁5~8 。スポットテスト 髄層:K-, P-。二次代謝物質は検出されない。
 ホシガタキモジゴケPhaeographis circumscripta は樹皮着生。子器は平坦、盤は閉じる。果殻は底部が炭化しない。胞子は褐色、長さ15~20µm、7室。髄層:K-, P-。スチクチン酸を含む。
 エダモジゴケ Phaeographis dendritica はクリーム色、淡黄~淡灰色~緑灰色、粉芽や裂芽はない。子器が長さ0.5~3㎜、幅0.3~0.5㎜、短く又は楕円形、枝分かれし、わずかに曲がり、埋没し又は少し持ち上がる。盤は開き、暗褐色、白色の粉霜を被ることが多い。縁は欠くか狭く白色になり不明瞭。果托は薄く、古くなると盤の上に突き出る。果殻は褐色、基部が炭化しない。胞子は褐色、長さ25~45µm、幅7~9µm、6~10室。スポットテスト 皮層、髄層:K+赤色, C-, KC-, P+黄色。二次代謝物質は スチクチン酸を含まず、ノルスチクチン酸、コンノルスチクチン酸を含む。熱帯、亜熱帯に広く分布。
 スギノウエノモジゴケ Phaeographis laevigata は本州、四国、九州に分布する稀産種。エキノカルピン酸 echinocarpic acid (major)、コネキノカルピン酸 conechinocarpic acid (minor)、subechinocarpic acid (minor)、cryptoechinocarpic acid (trace)を含む。
 チャボンジゴケPhaeographis fuscodiscaは九州、沖縄、小笠原諸島に分布し、樹皮着生。子器は平坦~凹面。盤は赤褐色、明瞭に開き、灰白色の細粉がある。果殻は底部が褐色、炭化するが幅が狭く、側面は炭化しない。胞子は褐色、長さ17~25µµm、8室。髄層:K+黄色, P-。
 Phaeographis planiuscula は東南アジア特産種ジャワ島、父島、母島に分布する。果殼は下部しか炭化しない
 
 ヘリトリモジゴケ属 Leiorreumaのヘリトリモジゴケ Leiorreuma exaltatum、ナマリモジゴケ Leiorreuma vicarians、ヤクシマモジゴケLeiorreuma yakushimense などもやや似ている。