マルバベニシダ 丸葉紅羊歯

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Flora of Mikawa

オシダ科 Dryopteridaceae オシダ属

別 名 マンマルベニシダ、オオマルバベニシダ
中国名 黑足鳞毛蕨 hei zu lin mao jue
[英名] East Asian autumn fern
学 名 Dryopteris fuscipes C. Chr.
マルバベニシダの葉表
マルバベニシダの葉裏
マルバベニシダの葉裏
マルバベニシダ
高 さ 40~100㎝
生活型 常緑性
生育場所 低山の林床
分 布 本州(関東地方以西)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、ベトナム
撮 影 鳳来町  愛知県民の森  04.5.15
根茎は直径約3㎜、斜上し、叢生する。葉柄は長さ20~40 ㎝、上部はわら色、下部は暗褐色。基部の鱗片は長さ1.5~2㎝、幅1~1.5㎜の披針形、全縁、光沢のある赤褐色~褐色、密生するが少ないこともある。葉身は中厚紙質、暗緑色、若葉は赤色を帯び、長さ30~40㎝、幅15~25㎝の卵状披針形~三角状卵形、2回羽状複生。羽片は15~20対つき、長さ10~15㎝、幅3~4㎝の披針形、中軸にやや傾いてつき、最下の羽片は小さい。小羽片は10~12対つき、長さ1~2㎝、幅8~10㎜の三角状卵形、基部が広く、円頭~鈍頭、全縁、ほぼ無柄、軸に傾いてつき、葉先に近い羽片の小羽片は浅裂となる。最下羽片の下向き第1小羽片は小さい。中軸、羽軸、中肋は背面が無毛。中軸や羽軸の腹面は披針形~線形~袋状の赤褐色の鱗片が密生する。ソーラスは大きく、中肋、羽軸寄りにつく。包膜は白色、円腎形、全縁、紅紫色を帯びない。n=123
 マルバヌカイタチシダモドキ Dryopteris tsugiwoi は紀伊半島、四国、九州に分 布する。葉柄にはやや密に鱗片があり、鱗片は披針形~線状披針形、全縁、茶色~黒褐色。羽片や小羽片は直角につき、小羽片に鋭鋸歯がある。ソーラスは中肋寄りにつく。
 ヌカイタチシダモドキDryopteris indusiata は葉柄基部の鱗片が黒色。羽片の柄がほとんどなく、羽片、小羽片が軸に直角につき、最下の第1小羽片が中軸にほぼ平行になる。小羽片は中裂~深裂。中国名は平行鳞毛蕨 (ping xing lin mao jue)。
 エンシュウベニシダ Dryopteris medioxima は葉が光沢のある中厚革質。鱗片は光沢が少なく、灰褐色~汚褐色、縁に突起がほとんどない。ソーラスの位置がマルバベニシダに似て、中肋寄りにつく。小羽片の基部が広く、鈍鋸歯縁。葉形は広卵形、サイゴクベニシダに似る。マルバベニシダと同一とする見解もあるが、若葉が赤色を帯びない。
 サイゴクベニシダ Dryopteris championii は葉身が厚い革質。鱗片の幅がやや広く、縁に鋸歯がある。ソーラスがやや縁寄りにつく。