ユミゴケ 弓蘚

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Flora of Mikawa

シッポゴケ科 Dicranaceae ユミゴケ属

中国名 青毛藓 qing-mao xian
英 名] denuded dicranodontium moss
学 名 Dicranodontium denudatum (Brid.) E.G.Britt. ex Williams
ユミゴケ湿ったとき
ユミゴケの全体
ユミゴケの葉基部
ユミゴケの葉身細胞
ユミゴケ
ユミゴケ葉
ユミゴケ葉先
分 類 蘚類
高 さ 1~3(5)㎝(長さ)
生育場所 山地の日陰の岩上、腐食土上
分 布 在来種  本州、四国、九州、中国、ロシア、インド、ネパール、ヨーロッパ、北アメリカ
撮 影 幸田町   10.5.17
和名は葉は乾くと弓のように曲がることに由来する。植物体は小形~やや大形、長さ1~3(5)㎝、深緑色~黄緑色、、やや絹状の光沢があり、密なマットをつくる。茎はあまり枝分かれせず、上部は密に葉がつき、葉が落ちやすい。中心束はある。葉は長さ2.5~5.0(8.0)㎜の披針形、基部は広く鞘状になり、先が針状に長く、葉先には鋭い歯がある。中肋は太く、鞘部では葉の幅の1/2~1/3を占め、中肋の境界は不明瞭。中肋の横断面ではガイドセルの上下にステライドがある。葉上部の細胞は長矩形、先端付近では線形になる。葉下部の葉身細胞は長さ18~30 µm、幅4~8µmの大きさが不定の丸みを帯びた矩形~平行四辺形、厚壁、縁の細胞は短く、狭くなる。翼細胞は短矩形~方形、透明、よく分化し、大きく薄壁。雌雄異株。蒴柄は長さ5~10㎜、黄色~褐色、湿ると曲がる。蒴は長さ1.0~1.2㎜、幅0.5~0.6㎜の長卵形、相称、黄褐色、直立し、気孔及び口環を欠く。蒴帽は僧帽形、長さ約1.5㎜。胞子は直径10~14µm 。
 類似のヘリトリシッポゴケは茎が長くなり、葉があまり落ちない。また、葉基部の中肋沿いに大形、薄壁の細胞群がある。
 ススキゴケは葉が長さ約2.5㎜。葉翼の細胞は大きいが分化しない。蒴はやや曲がって非相称。口環がある。
 ツリバリゴケモドキは葉基部の幅広い部分が短い。蒴柄が湿ると白鳥の首のように曲がる。蒴は曲がって非相称。口環がある。