ミズシダゴケ 水羊歯蘚

mark

Flora of Mikawa

ヤナギゴケ科 Amblystegiaceae シャグマゴケ属

中国名 牛角藓 niu jiao xian
英 名] cratoneuron moss
学 名 Cratoneuron filicinum (Hedw.) Spruce
Cratoneuron filicinum (Hedw.) Spruce var. filicinum
ミズシダゴケの枝葉
ミズシダゴケの茎葉
ミズシダゴケの葉先
ミズシダゴケの葉基部
ミズシダゴケ葉身細胞
ミズシダゴケ
ミズシダゴケ枝
ミズシダゴケ葉
分 類 蘚類
高 さ 5~10㎝
生育場所 山地の湿った、地上、岩上
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、中国、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、コーカサス、ヨーロッパ、北アフリカ、南北アメリカ、ニューッジーランド
撮 影 豊田市(稲武町)   10.8.17
植物体は中形~大形、長さ10㎝に達し、緑色~黄緑色。茎は直立~斜上し、羽状に分枝し、枝は長さが不揃いで細iい。褐色の仮根が常にある。茎には普通、卵状披針形の葉状の毛葉がある。茎の中心束は明瞭。茎葉は長さ1.5~2㎜(China Moss:.長さ8~1.2㎜、幅0.4~0.8㎜、卵状披針形)の三角形~卵形、基部は広く茎に下垂し、先が鋭く尖り、やや鎌形に曲がる。葉縁には微歯がある。中肋は強壮、葉先の近くに達する。葉中部の葉身細胞は長さ15~28µ( China Moss:.長さ20–35µm 、幅4~7µm)の楕円形~扁菱形、薄壁。葉基部の翼細胞は方形~矩形の凸レンズ形。枝葉は茎葉に比べ、小形で幅が狭い。雌雄異株。蒴柄は長さ2~3(China Moss:.3~4)㎝、赤褐色。蒴は赤褐色、非相称、円筒形で曲がる。口環がある。胞子は直径15~28(China Moss:.15~18)µm。
 変種が多数分類されている。変種 var. atrovirens は基準変種とよく似ている。植物体は強壮、黄緑色~暗緑褐色。茎は直立~斜上し、長さ3~10㎝、不規則に羽状に分枝し、断面が円形~惰円形。茎の表皮細胞は小さく、厚壁、3~5層ある。中心束は弱い。毛葉は卵状披針形~披針形。茎葉は長さ2~3㎜、縁は歯があるか又はない。中肋は強壮で、黄色を帯び、基部の幅100~140µm、先は突出し、長く突出することが多い。葉中部の葉身細胞は長さ20~30µm、幅6~8 µmの短い楕円形~楕円状扁菱形。翼細胞は長く、普通、黄褐色。蒴は見られない。
 ホソミズシダゴケCratoneuron tenerrimum は石灰岩地に生える。中肋が葉先よりかなり下で終わる。