ユーカリ・グニー
Flora of Mikawa
フトモモ科 Malpighiaceae ユーカリ属
中国名 | 银叶桉 yin ye an |
英 名 | cider gum , snow gum |
学 名 | Eucalyptus gunnii Hook.f. |
花 期 | 通年、主に7~8月(夏) |
高 さ | 10~30m |
生活型 | 常緑高木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 オーストラリア(タスマニア)原産 |
撮 影 | 西尾市 21.3.10 |
ユーカリ・グニーはフトモモ科ユーカリ属の栽培種。日本でも栽培されている。写真はグニーとして販売されているものでる。
高木、高さ10(~30)m。樹皮は粗く、ときに基部で宿存し、その他の幹は平滑で灰色。若葉は多数の対が対生、無柄、粉白を帯び、類円形~広卵形、基部は心形、先は鈍形 又は鋭形。成葉は長さ1~2.5㎝の葉柄をもつ。葉身は長さ4~10㎝×幅1~2.5㎝、長円状披針形又は長円状楕円形、類皮革質、緑色又は±粉白色、上下面は同色、側脈は 中脈に対して約45度で開き、基部は対象形、先は普通、鋭形又は微突形。花は腋生、3個束生する。花序柄は長さ5~10mm、扁平。花柄は短い。花芽は長さ7~8mm、±こん棒形、 粉白色。果蓋(operculum)は半球形、花托筒よりかなり短い。雄しべは白色、葯は長円形。果実は短い花柄があり、長さ5~9mm×幅焼くmm、円筒状つぼ形、先は切形。バルブ は4個、深くくぼむ。花盤(disc)は浅く、落ち込む。花期は通年、主に夏~秋。
常緑樹、しばしば粉白色を帯び、又は腺毛がある。若い葉はときに常緑。成葉は互生、葉柄がある。葉身は普通、革質、二次脈は多数、葉縁脈(intramarginal vein)がある。花序は腋生又は頂部に束生又は散形花序様の短縮した二出集散花序からなる。腋生の円錐花序。花は両性。花托筒は鐘形~倒円錐形~半球形、柄は有又は無、先は普通、切形。咢片はまれに分離。花弁は咢片につき、1層のカリプトラ(calyptra 蘚帽=operculum 果蓋=bud cap 蕾帽)となり、又はつかず、咢片に合着して、2層のカリプトラとなる。カリプトラの境に切れ目の傷(sacar)があるものと無いものがある。カリプトラは花時に脱落する。雄しべは多数、普通、分離し、数個の輪になり、普通、外側の輪は不稔。葯は2室、平行又は斜め、楕円形~卵形、心形又は2分岐、縦に裂開又はたまに孔開する。子房は花托筒につき、2~7室。胚珠は多数。花柱は宿存性。蒴果の全体又はほとんどが大きくなった花托筒に含まれる。花盤(disk =end disk 終盤)はしばしばよく発達し、バルブは花托筒から突き出て、花托筒の縁と同等になり、又は花托筒に含まれる。種子は多数、多くは不稔で未熟、発達した種子は卵形又は角(かど)がある。種皮は硬く、ときに翼になる。
世界に約700種があり、主にオーストラリア、少数がインドネシア、パプアニューギニア、フィリピンに分布する。中国では約10種が栽培されている。オーストラリアでは低木のユーカリを mallee という。
オーストラリアでは、9~11月が春(日本では3~5月)、12月~2月が夏(日本では6~8月)、3~5月が秋(日本では9~11月)、6~8月が冬(日本では12~2月)。
タスマニア原産。英名はblack peppermint。
2 Eucalyptus botryoides Sm. ボトロイデスユーカリ(サウザンマホガニー)、アカバナユーカリ
オーストラリア東南部(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州)の沿岸に分布。
英名は Bangalay, bastard jarrah , woollybutt , Southern Mahogany
高さ40m以下。やせ地では多幹の低木(mallee)。若木の葉は対生、長さ4.5~11㎝、幅1.3~5.5㎝。成葉は互生、有柄、葉身は広披針形、長さ10~16㎝、幅2~6㎝、上面は暗緑色、下面は淡緑色。側脈は中脈に対して40°~ 60°。蕾は小さな円筒形または棍棒形、花は白色、花期は1~4月、散形花序に6~9個つく。果実(gumnut)は木質、卵形又は円筒形、長さ7~12㎜、幅4~6㎜、バルブは縁近くまで又は包まれる。
3 Eucalyptus caesia Benth. ケショウユーカリ
オーストラリア西部に分布。英名はcaesia, gungurru , silver princess
高さ2~14m。樹皮は濃褐色、剥片は狭く、巻き、下面は淡色。このタイプの樹皮を 'minniritch'といい、この小グループには E.orbifoliaが含まれる。茎や蕾は白銀色になる。葉は若木では心形、厚く、平滑、濃緑色~鈍い灰緑色、成葉は同色、披針形。3花の散形花序の複合花序、花序柄は円柱形。花は帯白色。花は大きく、直径4~5㎝、普通、ピンク色~赤色であり、白色の花は知られていない。花は目立ち、冬~春に開花する。花後に大きな直径約3㎝のつぼ形のユーカリの実(gumnut)をつける。
subsp. caesia 小型、高さ6~9m
subsp. magna. 大型 高さ15m、枝が垂れ下がる。
品種) 'Magna' , 'Silver Princess'
4 Eucalyptus camaldulensis Dehnh. セキザイユーカリ
オーストラリア原産、ユーカリ中で最も広くオーストラリアに分布する。英名はriver red gum。
常緑高木、高さ25~45m、真っすぐ幹が伸び、乾いた場所では捻じれる。樹皮は平滑、白色、灰色、赤褐色、幹の基部では厚板状、普通は不規則な板状~ひも状に裂ける。成葉は披針形~たまにかま形、長さ5~30㎝×幅0.7~3.2㎝、両面とも灰色~灰緑色。側脈は中脈に対して普通45°油腺が多数ある。花序は散形花序からなり、蕾が7~11個、葉や枝の腋につく。蕾は卵形又は球形、長さ0.6~1.1㎝、幅0.3~0.6㎝、緑色~黄色~クリーム色、先に明瞭な嘴をもつ。花托筒は長さ2~3㎜、半球形。カリプトラは半球形、嘴がある。花(雄しべ)は白色~クリーム色。果実(gumnut)は褐色、半球形、長さ(0.2)0.5~1)㎝、幅0.4~1㎝、花盤が高く持ち上がり、3~5バルブが強く突き出る。花期は4~7月。
5亜種がある。
Eucalyptus camaldulensis subsp. acuminata
Eucalyptus camaldulensis subsp. camaldulensis
Eucalyptus camaldulensis subsp. obtusa
Eucalyptus camaldulensis subsp. simulata
Eucalyptus camaldulensis subsp. subcinerea
5 Eucalyptus cinerea F.Muell. ex Benth. ギンマルバユーカリ(銀丸葉ユーカリ)
オーストラリアのニューサウスウェールズ州、ビクトリア州北東部に分布。
英名は argyle apple , mealy stringbark , silver-leaf stringybark , silver dollar tree
常緑高木、高さ10~15m、枝は枝垂れる。樹皮は赤褐色~灰褐色、短い繊維状又は筋状、上部は平滑、灰色、短いリボン状に薄く剥がれる。若葉は対生し、円形、心形、粉白色を帯び銀青緑色、長さ5(7)㎝以下、大きなコインのように見える。このためsilver dollar treeと呼ばれる。成木の葉は互生又は対生、卵形~広披針形~披針形、長さ6~11㎝、幅1.5~3㎝、粉白色又は灰緑色、光沢がなく鈍く、裏面も同色、中脈が黄色。葉は芳香がある。散形花序に3花がつく。花序柄は円柱形又は4稜形、長さ2~9㎜。蕾は無柄、卵形~短い紡錘形、粉白色、長さ5~7㎜、直径4~5㎜、傷痕(sacar:カリプトラのつなぎ目の切れ目)がある。カリプトラは円錐形、花托筒の長さより短く、幅が同じ。花は白色。果実は円錐形又は円筒形、3~5室、長さ5~8㎜、直径5~9㎜。花盤は平ら又は持ち上がり、バルブは突き出る。花期は5~11月(オーストラリア)
品種) ‘Argyle Apple Gum’, 'grafted' , 'Red United' , 'Silver Doller' , 'Silver Shadow'
6 Eucalyptus cladocalyx F.Muell. ボウガクユーカリ
オーストラリア南部に分布。英名はsugar gum。
高さ10~20m、普通、真っすぐ。樹皮は大きな不規則なパッチ状に剥がれ、平滑、白色しばしば、灰色、オレンジ色、淡色のまだらになる。葉は長さ8~15㎝×幅2~3㎝、広披針形、下面は淡色。花序は散形花序、花が7~11個、普通、葉のない枝につく。花は花托筒が長さ1㎝以下円筒形又はつぼ形、うねがある。カリプトラは半球形~円錐形、花托筒より短く、幅は花托筒より広い。雄しべは白色。果実は長さ1~1.5㎝、つぼ形、うねがあり、バルブは突き出ない。花期は4~7月。
7 Eucalyptus decipiens Endl. ハートリーフユーカリ
オーストラリアの南西部に分布する。英名はredheart moit , limestone marlock 。
低木又は高木、高さ1.5~15m。樹皮は薄片状に剥がれ、灰色、白色のパッチでまだらになる。成葉は離れ、灰緑色、厚く、上下面同色、葉身は披針形、基部は狭くなる。若葉はハート形。葉柄は狭く扁平又は溝がある。花は白色~クリーム白色、散形花序に11個つく。果実は球形又は半球形、集合して球形になる。花盤は凹む。花期は春~初夏。
8 Eucalyptus diversicolor F.Muell. カリー
西オーストラリア州原産。英名はkarri。
9 Eucalyptus extrica D.Nicolle ユーカリ・エクストリカ
西オーストラリア州原産。英名はeastern tallerack。
成熟した株の葉の色が濃い緑色になるため、 テトラゴナ・グリーンとも呼ばれる。
10 Eucalyptus globula Labill. ユーカリ(ユーカリ・グロブルス , ユーカリ・ブルーガム)
synonym Eucalyptus maidenii subsp. globulus (Labill.) J.B.Kirkp.
オーストラリア南東部、タスマニアに分布。英名はblue gum , eucalyptus。中国名は蓝桉 lan an
ユーカリ・オイルというとこの精油を主に指し、ユーカリ・オイルは抗菌や呼吸器系の炎症に効果があり、ハーブティーやアロマオイルに使われる。
高木。樹皮は灰青色、平滑、薄片が剥離する。小枝はわずかにうねがある。若葉は対生、無柄、葉身は卵形、帯白色、基部は心形。成葉はわずかに扁平の長さ1.5~3㎝の葉柄がある。葉身は披針形、長さ15~30㎝、幅1~2㎝、かま形、革質、両面とも腺があり二次脈は中脈との角度が35°~40°につき、目立たない。葉縁脈(intramarginal vein)は縁から約1㎜。花序は腋生、単生の散形花序、花が1又は7個つく。花序柄は扁平又は円柱形。花托筒は倒円錐形、長さ約1㎝、幅約1.3㎝、表面に4うねがあり、しわや突起があり、帯白色、柄は長さ~5㎜。カリプトラはわずかに平らになり、中央に円錐形のいぼがあり、咢筒より短く、2層があり、外層は光沢があり、脱落性。雄しべは長さ0.8~1.3㎝、数個の輪状につく。花糸は細い。葯は楕円形。花柱は長さ7~8㎜、しっかりしている。蒴果は半球形、直径0.6~2.4㎝、4うねがあり、花盤は広く、バルブは3~5個、花托筒の縁に等しいか又は突き出る。花期は11~5月、果期は冬。
品種) 'Odiel' (PBR) , 'CandOn' (PBR)
11 Eucalyptus goniocalyx F.Muell ユーカリ・ゴニオカリックス
オーストラリア南東部原産。英名は long-leaved box , olive-barked box , bundy
主に切り花や園芸用にて利用されている。
高木、高さ15m以下、樹皮は全体に粗く、繊維状、粗くて暑い。若葉は無柄、対生し、円形、長さ11㎝以下、幅10㎝以下、肉厚で、粉白を帯び、まれに光沢があり、緑色。 成葉は葉柄があり、互生し、披針形、長さ10~20㎝、幅1.5~3㎝、表裏同色、光沢があり、緑色、脈は密、多数の油点がある。花序は腋生、分枝せず、花が7個つく。花序柄 は扁平、長さ 1.5㎝以下。蕾は無柄、卵形、長さ1.3㎝×直径0.6㎝以下、傷跡(sacar)がある。果蓋(operculum)は円錐形又は丸い円錐形。雄しべは不規則に屈曲する。葯は 背着、くさび形。胚珠は垂直に4列につく。花は白色。果実は無柄、円蓋形、長さ1㎝×直径1㎝以下。花盤(disk)は下向き。バルブは 3(4)個。ヘリは同れべるか又は低い。 種子は灰褐色~帯黒色、扁平な楕円形、網目があり、へそは腹側にある。花期は3~8月。 ビクトリア州には5亜種中の4種がある。
12 Eucalyptus gunnii Hook.f. ユーカリ・グニー
タスマニア原産。英名はcider gum , snow gum
高木、高さ10(~30)m。樹皮は粗く、ときに基部で宿存し、その他の幹は平滑で灰色。若葉は多数の対が対生、無柄、粉白を帯び、類円形~広卵形、基部は心形、先は鈍形 又は鋭形。成葉は長さ1~2.5㎝の葉柄をもつ。葉身は長さ4~10㎝×幅1~2.5㎝、長円状披針形又は長円状楕円形、類皮革質、緑色又は±粉白色、上下面は同色、側脈は 中脈に対して約45度で開き、基部は対象形、先は普通、鋭形又は微突形。花は腋生、3個束生する。花序柄は長さ5~10mm、扁平。花柄は短い。花芽は長さ7~8mm、±こん棒形、 粉白色。果蓋(operculum)は半球形、花托筒よりかなり短い。雄しべは白色、葯は長円形。果実は短い花柄があり、長さ5~9mm×幅焼くmm、円筒状つぼ形、先は切形。バルブ は4個、深くくぼむ。花盤(disc)は浅く、落ち込む。花期は通年、主に夏~秋。
品種) Azura = 'Cagire' (PBR) , 'Silver Rain' , 'Cagire' (PBR) , 'Silver Drop' , 'Silver Rain' , 'Silbertropfen' , Eucalyptus gunnii 'Blue Ice'
13 Eucalyptus kruseana F.Muell. ユーカリ・クルセアナ
西オーストラリア州原産。英名はbook-leaf mallee。
14 Eucalyptus latens Brooker
西オーストラリア州原産。英名はnarrow-leaved red mallee
品種) 'Moon Lagoon'ムーンラグーン
15 Eucalyptus leucoxylon F.Muell. ヤナギユーカリ
ビクトリア州原産。英名はyellow gum , blue gum , white ironbark
16 Eucalyptus macrocarpa Hook.f. オオミユーカリ
西オーストラリア州原産。英名はmottlecah。
赤色の大きな花が咲く。
17 Eucalyptus melliodora A.Cunn. ex Schauer シダレユーカリ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州原産。英名はyellow box , honey box , yellow ironbark。
18 Eucalyptus microtheca F.Muell.
オーストラリア北部に広く分布。英名は coolibah
19 Eucalyptus pauciflora Sieber ex Spreng. ユーカリ・パウシフローラ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、タスマニア、ビクトリア州原産。英名はsnow gum , cabbage gum , white sally
19-1 Eucalyptus pauciflora subsp. niphophila (Maiden & Blakely) L.A.S.Johnson & Blaxell
synonym Eucalyptus niphophila Maiden & Blakely
ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州原産。英名はsnow gum。
品種) 'Pendula'
20 Eucalyptus perriniana F.Muell. ex Rodway ツキヌキユーカリ
ニューサウスウェールズ州、タスマニア、ビクトリア州原産。英名はspinning gum , silver-dollar gum
対生の若葉2枚が合着して突き抜き葉となり、ツキヌキユーカリと呼ばれる。
マリー(Mallee:ユーカリの木の叢林)又は高木、高さ8m以下。大きい木の1mは樹皮は粗く、他は平滑、白緑色又は灰色になる。小枝は 普通、粉白色、輪状の葉痕がある。成木の樹冠は普通、若葉と成葉と中間の葉をもち、粉白を帯びる。若葉は無柄、多数の対が対生し、 2枚が合着して円形~広楕円形、長さ12㎝×幅7㎝以下になり、粉白色。成葉は葉柄があり、披針形、長さ12㎝×幅2.5㎝以下、上下面が 同色(concolorous)、光沢がなく、灰緑色~青緑色、網状脈は密で多数、大きな油腺点をもつ。花序は腋生、不分枝。花序柄は長さ0.5 ㎝以下、花を3個つける。花芽は無柄~短柄、卵形、粉白色、長さ0.7㎝×直径0.4㎝以下、傷跡(scar)がある。果蓋(operculum)は半球形 ~鈍い円錐形。雄しべは内曲する。葯は背着、くさび形。胚珠は垂直に4列につく。花はクリーム色。果実は無柄、円蓋形、粉白色。 長さ0.7㎝×直径0.7㎝以下。花盤(disk)は環状又は降下する。バルブは3~5個、縁は水平。種子は暗褐黒色、立方形、くさび形、又は 扁平な楕円形、凹みを持ち、へそは腹側につく。花期は1~3月。
21 Eucalyptus pleurocarpa Schauer テトラゴナ・シルバー
西オーストラリア州原産。英名はtallerack , talyerock , tallerack
日本での流通名はテトラゴナ・シルバー。
22 Eucalyptus polyanthemos Schauer シラカネユーカリ
synonym Eucalyptus ovalifolia R.T.Baker
ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州原産。英名は red box。
別名はマルバユーカリ。
23 Eucalyptus pulverulenta Sims 銀世界ユーカリ
synonym Eucalyptus pulvigera A.Cunn.
ニューサウスウェールズ州原産。英名はSilver-leaved Mountain Gum
品種) 'Baby Blue'
24 Eucalyptus punctata DC. ユーカリ・プンクタータ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州原産。英名はgrey gum
コアラの餌として特に有名な種。
25 Eucalyptus regnans F.Muell. セイタカユーカリ
タスマニア、ビクトリア州原産。英名はmountain ash , swamp gum , stringy gum
26 Eucalyptus robusta Sm. オオバユーカリ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州原産。英名はswamp mahogany , swamp messmate
27 Eucalyptus sideroxylon A.Cunn. ex Woolls アカゴムノキ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州原産。英名はred ironbark , black ironbark , mugga ironbark
品種) 'Rosea'
28 Eucalyptus staigeriana F.Muell. ex Bailey ハニーレモンユーカリ
オーストラリアのクイーンズランド州に分布。英名は lemon ironbark , lemon-scented ironbark。甘い柑橘系の芳香があり、精油用にも 栽培される。
高さ7m以下。葉は粉白色を帯び、卵形~披針形、普通、長さ13㎝以下、先は鈍形、ときに短く尖る。葉脈はかなり明瞭、とくに下面で目立ち、 葉縁脈はループ状につながり、普通、縁から離れるが、ときに、ほとんど接し、側脈は広がり、中脈に45度でつく。花序は腋生又は側生、長さ 10~15㎝、花が3~4個つき、しばしば、円錐花序が頂生する。蕾は粉白を帯びる。花托筒は半卵形、細い花柄につく。カリプトラは円錐形。 果実は半卵形~半球形、果柄は細い。花盤(rim)は細い。バルブはわずかに突き出る。
29 Eucalyptus tereticornis Sm. クーパーユーカリ
オーストラリア東部沿岸、パプアニューギニアに分布。英名はforest red gum , blue gum , flooded gum , grey gum , mountain gum , Queensland blue gum , red gum , bastard box , red ironbark , red irongum , slaty gum。
高木、高さ20~50m、 幹の胸高直径(dbh)2m以下。幹は真っすぐで、木の高さの半分以上が普通、分枝しない。その上の枝分かれはユーカリ としては急傾斜である。樹皮は不規則な剥片状に剥がれ、平滑になり、幹表面は白色、灰色、青色のパッチになる。若葉は分離し、広披針形 ~卵形、光沢のある緑色。成葉は分離し、狭披針形~披針形、長さ10~20㎝×幅1~3㎝、緑色、光沢がなく、鈍く、上下面は同色。散形花序 に花が7個、まれに11個つき、白色。花序柄は細く、扁平又は角(かど)があり、長さ7~25㎜。花柄は円柱形、長さ3~10㎜。蕾は円筒形又は 紡錘形、長さ10~20㎜×幅4~8㎜、切れ目の傷(scar)がある。カリプトラは円錐形又は長く尖り、花托筒より長く、同幅。果実は球形又は 卵形、室は4又は5個、長さ4~6㎜、幅4~8㎜、花盤は盛り上がり、バルブは突き出る。
30 Eucalyptus x tetragona (R.Br.) F.Muell ユーカリ・テトラゴナ
オーストラリア西部に分布。英名はTallerac , Talyerock
Eucalyptus pleurocarpa と Eucalyptus extricaとのハイブリッド
31 Eucalyptus viridis F.Muell. ex R.T.Baker 糸葉ユーカリ
オーストラリアのクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州に分布。英名はgreen mallee。 乾燥に強く、耐寒性も強い。
低木~高木、高さ10m以下。樹皮は灰色~暗灰色、繊維状の薄片状(box)、上部は平滑、灰色~灰褐色、短いリボン状に剥がれる。若い葉は分裂し、 線形、鈍い灰緑色。成葉は分裂し、線形、長さ6~10㎝、幅0.4~0.8㎝、緑色、半光沢があり、上下面は同色。散形花序に花が7個つく。花序柄は 円柱形、長さ5~8㎜。花柄は円柱形、長さ2~4㎜。蕾は卵形~短紡錘形、長さ4~5㎜、直径2~3㎜、切れ目の傷(scar)は無い。カリプトラ(calyptra) は円錐形、花托筒より短いか又は同長で同幅。雄しべは全て稔性。果実は円筒形又は卵形、長さ2~4㎜×直径2~4㎜。花盤は落ち込み、バルブは 包まれる。
32 Eucalyptus websteriana Maiden ハートリーフユーカリ
オーストラリア西部に分布。英名は Webster's mallee , heart-leaf mallee , dainty mallee。
Eucalyptus decipiens もハートリーフユーカリといわれる。Eucalyptus decipiens より葉がやや大きい。切り花や園芸用として愛倍される。
低木(mallee)、高さ4(5)m以下。樹皮は赤色~赤褐色、小さくカールする薄片状に剥がれ、これをminni ritchi type樹皮という。剥がれた下面は緑色。 小枝はときに白粉状になり、腺点は無い。成葉は普通、互生、ときに類対生と互生が混じる。葉柄は長さ0.5~1.7㎝。葉身は倒卵形~倒心形、長さ1.8~ 4.5㎝×幅0.9~3㎝、基部は狭くなり、全縁、先は凹形又は円形、上面と下面は同色、灰緑色~灰色(新葉は白粉を帯びる)、側脈は中脈に対して45度 以上、網状脈はごく密、葉縁脈は縁から離れ、油腺は集合し、星形。花序は腋生、分枝せず、花序柄は長さ0.9~1.2㎝、蕾は7個。花柄は長さ0.3~0.7㎝。 成熟した蕾は球形、長さ0.5~1㎝×幅0.5~0.8㎝、まれに白粉を帯び、切れ目の傷(scar)がある。カリプトラ(operculum)は丸く、微突頭、長さ0.4~0.7㎝、 雄しべは斜め又は斜め状に直立する。葯は直方体、多方向、底着、縦の隙間から裂開する。花柱は長く、真っすぐ又は先が曲がる。柱頭は鈍く、室は4(5)個、 各胎座は縦の列に4胚珠をもつ。花はクリーム色~淡レモンイエロー。果柄は長さ0.4~0.7㎝。果実は半球形又は頻度は低いものの広倒円錐形、まれに粉白色 を帯び、長さ0.3~0.6㎝×幅0.7~1.2㎝、花盤は斜上し又は多少平ら、バルブは4(5)個、明瞭に突き出る。種子は褐色、長さ1~2㎜、直方体~角(かど)のある 卵形、背面は浅い網状、へそは腹面又は末端にある。花期は7~9月。
33 その他のハイブリッド
品種) 'Vermillion Blaze' , 'Golden Crown' , 'Little Boy Blue' , 'Urrbrae Gem' , 'Silver Princess' , 'Dale Chapman'
普通、高木、ときにマリー(Mallee:ユーカリの木の叢林)状。樹皮は宿存(短い繊維のある薄片状、小さな多角形に別れる)又は平滑(多角形の剥片又は 短いひも状に剥離)。葉は2形。若葉は対生。成葉は対生でなく、等面葉(similifacial)、たまに異面葉(dorsiventral)、側脈は間隔が密で、葉に普通、油腺が ある。花序は複合、頂生又は側生、しばしば広がって分枝し、通常、規則的な7個の花の散形花序からなる。咢はカリプトラ(calyptra)に融合し、花時に宿存 するか又は内カリプトラの中に融合する前に落ちる。花冠は±離生の花弁、咢に付着する(分離可能)か又は咢に融合する(外カリプトラとともに落ちる)、又は 内カリプトラに融合し、外カリプトラの後から落ち、ときに同時におちる。雄しべは多数、普通、連続した数輪につく。花糸は蕾中では規則的に内側に曲がる。 葯は多方向、長円形、平行な隙間から裂開する。子房は半下位、普通、3室、先端を除いて花托筒に包まれる。胚珠は多数、ovulode(胎座の上にできる小さな 不稔の胚珠:Myrtaceaeでおきる)がある。果実は蒴果、ほとんどの種では木質なる。花盤は凹み、バルブは包まれる。 世界に約115種あり、5種を除いてオーストラリア固有種。5種がニュージーランドにある。
synonym Eucalyptus citriodora Hook.
オーストラリア東部に分布。英名はlemon-scented gum , blue spotted gum , lemon eucalyptus , eucalyptus citriodora。
高さ35mの高木。樹皮は全体に平滑、白色~ピンク色~同色、しばしば粉状、カールした薄片状に剥がれ、幹がまだらになり、しばしばまだらが不明瞭になる。若木は茎が円柱形、ざらざらし、若葉は常に葉柄があり、2又は3対が互生し、上部は互生し、卵形~披針形、長さ14~21㎝、幅4.5~8㎝、基部は普通、中央に柄があり、緑色、葉柄及び葉身はざらざらし、多くのこぶがある。成葉は互生、葉柄は長さ1~2.5㎝。葉身は狭披針形~かま形、 長さ(7)10~23㎝、幅0.6~2.8(3.5)㎝、基部は細くなり、葉柄に続き、同色、光沢があり、緑色、強い羽状脈( penniveined)、非常に密に網状になり、葉縁脈は縁に平行~ほぼ平行、油腺がある。葉はもむとレモンの香りがあり、無いこともある。花序は腋生、複合花序。花序柄は長さ0.3~1㎝、蕾は散形花序に3個つき、花柄は長さ0.1~0.6㎝。成熟した蕾は倒卵形~洋梨形、長さ0.6~1㎝、幅0.5~0.7㎝、緑色~クリーム色、普通、平滑、傷痕(scar) は普通、無い(しばしば、外側のカリプトラは開花まで保たれ、蕾の最後にだけ傷痕は明瞭になる)。カリプトラは丸く~円錐形又はわずかに嘴がある。雄しべは内曲する。葯は直方体又は楔形、多方向、背着生、縦の隙間から裂開する。花柱は長く、柱頭は柱頭は鈍形又はモップ状、3室、各胎座は胚珠が垂直の5列になる。花は白色。果実は長さ0.1~0.7㎝の果柄があり、つぼ形又はたる形、長さ0.8~1.5㎝、幅0.7~1.2㎝、花盤は下行し、バルブは3個、封入される。種子は赤黒色、光沢があり、長さ2.3~5㎜、舟形(扁平で背側に竜骨がある)、背面は平滑、翼は無く、腹にへそ(hilum)がある。
品種) 'Lemon Bush'
2 Corymbia eximia (Schauer) K.D.Hill & L.A.S.Johnson
synonym Eucalyptus eximia (Schauer) K.D.Hill & L.A.S.Johnson
ニューサウスウェールズ州原産。英名は yellow bloodwood。
品種) 'Nana'
3 Corymbia ficifolia (F.Muell.) K.D.Hill & L.A.S.Johnson アカバナユーカリ
synonym Eucalyptus ficifolia F.Muell.
西オーストラリア州原産。英名は red flowering gum, Albany red flowering gum , Albany redgum。
主に切り花や園芸用に利用される。耐寒性があり、団地では屋外栽培が可能。花は赤色。花期は4~7月。
品種) 'Nut Road'
4 Corymbia gummifera (Gaertn.) K.D.Hill & L.A.S.Johnson タマザキユーカリ
synonym Eucalyptus gunnii Hook.f.
synonym Eucalyptus corymbosa Sm.
オーストラリア東部~東南部原産。英名はred bloodwood。
高さ24~35m、高いものは高さ60m。樹皮は帯赤色、しわがあり、宿存性の繊維状、樹脂を多量に滲出し、赤色の血のような物質で覆われる。若い葉は葉柄狩り、少数が対生し、 その後、互生し、広披針形~披針形、盾形になるものもあり、長さ23㎝、幅7.5㎝以下、初期の葉は毛がある。成葉は葉柄があり、互生し、広披針形~披針形、長さ10~16㎝、 幅2~5㎝、上下面が異色、上面は暗緑色、規則的な広角の側脈があり、網状脈はごく細かく、小さな油腺点をもつ。下面は淡緑色、側脈は極細かく、多数あり、わずかに斜め、 油点は少ない。花序は複合、頂生し、3~6個の散形花序の円錐花序につく。花序柄は長さ3㎝以下。花は7個つく。花芽は柄があり、こん棒形、長さ1.1㎝、直径0.7㎝以下、傷跡 (scar)は無い。咢は円錐形。子房は頭が平ら。カリプトラ(operculum)は半球形、普通、先が短い尖鋭形。雄しべは内曲する。葯は多方向、くさび形。胚珠は垂直に4列。花は 白色~クリーム白色。果実は柄があり、つぼ形、長さ2㎝、直径1.8㎝以下、縁は皿形。花盤は垂直に落ち込み、筒部に内張り。バルブは広い縁の基部に隠れ、7~9本の線が長く 、5~6本の線が広い。種子は赤褐色、舟形、頂部に翼は無く、縁にフランジがある。花期は1~3月。
Eucalyptus
Eucalyptus
Eucalyptus pulverulenta Sims
Eucalyptus goniocalyx
ユーカリの用語辞書
高木、高さ10(~30)m。樹皮は粗く、ときに基部で宿存し、その他の幹は平滑で灰色。若葉は多数の対が対生、無柄、粉白を帯び、類円形~広卵形、基部は心形、先は鈍形 又は鋭形。成葉は長さ1~2.5㎝の葉柄をもつ。葉身は長さ4~10㎝×幅1~2.5㎝、長円状披針形又は長円状楕円形、類皮革質、緑色又は±粉白色、上下面は同色、側脈は 中脈に対して約45度で開き、基部は対象形、先は普通、鋭形又は微突形。花は腋生、3個束生する。花序柄は長さ5~10mm、扁平。花柄は短い。花芽は長さ7~8mm、±こん棒形、 粉白色。果蓋(operculum)は半球形、花托筒よりかなり短い。雄しべは白色、葯は長円形。果実は短い花柄があり、長さ5~9mm×幅焼くmm、円筒状つぼ形、先は切形。バルブ は4個、深くくぼむ。花盤(disc)は浅く、落ち込む。花期は通年、主に夏~秋。
ユーカリ属
family Malpighiaceae - genus Eucalyptus常緑樹、しばしば粉白色を帯び、又は腺毛がある。若い葉はときに常緑。成葉は互生、葉柄がある。葉身は普通、革質、二次脈は多数、葉縁脈(intramarginal vein)がある。花序は腋生又は頂部に束生又は散形花序様の短縮した二出集散花序からなる。腋生の円錐花序。花は両性。花托筒は鐘形~倒円錐形~半球形、柄は有又は無、先は普通、切形。咢片はまれに分離。花弁は咢片につき、1層のカリプトラ(calyptra 蘚帽=operculum 果蓋=bud cap 蕾帽)となり、又はつかず、咢片に合着して、2層のカリプトラとなる。カリプトラの境に切れ目の傷(sacar)があるものと無いものがある。カリプトラは花時に脱落する。雄しべは多数、普通、分離し、数個の輪になり、普通、外側の輪は不稔。葯は2室、平行又は斜め、楕円形~卵形、心形又は2分岐、縦に裂開又はたまに孔開する。子房は花托筒につき、2~7室。胚珠は多数。花柱は宿存性。蒴果の全体又はほとんどが大きくなった花托筒に含まれる。花盤(disk =end disk 終盤)はしばしばよく発達し、バルブは花托筒から突き出て、花托筒の縁と同等になり、又は花托筒に含まれる。種子は多数、多くは不稔で未熟、発達した種子は卵形又は角(かど)がある。種皮は硬く、ときに翼になる。
世界に約700種があり、主にオーストラリア、少数がインドネシア、パプアニューギニア、フィリピンに分布する。中国では約10種が栽培されている。オーストラリアでは低木のユーカリを mallee という。
オーストラリアでは、9~11月が春(日本では3~5月)、12月~2月が夏(日本では6~8月)、3~5月が秋(日本では9~11月)、6~8月が冬(日本では12~2月)。
ユーカリ属の主な種と園芸品種
1 Eucalyptus amygdalina Labill. ナガバユーカリタスマニア原産。英名はblack peppermint。
2 Eucalyptus botryoides Sm. ボトロイデスユーカリ(サウザンマホガニー)、アカバナユーカリ
オーストラリア東南部(ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州)の沿岸に分布。
英名は Bangalay, bastard jarrah , woollybutt , Southern Mahogany
高さ40m以下。やせ地では多幹の低木(mallee)。若木の葉は対生、長さ4.5~11㎝、幅1.3~5.5㎝。成葉は互生、有柄、葉身は広披針形、長さ10~16㎝、幅2~6㎝、上面は暗緑色、下面は淡緑色。側脈は中脈に対して40°~ 60°。蕾は小さな円筒形または棍棒形、花は白色、花期は1~4月、散形花序に6~9個つく。果実(gumnut)は木質、卵形又は円筒形、長さ7~12㎜、幅4~6㎜、バルブは縁近くまで又は包まれる。
3 Eucalyptus caesia Benth. ケショウユーカリ
オーストラリア西部に分布。英名はcaesia, gungurru , silver princess
高さ2~14m。樹皮は濃褐色、剥片は狭く、巻き、下面は淡色。このタイプの樹皮を 'minniritch'といい、この小グループには E.orbifoliaが含まれる。茎や蕾は白銀色になる。葉は若木では心形、厚く、平滑、濃緑色~鈍い灰緑色、成葉は同色、披針形。3花の散形花序の複合花序、花序柄は円柱形。花は帯白色。花は大きく、直径4~5㎝、普通、ピンク色~赤色であり、白色の花は知られていない。花は目立ち、冬~春に開花する。花後に大きな直径約3㎝のつぼ形のユーカリの実(gumnut)をつける。
subsp. caesia 小型、高さ6~9m
subsp. magna. 大型 高さ15m、枝が垂れ下がる。
品種) 'Magna' , 'Silver Princess'
4 Eucalyptus camaldulensis Dehnh. セキザイユーカリ
オーストラリア原産、ユーカリ中で最も広くオーストラリアに分布する。英名はriver red gum。
常緑高木、高さ25~45m、真っすぐ幹が伸び、乾いた場所では捻じれる。樹皮は平滑、白色、灰色、赤褐色、幹の基部では厚板状、普通は不規則な板状~ひも状に裂ける。成葉は披針形~たまにかま形、長さ5~30㎝×幅0.7~3.2㎝、両面とも灰色~灰緑色。側脈は中脈に対して普通45°油腺が多数ある。花序は散形花序からなり、蕾が7~11個、葉や枝の腋につく。蕾は卵形又は球形、長さ0.6~1.1㎝、幅0.3~0.6㎝、緑色~黄色~クリーム色、先に明瞭な嘴をもつ。花托筒は長さ2~3㎜、半球形。カリプトラは半球形、嘴がある。花(雄しべ)は白色~クリーム色。果実(gumnut)は褐色、半球形、長さ(0.2)0.5~1)㎝、幅0.4~1㎝、花盤が高く持ち上がり、3~5バルブが強く突き出る。花期は4~7月。
5亜種がある。
Eucalyptus camaldulensis subsp. acuminata
Eucalyptus camaldulensis subsp. camaldulensis
Eucalyptus camaldulensis subsp. obtusa
Eucalyptus camaldulensis subsp. simulata
Eucalyptus camaldulensis subsp. subcinerea
5 Eucalyptus cinerea F.Muell. ex Benth. ギンマルバユーカリ(銀丸葉ユーカリ)
オーストラリアのニューサウスウェールズ州、ビクトリア州北東部に分布。
英名は argyle apple , mealy stringbark , silver-leaf stringybark , silver dollar tree
常緑高木、高さ10~15m、枝は枝垂れる。樹皮は赤褐色~灰褐色、短い繊維状又は筋状、上部は平滑、灰色、短いリボン状に薄く剥がれる。若葉は対生し、円形、心形、粉白色を帯び銀青緑色、長さ5(7)㎝以下、大きなコインのように見える。このためsilver dollar treeと呼ばれる。成木の葉は互生又は対生、卵形~広披針形~披針形、長さ6~11㎝、幅1.5~3㎝、粉白色又は灰緑色、光沢がなく鈍く、裏面も同色、中脈が黄色。葉は芳香がある。散形花序に3花がつく。花序柄は円柱形又は4稜形、長さ2~9㎜。蕾は無柄、卵形~短い紡錘形、粉白色、長さ5~7㎜、直径4~5㎜、傷痕(sacar:カリプトラのつなぎ目の切れ目)がある。カリプトラは円錐形、花托筒の長さより短く、幅が同じ。花は白色。果実は円錐形又は円筒形、3~5室、長さ5~8㎜、直径5~9㎜。花盤は平ら又は持ち上がり、バルブは突き出る。花期は5~11月(オーストラリア)
品種) ‘Argyle Apple Gum’, 'grafted' , 'Red United' , 'Silver Doller' , 'Silver Shadow'
6 Eucalyptus cladocalyx F.Muell. ボウガクユーカリ
オーストラリア南部に分布。英名はsugar gum。
高さ10~20m、普通、真っすぐ。樹皮は大きな不規則なパッチ状に剥がれ、平滑、白色しばしば、灰色、オレンジ色、淡色のまだらになる。葉は長さ8~15㎝×幅2~3㎝、広披針形、下面は淡色。花序は散形花序、花が7~11個、普通、葉のない枝につく。花は花托筒が長さ1㎝以下円筒形又はつぼ形、うねがある。カリプトラは半球形~円錐形、花托筒より短く、幅は花托筒より広い。雄しべは白色。果実は長さ1~1.5㎝、つぼ形、うねがあり、バルブは突き出ない。花期は4~7月。
7 Eucalyptus decipiens Endl. ハートリーフユーカリ
オーストラリアの南西部に分布する。英名はredheart moit , limestone marlock 。
低木又は高木、高さ1.5~15m。樹皮は薄片状に剥がれ、灰色、白色のパッチでまだらになる。成葉は離れ、灰緑色、厚く、上下面同色、葉身は披針形、基部は狭くなる。若葉はハート形。葉柄は狭く扁平又は溝がある。花は白色~クリーム白色、散形花序に11個つく。果実は球形又は半球形、集合して球形になる。花盤は凹む。花期は春~初夏。
8 Eucalyptus diversicolor F.Muell. カリー
西オーストラリア州原産。英名はkarri。
9 Eucalyptus extrica D.Nicolle ユーカリ・エクストリカ
西オーストラリア州原産。英名はeastern tallerack。
成熟した株の葉の色が濃い緑色になるため、 テトラゴナ・グリーンとも呼ばれる。
10 Eucalyptus globula Labill. ユーカリ(ユーカリ・グロブルス , ユーカリ・ブルーガム)
synonym Eucalyptus maidenii subsp. globulus (Labill.) J.B.Kirkp.
オーストラリア南東部、タスマニアに分布。英名はblue gum , eucalyptus。中国名は蓝桉 lan an
ユーカリ・オイルというとこの精油を主に指し、ユーカリ・オイルは抗菌や呼吸器系の炎症に効果があり、ハーブティーやアロマオイルに使われる。
高木。樹皮は灰青色、平滑、薄片が剥離する。小枝はわずかにうねがある。若葉は対生、無柄、葉身は卵形、帯白色、基部は心形。成葉はわずかに扁平の長さ1.5~3㎝の葉柄がある。葉身は披針形、長さ15~30㎝、幅1~2㎝、かま形、革質、両面とも腺があり二次脈は中脈との角度が35°~40°につき、目立たない。葉縁脈(intramarginal vein)は縁から約1㎜。花序は腋生、単生の散形花序、花が1又は7個つく。花序柄は扁平又は円柱形。花托筒は倒円錐形、長さ約1㎝、幅約1.3㎝、表面に4うねがあり、しわや突起があり、帯白色、柄は長さ~5㎜。カリプトラはわずかに平らになり、中央に円錐形のいぼがあり、咢筒より短く、2層があり、外層は光沢があり、脱落性。雄しべは長さ0.8~1.3㎝、数個の輪状につく。花糸は細い。葯は楕円形。花柱は長さ7~8㎜、しっかりしている。蒴果は半球形、直径0.6~2.4㎝、4うねがあり、花盤は広く、バルブは3~5個、花托筒の縁に等しいか又は突き出る。花期は11~5月、果期は冬。
品種) 'Odiel' (PBR) , 'CandOn' (PBR)
11 Eucalyptus goniocalyx F.Muell ユーカリ・ゴニオカリックス
オーストラリア南東部原産。英名は long-leaved box , olive-barked box , bundy
主に切り花や園芸用にて利用されている。
高木、高さ15m以下、樹皮は全体に粗く、繊維状、粗くて暑い。若葉は無柄、対生し、円形、長さ11㎝以下、幅10㎝以下、肉厚で、粉白を帯び、まれに光沢があり、緑色。 成葉は葉柄があり、互生し、披針形、長さ10~20㎝、幅1.5~3㎝、表裏同色、光沢があり、緑色、脈は密、多数の油点がある。花序は腋生、分枝せず、花が7個つく。花序柄 は扁平、長さ 1.5㎝以下。蕾は無柄、卵形、長さ1.3㎝×直径0.6㎝以下、傷跡(sacar)がある。果蓋(operculum)は円錐形又は丸い円錐形。雄しべは不規則に屈曲する。葯は 背着、くさび形。胚珠は垂直に4列につく。花は白色。果実は無柄、円蓋形、長さ1㎝×直径1㎝以下。花盤(disk)は下向き。バルブは 3(4)個。ヘリは同れべるか又は低い。 種子は灰褐色~帯黒色、扁平な楕円形、網目があり、へそは腹側にある。花期は3~8月。 ビクトリア州には5亜種中の4種がある。
12 Eucalyptus gunnii Hook.f. ユーカリ・グニー
タスマニア原産。英名はcider gum , snow gum
高木、高さ10(~30)m。樹皮は粗く、ときに基部で宿存し、その他の幹は平滑で灰色。若葉は多数の対が対生、無柄、粉白を帯び、類円形~広卵形、基部は心形、先は鈍形 又は鋭形。成葉は長さ1~2.5㎝の葉柄をもつ。葉身は長さ4~10㎝×幅1~2.5㎝、長円状披針形又は長円状楕円形、類皮革質、緑色又は±粉白色、上下面は同色、側脈は 中脈に対して約45度で開き、基部は対象形、先は普通、鋭形又は微突形。花は腋生、3個束生する。花序柄は長さ5~10mm、扁平。花柄は短い。花芽は長さ7~8mm、±こん棒形、 粉白色。果蓋(operculum)は半球形、花托筒よりかなり短い。雄しべは白色、葯は長円形。果実は短い花柄があり、長さ5~9mm×幅焼くmm、円筒状つぼ形、先は切形。バルブ は4個、深くくぼむ。花盤(disc)は浅く、落ち込む。花期は通年、主に夏~秋。
品種) Azura = 'Cagire' (PBR) , 'Silver Rain' , 'Cagire' (PBR) , 'Silver Drop' , 'Silver Rain' , 'Silbertropfen' , Eucalyptus gunnii 'Blue Ice'
13 Eucalyptus kruseana F.Muell. ユーカリ・クルセアナ
西オーストラリア州原産。英名はbook-leaf mallee。
14 Eucalyptus latens Brooker
西オーストラリア州原産。英名はnarrow-leaved red mallee
品種) 'Moon Lagoon'ムーンラグーン
15 Eucalyptus leucoxylon F.Muell. ヤナギユーカリ
ビクトリア州原産。英名はyellow gum , blue gum , white ironbark
16 Eucalyptus macrocarpa Hook.f. オオミユーカリ
西オーストラリア州原産。英名はmottlecah。
赤色の大きな花が咲く。
17 Eucalyptus melliodora A.Cunn. ex Schauer シダレユーカリ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州原産。英名はyellow box , honey box , yellow ironbark。
18 Eucalyptus microtheca F.Muell.
オーストラリア北部に広く分布。英名は coolibah
19 Eucalyptus pauciflora Sieber ex Spreng. ユーカリ・パウシフローラ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、タスマニア、ビクトリア州原産。英名はsnow gum , cabbage gum , white sally
19-1 Eucalyptus pauciflora subsp. niphophila (Maiden & Blakely) L.A.S.Johnson & Blaxell
synonym Eucalyptus niphophila Maiden & Blakely
ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州原産。英名はsnow gum。
品種) 'Pendula'
20 Eucalyptus perriniana F.Muell. ex Rodway ツキヌキユーカリ
ニューサウスウェールズ州、タスマニア、ビクトリア州原産。英名はspinning gum , silver-dollar gum
対生の若葉2枚が合着して突き抜き葉となり、ツキヌキユーカリと呼ばれる。
マリー(Mallee:ユーカリの木の叢林)又は高木、高さ8m以下。大きい木の1mは樹皮は粗く、他は平滑、白緑色又は灰色になる。小枝は 普通、粉白色、輪状の葉痕がある。成木の樹冠は普通、若葉と成葉と中間の葉をもち、粉白を帯びる。若葉は無柄、多数の対が対生し、 2枚が合着して円形~広楕円形、長さ12㎝×幅7㎝以下になり、粉白色。成葉は葉柄があり、披針形、長さ12㎝×幅2.5㎝以下、上下面が 同色(concolorous)、光沢がなく、灰緑色~青緑色、網状脈は密で多数、大きな油腺点をもつ。花序は腋生、不分枝。花序柄は長さ0.5 ㎝以下、花を3個つける。花芽は無柄~短柄、卵形、粉白色、長さ0.7㎝×直径0.4㎝以下、傷跡(scar)がある。果蓋(operculum)は半球形 ~鈍い円錐形。雄しべは内曲する。葯は背着、くさび形。胚珠は垂直に4列につく。花はクリーム色。果実は無柄、円蓋形、粉白色。 長さ0.7㎝×直径0.7㎝以下。花盤(disk)は環状又は降下する。バルブは3~5個、縁は水平。種子は暗褐黒色、立方形、くさび形、又は 扁平な楕円形、凹みを持ち、へそは腹側につく。花期は1~3月。
21 Eucalyptus pleurocarpa Schauer テトラゴナ・シルバー
西オーストラリア州原産。英名はtallerack , talyerock , tallerack
日本での流通名はテトラゴナ・シルバー。
22 Eucalyptus polyanthemos Schauer シラカネユーカリ
synonym Eucalyptus ovalifolia R.T.Baker
ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州原産。英名は red box。
別名はマルバユーカリ。
23 Eucalyptus pulverulenta Sims 銀世界ユーカリ
synonym Eucalyptus pulvigera A.Cunn.
ニューサウスウェールズ州原産。英名はSilver-leaved Mountain Gum
品種) 'Baby Blue'
24 Eucalyptus punctata DC. ユーカリ・プンクタータ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州原産。英名はgrey gum
コアラの餌として特に有名な種。
25 Eucalyptus regnans F.Muell. セイタカユーカリ
タスマニア、ビクトリア州原産。英名はmountain ash , swamp gum , stringy gum
26 Eucalyptus robusta Sm. オオバユーカリ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州原産。英名はswamp mahogany , swamp messmate
27 Eucalyptus sideroxylon A.Cunn. ex Woolls アカゴムノキ
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州原産。英名はred ironbark , black ironbark , mugga ironbark
品種) 'Rosea'
28 Eucalyptus staigeriana F.Muell. ex Bailey ハニーレモンユーカリ
オーストラリアのクイーンズランド州に分布。英名は lemon ironbark , lemon-scented ironbark。甘い柑橘系の芳香があり、精油用にも 栽培される。
高さ7m以下。葉は粉白色を帯び、卵形~披針形、普通、長さ13㎝以下、先は鈍形、ときに短く尖る。葉脈はかなり明瞭、とくに下面で目立ち、 葉縁脈はループ状につながり、普通、縁から離れるが、ときに、ほとんど接し、側脈は広がり、中脈に45度でつく。花序は腋生又は側生、長さ 10~15㎝、花が3~4個つき、しばしば、円錐花序が頂生する。蕾は粉白を帯びる。花托筒は半卵形、細い花柄につく。カリプトラは円錐形。 果実は半卵形~半球形、果柄は細い。花盤(rim)は細い。バルブはわずかに突き出る。
29 Eucalyptus tereticornis Sm. クーパーユーカリ
オーストラリア東部沿岸、パプアニューギニアに分布。英名はforest red gum , blue gum , flooded gum , grey gum , mountain gum , Queensland blue gum , red gum , bastard box , red ironbark , red irongum , slaty gum。
高木、高さ20~50m、 幹の胸高直径(dbh)2m以下。幹は真っすぐで、木の高さの半分以上が普通、分枝しない。その上の枝分かれはユーカリ としては急傾斜である。樹皮は不規則な剥片状に剥がれ、平滑になり、幹表面は白色、灰色、青色のパッチになる。若葉は分離し、広披針形 ~卵形、光沢のある緑色。成葉は分離し、狭披針形~披針形、長さ10~20㎝×幅1~3㎝、緑色、光沢がなく、鈍く、上下面は同色。散形花序 に花が7個、まれに11個つき、白色。花序柄は細く、扁平又は角(かど)があり、長さ7~25㎜。花柄は円柱形、長さ3~10㎜。蕾は円筒形又は 紡錘形、長さ10~20㎜×幅4~8㎜、切れ目の傷(scar)がある。カリプトラは円錐形又は長く尖り、花托筒より長く、同幅。果実は球形又は 卵形、室は4又は5個、長さ4~6㎜、幅4~8㎜、花盤は盛り上がり、バルブは突き出る。
30 Eucalyptus x tetragona (R.Br.) F.Muell ユーカリ・テトラゴナ
オーストラリア西部に分布。英名はTallerac , Talyerock
Eucalyptus pleurocarpa と Eucalyptus extricaとのハイブリッド
31 Eucalyptus viridis F.Muell. ex R.T.Baker 糸葉ユーカリ
オーストラリアのクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州に分布。英名はgreen mallee。 乾燥に強く、耐寒性も強い。
低木~高木、高さ10m以下。樹皮は灰色~暗灰色、繊維状の薄片状(box)、上部は平滑、灰色~灰褐色、短いリボン状に剥がれる。若い葉は分裂し、 線形、鈍い灰緑色。成葉は分裂し、線形、長さ6~10㎝、幅0.4~0.8㎝、緑色、半光沢があり、上下面は同色。散形花序に花が7個つく。花序柄は 円柱形、長さ5~8㎜。花柄は円柱形、長さ2~4㎜。蕾は卵形~短紡錘形、長さ4~5㎜、直径2~3㎜、切れ目の傷(scar)は無い。カリプトラ(calyptra) は円錐形、花托筒より短いか又は同長で同幅。雄しべは全て稔性。果実は円筒形又は卵形、長さ2~4㎜×直径2~4㎜。花盤は落ち込み、バルブは 包まれる。
32 Eucalyptus websteriana Maiden ハートリーフユーカリ
オーストラリア西部に分布。英名は Webster's mallee , heart-leaf mallee , dainty mallee。
Eucalyptus decipiens もハートリーフユーカリといわれる。Eucalyptus decipiens より葉がやや大きい。切り花や園芸用として愛倍される。
低木(mallee)、高さ4(5)m以下。樹皮は赤色~赤褐色、小さくカールする薄片状に剥がれ、これをminni ritchi type樹皮という。剥がれた下面は緑色。 小枝はときに白粉状になり、腺点は無い。成葉は普通、互生、ときに類対生と互生が混じる。葉柄は長さ0.5~1.7㎝。葉身は倒卵形~倒心形、長さ1.8~ 4.5㎝×幅0.9~3㎝、基部は狭くなり、全縁、先は凹形又は円形、上面と下面は同色、灰緑色~灰色(新葉は白粉を帯びる)、側脈は中脈に対して45度 以上、網状脈はごく密、葉縁脈は縁から離れ、油腺は集合し、星形。花序は腋生、分枝せず、花序柄は長さ0.9~1.2㎝、蕾は7個。花柄は長さ0.3~0.7㎝。 成熟した蕾は球形、長さ0.5~1㎝×幅0.5~0.8㎝、まれに白粉を帯び、切れ目の傷(scar)がある。カリプトラ(operculum)は丸く、微突頭、長さ0.4~0.7㎝、 雄しべは斜め又は斜め状に直立する。葯は直方体、多方向、底着、縦の隙間から裂開する。花柱は長く、真っすぐ又は先が曲がる。柱頭は鈍く、室は4(5)個、 各胎座は縦の列に4胚珠をもつ。花はクリーム色~淡レモンイエロー。果柄は長さ0.4~0.7㎝。果実は半球形又は頻度は低いものの広倒円錐形、まれに粉白色 を帯び、長さ0.3~0.6㎝×幅0.7~1.2㎝、花盤は斜上し又は多少平ら、バルブは4(5)個、明瞭に突き出る。種子は褐色、長さ1~2㎜、直方体~角(かど)のある 卵形、背面は浅い網状、へそは腹面又は末端にある。花期は7~9月。
33 その他のハイブリッド
品種) 'Vermillion Blaze' , 'Golden Crown' , 'Little Boy Blue' , 'Urrbrae Gem' , 'Silver Princess' , 'Dale Chapman'
ユーカリ属から分割された属
旧ユーカリ属(Eucalyptus)は現在の分類では、ユーカリ属(Eucalyptus)、コリンビア属(Corymbia)、アンゴフォラ属(Angophora)の3属に分割されている。コリンビア属
family Malpighiaceae - genus Corymbia普通、高木、ときにマリー(Mallee:ユーカリの木の叢林)状。樹皮は宿存(短い繊維のある薄片状、小さな多角形に別れる)又は平滑(多角形の剥片又は 短いひも状に剥離)。葉は2形。若葉は対生。成葉は対生でなく、等面葉(similifacial)、たまに異面葉(dorsiventral)、側脈は間隔が密で、葉に普通、油腺が ある。花序は複合、頂生又は側生、しばしば広がって分枝し、通常、規則的な7個の花の散形花序からなる。咢はカリプトラ(calyptra)に融合し、花時に宿存 するか又は内カリプトラの中に融合する前に落ちる。花冠は±離生の花弁、咢に付着する(分離可能)か又は咢に融合する(外カリプトラとともに落ちる)、又は 内カリプトラに融合し、外カリプトラの後から落ち、ときに同時におちる。雄しべは多数、普通、連続した数輪につく。花糸は蕾中では規則的に内側に曲がる。 葯は多方向、長円形、平行な隙間から裂開する。子房は半下位、普通、3室、先端を除いて花托筒に包まれる。胚珠は多数、ovulode(胎座の上にできる小さな 不稔の胚珠:Myrtaceaeでおきる)がある。果実は蒴果、ほとんどの種では木質なる。花盤は凹み、バルブは包まれる。 世界に約115種あり、5種を除いてオーストラリア固有種。5種がニュージーランドにある。
コリンビア属の主な種
1 Corymbia citriodora (Hook.) K.D.Hill & L.A.S.Johnson レモンユーカリsynonym Eucalyptus citriodora Hook.
オーストラリア東部に分布。英名はlemon-scented gum , blue spotted gum , lemon eucalyptus , eucalyptus citriodora。
高さ35mの高木。樹皮は全体に平滑、白色~ピンク色~同色、しばしば粉状、カールした薄片状に剥がれ、幹がまだらになり、しばしばまだらが不明瞭になる。若木は茎が円柱形、ざらざらし、若葉は常に葉柄があり、2又は3対が互生し、上部は互生し、卵形~披針形、長さ14~21㎝、幅4.5~8㎝、基部は普通、中央に柄があり、緑色、葉柄及び葉身はざらざらし、多くのこぶがある。成葉は互生、葉柄は長さ1~2.5㎝。葉身は狭披針形~かま形、 長さ(7)10~23㎝、幅0.6~2.8(3.5)㎝、基部は細くなり、葉柄に続き、同色、光沢があり、緑色、強い羽状脈( penniveined)、非常に密に網状になり、葉縁脈は縁に平行~ほぼ平行、油腺がある。葉はもむとレモンの香りがあり、無いこともある。花序は腋生、複合花序。花序柄は長さ0.3~1㎝、蕾は散形花序に3個つき、花柄は長さ0.1~0.6㎝。成熟した蕾は倒卵形~洋梨形、長さ0.6~1㎝、幅0.5~0.7㎝、緑色~クリーム色、普通、平滑、傷痕(scar) は普通、無い(しばしば、外側のカリプトラは開花まで保たれ、蕾の最後にだけ傷痕は明瞭になる)。カリプトラは丸く~円錐形又はわずかに嘴がある。雄しべは内曲する。葯は直方体又は楔形、多方向、背着生、縦の隙間から裂開する。花柱は長く、柱頭は柱頭は鈍形又はモップ状、3室、各胎座は胚珠が垂直の5列になる。花は白色。果実は長さ0.1~0.7㎝の果柄があり、つぼ形又はたる形、長さ0.8~1.5㎝、幅0.7~1.2㎝、花盤は下行し、バルブは3個、封入される。種子は赤黒色、光沢があり、長さ2.3~5㎜、舟形(扁平で背側に竜骨がある)、背面は平滑、翼は無く、腹にへそ(hilum)がある。
品種) 'Lemon Bush'
2 Corymbia eximia (Schauer) K.D.Hill & L.A.S.Johnson
synonym Eucalyptus eximia (Schauer) K.D.Hill & L.A.S.Johnson
ニューサウスウェールズ州原産。英名は yellow bloodwood。
品種) 'Nana'
3 Corymbia ficifolia (F.Muell.) K.D.Hill & L.A.S.Johnson アカバナユーカリ
synonym Eucalyptus ficifolia F.Muell.
西オーストラリア州原産。英名は red flowering gum, Albany red flowering gum , Albany redgum。
主に切り花や園芸用に利用される。耐寒性があり、団地では屋外栽培が可能。花は赤色。花期は4~7月。
品種) 'Nut Road'
4 Corymbia gummifera (Gaertn.) K.D.Hill & L.A.S.Johnson タマザキユーカリ
synonym Eucalyptus gunnii Hook.f.
synonym Eucalyptus corymbosa Sm.
オーストラリア東部~東南部原産。英名はred bloodwood。
高さ24~35m、高いものは高さ60m。樹皮は帯赤色、しわがあり、宿存性の繊維状、樹脂を多量に滲出し、赤色の血のような物質で覆われる。若い葉は葉柄狩り、少数が対生し、 その後、互生し、広披針形~披針形、盾形になるものもあり、長さ23㎝、幅7.5㎝以下、初期の葉は毛がある。成葉は葉柄があり、互生し、広披針形~披針形、長さ10~16㎝、 幅2~5㎝、上下面が異色、上面は暗緑色、規則的な広角の側脈があり、網状脈はごく細かく、小さな油腺点をもつ。下面は淡緑色、側脈は極細かく、多数あり、わずかに斜め、 油点は少ない。花序は複合、頂生し、3~6個の散形花序の円錐花序につく。花序柄は長さ3㎝以下。花は7個つく。花芽は柄があり、こん棒形、長さ1.1㎝、直径0.7㎝以下、傷跡 (scar)は無い。咢は円錐形。子房は頭が平ら。カリプトラ(operculum)は半球形、普通、先が短い尖鋭形。雄しべは内曲する。葯は多方向、くさび形。胚珠は垂直に4列。花は 白色~クリーム白色。果実は柄があり、つぼ形、長さ2㎝、直径1.8㎝以下、縁は皿形。花盤は垂直に落ち込み、筒部に内張り。バルブは広い縁の基部に隠れ、7~9本の線が長く 、5~6本の線が広い。種子は赤褐色、舟形、頂部に翼は無く、縁にフランジがある。花期は1~3月。
参考
1) GRINEucalyptus
http://www.tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomylist?category=species&type=genus&value=Eucalyptus&id=28025
2) Flora of ChinaEucalyptus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=112247
3) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINEEucalyptus pulverulenta Sims
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Eucalyptus~pulverulenta
Eucalyptus cinerea
http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Eucalyptus~cinerea
4) Flora of VictoriaEucalyptus goniocalyx
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/373f6949-3ef7-40b3-8b65-4aeb60e21f35
5) ユーカリ農場
http://www.eucalyptus-farm.jp/
6) Eucalyptus of Aurtralia (EUCLID)
http://keyserver.lucidcentral.org:8080/euclid/data/02050e02-0108-490e-8900-0e0601070d00/media/Html/index.htm
Learn about eucalypts:ユーカリの詳しい解説がある。ユーカリの用語辞書
http://keyserver.lucidcentral.org:8080/euclid/data/02050e02-0108-490e-8900-0e0601070d00/media/Html/glossary.htm#pith
7) Eucalyptus of Aurtralia (EUCLID)
Volume 19 Myrtaceae–Eucalyptus, Angophora
https://www.environment.gov.au/system/files/pages/639cb95c-caba-408d-8657-98581bd790eb/files/flora-australia-19-myrtaceae-v2.pdf