ヤワタソウ 八幡草
Flora of Mikawa
ユキノシタ科 Saxifragaceae ヤワタソウ属
中国名 | 涧边草 jian bian cao |
学 名 | Peltoboykinia tellimoides (Maxim.) H.Hara |
花 期 | 5~7(~10)月 |
高 さ | 20~100㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 峡谷や林下の陰地に生える。 |
分 布 | 在来種 本州(中部地方以北)、中国 |
撮 影 | 稲武町 04.7.4 |
根生葉は直径15~25㎝の円形、7~9(~13)に浅裂し、長い柄の先に楯状につく。葉柄は長さ20~25㎝。茎葉は2または3枚、互生し、やや小さく、裂片が少なく、基部は心形。花は集散花序につき、直径約1㎝の淡黄白色、5弁花。花弁は長さ0.6~1.4㎝、腺毛が密生し、先に鋸歯がある。雄しべ10本。萼は幅5~8㎜の浅い鐘形、先は5裂し、裂片の先が尖る。種子は長さ0.8~1㎜の惰円形。2n=22。
ワタナベソウは四国、九州に分布し、葉が中深裂し、裂片の幅が狭い。
多年草。根茎は広がり、短く太い。葉は互生し、単葉。根生葉は長い葉柄があり、盾形また円状心形、大きく、掌状分裂する。托葉は膜質。茎葉は少数、根生葉と似るが、はるかに小さい。花序は集散花序、苞は小さい。花托筒は子房の下部につく。萼片は5個。花弁は5個、帯黄色、縁には通常まばらに小歯がある。雄しべは10本。心皮は2個、合着する。子房は半下位、2室ある。中軸胎座。胚珠は多数。花柱は2本、離生。果実は蒴果。種子は多数、小さく、いぼ状突起がある。
世界に2種あり、日本、中国に分布する。
日本(本州中部以北)、中国原産。中国名は涧边草 jian bian cao。別名はオトメソウ。峡谷や林下の陰地に生える。
多年草、高さ(20~)60~100㎝。 根茎は直径1.5~2㎝。 葉はほとんど根生する。根生葉は通常1または2枚つき、緑色。葉柄は盾状につき、長さ20~35㎝、無毛または長軟毛がある。葉身は直径15~25(~30)㎝、縁は掌状に7~9(~13)浅裂し、裂片は広三角状卵形または斜めの三角形、長さ4~7㎝×幅5~8㎝、無毛~長軟毛があり、縁は不規則な鋸歯があり、先は鋭形~短尖鋭形。 茎葉は少数、通常は2または3枚つき、 根生葉よりはるかに小さい。花序は長さ40~80㎝。苞は線形、長さ1~3㎜。小花柄は長さ5~10㎜、まばらに腺毛がある。萼片は卵形~三角形、長さ2.5~4㎜、まばらに腺毛がある。花弁は淡黄色、狭長円形、長さ0.6~1.4㎝×幅3.5~5㎜、まばらに腺毛があり、縁は上部にまばらに歯があり、先は短い尖鋭形。花糸は短く、太い。 葯は長円形。子房は長さ1.2~1.4㎝×幅約8㎜。柱頭は楕円形またはほぼ卵形。種子は楕円形、長さ0.8~1㎜。花期は7~10月(日本では5~7月)。2n=22。
2 Peltoboykinia watanabei (Yatabe) H.Hara ワタナベソウ 渡辺草
synonym Peltoboykinia tellimoides (Maxim.) H.Hara var. watanabei (Yatabe) H.Hara
日本固有種。四国、九州に分布する。ワタナベソウは葉が中央付近まで深裂する。地方変種とする見解もあった。
多年草、高さ30~76㎝。根出葉は1枚つき、葉柄は盾状につき、長さ約30㎝、葉身はほぼ円形、直径15~35㎝、 掌状に7~9中裂~深裂し、裂片は狭倒卵形~披針形、無毛。茎葉は少数つき、根出葉に似るが、小さく、葉柄も短い。花茎は長さ30~60㎝。苞は披針形。萼筒は鐘形、直径約6㎜、下半分が子房と合着する。萼片は5個、は三角形、長さ約4㎜。花弁は淡黄色、5個、直立し、長円形、長さ8~13㎜×幅約2.5㎜、先は鋭形、腺毛があり、花後に脱落する。雄しべは10本、長さ約3㎜。葯は初め、黄色、熟すと黒紫色になる。蒴果は狭卵形~楕円形、長さ10~13㎜。花期は7月。2n=22。
Peltoboykinia
Peltoboykinia
Peltoboykinia
原寛:ヤワタソウ属
ワタナベソウは四国、九州に分布し、葉が中深裂し、裂片の幅が狭い。
ヤワタソウ属
family Saxifragaceae - genus Peltoboykinia多年草。根茎は広がり、短く太い。葉は互生し、単葉。根生葉は長い葉柄があり、盾形また円状心形、大きく、掌状分裂する。托葉は膜質。茎葉は少数、根生葉と似るが、はるかに小さい。花序は集散花序、苞は小さい。花托筒は子房の下部につく。萼片は5個。花弁は5個、帯黄色、縁には通常まばらに小歯がある。雄しべは10本。心皮は2個、合着する。子房は半下位、2室ある。中軸胎座。胚珠は多数。花柱は2本、離生。果実は蒴果。種子は多数、小さく、いぼ状突起がある。
世界に2種あり、日本、中国に分布する。
ヤワタソウ属の主な種と園芸品種
1 Peltoboykinia tellimoides (Maxim.) H.Hara ヤワタソウ 八幡草日本(本州中部以北)、中国原産。中国名は涧边草 jian bian cao。別名はオトメソウ。峡谷や林下の陰地に生える。
多年草、高さ(20~)60~100㎝。 根茎は直径1.5~2㎝。 葉はほとんど根生する。根生葉は通常1または2枚つき、緑色。葉柄は盾状につき、長さ20~35㎝、無毛または長軟毛がある。葉身は直径15~25(~30)㎝、縁は掌状に7~9(~13)浅裂し、裂片は広三角状卵形または斜めの三角形、長さ4~7㎝×幅5~8㎝、無毛~長軟毛があり、縁は不規則な鋸歯があり、先は鋭形~短尖鋭形。 茎葉は少数、通常は2または3枚つき、 根生葉よりはるかに小さい。花序は長さ40~80㎝。苞は線形、長さ1~3㎜。小花柄は長さ5~10㎜、まばらに腺毛がある。萼片は卵形~三角形、長さ2.5~4㎜、まばらに腺毛がある。花弁は淡黄色、狭長円形、長さ0.6~1.4㎝×幅3.5~5㎜、まばらに腺毛があり、縁は上部にまばらに歯があり、先は短い尖鋭形。花糸は短く、太い。 葯は長円形。子房は長さ1.2~1.4㎝×幅約8㎜。柱頭は楕円形またはほぼ卵形。種子は楕円形、長さ0.8~1㎜。花期は7~10月(日本では5~7月)。2n=22。
2 Peltoboykinia watanabei (Yatabe) H.Hara ワタナベソウ 渡辺草
synonym Peltoboykinia tellimoides (Maxim.) H.Hara var. watanabei (Yatabe) H.Hara
日本固有種。四国、九州に分布する。ワタナベソウは葉が中央付近まで深裂する。地方変種とする見解もあった。
多年草、高さ30~76㎝。根出葉は1枚つき、葉柄は盾状につき、長さ約30㎝、葉身はほぼ円形、直径15~35㎝、 掌状に7~9中裂~深裂し、裂片は狭倒卵形~披針形、無毛。茎葉は少数つき、根出葉に似るが、小さく、葉柄も短い。花茎は長さ30~60㎝。苞は披針形。萼筒は鐘形、直径約6㎜、下半分が子房と合着する。萼片は5個、は三角形、長さ約4㎜。花弁は淡黄色、5個、直立し、長円形、長さ8~13㎜×幅約2.5㎜、先は鋭形、腺毛があり、花後に脱落する。雄しべは10本、長さ約3㎜。葯は初め、黄色、熟すと黒紫色になる。蒴果は狭卵形~楕円形、長さ10~13㎜。花期は7月。2n=22。
参考
1) Flora of ChinaPeltoboykinia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124313
2) Plants of the World Online| KewsciencePeltoboykinia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:37116-1
3) World Flora OnlinePeltoboykinia
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000028504
4) 植物研究雑 30(2): 55–56(1955)原寛:ヤワタソウ属
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_030_55_56.pdf