ヤマグワ 山桑
Flora of Mikawa
クワ科 Moraceae クワ属
別 名 | クワ |
英 名 | wild Korean mulberry |
中国名 |
鸡桑 ji sang |
学 名 | Morus australis Poir. Morus bombycis Koidz. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 3~15m |
生活型 | 落葉高木 |
生育場所 | 丘陵、山林 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー |
撮 影 | 西浦町 09.12.26 |
養蚕が盛んな頃はマグワと同様、蚕の餌として栽培されていた。
幹は褐色、樹皮に縦の筋が入り、薄く剥がれる。葉は互生し、長さ6~14㎝、幅4~11㎝の卵形~広楕円形、先端が尾状に尖り、基部は切形~浅い心形、縁に粗い鋸歯がある。葉形は3~5個切れ込みがある場合もあり、切れ込みが無かったり、いろいろ変化する。花は雌雄別株が普通。花柱が2~3㎜と長く、宿存し、果実の外に飛び出している。集合果は長さ1~1.5㎝、幅約1㎝の惰円形、赤色~黒紫色に熟す。
類似のマグワ Morus alba は中国原産、中国名は桑(sang)。 集合果は長さ1~2.5㎝、花柱は無く、柱頭もほとんど見えない。
高木又は低木、落葉、乳液をもつ。雌雄同株又は雌雄異株。冬芽は芽鱗が3~6個、覆瓦状。托葉は離生、類側生、早落性。葉は互生。葉身は単葉から深く掌状に分裂し、縁は歯状、一次脈は基部から3~5本、二次脈は羽状。雄花序は腋生、穂状、多数花がつく、花序柄は短い。雌花序は短い穂状~頭樹。雄花は無柄、咢片4個、覆瓦状。雄しべは芽中で屈曲し、雌しべが頂部につく。雌花は無柄、咢片4個、覆瓦状、果実中では肉質になる。子房は1室。花柱は有又は無。柱頭は2分枝、外側が有毛又はパピラがある。果実は大きくなった肉質の咢をもち、普通、集まってジューシーな集合果(syncarp)になる。集合果は肉質の咢に包まれた痩果(achene)をもつ。内果皮は貝殻状。外果皮は肉質。種子は±球形、胚乳は肉質。胚は内側に曲がる。子葉は楕円形。
世界に約16種があり、温帯地域に広く分布し、熱帯アフリカ、インドネシア、南アメリカの山にも分布する。
synonym Morus latifolia Poir.
中国原産。中国名は桑 sang 。英名はRussian mulberry , ilkworm mulberry , white mulberry
低木又は高木、高さ3~10m。樹皮は灰色、浅い溝がある。枝には細かい毛がある。冬目は赤褐色、卵形、細かい毛がある。托葉は披針形、長さ2~3.5㎝、密に短毛で覆われる。葉柄は長さ1.5~5.5㎝、有毛。葉身は卵形~広卵形、不規則に分裂し、長さ5~30㎝×幅5~12㎝、下面は中脈にまばらに毛があり、中脈と一時側脈の腋に毛叢があり、上面は明るい緑色、無毛、基部は円形~±心形、縁は粗い鋸歯~円鋸歯、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。雄性の尾状花序(catkin)はぶら下がり、長さ2~3.5㎝、密に白色の毛がある。雌の尾状花序葉長さ1~2㎝、毛がある。花序柄は長さ5~10㎜、有毛。雄花は咢片が淡緑色、広楕円形、花糸は芽中では屈曲し、葯は2室、球形~腎形。雌花は無柄、咢片は卵形、±扁平、縁毛をもつ。子房は無柄、卵形。花柱は無い。柱頭は乳様突起状の(mastoidlike)突起をもち、枝は散開し、パピラがある。集合果は未熟なとき赤色、熟すと黒紫色~紫色又は緑白色、卵形~楕円形~円筒形、長さ1~2.5㎝。花期は4~5月。果期は5~8月。
品種) 'Atomic Blast' , 'Baby Doll' , 'Bungeana' , 'Chaparral' , 'Fastigiata' , 'Issai' (F) , 'Laciniata' , 'Macrophylla' , 'Middleton' (F) , 'Nana' , 'Oscar' (F) , 'Pakistan' (F) , 'Paradise' (F) , 'Pendula' , 'Platanifolia' , 'Pompon' , 'Pyramidalis' , 'San Martin' , 'Shangri-la' (F) , 'Snowflake Lobed' (v) , 'Spirata' , 'Venosa' , 'Widman Mitchell'
1-1 var. alba
葉身は質が薄く、長さ5~15㎝。集合果は熟すと黒紫色、卵形~楕円形。
1-2 Morus alba L. var. multicaulis (Perr.) Loudon ロソウ
synonym Morus latifolia Poir.
中国名は鲁桑 lu sang
葉身は厚く、長さ30㎝以下。集合果は熟すと緑白色~紫色、円筒形。
2 Morus australis Poir. ヤマグワ
synonym Morus bombycis Koidz. f. dissecta Nakai
synonym Morus bombycis Koidz. var. caudatifolia (Koidz.) Koidz.
synonym Morus bombycis Koidz.
synonym Morus amamiana Nakai
日本、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は鸡桑 ji sang。英名はwild Korean mulberry 。
小高木又は低木。樹皮は灰褐色。冬芽は円錐形又は卵形、大きい。托葉は線状披針形。葉柄は長さ1~1.5㎝、有毛。葉身は披針形~広卵形、単葉又は(2~)3~5裂、裂片は円形~線形、長さ5~14㎝×幅1~12㎝、下面はまばらに太い毛で覆われ、上面はざらつき、密に短毛で覆われ、基部は楔形~心形、縁は鋸歯又は全縁、錐形の突起や剛毛は無く、先は鋭形~尾状。雄性の尾状花序は長さ1~1.5㎝、有毛。雌花序は球形、直径葯㎝、密に白色の毛があり、花序柄は短い。雄花は咢片が緑色、卵形、葯は黄色。雌花は咢片が暗緑色、長楕円形。花柱は長く、柱頭は2枝、外側に毛がある。集合果は熟すと赤色~暗紫色、短い円筒形、直径約1㎝。花期は3~4月。果期は4~5月。
2-1 Morus australis Poir. f. maritima (Koidz.) Sa.Kurata ハマグワ
synonym Morus australis Poir. var. glabra Koidz.
synonym Morus bombycis Koidz. var. maritima Koidz.
沿海地に生育する。葉はしばしば3裂し、質が厚く、光沢があり、鮮やかな緑色。雄花序は短円柱形、長さ2~3㎝。集合果は熟すと紫黒色、楕円形。
4 Morus boninensis Koidz. オガサワラグワ
小笠原諸島固有種。
5 Morus cathayana Hemsl. ケグワ
synonym Morus tiliifolia Makino
synonym Morus cathayana Hemsl. var. japonica (Makino) Koidz.
日本、朝鮮、中国原産。中国名は华桑 hua sang 。
小高木又は低木。雌雄同株。樹皮は灰白色、平滑。若いときに小枝に毛があり、無毛になり、皮目が目立つ。托葉は披針形。葉柄は長さ2~5㎝、有毛。葉身は広卵形~± 円形、ときに分裂し、長さ8~20㎝×幅6~13㎝、厚い紙質、下面は白色~黄灰色の毛が密にあり、上面はざらつき、まばらに短毛で覆われ、基部の脈に毛があり、基部は心形~切形で±斜め、縁は浅い~粗い鋸歯縁又は基部が全縁で先が浅い鋸歯状、先は鋭形~短い尖鋭形。雄の尾状花序は長さ3~5㎝。雌の尾状花序は長さ1~3㎝。雄花は咢片が黄緑色、狭卵形、内側に毛がある。雄しべ4個、雌しべは小さい。雌花は咢片が倒卵形、先に毛がある。花柱は短い。柱頭は乳様突起状の突起が無く、2枝、外側に毛がある。集合果は熟すと白色~赤色~暗紫色、円筒形、長さ2~3㎝。花期は4~5月。果期は5~6月。葉がお茶として使われる。
6 Morus kagayamae Koidz. ハチジョウグワ
synonym Morus australis Poir. var. hachijoensis (Hotta) Kitam.
八丈島~伊豆七島に分布。別名シマグワという。ヤマグワに含める見解もある。雌雄異株、たまに雌雄同株。葉が大きく、厚く、上面の光沢が強く、無毛、縁は重鋸歯、ヤマグワと同様に先が尾状に尖る。
7 Morus mongolica (Bureau) C.K.Schneid. モウコグワ
日本、朝鮮、中国、モンゴル原産。中国名は蒙桑 meng sang
小高木又は低木。雌雄異株。樹皮は灰褐色、溝がある。古い枝は灰黒色、小枝は暗赤色。冬芽は灰褐色、卵形。托葉は長さ2.5~3.5㎝。葉身は楕円状卵形、長さ8~15㎝×幅5~8㎝、紙質、無毛、基部は心形、縁は三角形の鋸歯状、少し重鋸歯になり、各歯には錐形の尖り又は剛毛があり、先端の鋸歯は長い刺があり、先は短い尖鋭形。雄の尾状花序は長さ約3㎝。雌の花序は短い円筒形、長さ1~1.5㎝。花序柄は長さ1~1.5㎝。雄花は咢片が暗黄色、縁は内側に毛がある。葯は2室、縦に裂開する。雌花は咢片が無毛又は内面にまばらに毛がある。花柱は長い。柱頭は乳首のような突起があり、2枝、外面には密にパピラがある。集合果は熟すと赤色~紫色、長さ約1.5㎝。花期は3~4月。果期は4~5月。
8 Morus nigra L. クロミグワ
イラン西部原産。中国名は黑桑 hei sang 。英名はblack mulberry , blackberry 。
高木、高さ10m以下。雌雄同株又は雌雄異株。樹皮は暗褐色。枝は淡褐色、有毛。托葉は披針形、膜質、褐色の毛がある。葉柄は長さ1.5~2.5㎝、有毛。葉身は広卵形分裂せず、長さ6~12(~20)㎝ ×幅7~11㎝、厚い。下面は淡緑色、短毛があり、綿毛状。上面は暗緑色で粗く、基部は心形、縁は規則ただしい、粗い鋸歯状、先は鋭形~短い尖鋭形。雄の尾状花序は円筒形、長さ2~4㎝、有毛。雌の尾状花序は楕円形、長さ2~2.5㎝、花序柄は短い。雌花は花柱が不明瞭、柱頭は乳様突起状の突起が無く、2枝、有毛。集合果は熟すと黒紫色、楕円形、長さ2~2.5㎝×幅1.5~2.5㎝。花期は3~6月。
品種) 'Charlton House' , 'Chelsea' (F) , 'Dark House' , 'Izvor' (F) , 'Jerusalem' (F) , 'King James' , 'Large Black' (F) , 'Repsime' (F) , 'Sham Dudu' (F)
9 Morus rubra L. アカミグワ
北アメリカ原産。英名は red mulberry , murier rouge , moral 。
小高木又は低木。高さ20m以下。樹皮は灰褐色、橙色を帯び、浅い溝があり、うねは平らで広い。小枝は赤褐色~薄緑褐色、無毛又は少し毛状突起があり、皮目は淡色、楕円形、目立つ。芽は卵形、わずかに扁平、長さ3~7㎜、先は鋭形、外側の鱗片は暗褐色、しばしば有毛、小さな縁毛がある。葉痕は卵形~不規則な円形、維管束痕(bundle scars )は円形の中に多数。托葉は線形、長さ10~13㎜、薄く、有毛。葉柄は長さ2~2.5㎝、、無毛又は有毛。葉身は広卵形、ときに不規則に分裂し、長さ10~18(~36)㎝×幅8~12(~15.5)㎝、基部は円形~心形に近く、ときに斜め、縁は鋸歯~円鋸歯、先は急に尖鋭形。葉の下面はまばら~密に毛又は微軟毛があり、 上面には短い前向きの伏毛をもち、普通、ざらつく。尾状花序は花序柄に毛がある。雄の尾状花序は長さ3~5㎝。雌の尾状花序は長さ 8~12㎜×幅5~7㎜。雄花と雌花は異株につく。雄花は咢片が基部で合着、緑色で赤色を帯び、長さ2~2.5㎜、外側に毛があり、先に縁毛がある。雄しべは4個、花糸は長さ3~3.5㎜。雌花は咢が子房の周りにしっかりつく。子房は緑色、広楕円形又は倒卵形、わずかに扁平、長さ1.5~2㎜×幅約1㎜、無毛。花柱は分枝し、散開し、帯白色、長さ約1.5㎜。柱頭にはパピラがある。集合果は黒色又は濃紫色、円筒形、長さ(1.5~)2.5~4(~6) ㎝×幅約1㎝。咢は肉質で痩果を取り囲む。痩果は帯黄色、楕円形、扁平、長さ約2㎜、平滑。花期は春~夏。
品種) 'Nana'
10 Morus australis Poir. x M. kagayamae Koidz. ボウシュウグワ
11 その他
品種) 'Black Tabor' (F) , 'Capsrum' (F) , 'Carman' (F) , [Charlotte Russe] 'Matsunaga' , 'Illinois Everbearing' (F) , 'Italian' (F) , 'Matsunaga' (F) , Mojo Berry , Morus 'Ivory' (F) , 'Sullivan' (F) , 'Wellington' (F)
Morus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121220
2) Flora of North America @ efloras.org
Morus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=121220
3) GRIN
Morus L. List of Species Records in GRIN 33
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7821
4) Flora of Pakistan @ efloras.org
Morus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=121220
幹は褐色、樹皮に縦の筋が入り、薄く剥がれる。葉は互生し、長さ6~14㎝、幅4~11㎝の卵形~広楕円形、先端が尾状に尖り、基部は切形~浅い心形、縁に粗い鋸歯がある。葉形は3~5個切れ込みがある場合もあり、切れ込みが無かったり、いろいろ変化する。花は雌雄別株が普通。花柱が2~3㎜と長く、宿存し、果実の外に飛び出している。集合果は長さ1~1.5㎝、幅約1㎝の惰円形、赤色~黒紫色に熟す。
類似のマグワ Morus alba は中国原産、中国名は桑(sang)。 集合果は長さ1~2.5㎝、花柱は無く、柱頭もほとんど見えない。
クワ属
family: Moraceae - genus Morus高木又は低木、落葉、乳液をもつ。雌雄同株又は雌雄異株。冬芽は芽鱗が3~6個、覆瓦状。托葉は離生、類側生、早落性。葉は互生。葉身は単葉から深く掌状に分裂し、縁は歯状、一次脈は基部から3~5本、二次脈は羽状。雄花序は腋生、穂状、多数花がつく、花序柄は短い。雌花序は短い穂状~頭樹。雄花は無柄、咢片4個、覆瓦状。雄しべは芽中で屈曲し、雌しべが頂部につく。雌花は無柄、咢片4個、覆瓦状、果実中では肉質になる。子房は1室。花柱は有又は無。柱頭は2分枝、外側が有毛又はパピラがある。果実は大きくなった肉質の咢をもち、普通、集まってジューシーな集合果(syncarp)になる。集合果は肉質の咢に包まれた痩果(achene)をもつ。内果皮は貝殻状。外果皮は肉質。種子は±球形、胚乳は肉質。胚は内側に曲がる。子葉は楕円形。
世界に約16種があり、温帯地域に広く分布し、熱帯アフリカ、インドネシア、南アメリカの山にも分布する。
クワ属の主な種と園芸品種
1 Morus alba L. マグワsynonym Morus latifolia Poir.
中国原産。中国名は桑 sang 。英名はRussian mulberry , ilkworm mulberry , white mulberry
低木又は高木、高さ3~10m。樹皮は灰色、浅い溝がある。枝には細かい毛がある。冬目は赤褐色、卵形、細かい毛がある。托葉は披針形、長さ2~3.5㎝、密に短毛で覆われる。葉柄は長さ1.5~5.5㎝、有毛。葉身は卵形~広卵形、不規則に分裂し、長さ5~30㎝×幅5~12㎝、下面は中脈にまばらに毛があり、中脈と一時側脈の腋に毛叢があり、上面は明るい緑色、無毛、基部は円形~±心形、縁は粗い鋸歯~円鋸歯、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。雄性の尾状花序(catkin)はぶら下がり、長さ2~3.5㎝、密に白色の毛がある。雌の尾状花序葉長さ1~2㎝、毛がある。花序柄は長さ5~10㎜、有毛。雄花は咢片が淡緑色、広楕円形、花糸は芽中では屈曲し、葯は2室、球形~腎形。雌花は無柄、咢片は卵形、±扁平、縁毛をもつ。子房は無柄、卵形。花柱は無い。柱頭は乳様突起状の(mastoidlike)突起をもち、枝は散開し、パピラがある。集合果は未熟なとき赤色、熟すと黒紫色~紫色又は緑白色、卵形~楕円形~円筒形、長さ1~2.5㎝。花期は4~5月。果期は5~8月。
品種) 'Atomic Blast' , 'Baby Doll' , 'Bungeana' , 'Chaparral' , 'Fastigiata' , 'Issai' (F) , 'Laciniata' , 'Macrophylla' , 'Middleton' (F) , 'Nana' , 'Oscar' (F) , 'Pakistan' (F) , 'Paradise' (F) , 'Pendula' , 'Platanifolia' , 'Pompon' , 'Pyramidalis' , 'San Martin' , 'Shangri-la' (F) , 'Snowflake Lobed' (v) , 'Spirata' , 'Venosa' , 'Widman Mitchell'
1-1 var. alba
葉身は質が薄く、長さ5~15㎝。集合果は熟すと黒紫色、卵形~楕円形。
1-2 Morus alba L. var. multicaulis (Perr.) Loudon ロソウ
synonym Morus latifolia Poir.
中国名は鲁桑 lu sang
葉身は厚く、長さ30㎝以下。集合果は熟すと緑白色~紫色、円筒形。
2 Morus australis Poir. ヤマグワ
synonym Morus bombycis Koidz. f. dissecta Nakai
synonym Morus bombycis Koidz. var. caudatifolia (Koidz.) Koidz.
synonym Morus bombycis Koidz.
synonym Morus amamiana Nakai
日本、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は鸡桑 ji sang。英名はwild Korean mulberry 。
小高木又は低木。樹皮は灰褐色。冬芽は円錐形又は卵形、大きい。托葉は線状披針形。葉柄は長さ1~1.5㎝、有毛。葉身は披針形~広卵形、単葉又は(2~)3~5裂、裂片は円形~線形、長さ5~14㎝×幅1~12㎝、下面はまばらに太い毛で覆われ、上面はざらつき、密に短毛で覆われ、基部は楔形~心形、縁は鋸歯又は全縁、錐形の突起や剛毛は無く、先は鋭形~尾状。雄性の尾状花序は長さ1~1.5㎝、有毛。雌花序は球形、直径葯㎝、密に白色の毛があり、花序柄は短い。雄花は咢片が緑色、卵形、葯は黄色。雌花は咢片が暗緑色、長楕円形。花柱は長く、柱頭は2枝、外側に毛がある。集合果は熟すと赤色~暗紫色、短い円筒形、直径約1㎝。花期は3~4月。果期は4~5月。
2-1 Morus australis Poir. f. maritima (Koidz.) Sa.Kurata ハマグワ
synonym Morus australis Poir. var. glabra Koidz.
synonym Morus bombycis Koidz. var. maritima Koidz.
沿海地に生育する。葉はしばしば3裂し、質が厚く、光沢があり、鮮やかな緑色。雄花序は短円柱形、長さ2~3㎝。集合果は熟すと紫黒色、楕円形。
4 Morus boninensis Koidz. オガサワラグワ
小笠原諸島固有種。
5 Morus cathayana Hemsl. ケグワ
synonym Morus tiliifolia Makino
synonym Morus cathayana Hemsl. var. japonica (Makino) Koidz.
日本、朝鮮、中国原産。中国名は华桑 hua sang 。
小高木又は低木。雌雄同株。樹皮は灰白色、平滑。若いときに小枝に毛があり、無毛になり、皮目が目立つ。托葉は披針形。葉柄は長さ2~5㎝、有毛。葉身は広卵形~± 円形、ときに分裂し、長さ8~20㎝×幅6~13㎝、厚い紙質、下面は白色~黄灰色の毛が密にあり、上面はざらつき、まばらに短毛で覆われ、基部の脈に毛があり、基部は心形~切形で±斜め、縁は浅い~粗い鋸歯縁又は基部が全縁で先が浅い鋸歯状、先は鋭形~短い尖鋭形。雄の尾状花序は長さ3~5㎝。雌の尾状花序は長さ1~3㎝。雄花は咢片が黄緑色、狭卵形、内側に毛がある。雄しべ4個、雌しべは小さい。雌花は咢片が倒卵形、先に毛がある。花柱は短い。柱頭は乳様突起状の突起が無く、2枝、外側に毛がある。集合果は熟すと白色~赤色~暗紫色、円筒形、長さ2~3㎝。花期は4~5月。果期は5~6月。葉がお茶として使われる。
6 Morus kagayamae Koidz. ハチジョウグワ
synonym Morus australis Poir. var. hachijoensis (Hotta) Kitam.
八丈島~伊豆七島に分布。別名シマグワという。ヤマグワに含める見解もある。雌雄異株、たまに雌雄同株。葉が大きく、厚く、上面の光沢が強く、無毛、縁は重鋸歯、ヤマグワと同様に先が尾状に尖る。
7 Morus mongolica (Bureau) C.K.Schneid. モウコグワ
日本、朝鮮、中国、モンゴル原産。中国名は蒙桑 meng sang
小高木又は低木。雌雄異株。樹皮は灰褐色、溝がある。古い枝は灰黒色、小枝は暗赤色。冬芽は灰褐色、卵形。托葉は長さ2.5~3.5㎝。葉身は楕円状卵形、長さ8~15㎝×幅5~8㎝、紙質、無毛、基部は心形、縁は三角形の鋸歯状、少し重鋸歯になり、各歯には錐形の尖り又は剛毛があり、先端の鋸歯は長い刺があり、先は短い尖鋭形。雄の尾状花序は長さ約3㎝。雌の花序は短い円筒形、長さ1~1.5㎝。花序柄は長さ1~1.5㎝。雄花は咢片が暗黄色、縁は内側に毛がある。葯は2室、縦に裂開する。雌花は咢片が無毛又は内面にまばらに毛がある。花柱は長い。柱頭は乳首のような突起があり、2枝、外面には密にパピラがある。集合果は熟すと赤色~紫色、長さ約1.5㎝。花期は3~4月。果期は4~5月。
8 Morus nigra L. クロミグワ
イラン西部原産。中国名は黑桑 hei sang 。英名はblack mulberry , blackberry 。
高木、高さ10m以下。雌雄同株又は雌雄異株。樹皮は暗褐色。枝は淡褐色、有毛。托葉は披針形、膜質、褐色の毛がある。葉柄は長さ1.5~2.5㎝、有毛。葉身は広卵形分裂せず、長さ6~12(~20)㎝ ×幅7~11㎝、厚い。下面は淡緑色、短毛があり、綿毛状。上面は暗緑色で粗く、基部は心形、縁は規則ただしい、粗い鋸歯状、先は鋭形~短い尖鋭形。雄の尾状花序は円筒形、長さ2~4㎝、有毛。雌の尾状花序は楕円形、長さ2~2.5㎝、花序柄は短い。雌花は花柱が不明瞭、柱頭は乳様突起状の突起が無く、2枝、有毛。集合果は熟すと黒紫色、楕円形、長さ2~2.5㎝×幅1.5~2.5㎝。花期は3~6月。
品種) 'Charlton House' , 'Chelsea' (F) , 'Dark House' , 'Izvor' (F) , 'Jerusalem' (F) , 'King James' , 'Large Black' (F) , 'Repsime' (F) , 'Sham Dudu' (F)
9 Morus rubra L. アカミグワ
北アメリカ原産。英名は red mulberry , murier rouge , moral 。
小高木又は低木。高さ20m以下。樹皮は灰褐色、橙色を帯び、浅い溝があり、うねは平らで広い。小枝は赤褐色~薄緑褐色、無毛又は少し毛状突起があり、皮目は淡色、楕円形、目立つ。芽は卵形、わずかに扁平、長さ3~7㎜、先は鋭形、外側の鱗片は暗褐色、しばしば有毛、小さな縁毛がある。葉痕は卵形~不規則な円形、維管束痕(bundle scars )は円形の中に多数。托葉は線形、長さ10~13㎜、薄く、有毛。葉柄は長さ2~2.5㎝、、無毛又は有毛。葉身は広卵形、ときに不規則に分裂し、長さ10~18(~36)㎝×幅8~12(~15.5)㎝、基部は円形~心形に近く、ときに斜め、縁は鋸歯~円鋸歯、先は急に尖鋭形。葉の下面はまばら~密に毛又は微軟毛があり、 上面には短い前向きの伏毛をもち、普通、ざらつく。尾状花序は花序柄に毛がある。雄の尾状花序は長さ3~5㎝。雌の尾状花序は長さ 8~12㎜×幅5~7㎜。雄花と雌花は異株につく。雄花は咢片が基部で合着、緑色で赤色を帯び、長さ2~2.5㎜、外側に毛があり、先に縁毛がある。雄しべは4個、花糸は長さ3~3.5㎜。雌花は咢が子房の周りにしっかりつく。子房は緑色、広楕円形又は倒卵形、わずかに扁平、長さ1.5~2㎜×幅約1㎜、無毛。花柱は分枝し、散開し、帯白色、長さ約1.5㎜。柱頭にはパピラがある。集合果は黒色又は濃紫色、円筒形、長さ(1.5~)2.5~4(~6) ㎝×幅約1㎝。咢は肉質で痩果を取り囲む。痩果は帯黄色、楕円形、扁平、長さ約2㎜、平滑。花期は春~夏。
品種) 'Nana'
10 Morus australis Poir. x M. kagayamae Koidz. ボウシュウグワ
11 その他
品種) 'Black Tabor' (F) , 'Capsrum' (F) , 'Carman' (F) , [Charlotte Russe] 'Matsunaga' , 'Illinois Everbearing' (F) , 'Italian' (F) , 'Matsunaga' (F) , Mojo Berry , Morus 'Ivory' (F) , 'Sullivan' (F) , 'Wellington' (F)
参考
1) Flora of ChinaMorus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121220
2) Flora of North America @ efloras.org
Morus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=121220
3) GRIN
Morus L. List of Species Records in GRIN 33
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7821
4) Flora of Pakistan @ efloras.org
Morus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=121220