べルセイミア・カペンシス

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ベルセイミア属

別 名 ヴェルセイミア・カペンシス、フェルトハイミア・カペンシス
中国名 仙火花 xian huo hua
英 名 quarobe, sand lily
学 名 Veltheimia capensis (L.) Redouté
べルセイミア・カペンシスの花序
べルセイミア・カペンシスの蕾
べルセイミア・カペンシスの花
べルセイミア・カペンシスの茎
べルセイミア・カペンシス
べルセイミア・カペンシスの葉
花 期 4~7月
高 さ 15~45cm
生活型 多年草
生育場所 岩場や低木林内
分 布 外来種  南アフリカ(ケープ州)原産
撮 影 安城デンパーク 2025.4.15
南アフリカ(ケープ州)原産の多年草。
 球根状の落葉性地生植物、高さ15~45cm。球根(鱗茎)は卵形で基部は平らで、そこから多年生の肉質の根が伸び、上部は長い頸部を形成し、露出していることが多く、鱗茎全体は紙質の乳白色の薄皮で覆われ、薄皮にはときに薄褐色の縞模様が見られる。鱗片は薄い。葉はロゼットになり、ほぼ直立し、約10枚つき、基部は抱茎し、披針形~長円形、ときに狭長円形、上半部は細くなり、柔らかく、やや肉質、灰白色~灰緑色または青灰色、わずかにまたは強く溝が入り、先端は短い微突形、縁はときに強く鋸歯状になり、波打つまたはパリパリに縮れる。花序は密集した卵形~円筒形の総状花序、多数の花がつく。花茎はロゼットの中央から伸び、円柱形、紫色または栗色の斑点があり、帯灰色の粉状に覆われる。各花の下に披針形の1枚の苞と側部に小さい小苞が1枚あり、脱落性である。小花柄は果時に長さ5mm以下になり、反り返って、花序軸に沿下する。花は淡ピンク色または赤色の均一色または斑点があり、円筒形で、中央でわずかに曲がる。花筒は長さ2~2.5(3.5)cm、幅5mm。花被片は卵形で長さ約3mm、わずかに広がる。雄しべは6本、高さの2つの輪に分かれて生じ、花筒の口から短く突き出る。花糸は花筒のほぼ中央に挿入され、沿下し、葯は底着。花粉は黄色。子房は卵形、各室の中央に2つのほぼ並立胚珠(collateral ovules)がある。花柱は糸状で、最終的に突出し、柱頭は先端にあり、小さく、尖る。果実は膜質~紙質、膨らんだ蒴果で、6面があり、3つの区画(小室)と3個の突出した翼をもち、赤色がかった緑色で、輪郭は丸く、直径約4cm、各区画には1~2個の種子が含まれ、熟すと蒴果のの先端から開く。種子は洋ナシ形で、硬く、艶消しの黒色、長さ8mm、疣状突起(深いしわ)があり、先端に種阜(strophiole)がある。x=10。花期は4~7月。

べルセイミア属

 family Asparagaceae - genus Veltheimia

 落葉性で冬生の地生植物、卵形または球形の肉質の鱗茎をもつ。葉は根生し、ロゼットになり、やや肉質、縁は縮れ、または波打つ。直立する花茎の頂部に卵形~円筒形の密な総状花序に多数の筒状の花をつける。果実は膜質(乾くと紙質)の蒴果。種子は洋ナシ形、黒色。
 世界に2種があり、南アフリカ(ケープ州)の固有種。

べルセイミア属の主な種と園芸品種

1 Veltheimia bracteata Harv. ex Baker べルセイミア・ブラクテアタ
 南アフリカ(ケープ州)原産。英名はforest lily, forest sand-lily, winter red hot poker。東ケープ州の森林や沿岸の低木林に生える。
 冬季に生育する落葉球根植物で、夏には葉が枯れ、短い休眠期間を経て、晩夏から秋にかけて新葉が現れる。年間を通して降雨があり、霜が降りない地域では、ほぼ常緑である。美しい光沢のある緑色の肉厚の葉は、幅広の帯状で、縁は縮れまたは波打ち、花茎の基部で高さ約25cm、幅約35cmのロゼット状に広がる。花の色は変化に富み、淡いピンク、くすんだピンク、オレンジピンク、濃いローズピンクなどがあり、たまに緑黄色になる。花は蕾が閉じている時は直立し、開花すると垂れ下がる。花の先端は緑色、またはときに、緑色の斑点がある。種子は洋ナシ形、長さ約6mm、黒色、膜質の膨らんだ大きな蒴果の中にできる。蒴果が乾燥して紙質になったら、通常は真夏に収穫できる。花期は晩冬~春(7~10月)、花は約1ヶ月咲き続ける。
品種) 'Lemon Flame'

2 Veltheimia capensis (L.) Redouté べルセイミア・カペンシス
  synonym Fabricia amoena Salisb.
  synonym Aletris capensis L.
 南アフリカ(ケープ州)原産。英名はquarobe, sand lily。別名はヴェルセイミア・カペンシス、フェルトハイミア・カペンシス。標高100~1200mの南向き斜面の低地、砂地の平地や岩場の斜面、低木や小木の下に生える。V. bracteata に似ているが、鱗茎の外側の被膜(薄皮)は紙質で、葉は灰色がかっていて、縁は波打つかまたはパリパリに縮れ、落葉性である。花序、花、蒴果はV. bracteataと同様。
 球根状の落葉性地生植物、高さ15~45cm。球根(鱗茎)は卵形で基部は平らで、そこから多年生の肉質の根が伸び、上部は長い頸部を形成し、露出していることが多く、鱗茎全体は紙質の乳白色の薄皮で覆われ、薄皮にはときに薄褐色の縞模様が見られる。鱗片は薄い。葉はロゼットになり、ほぼ直立し、約10枚つき、基部は抱茎し、披針形~長円形、ときに狭長円形、上半部は細くなり、柔らかく、やや肉質、灰白色~灰緑色または青灰色、わずかにまたは強く溝が入り、先端は短い微突形、縁はときに強く鋸歯状になり、波打つまたはパリパリに縮れる。花序は密集した卵形~円筒形の総状花序、多数の花がつく。花茎はロゼットの中央から伸び、円柱形、紫色または栗色の斑点があり、帯灰色の粉状に覆われる。各花の下に披針形の1枚の苞と側部に小さい小苞が1枚あり、脱落性である。小花柄は果時に長さ5mm以下になり、反り返って、花序軸に沿下する。花は淡ピンク色または赤色の均一色または斑点があり、円筒形で、中央でわずかに曲がる。花筒は長さ2~2.5(3.5)cm、幅5mm。花被片は卵形で長さ約3mm、わずかに広がる。雄しべは6本、高さの2つの輪に分かれて生じ、花筒の口から短く突き出る。花糸は花筒のほぼ中央に挿入され、沿下し、葯は底着。花粉は黄色。子房は卵形、各室の中央に2つのほぼ並立胚珠(collateral ovules)がある。花柱は糸状で、最終的に突出し、柱頭は先端にあり、小さく、尖る。果実は膜質~紙質、膨らんだ蒴果で、6面があり、3つの区画(小室)と3個の突出した翼をもち、赤色がかった緑色で、輪郭は丸く、直径約4cm、各区画には1~2個の種子が含まれ、熟すと蒴果のの先端から開く。種子は洋ナシ形で、硬く、艶消しの黒色、長さ8mm、疣状突起(深いしわ)があり、先端に種阜(strophiole)がある。x=10。花期は4~7月。[e-Flora of South Africa]。

参考

1) Plants of the World Online| Kewscience
 Veltheimia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:24899-1
2) World Flora Online
 Veltheimia capensis
https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-0000751817
3) PlantZAfrica
 Veltheimia bracteata Harv. ex Bak.
https://pza.sanbi.org/veltheimia-bracteata
 Veltheimia capensis (L.) Redouté
https://pza.sanbi.org/veltheimia-capensis