ウチワゼニグサ 団扇銭草

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Flora of Mikawa

ウコギ科 Araliaceae チドメグサ属

別 名 タテバチドメグサ、ウォーターマッシュルーム、ウォーターコイン
英 名 whorled pennywort, shield pennywort,water pennywort
学 名 Hydrocotyle verticillata Thunb.
Hydrocotyle verticillata Thunb. var. triradiata (A. Rich.) Fernald
ウチワゼニグサ花
ウチワゼニグサ果実
ウチワゼニグサ表の葉脈
ウチワゼニグサ葉縁
ウチワゼニグサ茎
ウチワゼニグサ
ウチワゼニグサ葉
花 期 6~8月
高 さ 這う
生活型 多年草
生育場所 湿地、沼地
分 布 帰化種  北アメリカ、南アメリカ、ハワイ、アフリカ原産
撮 影 豊橋市 11.10.6
和名は葉の形が団扇(うちわ)の様で、硬貨にも似ていることに由来するといわれ、ウォーターマッシュルームの名で水草として流通している。1960年代に熱帯魚用の水草として輸入されたものといわれている。小さな水田1枚が全部、ウチワゼニクサで覆われていた。
  水生または水中生の多年草。全体に柔らかく、無毛。茎は這い、糸状、節から5~25(40)㎝の長い葉柄の葉と根を出す。葉は直径1~4(6)㎝の円形で、光沢があり、葉の中心に楯状に葉柄がつき、葉柄は長さ5.5~24cm、無毛。葉脈は(9)10~11(13)本が放射状に出る。葉縁はごく浅く、8~13(7~14)の切れ込みがあるが、深い切れ込みはない。小さな散形花序であり、1~15個の白色の花が2~3段に輪生する。花序柄は長さ15~20㎝。花柄は無柄~ほぼ無柄( var. triradiataは長さ1~数㎜)。果実は長さ(1)3~4mm、惰円形、長さよりも幅が広く、基部は切形または丸く、縁は鋭角、隆条は稜が明瞭。花期は6~8月。
 ウォーターマッシュルームの名で呼ばれる水草は数種が混同されて取り扱われている。葉が盾状(中央に茎がつく)のものと盾状ではないものがあり、盾状ではないのがブラジルチドメグサとアマゾンチドメグサである。盾状のH. vulgarisとH. verticillatとの区別は次のとおりであるが、葉の基部の切れ込みは変化があるのか、Flora Iberikaでは葉の切れ込みを除いている。

H. vulgarisとH. verticillatの区別


 1 葉の基部は円形、切れ込みはほとんど無い。葉脈が7~9本。葉柄が有毛。花序が直近の葉(柄)の長さ以下。果実は帯黄色で赤褐色の細点がある
...............................H. vulgaris 
 1' 葉の基部は心形で切れ込みの深さは半径の10~40%。葉脈が9~13本。葉柄は無毛。花序は隣接する葉(柄)と同長または長い。果実はほぼ均一な赤褐色。
..............................H. verticillat 
 Marsh Pennywort ミニマッシュルーム(H. vulgaris)もタテバチドメグサと呼ばれることがある。葉柄に毛がある。
 特定外来生種のブラジルチドメグサ( H. ranunculoides) は葉に深い切れ込みがあり、繁殖力が強く、葉柄が1mに達することがある。
 アマゾンチドメグサ(H.leucocephala)も葉に深い切れ込みがあり、茎が這わずに立ち上がる。