ウラジロアカザ 裏白藜
Flora of Mikawa
ヒユ科 Amaranthaceae アカザ属
中国名 |
灰绿藜 hui lü li |
英 名 | oakleaf goosefoot, glaucous goosefoot |
学 名 | Chenopodium glaucum L. Oxybasis glauca (L.) S. Fuentes,Uotila et Borsch |
花 期 | 5~9月 |
高 さ | 10~40㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 海岸の砂地、埋立地 |
分 布 | 帰化種 ヨーロッパ、アジア北部原産 |
撮 影 | 一色町 05.10.1 |
和名の由来は葉の裏が白色であることから。明治中頃に最初に見出され、現在では日本各地の海岸に帰化している。Chenopodium glaucumにはいくつかの変種があり、主に2変種が報告されている。ウラジロアカザはこのうちの基本変種 var. glaucumに該当する。新分類(APG)ではアカザ科はヒユ科に含まれるようになった。
茎には紫紅色の条があり、茎の基部は地を這い、上部は立ち上がる。全体に無毛。葉は互生し、長さ0.5~4㎝、幅0.3~1.5㎝、短い柄があり、やや厚い多肉質、縁に波状の鋸歯がある。葉裏に白色の粒状物があり、白色に見え、葉表には粒状物はない。葉裏に粒状物の少ない葉もある。茎頂と葉脇に短い花序をつけ、両性花及び雌性花を混生する。花序の先1/2ほどに苞はつかない。花被は3~4(稀に5)個、長さ0.5~0.7㎜。胞果は花被に包まれ、1種子をもち、軸に垂直につくものが多い。垂直につく種子は直径0.6~0.9㎜。2n=18
var. salina は苞が花序全体にあり、葉の鋸歯が鋭く、垂直につく種子は直径0.9~1.1㎜
1年草。茎は直立~斜上~平伏、分枝し、無毛~粉状(farinose)。芳香は無い。葉はロゼットにならず、互生、葉柄があり、縁は全縁~歯状。花は両性と雌性、頂生や腋生の穂状花序又は円錐花序の中の団散花序(glomerules)につく[肉質ではない]。普通、花は2形、花被が透明又は緑色。各団散花序に頂生する花は両性、花被片(咢片ともいわれる)は3~5個、基部で融着する。雄しべは1(~5)本。団散花序の側部の花は雌性、花被片は3(4)個、様々に合着し、雄しべは0~1個。柱頭は2個、果実は胞果(utricle)[痩果(achene)ともいわれる]、しばしば、花被片に包まれる。果皮は緩くつく。種子は水平(頂生の花)と垂直(側部の花、ときに水平)、卵形~レンズ形、縁は丸く、赤色。種皮はタンニンのような物質が含浸し、胚は多様に位置する。
世界に5種あり、アジア、ヨーロッパ、北アフリカ、アメリカに分布する。
※アカバアカザ属はアカザ属に含めて扱われる。
アカバアカザ属を認めていないのはTha Plant List , Flora of China , Flora of North America ,
アカバアカザ属を認めているのはGRIN、YList
synonym Chenopodium chenopodioides (L.) Aellen
アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はsmall red Goosefoot, saltmarsh goosefoot。中国名は合被藜 he bei li 。南北アメリカに帰化。
2 Oxybasis glauca (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch ウラジロアカザ
synonym Chenopodium glaucum L.
synonym Chenopodium salinum Standl.
synonym Blitum glaucum (Linnaeus) W. D. J. Koch.
北半球に広く分布。英名はglaucous goosefoot , oak-leaf goosefoot。中国名は灰绿藜 hui lü li 。
1年草、高さ20~40㎝。茎は傾伏又は拡散し、緑色又は紫赤色の条線があり、うねがある。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は長円状卵形~披針形、長さ2~4㎝×幅0.6~2㎝、肉質、下面は灰白色、粉状(farinose) 、ときにわずかに赤紫色になり、上面は無毛、基部は漸尖形、縁は不規則な微細不整歯~歯があり(ときに不明瞭に分裂)、先は鋭形又は鈍形、中脈は目立ち、黄緑色。花は両性と雌性、普通、団散花序(glomerules)に数個、穂状花序又は円錐花序(や腋生の団散花序)の枝の上に配置する。これらは普通、葉や中断より短い。花被片は3又は4個、薄緑色、狭長円形又は倒卵状披針形、長さ1㎜以下、わずかに、多汁、普通、粉状でなく、先は普通、鈍形。雄しべは1又は2本。花糸は花被から突き出ない。葯は球形。雄しべは2本、ごく短い。胞果は花被から突き出している。果皮は黄白色、膜質。.種子は水平、斜め、又は垂直、暗褐色又は赤褐色、扁球形、直径約0.75㎜、穴があり、縁は鈍形。花期と果期は5~10月。.2n = 18。
3 Oxybasis macrosperma (Hook. f.) S. Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium macrospermum Hook. f.
南アメリカ、フォークランド諸島原産。
4 Oxybasis rubra (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch アカバアカザ
synonym Chenopodium rubrum L.
北半球に広く分布。英名はalkali-blite , coast-blite , red goosefoot , red-pigweed。中国名は红叶藜 hong ye li 。
茎は直立~斜上~平伏、多数、分枝し、高さ1~60(~80)㎝、無毛。葉は芳香が無い。葉柄は長さ0.5~4.5㎜。葉身は三角形~菱形、長さ1~9㎝×幅1~6㎝、基部は楔形、縁は歯状又は全縁、先は鈍形~鋭形。花序は側枝の穂状花序の上の側部の団散花序(glomerules)は無柄。団散花序は類球形、直径2~5㎜。胞は線形、長さ0.4~2㎝。花被片は3又は4個、基部でだけ合着する。裂片は披針形~楕円形、長さ 0.8~1㎜×幅0.4~0.8㎜、膜質、先は広鋭形~円形、たまに深く微凹形、円形又はたまに、竜骨があり、無毛、緑色、 熟すと果実を被う。雄しべは2~3本。柱頭は2個、長さ0.1㎜。胞果は卵形。果皮は付着せず、網状で小くぼみがある(reticulate-punctate) 。種子は垂直、たまに水平、卵形、直径0.6~1(~1.2) ㎜、縁は丸く、種皮は赤褐色、平滑。2n=18.。
5 Oxybasis urbica (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch テリハアカザ
synonym Chenopodium urbicum L.
synonym Chenopodium urbicum L. subsp. sinicum H.W.Kung et G.L.Chu
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、コーカサス、西アジア、ヨーロッパ原産。英名はcity goosefoot 。中国名は市藜 shi li 。北アメリカに帰化。
Chenopodium glaucum
Oxybasis rubra
Oxybasis
Oxybasis Kar. & Kir.
Oxybasis
Oxybasis Kar. & Kir. Goosefoot
茎には紫紅色の条があり、茎の基部は地を這い、上部は立ち上がる。全体に無毛。葉は互生し、長さ0.5~4㎝、幅0.3~1.5㎝、短い柄があり、やや厚い多肉質、縁に波状の鋸歯がある。葉裏に白色の粒状物があり、白色に見え、葉表には粒状物はない。葉裏に粒状物の少ない葉もある。茎頂と葉脇に短い花序をつけ、両性花及び雌性花を混生する。花序の先1/2ほどに苞はつかない。花被は3~4(稀に5)個、長さ0.5~0.7㎜。胞果は花被に包まれ、1種子をもち、軸に垂直につくものが多い。垂直につく種子は直径0.6~0.9㎜。2n=18
var. salina は苞が花序全体にあり、葉の鋸歯が鋭く、垂直につく種子は直径0.9~1.1㎜
アカバアカザ属
family Amaranthaceae - genus Oxybasis1年草。茎は直立~斜上~平伏、分枝し、無毛~粉状(farinose)。芳香は無い。葉はロゼットにならず、互生、葉柄があり、縁は全縁~歯状。花は両性と雌性、頂生や腋生の穂状花序又は円錐花序の中の団散花序(glomerules)につく[肉質ではない]。普通、花は2形、花被が透明又は緑色。各団散花序に頂生する花は両性、花被片(咢片ともいわれる)は3~5個、基部で融着する。雄しべは1(~5)本。団散花序の側部の花は雌性、花被片は3(4)個、様々に合着し、雄しべは0~1個。柱頭は2個、果実は胞果(utricle)[痩果(achene)ともいわれる]、しばしば、花被片に包まれる。果皮は緩くつく。種子は水平(頂生の花)と垂直(側部の花、ときに水平)、卵形~レンズ形、縁は丸く、赤色。種皮はタンニンのような物質が含浸し、胚は多様に位置する。
世界に5種あり、アジア、ヨーロッパ、北アフリカ、アメリカに分布する。
※アカバアカザ属はアカザ属に含めて扱われる。
アカバアカザ属を認めていないのはTha Plant List , Flora of China , Flora of North America ,
アカバアカザ属を認めているのはGRIN、YList
アカバアカザ属の種
1 Oxybasis chenopodioides (L.) S. Fuentes, Uotila & Borschsynonym Chenopodium chenopodioides (L.) Aellen
アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はsmall red Goosefoot, saltmarsh goosefoot。中国名は合被藜 he bei li 。南北アメリカに帰化。
2 Oxybasis glauca (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch ウラジロアカザ
synonym Chenopodium glaucum L.
synonym Chenopodium salinum Standl.
synonym Blitum glaucum (Linnaeus) W. D. J. Koch.
北半球に広く分布。英名はglaucous goosefoot , oak-leaf goosefoot。中国名は灰绿藜 hui lü li 。
1年草、高さ20~40㎝。茎は傾伏又は拡散し、緑色又は紫赤色の条線があり、うねがある。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は長円状卵形~披針形、長さ2~4㎝×幅0.6~2㎝、肉質、下面は灰白色、粉状(farinose) 、ときにわずかに赤紫色になり、上面は無毛、基部は漸尖形、縁は不規則な微細不整歯~歯があり(ときに不明瞭に分裂)、先は鋭形又は鈍形、中脈は目立ち、黄緑色。花は両性と雌性、普通、団散花序(glomerules)に数個、穂状花序又は円錐花序(や腋生の団散花序)の枝の上に配置する。これらは普通、葉や中断より短い。花被片は3又は4個、薄緑色、狭長円形又は倒卵状披針形、長さ1㎜以下、わずかに、多汁、普通、粉状でなく、先は普通、鈍形。雄しべは1又は2本。花糸は花被から突き出ない。葯は球形。雄しべは2本、ごく短い。胞果は花被から突き出している。果皮は黄白色、膜質。.種子は水平、斜め、又は垂直、暗褐色又は赤褐色、扁球形、直径約0.75㎜、穴があり、縁は鈍形。花期と果期は5~10月。.2n = 18。
3 Oxybasis macrosperma (Hook. f.) S. Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium macrospermum Hook. f.
南アメリカ、フォークランド諸島原産。
4 Oxybasis rubra (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch アカバアカザ
synonym Chenopodium rubrum L.
北半球に広く分布。英名はalkali-blite , coast-blite , red goosefoot , red-pigweed。中国名は红叶藜 hong ye li 。
茎は直立~斜上~平伏、多数、分枝し、高さ1~60(~80)㎝、無毛。葉は芳香が無い。葉柄は長さ0.5~4.5㎜。葉身は三角形~菱形、長さ1~9㎝×幅1~6㎝、基部は楔形、縁は歯状又は全縁、先は鈍形~鋭形。花序は側枝の穂状花序の上の側部の団散花序(glomerules)は無柄。団散花序は類球形、直径2~5㎜。胞は線形、長さ0.4~2㎝。花被片は3又は4個、基部でだけ合着する。裂片は披針形~楕円形、長さ 0.8~1㎜×幅0.4~0.8㎜、膜質、先は広鋭形~円形、たまに深く微凹形、円形又はたまに、竜骨があり、無毛、緑色、 熟すと果実を被う。雄しべは2~3本。柱頭は2個、長さ0.1㎜。胞果は卵形。果皮は付着せず、網状で小くぼみがある(reticulate-punctate) 。種子は垂直、たまに水平、卵形、直径0.6~1(~1.2) ㎜、縁は丸く、種皮は赤褐色、平滑。2n=18.。
5 Oxybasis urbica (L.) S.Fuentes, Uotila et Borsch テリハアカザ
synonym Chenopodium urbicum L.
synonym Chenopodium urbicum L. subsp. sinicum H.W.Kung et G.L.Chu
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、コーカサス、西アジア、ヨーロッパ原産。英名はcity goosefoot 。中国名は市藜 shi li 。北アメリカに帰化。
参考
1) Flora of ChinaChenopodium glaucum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200006818
Chenopodium rubrum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200006823
Chenopodium urbicum
hhttp://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200006826
2) Oxybasis rubra - Flora del Noroeste de MexicoOxybasis rubra
http://herbanwmex.net/portal/taxa/index.php?taxon=168445&clid=2580
3) Oxybasis | Manual of the Alien Plants of BelgiumOxybasis
http://alienplantsbelgium.be/content/oxybasis
4) GRINOxybasis Kar. & Kir.
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=29216
5)New combinations in Asiatic Oxybasis ... - BiotaxaOxybasis
https://biotaxa.org/Phytotaxa/article/viewFile/phytotaxa.144.1.1/5422
6) Flora of the Pacific Northwest: An Illustrated ManualOxybasis Kar. & Kir. Goosefoot
https://books.google.co.jp/books?id=KuN8DwAAQBAJ&pg=PA364&lpg=PA364&dq=Oxybasis+genus+flora+of&source=bl&ots=ieK-oQ389d&sig=ACfU3U0YFPvotNrrZzuSWO2bzhU5UFlgXA&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjBmI2hjNLkAhXCaN4KHUZcDg04FBDoATAJegQICBAB#v=onepage&q=Oxybasis%20genus%20flora%20of&f=false