チョウジソウ 丁字草
Flora of Mikawa
キョウチクトウ科 Apocynaceae チョウジソウ属
中国名 | 水甘草 shui gan cao |
英 名 | bluestar |
学 名 | Amsonia elliptica (Thunb.) Roem. et Schult. |
花 期 | (4)5~6月 |
高 さ | 高さ40~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 湖岸、河川敷、谷斜面脚部、氾濫や水位変動の影響を受ける場所 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国 |
撮 影 | 西尾市 17.4.23 |
チョウジソウは日本のレッドリストで準絶滅危惧種(NT)に指定されている。愛知県では指定外。日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、湖岸、河岸、河川敷、谷斜面の脚部などの氾濫や水位変動の影響を受ける場所に自生する。
フジバカマなどと同じように、栽培されていることが多いが、自生地の減少は著しい。栽培すれば湿地でなく、普通に庭で育つ。
チョウジソウも普通に栽培種として販売されている。ただし、他のチョウジソウ属のホソバチョウジソウやヤナギチョウジソウ(ヤナギバチョウジソウもチョウジソウの名で売られていることがある。
多年草、高さ40~80㎝、無毛。茎は円柱形。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は楕円形又は狭楕円形、長さ6~10㎝、幅1~2㎝、基部と先は鋭形。側脈は両面ともほとんど平ら。花序は頂生、密穂花序(thyrses)。葉柄は長さ約4㎜。萼は5深裂し、萼片は長さ約2㎜、先が尖る。花冠は高杯形、青色、直径約15㎜。花筒は長さ約1㎝、内側には長軟毛があり、特に、のど部に密にある。花冠裂片は平開し、長楕円形、長さ約6㎜。雄しべ5個、花筒の上端につく。葯の先は花筒内にある。子房は無毛。花柱は細く長さ約5㎜。柱頭は輪状。袋果は2個、長さ5~6㎝。種子は円柱形、長さ7~10㎜、茶褐色、両端は斜切形、深いしわがある。花期は5~6月。2n = 22。
1年草又は多年草、直立、高さ12.5㎝~1.2m、叢生(clump-forming)、乳液が出る。ストロンは無い。根茎は半木質。葉は互生、全縁、膜質、幅2.5㎝以下の広卵形~幅2㎜の線形。集散花序・密穂花序(2出集散花序が総状に複合)又は散房花序、腋生。花は青色~帯青色、直径15㎜以下、先が星形に開き英名はbluestarという。萼片は狭く、先鋭形、普通、腺は無い。花冠は青色~帯青色、高坏(たかつき)形salverform。花筒は円筒形、上半分は膨れ、内側は軟毛がある。花冠裂片は左に重なる。雄しべは花筒の膨れた部分につく。葯は卵形又は長楕円形、雌しべから離れ、基部は丸い。心皮は糸状の花柱に統合され、胚珠は多数、それぞれの胎座の上に2列につく。雌しべの頭部は基部に膜状の付属体を持つ。袋果は2個つき、円柱状紡錘形、直立。種子は円柱形、端は不明瞭な切形、種髪は無い。花期は春~初夏。
世界に約20種が分布する。ほとんどが北アメリカに自生し、Amsonia elliptica が日本、朝鮮、中国に、Amsonia orientalis がギリシャ、トルコに自生する。
【チョウジソウ属の種】
Amsonia ciliata[ var. ciliata、var. tenuifolia、var. texana]、Amsonia elliptica、Amsonia fugatei、Amsonia grandiflora、Amsonia hubrichtii、Amsonia illustris 、 Amsonia jonesii 、Amsonia kearneyana 、Amsonia longiflora[var. longiflora、var. salpignantha ] 、Amsonia ludoviciana 、Amsonia orientalis、Amsonia palmeri、 Amsonia peeblesii、Amsonia repens 、Amsonia rigida 、Amsonia tabernaemontana[ var. gattingeri、var. salicifolia 、var. tabernaemontana] 、Amsonia sinensis 、Amsonia tharpii、Amsonia tomentosa[var. stenophylla、var. tomentosa ]
synonym Amsonia angustifolia (Aiton) Michx.
USAの南部のアラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州 、サウスカロライナ州、テキサス州原産。 英名はfringed bluestar 。の砂質土壌に生える。滑らかで A. hubrichtiiによく似る。
典型的なものは高さ60~90(70~150)㎝。葉は長楕円状披針形~線状披針形、長さ4~8㎝、幅2~10㎜、下部の葉は上部の葉より幅が広く、まれに、 A. hubrichtii.のように糸状になる。茎や新しい葉の裏が細かいフリンジ状になり、成長のよいものや太陽のバックライトやサイドライトで育ったものにより顕著である。花柄は長さ3~5㎜、無毛~有毛。萼は無毛。花は無毛、薄青色、直径約1.2㎝。花冠は外面が無毛。花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ7~8㎜。果実は長さ9~11㎝、無毛。
品種)‘Spring Sky’花が他の栽培種より葉の上に高くつく。すべてのbluestarの中で最も見栄えがする。よい水はけと豊かな土壌と日なたが必要である。
1-2 Amsonia ciliata Walter var. tenuifolia (Raf.) Woodson
synonym Amsonia ciliata var. filifolia
ジョージア州~テキサス州・メキシコ、ノースカロライナ州 、ミズーリ州の 砂丘地帯、松のやせ地、岩礁域に生える。英名はfringed bluestar。
高さは小さくかろうじて12.5㎝以下、1株で直径60㎝ほどに成長する。葉は明るい緑色、針状。枝先に花をつけ、花は小さく、淡青色。秋に葉は金色、琥珀色に紅葉する。
品種) 'Georgia Pancake'
2 Amsonia elliptica (Thunb.) Roem. et Schult. チョウジソウ 丁字草
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は水甘草 shui gan cao 。英名はbluestar。湖岸、河川敷、谷斜面脚部、氾濫や水位変動の影響を受ける場所に生える。準絶滅危惧種(NT)に指定されているが、普通に、栽培種として販売されている。
多年草、高さ40~80㎝、無毛。茎は円柱形。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は楕円形又は狭楕円形、長さ6~10㎝、幅1~2㎝、基部と先は鋭形。側脈は両面ともほとんど平ら。花序は頂生、密穂花序(thyrses)。葉柄は長さ約4㎜。萼は5深裂し、萼片は長さ約2㎜、先が尖る。花冠は高杯形、青色、直径約15㎜。花筒は長さ約1㎝、内側には長軟毛があり、特に、のど部に密にある。花冠裂片は平開し、長楕円形、長さ約6㎜。雄しべ5個、花筒の上端につく。葯の先は花筒内にある。子房は無毛。花柱は細く長さ約5㎜。柱頭は輪状。袋果は2個、長さ5~6㎝。種子は円柱形、長さ7~10㎜、茶褐色、両端は斜切形、深いしわがある。花期は5~6月。2n = 22。花期は(4)5~6月。
3 Amsonia hubrichtii Woodson
アメリカ南部のアーカンソー州、オクラホマ州にあるウォシトー山地原産。英名はHubricht's bluestar。
多年草、成熟すると50本以上の茎をもち、幅1.2mまで広がり、高さ60~90㎝、葉は糸のような形で、長さ7.5㎝以下、幅2㎜以下。茎に沿って混みあって非常に多数つく。秋に茎や葉が鮮やかな黄色になり、冬には暗蜜褐色になり、落ちる。 花はスカイブルー。花期は3~5月。
4 Amsonia jonesii Woods.
アリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州原産。英名は Colorado desert bluestar、Jones' bluestar。
茎は基部でよく分枝し、高さ15~50㎝、普通30㎝程度。花は茎頂の花序に多数集まってつき、淡青色(powder-blue)、剛毛がある。花期は4~6月。
5 Amsonia illustris Woodson
北アメリカ南部(オザーク地域があるアーカンソー州、カンザス州、ミズーリ州、オクラホマ州 、テキサス州)原産。英名はOzark bluestar , showy blue-star, Missouri bluestar, swamp bluestar 。illustrisの名は光沢のある革質の葉を示す。
多年草、高さ70~110㎝、直立し、叢生する。葉は長さ5~7㎝、幅1~1.5㎝、狭長楕円状披針形~楕円状披針形、形が狭いヤナギの葉に似て、光沢のある緑色。秋に目立つ黄色に紅葉する。葉柄は長さ1~4㎜。葉の光沢が強く、より革質、果実が垂れ下がるのを除いて、Amsonia tabernaemontanaに非常によく似ている。萼は有毛。花は多数つき、花柄は長さ2~8㎜。花は星形、直径約1.3㎝、ソフトな薄青色。花冠の外面に毛があり、花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ5~7㎜。果実は長さ8~14㎝、無毛。花期は3~5月。
6 Amsonia ludoviciana Vail.
サウスカロライナ州~ルイジアナ州原産。昔はルイジアナだけにあると考えられLouisiana bluestarと呼ばれた。英名はLouisiana bluestar, Sandhill bluestar。
高さ60~90㎝。茎は若いとき短毛がある。葉は広楕円形、無毛~ほぼ無毛。葉裏は羊毛状の毛が密生し、灰緑色(帯白色)。花は白色~青色。裂片は広がり、披針形、長さ約10㎜、先は鈍形。袋果は細く長さ8~10㎝、無毛。
7 Amsonia orientalis Decne.
synonym Rhazya orientalis (Decne.) A.DC.
ギリシャ、トルコ原産。英名はeastern blue star , European bluestar。
茎は基部が木質になり、高さ45㎝以下。葉は長さ5㎝以下、披針形~狭卵形、秋に黄色に紅葉する。茎頂の円錐花序に多数、花をつける。花は直径1~2㎝、淡青色~濃青色(deep lavender-blue)。
品種) 'Blue Ice' , 'Cally Dark Stem'
8 Amsonia peeblesii Woods.
アリゾナ州原産。砂砂漠だけに自生する。英名はPeebles' bluestar。
高さ40~90 ㎝、無毛。葉は長楕円状線形~線形。下部の葉は長さ3~7㎝、幅4~9㎜。上部の葉は長さ3~7㎝、幅1~2㎜。花序は複合集散花序、頂生する。萼片は卵形~線形、長さ2~7㎜。花冠筒部は長さ13~19㎜、先の下が最も幅が広く、開口部だけでわずかにくびれる。花冠裂片は長さ5~10㎜。果実は細くなる円柱形、長さ2~10㎝。種子は円柱形、コルク質、長さ8~11㎜、幅1.5~2.5㎜。花期は5~7月。
9 Amsonia rigida Shuttlw. ex Small Show All
アラバマ州、ジョージア州、ルイジアナ、ミシシッピ州原産。英名はStiff bluestar、Marsh bluestar。
茎は普通、てい幹(caudex)から数本~多数、高さ50~150㎝、無毛。大きい葉は葉柄が長さ3~6㎜。葉身は形や大きさが変わりやすく、長さ8㎝以下、幅1.5㎝以下、披針形~槍状楕円形~卵形~線状披針形、基部は楔形、先は尖鋭形、両面とも無毛、下面は上面より淡色、まれに縁毛がある。萼は無毛、裂片は三角形、先鋭形、長さ1.5㎜。花冠は青色、外面は無毛、筒部は長さ6~8㎜、雄しべがつく上がわずかに広がり、開口部で狭まらない。
10 Amsonia tabernaemontana Walter ヤナギチョウジソウ
北アメリカ西部原産。英名はbluestar , common bluestar。アメリカで最も普通に見られるbluestar。別名はヤナギバチョウジソウ。
日本には1930年頃に渡来し、園芸用に「チョウジソウ」の名で販売され、栽培されている。
多年草、茎は1本~数本、直立し、やぶ状( clump-forming )になり、高さ30~100㎝、無毛。葉の幅や質感は変化があり、いくつかの変種に分けられている。大きい葉の葉柄の長さ3~6㎜。葉は卵形~披針形~広楕円形、典型的には長さ8~15㎝、幅1~2.5(6)㎝[長さ6~14㎝、幅2.2~5㎝]、上面は無毛又はまばらに短毛がある。下面は無毛~ときにわずかに粉白~常に短毛がある。葉は秋に淡黄色に変わるが、A. hubrichtii. のように鮮やかにはならない。花柄は長さ3~6㎜。萼は無毛、萼片は長さ1~2㎜。花は淡青色、直径1~2㎝。花冠は外面に細かい毛がある。花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ4~7㎜。軽く甘い芳香のあるものがあるが、芳香のある園芸品種はまだない。果実は直立し、長さ8~12㎝、無毛。
品種) 'Montana'、'Short Stack'、'Stella Azul'、'Storm Cloud'
10-1 Amsonia tabernaemontana var. salicifolia ヤナギチョウジソウ
英名はeastern bluestar。
葉の幅が狭く、長さ6~15㎝、幅1~2.5㎝、披針形~狭長楕円状楕円形、無毛、ヤナギの葉に似る。花期は夏、6~8月。
11 ハイブリッド
(1) Amsonia 'Blue Ice'
原種がはっきりしない園芸品種。New Englandの農園(White Flower Farm)でA. tabernaemontana群の中から発見された。花色が濃く(dark lavender-blue )、高さが30~45㎝。見かけは A. orientalisに似ている。花期は6月頃。
(2) その他のハイブリッド
品種) 'Ernst Pagels'、 'Seaford Skies'
※)Chicago Botanical Garden; Isue 18 2002
Plant Evaluation Notes An Evaluation Study of Hardy Amsonia
Richard G. Hawke, Manager of Plant Evaluation Programs
Amsonia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101507
2)Atlas of Living Australia
Amsonia
https://bie.ala.org.au/species/NZOR-6-107782
3)The Jepson Herbarium
Amsonia
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=10238
4)Plants of the World Online | Kew Science
Amsonia
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:2194-1
5)GRIN
Amsonia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=577
チョウジソウも普通に栽培種として販売されている。ただし、他のチョウジソウ属のホソバチョウジソウやヤナギチョウジソウ(ヤナギバチョウジソウもチョウジソウの名で売られていることがある。
多年草、高さ40~80㎝、無毛。茎は円柱形。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は楕円形又は狭楕円形、長さ6~10㎝、幅1~2㎝、基部と先は鋭形。側脈は両面ともほとんど平ら。花序は頂生、密穂花序(thyrses)。葉柄は長さ約4㎜。萼は5深裂し、萼片は長さ約2㎜、先が尖る。花冠は高杯形、青色、直径約15㎜。花筒は長さ約1㎝、内側には長軟毛があり、特に、のど部に密にある。花冠裂片は平開し、長楕円形、長さ約6㎜。雄しべ5個、花筒の上端につく。葯の先は花筒内にある。子房は無毛。花柱は細く長さ約5㎜。柱頭は輪状。袋果は2個、長さ5~6㎝。種子は円柱形、長さ7~10㎜、茶褐色、両端は斜切形、深いしわがある。花期は5~6月。2n = 22。
チョウジソウ属
family Apocynaceae - genus Amsonia1年草又は多年草、直立、高さ12.5㎝~1.2m、叢生(clump-forming)、乳液が出る。ストロンは無い。根茎は半木質。葉は互生、全縁、膜質、幅2.5㎝以下の広卵形~幅2㎜の線形。集散花序・密穂花序(2出集散花序が総状に複合)又は散房花序、腋生。花は青色~帯青色、直径15㎜以下、先が星形に開き英名はbluestarという。萼片は狭く、先鋭形、普通、腺は無い。花冠は青色~帯青色、高坏(たかつき)形salverform。花筒は円筒形、上半分は膨れ、内側は軟毛がある。花冠裂片は左に重なる。雄しべは花筒の膨れた部分につく。葯は卵形又は長楕円形、雌しべから離れ、基部は丸い。心皮は糸状の花柱に統合され、胚珠は多数、それぞれの胎座の上に2列につく。雌しべの頭部は基部に膜状の付属体を持つ。袋果は2個つき、円柱状紡錘形、直立。種子は円柱形、端は不明瞭な切形、種髪は無い。花期は春~初夏。
世界に約20種が分布する。ほとんどが北アメリカに自生し、Amsonia elliptica が日本、朝鮮、中国に、Amsonia orientalis がギリシャ、トルコに自生する。
【チョウジソウ属の種】
Amsonia ciliata[ var. ciliata、var. tenuifolia、var. texana]、Amsonia elliptica、Amsonia fugatei、Amsonia grandiflora、Amsonia hubrichtii、Amsonia illustris 、 Amsonia jonesii 、Amsonia kearneyana 、Amsonia longiflora[var. longiflora、var. salpignantha ] 、Amsonia ludoviciana 、Amsonia orientalis、Amsonia palmeri、 Amsonia peeblesii、Amsonia repens 、Amsonia rigida 、Amsonia tabernaemontana[ var. gattingeri、var. salicifolia 、var. tabernaemontana] 、Amsonia sinensis 、Amsonia tharpii、Amsonia tomentosa[var. stenophylla、var. tomentosa ]
チョウジソウ属の主な種と園芸品種
1 Amsonia ciliata Walter var. ciliata ホソバチョウジソウsynonym Amsonia angustifolia (Aiton) Michx.
USAの南部のアラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州 、サウスカロライナ州、テキサス州原産。 英名はfringed bluestar 。の砂質土壌に生える。滑らかで A. hubrichtiiによく似る。
典型的なものは高さ60~90(70~150)㎝。葉は長楕円状披針形~線状披針形、長さ4~8㎝、幅2~10㎜、下部の葉は上部の葉より幅が広く、まれに、 A. hubrichtii.のように糸状になる。茎や新しい葉の裏が細かいフリンジ状になり、成長のよいものや太陽のバックライトやサイドライトで育ったものにより顕著である。花柄は長さ3~5㎜、無毛~有毛。萼は無毛。花は無毛、薄青色、直径約1.2㎝。花冠は外面が無毛。花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ7~8㎜。果実は長さ9~11㎝、無毛。
品種)‘Spring Sky’花が他の栽培種より葉の上に高くつく。すべてのbluestarの中で最も見栄えがする。よい水はけと豊かな土壌と日なたが必要である。
1-2 Amsonia ciliata Walter var. tenuifolia (Raf.) Woodson
synonym Amsonia ciliata var. filifolia
ジョージア州~テキサス州・メキシコ、ノースカロライナ州 、ミズーリ州の 砂丘地帯、松のやせ地、岩礁域に生える。英名はfringed bluestar。
高さは小さくかろうじて12.5㎝以下、1株で直径60㎝ほどに成長する。葉は明るい緑色、針状。枝先に花をつけ、花は小さく、淡青色。秋に葉は金色、琥珀色に紅葉する。
品種) 'Georgia Pancake'
2 Amsonia elliptica (Thunb.) Roem. et Schult. チョウジソウ 丁字草
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は水甘草 shui gan cao 。英名はbluestar。湖岸、河川敷、谷斜面脚部、氾濫や水位変動の影響を受ける場所に生える。準絶滅危惧種(NT)に指定されているが、普通に、栽培種として販売されている。
多年草、高さ40~80㎝、無毛。茎は円柱形。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は楕円形又は狭楕円形、長さ6~10㎝、幅1~2㎝、基部と先は鋭形。側脈は両面ともほとんど平ら。花序は頂生、密穂花序(thyrses)。葉柄は長さ約4㎜。萼は5深裂し、萼片は長さ約2㎜、先が尖る。花冠は高杯形、青色、直径約15㎜。花筒は長さ約1㎝、内側には長軟毛があり、特に、のど部に密にある。花冠裂片は平開し、長楕円形、長さ約6㎜。雄しべ5個、花筒の上端につく。葯の先は花筒内にある。子房は無毛。花柱は細く長さ約5㎜。柱頭は輪状。袋果は2個、長さ5~6㎝。種子は円柱形、長さ7~10㎜、茶褐色、両端は斜切形、深いしわがある。花期は5~6月。2n = 22。花期は(4)5~6月。
3 Amsonia hubrichtii Woodson
アメリカ南部のアーカンソー州、オクラホマ州にあるウォシトー山地原産。英名はHubricht's bluestar。
多年草、成熟すると50本以上の茎をもち、幅1.2mまで広がり、高さ60~90㎝、葉は糸のような形で、長さ7.5㎝以下、幅2㎜以下。茎に沿って混みあって非常に多数つく。秋に茎や葉が鮮やかな黄色になり、冬には暗蜜褐色になり、落ちる。 花はスカイブルー。花期は3~5月。
4 Amsonia jonesii Woods.
アリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州原産。英名は Colorado desert bluestar、Jones' bluestar。
茎は基部でよく分枝し、高さ15~50㎝、普通30㎝程度。花は茎頂の花序に多数集まってつき、淡青色(powder-blue)、剛毛がある。花期は4~6月。
5 Amsonia illustris Woodson
北アメリカ南部(オザーク地域があるアーカンソー州、カンザス州、ミズーリ州、オクラホマ州 、テキサス州)原産。英名はOzark bluestar , showy blue-star, Missouri bluestar, swamp bluestar 。illustrisの名は光沢のある革質の葉を示す。
多年草、高さ70~110㎝、直立し、叢生する。葉は長さ5~7㎝、幅1~1.5㎝、狭長楕円状披針形~楕円状披針形、形が狭いヤナギの葉に似て、光沢のある緑色。秋に目立つ黄色に紅葉する。葉柄は長さ1~4㎜。葉の光沢が強く、より革質、果実が垂れ下がるのを除いて、Amsonia tabernaemontanaに非常によく似ている。萼は有毛。花は多数つき、花柄は長さ2~8㎜。花は星形、直径約1.3㎝、ソフトな薄青色。花冠の外面に毛があり、花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ5~7㎜。果実は長さ8~14㎝、無毛。花期は3~5月。
6 Amsonia ludoviciana Vail.
サウスカロライナ州~ルイジアナ州原産。昔はルイジアナだけにあると考えられLouisiana bluestarと呼ばれた。英名はLouisiana bluestar, Sandhill bluestar。
高さ60~90㎝。茎は若いとき短毛がある。葉は広楕円形、無毛~ほぼ無毛。葉裏は羊毛状の毛が密生し、灰緑色(帯白色)。花は白色~青色。裂片は広がり、披針形、長さ約10㎜、先は鈍形。袋果は細く長さ8~10㎝、無毛。
7 Amsonia orientalis Decne.
synonym Rhazya orientalis (Decne.) A.DC.
ギリシャ、トルコ原産。英名はeastern blue star , European bluestar。
茎は基部が木質になり、高さ45㎝以下。葉は長さ5㎝以下、披針形~狭卵形、秋に黄色に紅葉する。茎頂の円錐花序に多数、花をつける。花は直径1~2㎝、淡青色~濃青色(deep lavender-blue)。
品種) 'Blue Ice' , 'Cally Dark Stem'
8 Amsonia peeblesii Woods.
アリゾナ州原産。砂砂漠だけに自生する。英名はPeebles' bluestar。
高さ40~90 ㎝、無毛。葉は長楕円状線形~線形。下部の葉は長さ3~7㎝、幅4~9㎜。上部の葉は長さ3~7㎝、幅1~2㎜。花序は複合集散花序、頂生する。萼片は卵形~線形、長さ2~7㎜。花冠筒部は長さ13~19㎜、先の下が最も幅が広く、開口部だけでわずかにくびれる。花冠裂片は長さ5~10㎜。果実は細くなる円柱形、長さ2~10㎝。種子は円柱形、コルク質、長さ8~11㎜、幅1.5~2.5㎜。花期は5~7月。
9 Amsonia rigida Shuttlw. ex Small Show All
アラバマ州、ジョージア州、ルイジアナ、ミシシッピ州原産。英名はStiff bluestar、Marsh bluestar。
茎は普通、てい幹(caudex)から数本~多数、高さ50~150㎝、無毛。大きい葉は葉柄が長さ3~6㎜。葉身は形や大きさが変わりやすく、長さ8㎝以下、幅1.5㎝以下、披針形~槍状楕円形~卵形~線状披針形、基部は楔形、先は尖鋭形、両面とも無毛、下面は上面より淡色、まれに縁毛がある。萼は無毛、裂片は三角形、先鋭形、長さ1.5㎜。花冠は青色、外面は無毛、筒部は長さ6~8㎜、雄しべがつく上がわずかに広がり、開口部で狭まらない。
10 Amsonia tabernaemontana Walter ヤナギチョウジソウ
北アメリカ西部原産。英名はbluestar , common bluestar。アメリカで最も普通に見られるbluestar。別名はヤナギバチョウジソウ。
日本には1930年頃に渡来し、園芸用に「チョウジソウ」の名で販売され、栽培されている。
多年草、茎は1本~数本、直立し、やぶ状( clump-forming )になり、高さ30~100㎝、無毛。葉の幅や質感は変化があり、いくつかの変種に分けられている。大きい葉の葉柄の長さ3~6㎜。葉は卵形~披針形~広楕円形、典型的には長さ8~15㎝、幅1~2.5(6)㎝[長さ6~14㎝、幅2.2~5㎝]、上面は無毛又はまばらに短毛がある。下面は無毛~ときにわずかに粉白~常に短毛がある。葉は秋に淡黄色に変わるが、A. hubrichtii. のように鮮やかにはならない。花柄は長さ3~6㎜。萼は無毛、萼片は長さ1~2㎜。花は淡青色、直径1~2㎝。花冠は外面に細かい毛がある。花筒は長さ6~8㎜、幅約1㎜。花冠裂片は長さ4~7㎜。軽く甘い芳香のあるものがあるが、芳香のある園芸品種はまだない。果実は直立し、長さ8~12㎝、無毛。
品種) 'Montana'、'Short Stack'、'Stella Azul'、'Storm Cloud'
10-1 Amsonia tabernaemontana var. salicifolia ヤナギチョウジソウ
英名はeastern bluestar。
葉の幅が狭く、長さ6~15㎝、幅1~2.5㎝、披針形~狭長楕円状楕円形、無毛、ヤナギの葉に似る。花期は夏、6~8月。
11 ハイブリッド
(1) Amsonia 'Blue Ice'
原種がはっきりしない園芸品種。New Englandの農園(White Flower Farm)でA. tabernaemontana群の中から発見された。花色が濃く(dark lavender-blue )、高さが30~45㎝。見かけは A. orientalisに似ている。花期は6月頃。
(2) その他のハイブリッド
品種) 'Ernst Pagels'、 'Seaford Skies'
チョウジソウとヤナギチョウジソウの比較
チョウジソウとヤナギチョウジソウはよく似ている。ヤナギチョウジソウは全体に大きく、花が密につく。果実も長い。チョウジソウは萼や花柄が暗赤色を帯び、黒っぽく見える。ホソバチョウジソウは葉が細く、葉裏が細かいフリンジ状になる。チョウジソウ | ヤナギチョウジソウ | ホソバチョウジソウ | |
---|---|---|---|
学名 | Amsonia elliptica | Amsonia tabernaemontana var. salicifolia | Amsonia ciliata Walter var. ciliata |
英名 | - | bluestar , eastern bluestar | fringed bluestar |
高さ ㎝(in.) | 40~80 (30 in.) | 30~100 (48 in). | 60~90 (36 in.) |
葉形 | 長さ7.5~10㎝ 幅2.5㎝以下 |
長さ8~15㎝ 幅1~2.5(5)㎝ |
長さ4~8㎝ 幅2~10㎜ |
花の密度 | 40-60% | 80-100%(60-80%) | 20-40% |
花の色 | lavender-blue | pale blue | pale blue |
花冠径 ㎜ | 3/4 in. | 3/4~1 in. | 5/8 in. |
花柄の長さ | 約4㎜ | 3~6㎜ | 3~5㎜ |
萼の色 | 暗赤色を帯びる | 緑色 | 緑色 |
果実の長さ | 長さ5~6㎝ | 長さ8~12㎝ | 長さ9~11㎝ |
花期 | 5~6月 | 6~7月 | 6~7月 |
Plant Evaluation Notes An Evaluation Study of Hardy Amsonia
Richard G. Hawke, Manager of Plant Evaluation Programs
参考
1)Flora of ChinaAmsonia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101507
2)Atlas of Living Australia
Amsonia
https://bie.ala.org.au/species/NZOR-6-107782
3)The Jepson Herbarium
Amsonia
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=10238
4)Plants of the World Online | Kew Science
Amsonia
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:2194-1
5)GRIN
Amsonia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=577