ツユクサ 露草
Flora of Mikawa
ツユクサ科 Commelinaceae ツユクサ属
別 名 | ボウシバナ、アオバナ、ツキクサ(着草) |
中国名 | 鸭跖草 ya zhi cao |
英 名 | Asiatic dayflower , common dayflower , blue dayflower |
学 名 | Commelina communis L. |
花 期 | 6~10月 |
高 さ | 30~50㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 道端、草地に普通 |
分 布 | 在来種 日本全土、東アジア |
撮 影 | 西浦町 09.10.1 |
どこでも普通に見られ、花期は長く、三河では10月まで見られる。花は朝早く咲き、夕方にはしぼむ1日花。雨天には花も鮮やかである。日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、ジョージア(旧グルジア)原産で、世界に広く帰化している。変化が多く、花色の濃いもの薄いものがあり、花の大きさも色々ある。仮雄しべの葯に栗色の斑点があるものと無いものがあり、茎もほぼ直立~斜上し、分枝がほとんどないものと、傾伏して、よく分枝し、痩果が多くつくものがある。
茎は直立又は傾伏し、基部近くの節から根を出し、分枝する。葉は長さ5~12㎝、幅1~4㎝の狭披針形~卵状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葉の基部には長さ約1㎝の鞘がある。花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。苞は長さ1..5~3(3.5)㎝、幅0.8~1.3(1.8)㎝、鎌形に曲がらず、基部で融合せず、広げると円心形、緑色、基部は淡色又は白色、暗緑色の明瞭な脈があり、縁毛は無く、ときにざらつき又は粗く、先は鋭形~尖鋭形、無毛~有毛。苞の下部に長さ0.8~3.5㎝(ときに5㎝以下)の柄がある。苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。苞内の花序についてはFlora of north America の解説に従ったが、Flora of Chinaではdistalとproximal が反対の表現になっている。苞の中の花序の花柄は長さ5~10㎜。個々の花には小苞と小花柄がある。小花柄は長さ2~4㎜、花時には直立し、果時に小苞を内側にして曲がる。花は普通、苞から1個ずつ突き出て咲く。花は両性とまれに雄性。花には小さな外花被片(萼片)3個と、内花被片(花弁)3個がある。側萼片2個は基部で合着し、長さ4.5~5㎜、幅3~3.7㎜、惰円形、凹面、膜質、無毛。上側の1個の萼片は披針形、長さ約4.5㎜、幅約2.2㎜。上側の花弁2個は青色(~藍色)、長さ9~10㎜、幅8~10㎜、長さ約3㎜の爪部(claw)と広卵形の拡大部(limb)からなる。下部の1個の花弁は淡色~白色で小さく、長さ5~6㎜、幅約6㎜。雄しべは6個ある。短い3個は仮雄しべ(花粉が少し出るが不稔)、中間の長さ1個は花粉の量が少ない仮雄しべ(不完全雄しべ)、長い2個は完全な雄しべである。仮雄しべの葯(仮葯=antherode)は十字形(X形)、全体に黄色又は中央に栗色(ときに藍色)の斑点(maroon center)がある。中間の雄しべの葯は逆V(Y)字形、ときに栗色の斑点がある。花柱が雄しべの間から突き出る両性花と雄しべより短い雄性花がある。蒴果は苞に包まれて、1~3個できる。蒴果は長さ4.5~8㎜、2室、2バルブ。1室に1~2個の種子が入り、1果実に2~4個の種子が詰まる。1室に1個の種子だけ入る種子は大きい。花が開かずに自家受粉する閉鎖花も多い。種子は褐色~褐黄色、長さ(2)2.5~4.2㎜、幅2.2~3㎜、しわ状~あばたのような網状。
日本で見られるものはサイトタイプが 2n=44, 46, 48, 50, 52, 86, 88, 90の8種類である。2n=44(2n=44, 46, 48, 50, 52)と2n=88(2n=86, 88 , 90)の2系統ある。ツユクサは2n=88系統といわれている。
ウスイロツユクサforma. caerulepurpurascens は花が淡紫色の品種。現在は品種としないのが一般的。
シロバナツユクサ forma. albiflora は白花品種。
ケツユクサf. ciliata 苞は先が長く尖り鎌形、苞の外面に長白毛があるもの。2n=44,46
ウサギツユクサf. miranda 花弁が細長い品種
オオボウシバナ var. hortensis 花弁が大きい園芸種。2n=46
ホソバツユクサvar. ludens 葉が披針形、葉裏、葉鞘、苞に毛が多い。(Flora of north America の解説では異なり、花色が濃く、仮葯に栗色斑点がある。末端花序に花がつかない。苞がやや広い。ニューヨークのものが標準である)。
多年草又は1年草。根は細く又は塊茎がある。葉は2列又は螺旋状につき、粉白にはならない。葉身は葉柄が無又は無。花序は頂生、葉に対生し、集散花序が1~2個、仏炎苞(spathes)に包まれる。下部の集散花序は数個の花をつける。上部の集散花序は痕跡又は1~数個の雄花をつける。仏炎苞はしばしば粘液性の液体で満たされ、縁は分離又は基部が合着する。小苞は普通、無い。花は両性と雄性、左右相称。花柄はよく発達する。咢片は分離又は下部で2個が合着し、不等長。花弁は分離、下部の花弁はしばしば上部の2個と色が異なり、小さいか又はほぼ等しい、上部の2個は青色(たまに、ライラック色、ラベンダー色、黄色、桃色、アプリコット色、又は白色)、爪部がある。雄しべは(5~)6個、下部の3個は稔性、中間の雄しべは形と大きさが他と異なり、上部の(2~)3個は仮雄しべ。花糸は無毛。仮葯(antherodes)は普通、4~6裂する。子房は2~3室。胚珠は各室に1~2個、1列につく。蒴果は2~3バルブ、2~3室。種子は各室に1~2個。へそは線形。エンブリオテガ(embryoteg)は側生。x=11~15。
世界に約170種あり、ほとんど全世界に分布し、主に熱帯に分布する。
synonym Commelina undulata auct. non R.Br
中国、台湾、インドネシア、オセアニア原産。中国名は耳苞鸭跖草 er bao ya zhi cao
1-1 Commelina auriculata Blume f. albiflora Tawada シロバナホウライツユクサ
2 Commelina benghalensis L. マルバツユクサ 丸葉露草
日本(関東地方以西)、アジア、アフリカ原産。中国名は饭包草 fan bao cao 。英名は jio, Benghal dayflower, hairy wandering-Jew 。
海岸に多いと解説されるのが普通だが、内陸の幸田町内などでも群生している。三河の海岸に近い地域では普通に見られる。
1年草。高さ30~50㎝。葉は長さ3~7㎝、幅2~4㎝の卵~広卵形、平行の葉脈が目立ち、わずかに毛が生え、縁は普通、波打つ。葉には短い柄があり、基部は筒状の鞘となる。茎頂の2つ折りになった苞の中に花をつけ、苞の外に花柄を伸ばして通常2個、開花する。花は直径約2.5㎝。青~淡青色で、まれに白花もある。花が終わると花茎が曲がり、苞の中で果実(蒴果)が花の数だけできる。果実には長さ3~4㎜の大型の種子が1個と長さ約2㎜の小型の種子が1~4個できる。花期は7~9月。地下に閉鎖花をつける。
3 Commelina caroliniana Walter カロライナツユクサ
synonym Commelina hasskarlii C.B.Clarke
アジア(インド、ネパール、バングラデシュ)原産。英名はCarolina dayflower。
シマツユクサに似て中央の内花被片は青色、内側が白色。苞はわずかに鎌形。蒴果は3室。種子が暗褐色。原産地はアジア(インド、ネパール、バングラデシュ)、アメリカなどに帰化し、日本の各地で確認されるようになった。アメリカで最初に確認されたため、Carolina dayflowerと呼ばれる。
1年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)し、節から根を出す。葉は長さ2.5~10.5㎝、幅0.7~2.4㎝、被針形~被針状惰円形、縁はざらざらし、先は鋭形~尖鋭形。末端の集散花序は痕跡的(まれに1花が突き出る)。苞は1個、明るい緑色、下部は淡色、明瞭な脈は無く、有柄、わずかに鎌形で、長さ1.2~3(3.7)㎝、幅0.5~1㎝、普通縁毛があり、先は尖り、無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.6~2.3㎝。花は両性、花弁は全体に青色、中央の花弁は内側が白色、小さい(青色~白色があるか?)。中間の1個の雄しべは葯隔が白色。短い仮雄しべは3個、仮葯(antherode)は黄色、しばしば中央に栗色の斑点があり、十字形。蒴果は長さ (5)6~8㎜、3室、2蒴片。種子は5個、暗褐色、長さ2.4~4.3(4.6) ㎜、幅 (1.6)2~2.3㎜、平滑~かすかにハチの巣状~粉状。1個の種子は表皮に包まれ、他の種子は蒴果が開くと落下する。2n=約86。
4 Commelina communis L. ツユクサ 露草
日本全土、東アジア原産。中国名は鸭跖草 ya zhi cao。英名はAsiatic dayflower , common dayflower , blue dayflower。別名はボウシバナ、アオバナ、ツキクサ(着草)。
1年草。高さ30~50㎝。茎は直立又は傾伏し、基部近くの節から根を出し、分枝する。葉は長さ5~12㎝、幅1~4㎝の狭披針形~卵状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葉の基部には長さ約1㎝の鞘がある。花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。苞は長さ1..5~3(3.5)㎝、幅0.8~1.3(1.8)㎝、鎌形に曲がらず、基部で融合せず、広げると円心形、緑色、基部は淡色又は白色、暗緑色の明瞭な脈があり、縁毛は無く、ときにざらつき又は粗く、先は鋭形~尖鋭形、無毛~有毛。苞の下部に長さ0.8~3.5㎝(ときに5㎝以下)の柄がある。苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。苞内の花序についてはFlora of north America の解説に従ったが、Flora of Chinaではdistalとproximal が反対の表現になっている。苞の中の花序の花柄は長さ5~10㎜。個々の花には小苞と小花柄がある。小花柄は長さ2~4㎜、花時には直立し、果時に小苞を内側にして曲がる。花は普通、苞から1個ずつ突き出て咲く。花は両性とまれに雄性。花には小さな外花被片(萼片)3個と、内花被片(花弁)3個がある。側萼片2個は基部で合着し、長さ4.5~5㎜、幅3~3.7㎜、惰円形、凹面、膜質、無毛。上側の1個の萼片は披針形、長さ約4.5㎜、幅約2.2㎜。上側の花弁2個は青色(~藍色)、長さ9~10㎜、幅8~10㎜、長さ約3㎜の爪部(claw)と広卵形の拡大部(limb)からなる。下部の1個の花弁は淡色~白色で小さく、長さ5~6㎜、幅約6㎜。雄しべは6個ある。短い3個は仮雄しべ(花粉が少し出るが不稔)、中間の長さ1個は花粉の量が少ない仮雄しべ(不完全雄しべ)、長い2個は完全な雄しべである。仮雄しべの葯(仮葯=antherode)は十字形(X形)、全体に黄色又は中央に栗色(ときに藍色)の斑点(maroon center)がある。中間の雄しべの葯は逆V(Y)字形、ときに栗色の斑点がある。花柱が雄しべの間から突き出る両性花と雄しべより短い雄性花がある。蒴果は苞に包まれて、1~3個できる。蒴果は長さ4.5~8㎜、2室、2バルブ。1室に1~2個の種子が入り、1果実に2~4個の種子が詰まる。1室に1個の種子だけ入る種子は大きい。花が開かずに自家受粉する閉鎖花も多い。種子は褐色~褐黄色、長さ(2)2.5~4.2㎜、幅2.2~3㎜、しわ状~あばたのような網状。花期は6~10月。
日本で見られるものはサイトタイプが 2n=44, 46, 48, 50, 52, 86, 88, 90の8種類である。2n=44(2n=44, 46, 48, 50, 52)と2n=88(2n=86, 88 , 90)の2系統ある。ツユクサは2n=88系統といわれている。
4-1 Commelina communis L. f. albiflora Makino シロバナツユクサ
白花品種
4-2 Commelina communis L. f. caeruleopurpurascens Makino ウスイロツユクサ
花が淡紫色の品種。現在は品種としないのが一般的。
4-3 Commelina communis L. f. ciliata Pennell ケツユクサ
synonym Commelina communis L. f. hebespatha (Nakai ex H.Hara) Sugim.
synonym Commelina communis L. f. ciliata (Masam.) Murata
苞の先が長く尖り鎌形、苞の外面に長白毛があるもの。2n=44,46
4-4 Commelina communis L. f. diabolica (Koidz.) Sugim. オニツユクサ
葉裏に毛があるもの
4-5 Commelina communis L. f. miranda Hiyama ウサギツユクサ
花弁が細長い品種
4-6 Commelina communis L. var. ludens (Miq.) C.B.Clarke (ホソバツユクサ)
synonym Commelina communis L. var. angustifolia Nakai
葉が披針形、葉裏、葉鞘、苞に毛が多い。(Flora of north America の解説では異なり、花色が濃く、仮葯に栗色斑点がある。末端花序に花がつかない。苞がやや広い。ニューヨークのものが標準であり、ホソバツユクサはvar. ludens とは異なると思われる。
4-6-1 Commelina communis L. var. ludens (Miq.) C.B.Clarke f. leucantha Nakai シロバナホソバツユクサ
品種) 'Hortensis' オオボウシバナ= var. hortensis Makino:花弁が大きい園芸種。2n=46
5 Commelina diffusa Burman f シマツユクサ
synonym Commelina nudiflora auct. non L.
アジア中部~東部、アフリカ原産。英名はcreeping-spiderwort
中央の内花被片も青色。苞が鎌形。仮雄しべの仮葯がツユクサより細い。蒴果は3室。種子が褐色。2変種ある。世界に広く分布し、日本の九州以南にも自生する。日本の他地域にも帰化している。這う性質があり、creeping-spiderwort と呼ばれる。
1年草又は多年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)する。葉は互生し、無柄。葉身は披針形~披針状惰円形~披針状長楕円形~卵形、長さ1.5~14㎝、幅0.5~3.3㎝、縁はざらつき、先は鋭形~尖鋭形、無毛。末端の集散花序は1~数個の花をつけ、普通突き出す。苞は1個、明るい緑色、明瞭な脈は無く、有柄、普通、明瞭な鎌形、長さ(0.5)0.8~4㎝、幅0.4~1.2(1.4)㎝、縁は明瞭に無毛~ざらつく、ときに縁毛があり、基部に繊毛があり、先は尖り、普通無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.5~2(4)㎝。花は両性と雄性。花弁は全て青色(まれにラベンダー色)、中央の花弁は小さい。中間の雄しべは葯隔が普通、紫色の帯びが横切る。仮雄しべは2~3個、仮葯は黄色、真ん中の雄しべはしばしば欠くか退化した十字形。蒴果は長さ 4~6.3㎜、3室、2蒴片。 種子は5 個(又は未熟で少ない)、褐色、長さ2~2.8(3.2)㎜、幅1.4~1.8㎜、深い網状。
5-1 Commelina diffusa var. diffusa
葉身は長さ1.5~5(8)㎝、幅0.5~1(2.2))㎝。中間雄しべの葯隔は紫色の帯が横切る。蒴果は5種子
5-2 Commelina diffusa var. gigas (Small) Faden オオシマツユクサ
synonym Commelina diffusa Burm.f. var. major Kayama
葉身は長さ6~14㎝、幅1~3.3㎝。中間雄しべの葯隔は紫色の帯が無い。蒴果は1~2種子
6 Commelina erecta L. シュッコンツユクサ 宿根露草
synonym Commelina elegans Kunth
北アメリカ、南アメリカ原産。英名はerect dayflower。
多年草。根は肉質、丈夫、房状。茎は群生し、普通、直立~斜上(まれに、傾伏、節から根を出す)。葉鞘は先に葉耳がある。葉柄は無又は有。葉身は線形~披針形、まれに披針状卵形、長さ5~15㎝×幅0.3~4㎝、先は尖鋭形、まれに鋭形。花序は上部に集散花序が未発達、含まれる。仏炎苞は単生又は束生し、緑色、花序柄があり、まったく強くかま形でなく、長さ1~2.5(~4)㎝×幅 0.7~1.5(~2.5)㎝、縁は長く合着し、合着した縁を除いて無毛、先は鋭形~尖鋭形、ときに紫色、普通、様々な軟毛がある。花序柄は長さ0.5~1(~2)㎝。花は両性と雄性、幅1.5~4㎝。下部の花弁は小さく、白色。上部の花弁は青色(まれに、ラベンダー色又は白色)。仮雄しべは3個。仮雄しべと中間の雄しべは全体に黄色。仮葯は十字形。蒴果は3室、2バルブ(ごく稀に3バルブ)、長さ3.5~4.5㎜×幅3~5㎜、外側の室はいぼ状、非裂開(ごく稀に平滑で裂開する)。内側の室は平滑、裂開する。種子は3個、褐色、両端又は帯に柔らかい帯白色の組織をもち、長さ2.4~3.5㎜×幅2.3~2.8㎜、ほぼ平滑。2n = 60。花期は春~秋。
7 Commelina paludosa Blume ナンバンツユクサ 南蛮露草
synonym Commelina obliqua auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Commelina obliqua Buch.-Ham. ex D. Don
中国、台湾、インド、ブータン、シッキム、ネパール、スリランカ、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア原産。中国名は大苞鸭跖草 da bao ya zhi cao 。
多年草。茎はしばしば、直立し、単純又はときに上部で分枝し、高さ1m以下、無毛又はまばらに小剛毛がある。葉は無柄。葉鞘は口部と片側の1本の線上に密に褐色の剛毛があり、ときに口部に少しの毛があるだけ又は全体に粗毛があることもある。葉身は披針形~卵状披針形、長さ7~20㎝×幅2~7㎝、両面とも無毛又は上面に顆粒状の毛があり、下面に粗毛がある。総苞片はしばしば4~10個あり、頂部で頭状になり、無柄で、漏斗形、長さ約2㎝×幅1.5~2㎝、無毛、下部の縁は合着し、先は鋭形又は短く鋭形。扇状集散花序(cincinnus)は1個。花序柄は長さ約1.2㎝。花は1~数個、総苞片にほぼ包まれる。花柄は長さ約7㎜、捻じれる。咢片は長さ3~6㎜、膜質。花弁は青色、長さ4.5~8㎜。蒴果は卵状球形、3稜形、長さ約4㎜、3バルブ。種子は各バルブに1個、暗褐色、楕円形、長さ約3.5㎜、わずかに扁平、細かい網目がある。花期は8~10月。果期は10~4月。
8 Commelina virginica L. バージニアツユクサ
USA原産。英名はVirginia dayflower。
多年草。根茎がある。茎は直立~斜上し、高さ1m以下。葉は螺旋状につき、葉鞘は頂部に赤色の毛をもつ。葉身は披針状楕円形~披針状長円形、長さ6~20㎝×幅1~5㎝、先は尖鋭形。上部の集散花序は痕跡、含まれる(ごく稀に1花がつき、突き出す)。仏炎苞は束生し、ほぼ無柄、漏斗形、長さ1.5~3.5㎝×幅1.2~2㎝、縁は基部で合着し、まれに微軟毛がある。花は両性(まれに、雄性)。花弁は全て青色、下部の1個は小さい。仮雄しべは3個、仮葯は全体に黄色、十字形。蒴果は3室、2バルブ、長さ (5.5~)6~9㎜×幅3~6㎜。種子は5個、褐色、長さ(2.4~)3~5(~6)㎜×幅2.4~3.1㎜、平滑、浅い不規則な凹みが少数あり、粉状。 n = 30。花期は夏中旬~秋。
9 ハイブリッド
品種) 'Electric Blue' , 'Ouverture Blue' , 'Tuberosa Blue'
Commelina
Commelina
=Pseudanthus~pimeleoides
3) GRIN
Commelina
Commelina
茎は直立又は傾伏し、基部近くの節から根を出し、分枝する。葉は長さ5~12㎝、幅1~4㎝の狭披針形~卵状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葉の基部には長さ約1㎝の鞘がある。花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。苞は長さ1..5~3(3.5)㎝、幅0.8~1.3(1.8)㎝、鎌形に曲がらず、基部で融合せず、広げると円心形、緑色、基部は淡色又は白色、暗緑色の明瞭な脈があり、縁毛は無く、ときにざらつき又は粗く、先は鋭形~尖鋭形、無毛~有毛。苞の下部に長さ0.8~3.5㎝(ときに5㎝以下)の柄がある。苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。苞内の花序についてはFlora of north America の解説に従ったが、Flora of Chinaではdistalとproximal が反対の表現になっている。苞の中の花序の花柄は長さ5~10㎜。個々の花には小苞と小花柄がある。小花柄は長さ2~4㎜、花時には直立し、果時に小苞を内側にして曲がる。花は普通、苞から1個ずつ突き出て咲く。花は両性とまれに雄性。花には小さな外花被片(萼片)3個と、内花被片(花弁)3個がある。側萼片2個は基部で合着し、長さ4.5~5㎜、幅3~3.7㎜、惰円形、凹面、膜質、無毛。上側の1個の萼片は披針形、長さ約4.5㎜、幅約2.2㎜。上側の花弁2個は青色(~藍色)、長さ9~10㎜、幅8~10㎜、長さ約3㎜の爪部(claw)と広卵形の拡大部(limb)からなる。下部の1個の花弁は淡色~白色で小さく、長さ5~6㎜、幅約6㎜。雄しべは6個ある。短い3個は仮雄しべ(花粉が少し出るが不稔)、中間の長さ1個は花粉の量が少ない仮雄しべ(不完全雄しべ)、長い2個は完全な雄しべである。仮雄しべの葯(仮葯=antherode)は十字形(X形)、全体に黄色又は中央に栗色(ときに藍色)の斑点(maroon center)がある。中間の雄しべの葯は逆V(Y)字形、ときに栗色の斑点がある。花柱が雄しべの間から突き出る両性花と雄しべより短い雄性花がある。蒴果は苞に包まれて、1~3個できる。蒴果は長さ4.5~8㎜、2室、2バルブ。1室に1~2個の種子が入り、1果実に2~4個の種子が詰まる。1室に1個の種子だけ入る種子は大きい。花が開かずに自家受粉する閉鎖花も多い。種子は褐色~褐黄色、長さ(2)2.5~4.2㎜、幅2.2~3㎜、しわ状~あばたのような網状。
日本で見られるものはサイトタイプが 2n=44, 46, 48, 50, 52, 86, 88, 90の8種類である。2n=44(2n=44, 46, 48, 50, 52)と2n=88(2n=86, 88 , 90)の2系統ある。ツユクサは2n=88系統といわれている。
ウスイロツユクサforma. caerulepurpurascens は花が淡紫色の品種。現在は品種としないのが一般的。
シロバナツユクサ forma. albiflora は白花品種。
ケツユクサf. ciliata 苞は先が長く尖り鎌形、苞の外面に長白毛があるもの。2n=44,46
ウサギツユクサf. miranda 花弁が細長い品種
オオボウシバナ var. hortensis 花弁が大きい園芸種。2n=46
ホソバツユクサvar. ludens 葉が披針形、葉裏、葉鞘、苞に毛が多い。(Flora of north America の解説では異なり、花色が濃く、仮葯に栗色斑点がある。末端花序に花がつかない。苞がやや広い。ニューヨークのものが標準である)。
ツユクサ属
family Commelinaceae - genus Commelina多年草又は1年草。根は細く又は塊茎がある。葉は2列又は螺旋状につき、粉白にはならない。葉身は葉柄が無又は無。花序は頂生、葉に対生し、集散花序が1~2個、仏炎苞(spathes)に包まれる。下部の集散花序は数個の花をつける。上部の集散花序は痕跡又は1~数個の雄花をつける。仏炎苞はしばしば粘液性の液体で満たされ、縁は分離又は基部が合着する。小苞は普通、無い。花は両性と雄性、左右相称。花柄はよく発達する。咢片は分離又は下部で2個が合着し、不等長。花弁は分離、下部の花弁はしばしば上部の2個と色が異なり、小さいか又はほぼ等しい、上部の2個は青色(たまに、ライラック色、ラベンダー色、黄色、桃色、アプリコット色、又は白色)、爪部がある。雄しべは(5~)6個、下部の3個は稔性、中間の雄しべは形と大きさが他と異なり、上部の(2~)3個は仮雄しべ。花糸は無毛。仮葯(antherodes)は普通、4~6裂する。子房は2~3室。胚珠は各室に1~2個、1列につく。蒴果は2~3バルブ、2~3室。種子は各室に1~2個。へそは線形。エンブリオテガ(embryoteg)は側生。x=11~15。
世界に約170種あり、ほとんど全世界に分布し、主に熱帯に分布する。
ツユクサ属の主な種と園芸品種
1 Commelina auriculata Blume ホウライツユクサsynonym Commelina undulata auct. non R.Br
中国、台湾、インドネシア、オセアニア原産。中国名は耳苞鸭跖草 er bao ya zhi cao
1-1 Commelina auriculata Blume f. albiflora Tawada シロバナホウライツユクサ
2 Commelina benghalensis L. マルバツユクサ 丸葉露草
日本(関東地方以西)、アジア、アフリカ原産。中国名は饭包草 fan bao cao 。英名は jio, Benghal dayflower, hairy wandering-Jew 。
海岸に多いと解説されるのが普通だが、内陸の幸田町内などでも群生している。三河の海岸に近い地域では普通に見られる。
1年草。高さ30~50㎝。葉は長さ3~7㎝、幅2~4㎝の卵~広卵形、平行の葉脈が目立ち、わずかに毛が生え、縁は普通、波打つ。葉には短い柄があり、基部は筒状の鞘となる。茎頂の2つ折りになった苞の中に花をつけ、苞の外に花柄を伸ばして通常2個、開花する。花は直径約2.5㎝。青~淡青色で、まれに白花もある。花が終わると花茎が曲がり、苞の中で果実(蒴果)が花の数だけできる。果実には長さ3~4㎜の大型の種子が1個と長さ約2㎜の小型の種子が1~4個できる。花期は7~9月。地下に閉鎖花をつける。
3 Commelina caroliniana Walter カロライナツユクサ
synonym Commelina hasskarlii C.B.Clarke
アジア(インド、ネパール、バングラデシュ)原産。英名はCarolina dayflower。
シマツユクサに似て中央の内花被片は青色、内側が白色。苞はわずかに鎌形。蒴果は3室。種子が暗褐色。原産地はアジア(インド、ネパール、バングラデシュ)、アメリカなどに帰化し、日本の各地で確認されるようになった。アメリカで最初に確認されたため、Carolina dayflowerと呼ばれる。
1年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)し、節から根を出す。葉は長さ2.5~10.5㎝、幅0.7~2.4㎝、被針形~被針状惰円形、縁はざらざらし、先は鋭形~尖鋭形。末端の集散花序は痕跡的(まれに1花が突き出る)。苞は1個、明るい緑色、下部は淡色、明瞭な脈は無く、有柄、わずかに鎌形で、長さ1.2~3(3.7)㎝、幅0.5~1㎝、普通縁毛があり、先は尖り、無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.6~2.3㎝。花は両性、花弁は全体に青色、中央の花弁は内側が白色、小さい(青色~白色があるか?)。中間の1個の雄しべは葯隔が白色。短い仮雄しべは3個、仮葯(antherode)は黄色、しばしば中央に栗色の斑点があり、十字形。蒴果は長さ (5)6~8㎜、3室、2蒴片。種子は5個、暗褐色、長さ2.4~4.3(4.6) ㎜、幅 (1.6)2~2.3㎜、平滑~かすかにハチの巣状~粉状。1個の種子は表皮に包まれ、他の種子は蒴果が開くと落下する。2n=約86。
4 Commelina communis L. ツユクサ 露草
日本全土、東アジア原産。中国名は鸭跖草 ya zhi cao。英名はAsiatic dayflower , common dayflower , blue dayflower。別名はボウシバナ、アオバナ、ツキクサ(着草)。
1年草。高さ30~50㎝。茎は直立又は傾伏し、基部近くの節から根を出し、分枝する。葉は長さ5~12㎝、幅1~4㎝の狭披針形~卵状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葉の基部には長さ約1㎝の鞘がある。花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。苞は長さ1..5~3(3.5)㎝、幅0.8~1.3(1.8)㎝、鎌形に曲がらず、基部で融合せず、広げると円心形、緑色、基部は淡色又は白色、暗緑色の明瞭な脈があり、縁毛は無く、ときにざらつき又は粗く、先は鋭形~尖鋭形、無毛~有毛。苞の下部に長さ0.8~3.5㎝(ときに5㎝以下)の柄がある。苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。苞内の花序についてはFlora of north America の解説に従ったが、Flora of Chinaではdistalとproximal が反対の表現になっている。苞の中の花序の花柄は長さ5~10㎜。個々の花には小苞と小花柄がある。小花柄は長さ2~4㎜、花時には直立し、果時に小苞を内側にして曲がる。花は普通、苞から1個ずつ突き出て咲く。花は両性とまれに雄性。花には小さな外花被片(萼片)3個と、内花被片(花弁)3個がある。側萼片2個は基部で合着し、長さ4.5~5㎜、幅3~3.7㎜、惰円形、凹面、膜質、無毛。上側の1個の萼片は披針形、長さ約4.5㎜、幅約2.2㎜。上側の花弁2個は青色(~藍色)、長さ9~10㎜、幅8~10㎜、長さ約3㎜の爪部(claw)と広卵形の拡大部(limb)からなる。下部の1個の花弁は淡色~白色で小さく、長さ5~6㎜、幅約6㎜。雄しべは6個ある。短い3個は仮雄しべ(花粉が少し出るが不稔)、中間の長さ1個は花粉の量が少ない仮雄しべ(不完全雄しべ)、長い2個は完全な雄しべである。仮雄しべの葯(仮葯=antherode)は十字形(X形)、全体に黄色又は中央に栗色(ときに藍色)の斑点(maroon center)がある。中間の雄しべの葯は逆V(Y)字形、ときに栗色の斑点がある。花柱が雄しべの間から突き出る両性花と雄しべより短い雄性花がある。蒴果は苞に包まれて、1~3個できる。蒴果は長さ4.5~8㎜、2室、2バルブ。1室に1~2個の種子が入り、1果実に2~4個の種子が詰まる。1室に1個の種子だけ入る種子は大きい。花が開かずに自家受粉する閉鎖花も多い。種子は褐色~褐黄色、長さ(2)2.5~4.2㎜、幅2.2~3㎜、しわ状~あばたのような網状。花期は6~10月。
日本で見られるものはサイトタイプが 2n=44, 46, 48, 50, 52, 86, 88, 90の8種類である。2n=44(2n=44, 46, 48, 50, 52)と2n=88(2n=86, 88 , 90)の2系統ある。ツユクサは2n=88系統といわれている。
4-1 Commelina communis L. f. albiflora Makino シロバナツユクサ
白花品種
4-2 Commelina communis L. f. caeruleopurpurascens Makino ウスイロツユクサ
花が淡紫色の品種。現在は品種としないのが一般的。
4-3 Commelina communis L. f. ciliata Pennell ケツユクサ
synonym Commelina communis L. f. hebespatha (Nakai ex H.Hara) Sugim.
synonym Commelina communis L. f. ciliata (Masam.) Murata
苞の先が長く尖り鎌形、苞の外面に長白毛があるもの。2n=44,46
4-4 Commelina communis L. f. diabolica (Koidz.) Sugim. オニツユクサ
葉裏に毛があるもの
4-5 Commelina communis L. f. miranda Hiyama ウサギツユクサ
花弁が細長い品種
4-6 Commelina communis L. var. ludens (Miq.) C.B.Clarke (ホソバツユクサ)
synonym Commelina communis L. var. angustifolia Nakai
葉が披針形、葉裏、葉鞘、苞に毛が多い。(Flora of north America の解説では異なり、花色が濃く、仮葯に栗色斑点がある。末端花序に花がつかない。苞がやや広い。ニューヨークのものが標準であり、ホソバツユクサはvar. ludens とは異なると思われる。
4-6-1 Commelina communis L. var. ludens (Miq.) C.B.Clarke f. leucantha Nakai シロバナホソバツユクサ
品種) 'Hortensis' オオボウシバナ= var. hortensis Makino:花弁が大きい園芸種。2n=46
5 Commelina diffusa Burman f シマツユクサ
synonym Commelina nudiflora auct. non L.
アジア中部~東部、アフリカ原産。英名はcreeping-spiderwort
中央の内花被片も青色。苞が鎌形。仮雄しべの仮葯がツユクサより細い。蒴果は3室。種子が褐色。2変種ある。世界に広く分布し、日本の九州以南にも自生する。日本の他地域にも帰化している。這う性質があり、creeping-spiderwort と呼ばれる。
1年草又は多年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)する。葉は互生し、無柄。葉身は披針形~披針状惰円形~披針状長楕円形~卵形、長さ1.5~14㎝、幅0.5~3.3㎝、縁はざらつき、先は鋭形~尖鋭形、無毛。末端の集散花序は1~数個の花をつけ、普通突き出す。苞は1個、明るい緑色、明瞭な脈は無く、有柄、普通、明瞭な鎌形、長さ(0.5)0.8~4㎝、幅0.4~1.2(1.4)㎝、縁は明瞭に無毛~ざらつく、ときに縁毛があり、基部に繊毛があり、先は尖り、普通無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.5~2(4)㎝。花は両性と雄性。花弁は全て青色(まれにラベンダー色)、中央の花弁は小さい。中間の雄しべは葯隔が普通、紫色の帯びが横切る。仮雄しべは2~3個、仮葯は黄色、真ん中の雄しべはしばしば欠くか退化した十字形。蒴果は長さ 4~6.3㎜、3室、2蒴片。 種子は5 個(又は未熟で少ない)、褐色、長さ2~2.8(3.2)㎜、幅1.4~1.8㎜、深い網状。
5-1 Commelina diffusa var. diffusa
葉身は長さ1.5~5(8)㎝、幅0.5~1(2.2))㎝。中間雄しべの葯隔は紫色の帯が横切る。蒴果は5種子
5-2 Commelina diffusa var. gigas (Small) Faden オオシマツユクサ
synonym Commelina diffusa Burm.f. var. major Kayama
葉身は長さ6~14㎝、幅1~3.3㎝。中間雄しべの葯隔は紫色の帯が無い。蒴果は1~2種子
6 Commelina erecta L. シュッコンツユクサ 宿根露草
synonym Commelina elegans Kunth
北アメリカ、南アメリカ原産。英名はerect dayflower。
多年草。根は肉質、丈夫、房状。茎は群生し、普通、直立~斜上(まれに、傾伏、節から根を出す)。葉鞘は先に葉耳がある。葉柄は無又は有。葉身は線形~披針形、まれに披針状卵形、長さ5~15㎝×幅0.3~4㎝、先は尖鋭形、まれに鋭形。花序は上部に集散花序が未発達、含まれる。仏炎苞は単生又は束生し、緑色、花序柄があり、まったく強くかま形でなく、長さ1~2.5(~4)㎝×幅 0.7~1.5(~2.5)㎝、縁は長く合着し、合着した縁を除いて無毛、先は鋭形~尖鋭形、ときに紫色、普通、様々な軟毛がある。花序柄は長さ0.5~1(~2)㎝。花は両性と雄性、幅1.5~4㎝。下部の花弁は小さく、白色。上部の花弁は青色(まれに、ラベンダー色又は白色)。仮雄しべは3個。仮雄しべと中間の雄しべは全体に黄色。仮葯は十字形。蒴果は3室、2バルブ(ごく稀に3バルブ)、長さ3.5~4.5㎜×幅3~5㎜、外側の室はいぼ状、非裂開(ごく稀に平滑で裂開する)。内側の室は平滑、裂開する。種子は3個、褐色、両端又は帯に柔らかい帯白色の組織をもち、長さ2.4~3.5㎜×幅2.3~2.8㎜、ほぼ平滑。2n = 60。花期は春~秋。
7 Commelina paludosa Blume ナンバンツユクサ 南蛮露草
synonym Commelina obliqua auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Commelina obliqua Buch.-Ham. ex D. Don
中国、台湾、インド、ブータン、シッキム、ネパール、スリランカ、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア原産。中国名は大苞鸭跖草 da bao ya zhi cao 。
多年草。茎はしばしば、直立し、単純又はときに上部で分枝し、高さ1m以下、無毛又はまばらに小剛毛がある。葉は無柄。葉鞘は口部と片側の1本の線上に密に褐色の剛毛があり、ときに口部に少しの毛があるだけ又は全体に粗毛があることもある。葉身は披針形~卵状披針形、長さ7~20㎝×幅2~7㎝、両面とも無毛又は上面に顆粒状の毛があり、下面に粗毛がある。総苞片はしばしば4~10個あり、頂部で頭状になり、無柄で、漏斗形、長さ約2㎝×幅1.5~2㎝、無毛、下部の縁は合着し、先は鋭形又は短く鋭形。扇状集散花序(cincinnus)は1個。花序柄は長さ約1.2㎝。花は1~数個、総苞片にほぼ包まれる。花柄は長さ約7㎜、捻じれる。咢片は長さ3~6㎜、膜質。花弁は青色、長さ4.5~8㎜。蒴果は卵状球形、3稜形、長さ約4㎜、3バルブ。種子は各バルブに1個、暗褐色、楕円形、長さ約3.5㎜、わずかに扁平、細かい網目がある。花期は8~10月。果期は10~4月。
8 Commelina virginica L. バージニアツユクサ
USA原産。英名はVirginia dayflower。
多年草。根茎がある。茎は直立~斜上し、高さ1m以下。葉は螺旋状につき、葉鞘は頂部に赤色の毛をもつ。葉身は披針状楕円形~披針状長円形、長さ6~20㎝×幅1~5㎝、先は尖鋭形。上部の集散花序は痕跡、含まれる(ごく稀に1花がつき、突き出す)。仏炎苞は束生し、ほぼ無柄、漏斗形、長さ1.5~3.5㎝×幅1.2~2㎝、縁は基部で合着し、まれに微軟毛がある。花は両性(まれに、雄性)。花弁は全て青色、下部の1個は小さい。仮雄しべは3個、仮葯は全体に黄色、十字形。蒴果は3室、2バルブ、長さ (5.5~)6~9㎜×幅3~6㎜。種子は5個、褐色、長さ(2.4~)3~5(~6)㎜×幅2.4~3.1㎜、平滑、浅い不規則な凹みが少数あり、粉状。 n = 30。花期は夏中旬~秋。
9 ハイブリッド
品種) 'Electric Blue' , 'Ouverture Blue' , 'Tuberosa Blue'
参考
1) Flora of ChinaCommelina
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=107770
2) Flora of North America Commelina
=Pseudanthus~pimeleoides
3) GRIN
Commelina
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=4818
4) KewscienceCommelina
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:24202-1