ツルナ 蔓菜
Flora of Mikawa
ハマミズナ科 Aizoaceae ツルナ属
中国名 | 番杏 fan xing |
英 名 | Warrigal greens,New Zealand spinach |
学 名 | Tetragonia tetragonoides (Pall.) Kuntze synonym Demidovia tetragonoides Pall. synonym Tetragonia expansa Murray |
花 期 | 4~11月 |
高 さ | 地をはう |
生活型 | 多年生 |
生育場所 | 太平洋岸の砂浜 |
分 布 | 在来種 日本全土(北海道は西南部だけ)、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド |
撮 影 | 西浦海岸 02.4.29 |
太平洋岸の砂浜に生える。茎はつる状で地を這い、食用とされるためこの名がつけられた。葉は互生し、長さ3~7㎝の卵状三角形、多肉質で柔らかい。葉がキラキラ光るのは、葉の表面にある粒状に突起した塩嚢細胞(Bladder cells)があるためである。花はいびつな形をしていることが多く、葉脇につき、小さい。花弁のように見えるのは黄色い萼片で、4~5裂する。果実は核果で、4~5個の突起が頭部にあり、裂開しないでそのまま落ちる。果実に核は1個だけで、核には果実と同じような突起がある。果実の中は発砲スチロール状のものが詰まっており、果実の下半部は詰め物だけで、軽く水に浮きやすくなっている。種子は核の上部の4~5個の膨らみの中に1個ずつ分かれて入っている。海水が影響しないところでは冬~春に果実が大量に落ちているのが見られる。2n=16。
最近、ツルナの葉に少し似て、葉がキラキラ輝く、アイスプラントという多肉質の植物を店先で見かけるようになった。少し塩味がし、ぷちぷちした食感があるといわれている。これは南アフリカなどが原産のMesembryanthemum crystallinum L. であり、ツルナと同様、塩嚢細胞をもつ。食べてみたところ、ほとんど味がなく、塩味もない。食感は非常によく、ドレッシングで味付けすると美味しい。顕微鏡で見た塩嚢細胞の写真が右のものである。
1年草、多年草、又は低木、まれに雌雄異株又は雌雄同株、光沢のある白色の塩嚢細胞( bladder cells)をもち、ときに毛がある、茎は直立、斜上、又は平伏する。葉はほとんどが互生、平ら、折られ、又は縁が外巻きし、肉質、全体に又はわずかに波打ち、托葉は無い。花序は花が単生又は集散花序、しばしば束生に似る。花は両性又は単性、花柄は無又は有。花被(perigone)片は(3~)4(~7)個、内側は黄色又は緑色、基部は合着して短い筒部になり、堅果の基部にはしばしば角(かど)がある。雄しべは4本又はそれ以上、基部は花被の筒部と融合する。子房は下位、2~8室、各室に1個の垂れ下がる胚珠をもつ。柱頭は室と同数。果実は堅果、花被は宿存し、基部はこま形又は倒卵形、角(かど)があるか又は翼があり、ほとんどが4列の装飾をもち、しばしば先に角(つの)をもつ。種子はほぼ腎形又はナシ形。
世界に約60種があり、アフリカ、東アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカに分布する。日本には1種、ツルナが自生する。
synonym Tetragonia expansa Murray
日本全土(北海道は西南部だけ)、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド原産。英名はWarrigal greens, New Zealand spinach 。中国名は番杏 fan xing。別名はハマヂシャ。太平洋岸の砂浜に生える。
多年草。茎はつる状で地を這い、食用とされるためこの名がつけられた。葉は互生し、長さ3~7㎝の卵状三角形、多肉質で柔らかい。葉がキラキラ光るのは、葉の表面にある粒状に突起した塩嚢細胞(Bladder cells)があるためである。花はいびつな形をしていることが多く、葉腋につき、小さい。花弁のように見えるのは黄色い萼片で、4~5裂する。果実は核果で、4~5個の突起が頭部にあり、裂開しないでそのまま落ちる。果実に核は1個だけで、核には果実と同じような突起がある。果実の中は発砲スチロール状のものが詰まっており、果実の下半部は詰め物だけで、軽く水に浮きやすくなっている。種子は核の上部の4~5個の膨らみの中に1個ずつ分かれて入っている。海水が影響しないところでは冬~春に果実が大量に落ちているのが見られる。2n=16。花期は4~11月。
Tetragonia
Tetragonia
Tetragonia
Tetragonia
最近、ツルナの葉に少し似て、葉がキラキラ輝く、アイスプラントという多肉質の植物を店先で見かけるようになった。少し塩味がし、ぷちぷちした食感があるといわれている。これは南アフリカなどが原産のMesembryanthemum crystallinum L. であり、ツルナと同様、塩嚢細胞をもつ。食べてみたところ、ほとんど味がなく、塩味もない。食感は非常によく、ドレッシングで味付けすると美味しい。顕微鏡で見た塩嚢細胞の写真が右のものである。
ツルナ属
family Aizoaceae - genus Tetragonia1年草、多年草、又は低木、まれに雌雄異株又は雌雄同株、光沢のある白色の塩嚢細胞( bladder cells)をもち、ときに毛がある、茎は直立、斜上、又は平伏する。葉はほとんどが互生、平ら、折られ、又は縁が外巻きし、肉質、全体に又はわずかに波打ち、托葉は無い。花序は花が単生又は集散花序、しばしば束生に似る。花は両性又は単性、花柄は無又は有。花被(perigone)片は(3~)4(~7)個、内側は黄色又は緑色、基部は合着して短い筒部になり、堅果の基部にはしばしば角(かど)がある。雄しべは4本又はそれ以上、基部は花被の筒部と融合する。子房は下位、2~8室、各室に1個の垂れ下がる胚珠をもつ。柱頭は室と同数。果実は堅果、花被は宿存し、基部はこま形又は倒卵形、角(かど)があるか又は翼があり、ほとんどが4列の装飾をもち、しばしば先に角(つの)をもつ。種子はほぼ腎形又はナシ形。
世界に約60種があり、アフリカ、東アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカに分布する。日本には1種、ツルナが自生する。
ツルナ属の主な種
1 Tetragonia tetragonoides (Pall.) Kuntze ツルナ 蔓菜synonym Tetragonia expansa Murray
日本全土(北海道は西南部だけ)、中国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド原産。英名はWarrigal greens, New Zealand spinach 。中国名は番杏 fan xing。別名はハマヂシャ。太平洋岸の砂浜に生える。
多年草。茎はつる状で地を這い、食用とされるためこの名がつけられた。葉は互生し、長さ3~7㎝の卵状三角形、多肉質で柔らかい。葉がキラキラ光るのは、葉の表面にある粒状に突起した塩嚢細胞(Bladder cells)があるためである。花はいびつな形をしていることが多く、葉腋につき、小さい。花弁のように見えるのは黄色い萼片で、4~5裂する。果実は核果で、4~5個の突起が頭部にあり、裂開しないでそのまま落ちる。果実に核は1個だけで、核には果実と同じような突起がある。果実の中は発砲スチロール状のものが詰まっており、果実の下半部は詰め物だけで、軽く水に浮きやすくなっている。種子は核の上部の4~5個の膨らみの中に1個ずつ分かれて入っている。海水が影響しないところでは冬~春に果実が大量に落ちているのが見られる。2n=16。花期は4~11月。
参考
1) Flora of ChinaTetragonia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132571
2) Flora of North AmericaTetragonia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=132571
3) Plants of the World Online | Kew ScienceTetragonia
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:16364-1
4) GRINTetragonia
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11976