ツルキントラノオ 蔓金虎の尾

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Flora of Mikawa

キントラノオ科 Malpighiaceae ツルキントラノオ属

別 名 オーキッド バイン
中国名 胡姬蔓 hu ji man
英 名 Amazon Vine, Butterfly Vine, Golden Creeper, Orchid Vine , Yellow Orchid Vine
学 名 Stigmaphyllon ciliatum (Lam.) A.Juss.
ツルキントラノオの花序
ツルキントラノオの花
ツルキントラノオの花弁
ツルキントラノオの蔓
ツルキントラノオ
ツルキントラノオの花横
ツルキントラノオの葉
花 期 6~10月
高 さ 8m以下
生活型 蔓性木
生育場所 栽培種
分 布 外来種  ブラジル、ベリーズ、コロンビア、ホンジュラス、ニカラグア、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、ベネズエラ原産
撮 影 浜名湖ガーデンパーク 20.9.30
ツルキントラノオはキントラノオ科ツルキントラノオ属の蔓性木、観賞用に栽培されている。
 蔓はよく伸び、長さ8m以下になる。葉は互生し、葉柄は長さ1.6~5.1cm、先に無柄の腺が1対ある。葉身は広卵形~心形、葉身は長さ4.3~9.5cm×幅3.5~7.3cm、縁には毛があり、毛は長さ5.5mm以下、腺もある。托葉は小さい。散形花序に花が3~8個つく。花は鮮やかな黄色、花弁は5個、大きさが異なり、花弁には明瞭な爪部があり、拡大部は円形。花弁の縁に房状の毛がある。雄しべは10本、長さが異なり、葯の長さも異なる。果実は分離果、分果は3個の小堅果、翼がある(翼果)。花期は日本では6~10月頃。

ツルキントラノオ属(スティグマフィロン属)

  family Malpighiaceae - genus Stigmaphyllon

 蔓性木、まれに草本、直立する低木。肉眼で見えるT字形またはY字形の糸状の単細胞の毛状突起がある。托葉は小さく、宿存性又は脱落性、葉柄間。葉は対生、まれに互生又は類対生、花序中では小さくなる。葉柄は長く、先又はほぼ先に対生~ほぼ対生の腺を1対もち、腺は円盤形又は盃形。葉身は全縁、ときに分裂し、しばしば変色し、縁に1個~数対の腺があり、腺は無柄~有柄。花が4~30個つく散形花序が単生又は2出して集団になり、まれに二出集散花序が総状に複合する偽総状花序となる。側咢片は2個の腺があり、前側の咢片に腺は普通、無い。蜜腺に似るが油を分泌するエライオフォア(elaiophores)は花期前は普通、緑色、花期後は黄色、橙色、又は帯赤色になる。花弁は黄色、たまに後ろ側の花弁に帯赤色の斑点や条線があり、両面とも無毛、縁は房状になり、歯状又は浸食状になる。稔性の雄しべは10本、花糸は基部で合着し、異形性、無毛。葯は異形生。葯隔はしばしば腺があり、大きくなるか又は腺が小さくなる。半葯は0~2個、大きさが単形又は異形、ときに小さく又は無くなり、無毛又は有毛。子房は綿毛か絹毛がある。花柱は異形、曲がるか又は 頭大羽状分裂、平行又は散開、先には側部への突出がある(先が葉状)。柱頭の側面は花の中心又は後ろ側の花弁に面する。分離果はピラミッド状の隆起から3分果に分かれる。分果は背に翼を発達させ又は小さくなり(schizocarpic samarids)、上部の縁が厚くなり、絹毛又は綿毛があるか、無毛。英名はAmazonvine , butterfly vine , orchid vine。
 世界に約90種があり、チリやアンデス高地だけを除き、メキシコ南部~アルゼンチン北部の新熱帯に広く分布する。

ツルキントラノオ属の主な種と園芸品種

1 Stigmaphyllon bonariense (Hook. & Arn.) C.E.Anderson
  synonym Stigmaphyllon littorale A.Juss. リットラーレ
  synonym Stigmaphyllon heterophyllum Hook.
 アルゼンチン北東部、ブラジル南部~南東部、パラグアイ、ウルグアイ原産。
 蔓性、他の種に支えられ、高さ3~5mになる。葉は落葉性。枝は滑らか。葉柄は長さ12.5~60㎜、盃形の無柄の腺が先端部にある。葉身は心形、常に完全に分裂し、下面に綿毛があり、縁に無柄の腺があり、縁毛は無い。花序は散形花序 (単数または複数) 二花序の合成花序であり、散形花序の花の数は3~12(15-多数)個。花弁は全体が黄色。花弁は5個、爪部があり、花弁の縁は房状~長い房状。葯には毛がある。後ろ側の側咢片に対生する雄しべは2個の小さな半葯と凝固をもつ。花柱は無毛。前側の花柱は後ろ側の花柱より小さい。花柱の先は全て広がり、前側は後ろ側より小さい。柱頭は花の中心に位置する。果実は背の翼が発達し、側部の小は1対が発達する。花期は4~6月。

2 Stigmaphyllon ciliatum (Lam.) A.Juss. ツルキントラノオ 蔓金虎の尾
 ブラジル、ベリーズ、コロンビア、ホンジュラス、ニカラグア、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、ベネズエラ原産。英名はgolden creeper, yellow orchid Vine , Brazilian gloryvine , Brazilian goldenvine , butterfly-vine , orchidvine ,Amazonvine
 つるは長さ8m以下。茎と枝には若いときに絹毛があり又はまばらにあり、すぐに無毛になる。葉身は長さ4.3~9.5cm、幅3.5~7.3cm、広卵形または心形、先はは微突形、基部は耳状で、より大きな葉では裂片が重なり、上面と下面は無毛、縁には縁毛があり、毛は長さ5.5mm以下、腺がある。葉柄は長さ1.6~5.1cm、絹毛があり又はまばらにあり、またはほぼ無毛で、節を超えては合流しない、先に明瞭だが無柄の腺が1対あり、各腺は直径0.8~1.3 mm。托葉は長さ0.1~0.5mm、幅0.1~0.3mm、離生、三角形、腺は無い。散形花序の基部につく1対の葉は急に小さくなり、普通、糸状の腺で縁取られた苞になる。花は1個の散形花序あたり、3~8個つく。花序柄は無いか又は長さ5.3mm以下、絹毛があるか又はまばらにある。花柄は長さ6~13㎜、無毛、上部の花柄は長い。花序柄は花柄の長さの0.5倍以下。苞は長さ1~2mm×幅0.9~2mm、卵形~広卵形、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。小苞は長さ0.9~1.3mm×幅0.8~1.3mm、類正方形~広倒卵形、先は鈍形。苞と小苞には絹毛があり又はまばらにあり、下面は無毛、腺は無い。咢片は長さ2.5~3.6mm×幅2.5~3.3mm、腺は長さ2.3~3mm×幅1.2~2.4mm。すべての花弁は拡大部が円形、無毛、黄色、縁に房状の毛があり(fimbriate)、又はときに歯状の房状の毛があり(denticulate-fimbriate)、縁毛は長さ0.5(~0.9)㎜以下。前側の側花弁は爪部が長さ3.1~4㎜、拡大部は長さおよび幅が13.5~18mm。後ろ側の側花弁は爪部が長さ1~3mm、拡大部は長さおよび幅が11.5~16mm。後ろ側の花弁は爪部が長さ3.5~4.8mm、先はくぼみががなく、拡大部は長さおよび幅が8~11㎜。雄しべは不等長で、後ろ側の花柱に対生する雄しべが最も大きく、側咢片に対生する雄しべの葯は大きな葯隔と小さく又は1個だけに減った室をもち、又は室が無い。葯は無毛。前側の咢片に対生する雄しべは花糸が長さ3.5~4.1mm、葯が長さ1~1.3mm。前側の側花弁に対生する雄しべは花糸が長さ2~2.5mm、葯が長さ0.7~1mm。前側の側咢片に対生する雄しべは花糸が長さ3.5~4mm、葯隔は長さ1.2~1.4㎜、室が長さ0.1~0.3(~0.5)mm又は無い。 後ろ側の側花弁に対生する雄しべは花糸が長さ4.1~4.8mm、葯は長さ(1~)1.2~1.4mm。後ろ側の側咢片に対生する雄しべは花糸が長さ2~3.5mm、葯隔は長さ0.6~1mm、室は長さ0.1~0.2mm又は無い。後ろ側の花弁に対生する雄しべは隣接する2本の雄しべより常に短く、花糸は長さ1.6~2.6㎝、葯は長さ(0.3~)0.5~0.9㎜。前側の花柱は長さ3.4~4.2mm、後ろ側の2本の花柱よりも短く、円柱形、無毛、直立。先は長さ1.4~1.5mm、各小葉(foliole)は長さ (0.9~)1.4~1.5㎜×幅0.9~1.2(~1.5)㎜、放射線状(parabolic)又は長円形。後ろ側の花柱は長さ4.1~5.6mm、円柱形、無毛、頭大羽状分裂(lyrate)。小葉は長さ(1.3~)1.8~2.3㎜×幅1.9~2.4mm、正方形~放射線状。翼果はレンズ状、背側の翼は長さ2~2.5cm×幅1.6~1.8㎝、堅果を取り囲み、上部の縁に鈍い歯がある。堅果は滑らか、高さ7.5~9㎜×直径3.4~4mm、空気室なし、着点=光輪(areole)は長さ約5mm×幅2.8~3.5㎜、凹面形、果柄(carpophore)は長さ約1.mm以下。胚は長さ約8.5㎜、長さは幅の約3倍、扁平。外側の子葉は長さ7.8~8mm×幅4.1~4.3㎜、内側の子葉は長さ4.1~5mm×幅2.2~2.5㎜、両者とも真っすぐ。染色体数は不明。花期と果期は通年。

3 Stigmaphyllon floribundum (DC.) C. E. Anderson
 リーワード島、プエルトリコ原産。英名はwoolly Amazonvine。
蔓性木、長さ15m以下。樹皮は赤褐色、粗い。茎は普通、基部から多数出て、絡み付き、ロープのようになり、円筒形に近く、多数の皮目があり、若い時に綿毛がある。葉身は長さ3.6~18㎝×幅(1~)2.5~15.5㎝、楕円形、広楕円形、長円形、又はときに披針形又は円形、革質、上面は無毛又はまばらに毛があり、下面は綿毛~絹毛があり、葉脈は明瞭な網状、先は鈍形、切形、凹形で微突形、基部は鈍形、切形、又は心形に近く、縁は全縁。葉柄は長さ1~2.5㎝、毛があり、葉身の下部に対の円盤状の腺をもつ。花は長い花柄があり、密集した腋生の散形花序又は偽総状花序に20~25個つく。苞は小さく、腺が無い。花柄は長さ10~22㎜、細い。咢は8個の肉質の長い、緑色の腺をもつ。花弁は鮮やかな黄色、円形、長さ11~15mm、長い爪部がある。雄しべは不等長、葯は無毛又は微軟毛がある。前側の花柱は短い。柱頭は緑色。翼果は長さ1.8~3.2㎝、乾くと緑色~褐色に変わり、綿毛がある。

参考

1) GRIN
 Stigmaphyllon A. Juss.
https://genbank.africarice.org/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11592
2) Technigro
 Brazilian glory vine (Stigmaphyllon ciliatum)
http://www.technigro.com.au/wp-content/uploads/2016/12/6-Brazilian-Glory-Vine.pdf
3) STEMATIC BOTANY MONOGRAPHS University of Michigan Herbarium  MONOGRAPH OF STIGMAPHYLLON (MALPIGHIACEAE) CHRISTLANE ANDERSON
https://webapps.lsa.umich.edu/herbarium/malpigh/MALPpdf/SBM51.pdf
4)Hoehnea 43(4): 601-633, 2016
 Sinopse de Malpighiaceae no Estado do Espírito Santo, Brasil: Stigmaphyllon A. Juss
https://www.researchgate.net/publication/311734554_Sinopse_de_Malpighiaceae_no_Estado_do_Espirito_Santo_Brasil_Stigmaphyllon_A_Juss
5) Flora do Brasil 2020.
 Stigmaphyllon A. Juss.
http://floradobrasil.jbrj.gov.br/reflora/listaBrasil/ConsultaPublicaUC/ConsultaPublicaUC.do#CondicaoTaxonCP