ツリガネカズラ 釣鐘葛

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Flora of Mikawa

ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae ツリガネカズラ属

別 名 カレーバイン、カレーカズラ、ビグノニア
英 名 crossvine , quartervine , trumpet flower
学 名 Bignonia capreolata L.
ツリガネカズラの花
ツリガネカズラの花横
ツリガネカズラの雌しべ、雄しべ
ツリガネカズラの萼と雌しべ
ツリガネカズラ巻きひげ2
ツリガネカズラ
ツリガネカズラ葉表
ツリガネカズラ巻きひげ
花 期 4~5月
高 さ 蔓性(長さ10~15m)
生活型 常緑(半常緑)蔓性木
生育場所 庭、公園
分 布 外来種 北アメリカ(U.S.A.)原産
撮 影 豊橋市  16.4.26
蔓性木で長さ10~15mに伸びる。気根を出し、増える。葉は対生し、複葉の小葉の頂小葉は巻きひげに変わり、2小葉の複葉であり、4つの小葉が十字に見えることから、crossvineと呼ばれる。巻きひげは枝分かれし、先には吸盤があり、壁面などでもよじ登ることができる。小葉は長楕円状卵形、長さ7.5~13㎝、幅2.5~5㎝、先は鋭形、基部は心形。花は2~5個、束生し、多数花がつく。花冠は漏斗形(トランペット形)、長さ5~7.5㎝、先が5裂し、外面は橙色~赤橙色~赤色、内面の一部が黄色。野生種は花が濃橙色であるが、栽培種の‘Tangerine Beauty’は外面が橙色であり、ピンク色の園芸品種もある。花にはモカに似た芳香がある。萼は杯形、先がごく浅く5裂する。雄しべ4個、花冠より短く、花冠の上部に接するようにつき、雌しべ側に曲がる。雌しべ1個。花柱は雄しべよりやや長く、花冠の上部に接するようにつく。柱頭は2裂する。蒴果は長さ10~23㎝、扁平なさや形、垂れ下がる。種子は広い翼があり、翼を含めて長さ1.5~2㎝の長楕円形。
 アメリカノウゼンカズラ Campsis radicans は北アメリカ原産であり、花の筒部が長く、直径が小さい。ノウゼンカズラとアメリカノゼンカズラとの交配による園芸種もある。

ツリガネカズラ属

  family Bignoniaceae - genus Bignonia

 つる植物、小枝は円柱形~4稜形、葉柄間に腺のある部分はなく、葉状の偽托葉があるか又は無い。葉は主に2小葉の複葉で、ときに、1本の単純な巻きひげがある。花序は腋生または頂生の総状花序または花の少ない円錐花序。 萼は円蓋状、切形又は不規則な、わずかに2唇形。花冠は黄色~白色~紫赤色、筒状漏斗形、ときに鱗片に覆われ(lepidote)、ときに外側に目立たない微軟毛があり、半葯は分岐する。子房は狭い円筒形、鱗片状またはわずかに微軟毛がある。花盤は無い。蒴果は線形~狭長円形、隔壁に平行に圧縮され、中心線は不明瞭。 種子は平ら、両側に翼があり、翼は薄く、褐色。
 世界に約31種があり、USA中部・東部~南アメリカのアルゼンチン熱帯のアフリカ、アジア、オーストラリア、オセアニアに分布する。

ツリガネカズラ属の主な種と園芸品種

1 Bignonia capreolata L. ツリガネカズラ 釣鐘葛
 北アメリカ(U.S.A.)原産。英名crossvine , quartervine , trumpet flower。別名はカレーバイン、カレーカズラ、ビグノニア。
 常緑(半常緑)蔓性木、長さ10~15mに伸びる。気根を出し、増える。葉は対生し、複葉の小葉の頂小葉は巻きひげに変わり、2小葉の複葉であり、4つの小葉が十字に見えることから、crossvineと呼ばれる。巻きひげは枝分かれし、先には吸盤があり、壁面などでもよじ登ることができる。小葉は長楕円状卵形、長さ7.5~13㎝、幅2.5~5㎝、先は鋭形、基部は心形。花は2~5個、束生し、多数花がつく。花冠は漏斗形(トランペット形)、長さ5~7.5㎝、先が5裂し、外面は橙色~赤橙色~赤色、内面の一部が黄色。野生種は花が濃橙色であるが、栽培種の‘Tangerine Beauty’は外面が橙色であり、ピンク色の園芸品種もある。花にはモカに似た芳香がある。萼は杯形、先がごく浅く5裂する。雄しべ4個、花冠より短く、花冠の上部に接するようにつき、雌しべ側に曲がる。雌しべ1個。花柱は雄しべよりやや長く、花冠の上部に接するようにつく。柱頭は2裂する。蒴果は長さ10~23㎝、扁平なさや形、垂れ下がる。種子は広い翼があり、翼を含めて長さ1.5~2㎝の長楕円形。花期は4~5月。
品種) 'Athens' , 'Atrosanguinea' , 'Dragon Lady' , 'Jekyll' , 'Helen Fredel' , 'Shalimar Red' , 'Tangerine Beauty'

2 Bignonia magnifica W.Bull  ムラサキノウゼン 紫凌霄花
  synonym Saritaea magnifica (W.Bull) Durand
 コロンビア、エクアドル、パナマ、ベネズエラ原産。英名はbignonia magnifica , glow vine。
 常緑蔓性木、長さ10m以下。小枝はほぼ円柱形、節は扁平になり、葉柄間に腺のある部分はなく、偽托葉は葉状、明瞭。葉柄は長さ1.2~4.5㎝。葉は2小葉の複葉、ときに、1本の単純な巻きひげがある。小葉は長さ5~11㎝×幅3~6.5㎝、倒卵形、先は鈍形、基部は狭いくさび形。花序は集散花序状の円錐花序。花序は10~15個つき、頂生又は腋生。花は直径6~8㎝。萼はオリーブ緑色、鐘形、先は切形、長さ7~8㎜。花冠は筒状鐘形、長さ7~9㎝、外側は無毛。花冠の先は5裂して開き、裂片は円形~楕円形、長さ・幅2~3㎝、モーブ色~ローズピンク色、のど部は白色。 葯は無毛、半葯(thecae=スペイン語tecas)は真っすぐで分岐する。子房は線形、腺のある鱗片がある。蒴果は線形、長さ15~28㎝×幅約1㎝、扁平。種子は翼を含めて長さ約3.5㎝幅約0.8㎝、薄く、透明な膜状の2翼がある。花期は通年。

参考

1) World Flora Online
 Bignonia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000004609;jsessionid=C635361D2FE67468D108782932490490
2) Monaco Nature Encyclopedia
 Bignonia magnifica
https://www.monaconatureencyclopedia.com/bignonia-magnifica-2/?lang=en
3) Plants of the World Online
 Bignonia
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331403-2