トウワタ 唐綿

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Flora of Mikawa

キョウチクトウ科 Apocynaceae トウワタ属

別 名 アスクレピアス
中国名 马利筋 ma li jin
英 名 bastard ipecacuana , bastard-ipecac , bloodflower , bloodflower milkweed , cottonbush , milky cottonbush , red milkweed , red-cotton , redhead ,tropical milkweed
学 名 Asclepias curassavica L.
トウワタの花序
トウワタの花
トウワタの蕾、萼
トウワタの蕾2
トウワタの茎
トウワタ
トウワタの花序2
トウワタ葉表
トウワタ葉裏
花 期 4~9月
高 さ 0.5~1m
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 メキシコ、南アメリカ原産
撮 影 浜松市(栽培)  17.7.21
世界中で広く栽培され、世界中で野生化している。日本には江戸時代末期の天保年間に渡来した。
 多年草、高さ1m以下。茎は淡灰色、微軟毛又は無毛。葉は対生、葉柄は長さ1㎝以下。葉身は披針形~長楕円状披針形、長さ6~15㎝、幅1~4㎝、無毛又は葉裏の脈に微軟毛があり、基部は葉柄に沿着し、先は尖鋭形~鋭形。集散花序は葉と同長以下、10~20個の花をつけ、花序柄は長さ3.5~6㎝、軟短毛がある。花柄は長さ1.2~2.5㎝、軟短毛がある。萼片は披針形、長さ約3㎜、幅約1㎜、反り返る。花冠裂片は黄色又は橙色、長さ3.5~4㎜。肉柱体は長さ2.5~3㎜。袋果は紡錘形、長さ5~10㎝、幅1~1.5㎝。種子は卵形、長さ6~7㎜、幅約3㎜。種髪は長さ2~4㎝。花期はほぼ通年(春~秋)。2n = 22。

トウワタ属

family: Apocynaceae - subfam. Asclepiadoideae(ガガイモ亜科=旧ガガイモ科) - tribe Asclepiadeae - subtribe Asclepiadinae - genus Asclepias

 草本、基部がしばしば木質になる。葉は対生又は輪生、短柄がある。集散花序は頂生及び腋外生(extra-axillary)、直立し、散形花序のように見え、多数の花をつける。萼は腺が5~10個。花冠は輻状花冠、深裂し、裂片は反り返り、敷石状又はまれに右に重なる。副花冠(coronaは裂片が5個、フード状になり肉柱体(gynostegium)を取り囲んで直立し、葉舌状の角(つの)のような付属体が内突き出す。雄しべは花冠筒部の基部につく。花糸は筒部に合着する。葯の付属体は内側に曲がり、花粉塊は花粉団( pollinarium,)ごとに2個、垂れ下がる。柱頭は円錐形。袋果は紡錘形、先は尖鋭形。種子は平ら、長い種髪があり、風で散布される。
 アメリカに、約120種がある。英名はmilkweed。普通、乳液を持つがAsclepias tuberosaのように乳液を持たないものもある。

トウワタ属の主な種と園芸品種

1 Asclepias curassavica L.  トウワタ 標準
品種) Apollo Orange' , 'Apollo Yellow' , 'Maggy'(PBR) , 'Monarch Promise' , 'Monarch Mayhem' , 'Red Butterfly' , 'Silky Formula Mix' , 'Kiki' , 'Silky Gold' , 'Silky Red' , 'Silky Scarlet' , 'Silky Yellow' , 'Wildfire'
1-2Asclepias curassavica L. f. flaviflora Tawada  キバナトウワタ 標準
 花が黄色の品種。
2 Asclepias exaltata L. 北アメリカ東部原産。英名はpoke milkweed ,tall milkweed。
 多年草、高さ60~180㎝、普通、分枝しない。中央の茎は薄緑色~紫緑色、円柱形、無毛、葉は対生し、長さ7.5~20㎝、幅2.5~7.5㎝、披針状楕円形~卵形、全縁。葉の先と基部は楔形。上部の葉は葉表が緑色~暗緑色、無毛。下部の葉表は淡緑色~緑色、無毛又はほぼ無毛。葉は広く広がる。葉柄は明瞭、長さ2.5~5㎝、淡緑色。葉は乳液を含む。花は頂生し、1個又は幅5~10㎝の散形花序につく。散形花序は開き、花がやや垂れる。花は長さ約13㎜、幅約6㎜。花弁は5個、下に垂れる。5個の曲がった円柱形のフードがあり、肉柱体を取り囲む。小さな萼片は花弁に隠れる。それぞれのフードは角を持つ。花は2色、花弁は緑色又は淡紫色、フードや肉柱体は白色又は薄ピンク色。花柄は細く、5~10㎝、無毛又は短軟毛がある。花期は夏の約1か月間。袋果は直立し、狭披針形、長さ15㎝以下、幅約1.8㎝、秋に縦に裂開する。種子は種髪がある。
3 Asclepias incarnata L. 北アメリカ原産。英名はswamp milkweed。
 多年草、高さ0.9~1.2(1.5)m、分枝する。茎は傷つけると乳液を出す。葉は狭披針形、長さ7.5~15㎝、先が尖る。花序は散形花序、頂生、花が密につく。花はピンク色~藤色、まれに白色もあり、直径約6㎜、花弁が5個、反り返り、中央に王冠がある。袋果は長さ10㎝以下。
品種) 'Alba' , 'Cinderella' , 'Ice Ballet' , 'Iceberg' , 'Milkmaid' , 'Soulmate' , 'White Superior'
4 Asclepias purpurascens L. USA原産。英名はpurple milkweed。オオトウワタとよく似ているが花が濃いローズ・ピンク色。葉先がより尖る。高さ60~90㎝、茎は直立し、葉は対生し、短柄がある。葉身は卵形~楕円状披針形、先が尖り、裏面にわずかに軟毛がある。葉を傷つけると乳液が出る。散形花序に花が多数つく。花は濃いローズ・ピンク色、小さく長さ1.8㎝以下、5個の反り返る花弁と紫色の頭部がある。花期は5~6月。袋果は長さ15㎝以下。

5 Asclepias syriaca L.オオトウワタ  北アメリカ(USA、カナダ原産)。英名はcommon milkweed , silkweed , Virginia-silk 。
 多年草、根茎が這い、広がる。茎は高さ60~180㎝、花がつく上部以外は分枝しない。中央の茎は強く、淡緑色、円柱形、普通、短難毛がある(たまに無毛)。葉は対生、葉身は広長楕円形、長さ20㎝以下、幅9㎝以下、全縁。葉表面は淡緑色~濃緑色、無毛。葉裏面は羊毛状の短毛が密生する。葉脈は中脈が明瞭、側脈は放射状。茎や葉を傷つけると乳液が出る。 強心性配糖体の毒性がある。散形花序は球形、幅約6~10㎝、上部の葉腋につく。花はかなり芳香があり、スミレやパンジーの匂いに似ている。花色は淡ピンク色~赤紫色、直径約6㎜。花弁は5個、反り返り、5個のフードが上向きにつき、先に曲がった角がある。フードは花弁より淡色。花柄は淡緑色~淡赤色、有毛。花期は6~8月の間の約1か月~1か月半。袋果は長さ7.5~10㎝、柔らかい刺や短綿毛で覆われる。種子は種髪があり、風で散布される。
6 Asclepias tuberosa L. ヤナギトウワタ  北アメリカ東部原産。英名はbutterfly weed。
 根茎を持つ。高さ30~90㎝。茎は有毛、乳液を持たない。葉は狭披針形。花は明橙色~黄橙色、茎頂つき、に上向き又はもたれかかる。袋果は紡錘形、長さ7.5~15㎝、熟すと裂開する。種子は多数の絹毛状の種髪がある。花期は春~夏。
品種) Beatrix' (PBR) , 'Blonde Bombshell' , 'Hello Yellow' , 'Gerbe d'Or' , Gay Butterflies Group , 'Red Wijna' , 'Yellow Wijna'

トウワタの渡来

 日本へは江戸末期に渡来し、『遠西舶上画譜Ⅰ』(天保13年 1842年)にオランダ船が持ち込むと記載されている。岩崎灌園著『本草図譜巻92潅木類6』にも天保13~14年に渡来とされている。
 本草図譜は岩崎灌園《いわさきかんえん》(1786~1842)が自ら写生した精密な植物図に解説を加えたものであり、日本の最初の大植物図鑑(図譜)。文政11年(1828年)に最初の全96巻が完成。

参考

1) Common Milkweed (Asclepias syriaca) - Illinois Wildflowers
http://www.illinoiswildflowers.info/weeds/weed_index.htm#common_milkweed
http://www.illinoiswildflowers.info/weeds/plants/cm_milkweed.htm
2) 王立園芸協会 (Royal Horticultural Society) Gardening
 Find a plant
https://www.rhs.org.uk/plants
https://www.rhs.org.uk/