トチカガミ 鼈鏡

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Flora of Mikawa

トチカガミ科 Hydrocharitaceae トチカガミ属

中国名 水鳖 shui bie
学 名 Hydrocharis dubia (Blume) Backer
トチカガミの花
トチカガミの葉表
トチカガミの葉裏の気嚢
トチカガミ
花 期 3~10月
高 さ 浮水性
生活型 多年草
生育場所 低地の池、沼、水路
分 布 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ミャンマー、バングラデシュ、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、オーストラリア
撮 影 幡豆町  06.8.5
和名はスッポン(トチ)の鏡に由来する。ため池などに浮かぶ水草。愛知県内ではほとんど見られなくなってきており、準絶滅危惧種に指定されている。全国ではランク外。
 茎は横に長く伸び、節から葉を出して広がる。葉は長さ2~7㎝の円形、基部は心形。葉の裏の気嚢で水面に浮かぶ。葉柄は長さ4~20㎝。雌雄同株、花は単性。白色の3弁花、花柄を伸ばし、水面から出て開花する。花弁は長さ10~13㎜。雄花は花柄が細く、雄しべは3個が4輪生する。雌花は花柄が太く、6心皮、子房下位、花の下側が膨らむ。萼片3個。果実は長さ5~15㎜の長倒卵形。秋に茎の先端に殖芽を作り、冬を越す。2n=16

トチカガミ属

  family Hydrocharitaceae - genus Hydrocharis

 草本、浮遊性。 茎は短く、匍匐茎がある。 葉は根生し、浮遊または水没し、まれに水から出ない。葉柄があり、托葉がある。葉身は卵形、円形、または腎形、全縁、5つ以上の湾曲した脈があり、ときに、浮葉の下面に海綿状組織の中央パッドがある。 雌雄同株。 花は単性。仏炎苞は1または2バルブ、雄花の仏炎苞は花序柄があり、花が1~6個つく。雌花の仏炎苞は無柄で、花が1個つく。萼片は緑白色。花弁は白色または帯黄色、萼片よりはるかに大きい。雄しべは6~12本。葯は2半葯。子房は楕円径、胚珠は多数。花柱は6本、2分岐。果実は6本の肋があり、先で不規則に裂開する。種子は楕円形。
 世界に約3種あり、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。

トチカガミ属の主な種と園芸品種

1 Hydrocharis dubia (Blume) Backer トチカガミ 鼈鏡
  synonym Hydrocharis asiatica Miq.
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、ミャンマー、バングラデシュ、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、オーストラリア原産。中国名は水鳖 shui bie。和名はスッポン(トチ)の鏡に由来する。ため池などに浮かぶ水草。愛知県内ではほとんど見られなくなってきており、準絶滅危惧種に指定されている。低地の池、沼、水路に生える。
 多年草、浮水性。茎は横に長く伸び、節から葉を出して広がる。葉は長さ2~7㎝の円形、基部は心形。葉の裏の気嚢で水面に浮かぶ。葉柄は長さ4~20㎝。雌雄同株、花は単性。白色の3弁花、花柄を伸ばし、水面から出て開花する。花弁は長さ10~13㎜。雄花は花柄が細く、雄しべは3個が4輪生する。雌花は花柄が太く、6心皮、子房下位、花の下側が膨らむ。萼片3個。果実は長さ5~15㎜の長倒卵形。秋に茎の先端に殖芽を作り、冬を越す。2n=16。花期は3~10月。。
2 Hydrocharis morsus-ranae L.
 ヨーロッパ~コーカサス、北アフリカ原産。英名はcommon frogbit , European frogbit , water-poppy。
 多年草、雌雄異株。節のある匍匐茎は塊茎状に変化し、そこから根を毛の中に出し、泥の基質に伸びる。葉はすべて基部につき、花序と新しい匍匐茎は長い節間と未発達の前出葉(prophyll)をもち、苞状で無柄、半抱茎。成葉は葉柄と葉身に分化し、葉鞘は小さく膜質。葉柄は長さ20~120㎜。葉身は長さ11~47㎜×幅11~47㎜、円状腎形、心形、全縁、革質、水かき状の脈がある。 雄花序は、普通、3個の花があり、花序柄がある。雌花序は花が1個、無柄、仏炎苞に囲まれる。花序柄は長さ10~50㎜。仏炎苞は長さ11~17mm、±中間まで分離する苞からなる。雌花序の仏炎苞は葉鞘に似る。花は長い花柄があり、凹面の花托(hipanto:spanish )は無い。花柄は長さ23~70mm、雌花の花柄は雄花より長く、直径も大きい。萼片は長さ3~5㎜×幅2~2.5㎜、楕円形、帯緑色、縁が薄膜質、雌花の咢片は雄花よりも小さい。花弁は長さ10~15㎜、卵形、全縁、白色、基部は黄色、雌花の花弁は雄花よりやや小さい。雄しべ群は9~12個の雄しべをもち、内側の雄しべはものは仮雄しべに変わる。花糸は葯よりも長く、ほとんど、基部が2本ずつ合着し、パピラがある。葯は長さ0.8~1㎜、卵形。子房は単室。花柱は6本、帯緑色の蜜腺に互生する。柱頭の枝は披針形、パピラがある。果実は長さ10~15㎜×幅15~17㎜、卵形、肉質、多数の粘液で包まれた種子をもつ。種子は非常に小さく、±洋なし形、いぼ状突起がある。2n=28。

参考

1) Flora of China
 Hydrocharis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=115986
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Hydrocharis
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:19712-1
3) Flora of China
 Hydrocharis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
4) Flora Iberica
 Hydrocharis
http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/17_162_01_Hydrocharis.pdf