チシマギキョウはキキョウ科ホタルブクロ属のカンパニュラ・ダシアンサ Campanula dasyantha のsubsp. chamissonisの亜種と分類されている。以前は独立種のCampanula chamissonisされていた。北海道には利尻岳、斜里岳、大雪山などに典型的なCampanula chamissonisがあるが、夕張岳 Mt.Yupari、徳舜瞥山などには葉の細いCampanula dasyanthaに近いものが見られ、Campanula chamissonisとCampanula dasyanthaとの中間的なものであり、これがチシマギキョウをカンパニュラ・ダシアンサの亜種とされた理由である。(参考8)
　多年草、高さ5～13㎝。根茎は分枝し、細長く横に這い、根生葉はロゼットになり、葉身は長さ1.5～9㎝×幅4～15㎜、円形～長円形～倒卵形～へら形～倒披針形、やや鋭形、濃緑色で質が厚く光沢があり，縁には低い波状の鈍鋸歯があり、基部はやや急に狭く～次第に狭くなり、葉柄は短い。茎葉は少数、やや小さく倒披針形～線状倒披針形。花はやや下向きに咲くことが多い。萼は毛があり、萼片は卵状披針形、全縁、切れ込みに小さく鋭形の付属体がある。花冠は青紫色、まれに白色、長さ3～3.5㎝の鐘形、先が5裂し、裂片は内側にひげ状の白毛があり、縁に白色の縁毛がある。2n=34。花期は7～8月。
品種)　 'Alba' , 'Major' , 'Oyobeni' , 'Shyakotan-gikyou' , 'Superba' [AGM]
　類似のイワギキョウの葉の鋸歯は突起状。花冠の裂片は無毛。萼片が線形～披針形、鋸歯がある。花はやや上向きに咲くことが多い。

参考

1) Flora of China
　Campanula 2) GRN
　Species of Campanula L. 3) Alpine Garden Society - Plant Encyclopaedia
　Genus: Campanula 4) The Flora of Svalbard
　Campanula rotundifolia L. ssp. gieseckiana (Vest) Mela & Cajander 5) Flora Iberica
　Campanula L. 6) Wrightman Alpines Nursery
　Campanula lasiocarpa : Alpine Bellflower 7) BioOne Complete 8) 信州大学機関リポジトリ　 Liberal_arts17-06.pdfのダウンロード 9) 金沢大学学術情報リポジトリ
　フナシホタルブクロ(新品種) 米澤信道