テッポウユリ 鉄砲百合
Flora of Mikawa
ユリ科 Lilium ユリ属
中国名 | 麝香百合 she xiang bai he 鐵炮百合 tie pao bai he |
英 名 | trumpet lily ,white trumpet lily , Easter lily |
学 名 | Lilium longiflorum Thunb. Lilium longiflorum Thunb. var. longiflorum |
花 期 | 4~6月 |
高 さ | 50~100㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 在来種 九州(南部地方)、沖縄、朝鮮、台湾 |
撮 影 | 豊橋市 15.6.13 |
世界で広く栽培されている。本州には自生地はなく、全て栽培種である。多くの栽培品種がある。現在は鹿児島県がテッポウユリの球根および切り花で、全国一の生産規模を誇り、品種「ひのもと」が最も多く栽培されている。通常は小鱗茎を3年かけて
7~10 インチの大きい球根に育てる。茎は高さ100~140㎝程度。葉は長さ約18㎝、幅約3㎝。花は白色、基部に向かってわずかに緑色を帯び、長さ約15㎝、幅約16㎝。日本で古くから普通に栽培されているものは葉が幅2~3㎝あり、タカサゴユリやシンテッポウユリよりかなり幅が広い。葉は淡緑色であり、花の基部が緑色を帯びるのが特徴。
日本(九州、沖縄諸島)に自生するものを var. longiflorum 、栽培種 を var. eximium 、台湾に自生するものを var. scabrumとする見解もある。
①var. longiflorum
鱗茎は球形~類球形、高さ2.5~5㎝。鱗片は白色。茎は高さ50~100(150)㎝、緑色、基部は淡紅色を帯びる。葉は散生し、披針形~楕円状披針形、長さ8~15㎝、幅1~1.8㎝(長さ5.3~18.5㎝、幅6.6~18.3㎜:Hiramatsu, M., Ii, K., Okubo, H., Huang, K.L. and Huang, C.W. 2002)、先端は漸尖し、全縁、両面とも無毛。花は1~3個つき、花柄は2~3㎝、苞は披針形~卵状被針形、長さ約8㎝、幅1~1.4㎝。花は喇叭形、白色、筒部の外側が緑色を帯び、長さ12~16(19))㎝。外花被片は上端の幅2.5~4㎝。内花被片は外花被片より幅が広い。蜜腺はパピラがない。花糸は長さ15㎝、無毛。子房は円柱形、長さ約4㎝。柱頭は3裂。蒴果は惰円形、長さ5~7(9)㎝、花期6~7月、果期8~9月。2n= 24
②var. scabrum は台湾に分布する。中国名は糙茎百合(cao jing bai he )、粗莖麝香百合。球根(鱗茎)は直径2.5~5㎝の球形~類球形、小鱗茎は白色。茎は長さ45~90㎝、緑色、基部は淡赤色、表面がざらつく。葉はまばらにつき、線状被針形、長さ20~25(14~25)㎝、幅0.8~1.2(1~2.5)㎝。花は1~数個、水平~やや下向きにつき、長い筒状、芳香が強い。花柄は長さ2.5~6㎝。花被は白色、基部に向かってわずかに緑色を帯び、倒披針形、長さ 13~18㎝、幅2.5~4㎝、内花被片は外花被片よりわずかに幅が広い。蜜腺にはパピラがない。花糸は長さ8~9㎝、無毛。葯は紫色又は黄色、長さ5~8㎜。子房は長さ4~4.5㎝。花柱は長さ6~7㎝、花期は4~7月。2n= 24
タカサゴユリLilium formosanum は台湾原産。台湾には3変種がある。観賞用として大正時代に導入された。現在では多くの園芸品種があり、野生化するものが多い。 球根(鱗茎)は類球形~広惰円形、直径2~4㎝。小鱗茎は白色~黄色を帯び、披針状卵形~披針形。茎はときに紫赤色を帯び、高さ20~55㎝、平滑又はパピラがある。葉はまばらにつき、線形~狭披針形、長さ2.5~15㎝、幅4~13㎜。 花は1~数個、散房状につき、芳香があり、細い筒部があり、先が広がる漏斗形。花被片は6個、白色、外面が紫赤色を帯びる。外花被片は倒披針形、長さ11.5~14.5㎝、幅2.1~2.3㎝。内花被片は幅3㎝以下。蜜腺は緑色、まれに両面に不明瞭なパピラがある。花糸は長さ約10㎝、基部近くにわずかな結節がある。花柱は長さ約6.5㎝。蒴果は長さ7~9㎝、幅約 2㎝。3室がある。台湾の開花は6~12月。
①var. formosanum 台湾百合tai wan bai he。葉が長さ8~15㎝、幅1~1.3㎝、中脈が明瞭、花被片は長さ12~15㎝。2n=24
②var. microphyllum 小叶百合 xiao ye bai he 。葉が長さ2.5~3㎝、幅4~5㎜、中脈が不明瞭、花被片は長さ7~8㎝。
③var. pricei アルペン型、台湾南投県の合歓山(Hehuan)にある変種。Flora of China には記載がなく、この園芸種と思われるものが、オーストラリア、北アメリカなどで広く野生化している。自然状態では種子から2~3年で花が咲く。(温室では8カ月)花は白色で、外面にワイン色のストライプが目立つ。芳香がある。栽培しても高さは45~60㎝。
シンテッポウユリはタカサゴユリとテッポウユリの交配により日本で1951年に作られた園芸種。テッポウユリ、ササユリに似ているが、香りが弱い。初期に作られたものは、花が紫赤色を帯びず、純白色である。自然交雑も起きる。今では多くの園芸品種がある。種子繁殖力が強く、播種後8~10ヶ月で開花し、増殖する。開花は8~9月。高さ30~150㎝。葉は幅が狭く、幅2~7㎜。花被片は外面が紫赤色を帯びない純白色のものが多い。交雑を繰り返すとタカサゴユリとの見分けがつかなくなるようである。蒴果や種子もタカサゴユリとよく似ている。
ウケユリ.Lilium alexandrae は奄美大島固有種。岩場などに生え、高さ100~150㎝。葉は長さ約15㎝、幅約3㎝の広披針形。花は芳香が強く、茎頂に1~数個つき、 長さ10~20㎝、直径16~17㎝、白色、横向き~やや斜め上向に咲く。花粉は赤褐色。園芸種の「カサブランカ」の原種。
日本(九州、沖縄諸島)に自生するものを var. longiflorum 、栽培種 を var. eximium 、台湾に自生するものを var. scabrumとする見解もある。
①var. longiflorum
鱗茎は球形~類球形、高さ2.5~5㎝。鱗片は白色。茎は高さ50~100(150)㎝、緑色、基部は淡紅色を帯びる。葉は散生し、披針形~楕円状披針形、長さ8~15㎝、幅1~1.8㎝(長さ5.3~18.5㎝、幅6.6~18.3㎜:Hiramatsu, M., Ii, K., Okubo, H., Huang, K.L. and Huang, C.W. 2002)、先端は漸尖し、全縁、両面とも無毛。花は1~3個つき、花柄は2~3㎝、苞は披針形~卵状被針形、長さ約8㎝、幅1~1.4㎝。花は喇叭形、白色、筒部の外側が緑色を帯び、長さ12~16(19))㎝。外花被片は上端の幅2.5~4㎝。内花被片は外花被片より幅が広い。蜜腺はパピラがない。花糸は長さ15㎝、無毛。子房は円柱形、長さ約4㎝。柱頭は3裂。蒴果は惰円形、長さ5~7(9)㎝、花期6~7月、果期8~9月。2n= 24
②var. scabrum は台湾に分布する。中国名は糙茎百合(cao jing bai he )、粗莖麝香百合。球根(鱗茎)は直径2.5~5㎝の球形~類球形、小鱗茎は白色。茎は長さ45~90㎝、緑色、基部は淡赤色、表面がざらつく。葉はまばらにつき、線状被針形、長さ20~25(14~25)㎝、幅0.8~1.2(1~2.5)㎝。花は1~数個、水平~やや下向きにつき、長い筒状、芳香が強い。花柄は長さ2.5~6㎝。花被は白色、基部に向かってわずかに緑色を帯び、倒披針形、長さ 13~18㎝、幅2.5~4㎝、内花被片は外花被片よりわずかに幅が広い。蜜腺にはパピラがない。花糸は長さ8~9㎝、無毛。葯は紫色又は黄色、長さ5~8㎜。子房は長さ4~4.5㎝。花柱は長さ6~7㎝、花期は4~7月。2n= 24
タカサゴユリLilium formosanum は台湾原産。台湾には3変種がある。観賞用として大正時代に導入された。現在では多くの園芸品種があり、野生化するものが多い。 球根(鱗茎)は類球形~広惰円形、直径2~4㎝。小鱗茎は白色~黄色を帯び、披針状卵形~披針形。茎はときに紫赤色を帯び、高さ20~55㎝、平滑又はパピラがある。葉はまばらにつき、線形~狭披針形、長さ2.5~15㎝、幅4~13㎜。 花は1~数個、散房状につき、芳香があり、細い筒部があり、先が広がる漏斗形。花被片は6個、白色、外面が紫赤色を帯びる。外花被片は倒披針形、長さ11.5~14.5㎝、幅2.1~2.3㎝。内花被片は幅3㎝以下。蜜腺は緑色、まれに両面に不明瞭なパピラがある。花糸は長さ約10㎝、基部近くにわずかな結節がある。花柱は長さ約6.5㎝。蒴果は長さ7~9㎝、幅約 2㎝。3室がある。台湾の開花は6~12月。
①var. formosanum 台湾百合tai wan bai he。葉が長さ8~15㎝、幅1~1.3㎝、中脈が明瞭、花被片は長さ12~15㎝。2n=24
②var. microphyllum 小叶百合 xiao ye bai he 。葉が長さ2.5~3㎝、幅4~5㎜、中脈が不明瞭、花被片は長さ7~8㎝。
③var. pricei アルペン型、台湾南投県の合歓山(Hehuan)にある変種。Flora of China には記載がなく、この園芸種と思われるものが、オーストラリア、北アメリカなどで広く野生化している。自然状態では種子から2~3年で花が咲く。(温室では8カ月)花は白色で、外面にワイン色のストライプが目立つ。芳香がある。栽培しても高さは45~60㎝。
シンテッポウユリはタカサゴユリとテッポウユリの交配により日本で1951年に作られた園芸種。テッポウユリ、ササユリに似ているが、香りが弱い。初期に作られたものは、花が紫赤色を帯びず、純白色である。自然交雑も起きる。今では多くの園芸品種がある。種子繁殖力が強く、播種後8~10ヶ月で開花し、増殖する。開花は8~9月。高さ30~150㎝。葉は幅が狭く、幅2~7㎜。花被片は外面が紫赤色を帯びない純白色のものが多い。交雑を繰り返すとタカサゴユリとの見分けがつかなくなるようである。蒴果や種子もタカサゴユリとよく似ている。
ウケユリ.Lilium alexandrae は奄美大島固有種。岩場などに生え、高さ100~150㎝。葉は長さ約15㎝、幅約3㎝の広披針形。花は芳香が強く、茎頂に1~数個つき、 長さ10~20㎝、直径16~17㎝、白色、横向き~やや斜め上向に咲く。花粉は赤褐色。園芸種の「カサブランカ」の原種。