テガタチドリ 手形千鳥
Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae テガタチドリ属
別 名 | チドリソウ |
中国名 | 手参 shou shen |
英 名 | fragrant orchid |
学 名 | Gymnadenia conopsea (L.) R.Br. |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 20~60㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 亜高山帯~高山帯の草地 |
分 布 | 在来種 北海道、本州(中部地方以北)、朝鮮、中国、ロシア、モンゴル、西アジア、ヨーロッパ |
撮 影 | 東館山高山植物園 05.7.31 |
多年草、細くて丈夫で、高さは20~60㎝。塊茎は卵形、長さ1~3.5㎝、短くて細い枝が多数ある。茎は丈夫で、基部に2~3個の筒状の鞘があり、3~5枚の茎葉がつく。葉は間隔が広つきまたは密集し、線状披針形、狭長円形または帯ひも状、長さ5.5~20㎝×幅0.8~2(~2.5)㎝、先は尖鋭形~ほぼ鈍形、脈が目立たない。花序は長さ11~26㎝、細い。花序柄は1~数個の散在する長さ1.5~6㎝の披針形の苞を持つ。花序軸は長さ4~12㎝、密に多数の花がつく。花の苞は披針形、しばしば、子房や花よりも長く、先は長い尖鋭形状の尾状。花は香りがよく、ピンク色、まれにピンク色を帯びた白色。子房は小花柄を含めて長さ5~8㎜。背萼片は広楕円形~広卵状楕円形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、わずかに凹面状、先は鋭形。側萼片は後屈し、斜めに卵形になり、長さ4~5.5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、縁は外巻き、先は鋭形。花弁は斜めの卵状三角形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、先は鋭形。唇弁は広がり、広くさび形状倒卵形、長さ4~5㎜×幅4~5㎜、先で3裂する。側裂片は楕円形~広卵形、幅1.8~3㎜、先は鈍形またはときに切形。中裂片は三角形、幅1~2㎜、普通、側裂片よりも小さく、先は鈍形~鋭形。距は垂れ下がり、前方に曲がり、長さ10~14㎜、子房を超え、細い。ずい柱は長さ1~1.5㎜。粘着体は線状長円形。花期は7~8月。2n=30, 40, 42, 80, 100, 120。
多年草、地上生、中型、細い~丈夫。塊茎は掌状に分裂し、肉質、首に数本の細く、わずかに肉質の根を持つ。茎は直立し、円柱形、肉質、無毛、葉がつく。葉は茎葉、互生し、線状舌形~楕円形、基部は2つ折りで鞘状の茎になる。花序は頭状~長く、下部に少数の披針形の花のつかない苞があり、密な総状花序に多数の花がつく。花の苞は、子房より短いか、等しいか、またはわずかに長い。花は逆さまになり(resupinate)、小型~中型。子房は普通、捻じれ、狭円筒形または紡錘形、無毛。萼片は離生、広がる。背萼片は凹面状。側萼片は後屈する。花弁は背萼片と輻合し、真っすぐなフードを形成し、萼片よりわずかに短い。唇弁は広菱形~倒卵形、基部が凹面状になり、距があり、明瞭に3裂~全縁。距はしばしばわずかに弧状になり、円筒形、子房より長いかまたは短く、先は鈍形または2裂する。ずい柱は短い。葯は長円形または卵形、2室。花粉塊は2個、こん棒形、顆粒状粉状、小塊(sectile)が有り、それぞれが別個の粘着体(viscidium)にに付着した細い花粉塊柄をもつ。粘着体は裸出し、狭長円形~楕円形。嘴状体は小さく、長く、不明瞭に3裂する。仮雄しべは2個、小さく、ほぼ球形、葯の基部の側部につく。柱頭は明らかに2裂し、かなり大きく、ずい柱の基部につく。蒴果は直立する。
世界に約28(16)種あり、ヨーロッパ全域、中央アジアおよび東アジアの一部、ヒマラヤ、および日本に分布。
北海道、本州(中部地方以北)、朝鮮、中国、ロシア、モンゴル、西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は手参 shou shen。英名はfragrant orchid。別名はチドリソウ。
。林内、草原、湿気の多い牧草地などに生える。
多年草、細くて丈夫で、高さは20~60㎝。塊茎は卵形、長さ1~3.5㎝、短くて細い枝が多数ある。茎は丈夫で、基部に2~3個の筒状の鞘があり、3~5枚の茎葉がつく。葉は間隔が広つきまたは密集し、線状披針形、狭長円形または帯ひも状、長さ5.5~20㎝×幅0.8~2(~2.5)㎝、先は尖鋭形~ほぼ鈍形、脈が目立たない。花序は長さ11~26㎝、細い。花序柄は1~数個の散在する長さ1.5~6㎝の披針形の苞を持つ。花序軸は長さ4~12㎝、密に多数の花がつく。花の苞は披針形、しばしば、子房や花よりも長く、先は長い尖鋭形状の尾状。花は香りがよく、ピンク色、まれにピンク色を帯びた白色。子房は小花柄を含めて長さ5~8㎜。背萼片は広楕円形~広卵状楕円形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、わずかに凹面状、先は鋭形。側萼片は後屈し、斜めに卵形になり、長さ4~5.5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、縁は外巻き、先は鋭形。花弁は斜めの卵状三角形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、先は鋭形。唇弁は広がり、広くさび形状倒卵形、長さ4~5㎜×幅4~5㎜、先で3裂する。側裂片は楕円形~広卵形、幅1.8~3㎜、先は鈍形またはときに切形。中裂片は三角形、幅1~2㎜、普通、側裂片よりも小さく、先は鈍形~鋭形。距は垂れ下がり、前方に曲がり、長さ10~14㎜、子房を超え、細い。ずい柱は長さ1~1.5㎜。粘着体は線状長円形。花期は7~8月。2n=30, 40, 42, 80, 100, 120。
2 Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô ノビネチドリ⇒ノビネチドリ属(Neolindleya)
synonym Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski
3 Gymnadenia cucullata (L.) Rich. ミヤマモジズリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia cucullata (L.) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
4 Gymnadenia fujisanensis Sugim. フジチドリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia fujisanensis (Sugim.) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
5 Gymnadenia gracilis Miq. var. angustifolia Finet コアニチドリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia kinoshitae (Makino) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
synonym Amitostigma kinoshitae (Makino) Schltr.
6 Gymnadenia nigra(L.) Rchb.f. ギムナデニアニグラ
ノルウェー、スウェーデン原産。英名はblack vanilla orchid。
7 Gymnadenia odoratissima (L.) Rich.
ヨーロッパ原産。英名はshort-spurred fragrant orchid。 テガタチドリに似ているが、茎が短く、花が小さい。距ははるかに短い。
Gymnadenia
Gymnadenia
Gymnadenia
Gymnadenia
Gymnadenia
テガタチドリ属
family Orchidaceae - genus Gymnadenia多年草、地上生、中型、細い~丈夫。塊茎は掌状に分裂し、肉質、首に数本の細く、わずかに肉質の根を持つ。茎は直立し、円柱形、肉質、無毛、葉がつく。葉は茎葉、互生し、線状舌形~楕円形、基部は2つ折りで鞘状の茎になる。花序は頭状~長く、下部に少数の披針形の花のつかない苞があり、密な総状花序に多数の花がつく。花の苞は、子房より短いか、等しいか、またはわずかに長い。花は逆さまになり(resupinate)、小型~中型。子房は普通、捻じれ、狭円筒形または紡錘形、無毛。萼片は離生、広がる。背萼片は凹面状。側萼片は後屈する。花弁は背萼片と輻合し、真っすぐなフードを形成し、萼片よりわずかに短い。唇弁は広菱形~倒卵形、基部が凹面状になり、距があり、明瞭に3裂~全縁。距はしばしばわずかに弧状になり、円筒形、子房より長いかまたは短く、先は鈍形または2裂する。ずい柱は短い。葯は長円形または卵形、2室。花粉塊は2個、こん棒形、顆粒状粉状、小塊(sectile)が有り、それぞれが別個の粘着体(viscidium)にに付着した細い花粉塊柄をもつ。粘着体は裸出し、狭長円形~楕円形。嘴状体は小さく、長く、不明瞭に3裂する。仮雄しべは2個、小さく、ほぼ球形、葯の基部の側部につく。柱頭は明らかに2裂し、かなり大きく、ずい柱の基部につく。蒴果は直立する。
世界に約28(16)種あり、ヨーロッパ全域、中央アジアおよび東アジアの一部、ヒマラヤ、および日本に分布。
テガタチドリ属の主な種と園芸品種
1 Gymnadenia conopsea (L.) R.Br. テガタチドリ 手形千鳥北海道、本州(中部地方以北)、朝鮮、中国、ロシア、モンゴル、西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は手参 shou shen。英名はfragrant orchid。別名はチドリソウ。
。林内、草原、湿気の多い牧草地などに生える。
多年草、細くて丈夫で、高さは20~60㎝。塊茎は卵形、長さ1~3.5㎝、短くて細い枝が多数ある。茎は丈夫で、基部に2~3個の筒状の鞘があり、3~5枚の茎葉がつく。葉は間隔が広つきまたは密集し、線状披針形、狭長円形または帯ひも状、長さ5.5~20㎝×幅0.8~2(~2.5)㎝、先は尖鋭形~ほぼ鈍形、脈が目立たない。花序は長さ11~26㎝、細い。花序柄は1~数個の散在する長さ1.5~6㎝の披針形の苞を持つ。花序軸は長さ4~12㎝、密に多数の花がつく。花の苞は披針形、しばしば、子房や花よりも長く、先は長い尖鋭形状の尾状。花は香りがよく、ピンク色、まれにピンク色を帯びた白色。子房は小花柄を含めて長さ5~8㎜。背萼片は広楕円形~広卵状楕円形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、わずかに凹面状、先は鋭形。側萼片は後屈し、斜めに卵形になり、長さ4~5.5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、縁は外巻き、先は鋭形。花弁は斜めの卵状三角形、長さ3.5~5㎜×幅3~4㎜、3脈があり、先は鋭形。唇弁は広がり、広くさび形状倒卵形、長さ4~5㎜×幅4~5㎜、先で3裂する。側裂片は楕円形~広卵形、幅1.8~3㎜、先は鈍形またはときに切形。中裂片は三角形、幅1~2㎜、普通、側裂片よりも小さく、先は鈍形~鋭形。距は垂れ下がり、前方に曲がり、長さ10~14㎜、子房を超え、細い。ずい柱は長さ1~1.5㎜。粘着体は線状長円形。花期は7~8月。2n=30, 40, 42, 80, 100, 120。
2 Gymnadenia camtschatica (Cham.) Miyabe et Kudô ノビネチドリ⇒ノビネチドリ属(Neolindleya)
synonym Neolindleya camtschatica (Cham.) Nevski
3 Gymnadenia cucullata (L.) Rich. ミヤマモジズリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia cucullata (L.) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
4 Gymnadenia fujisanensis Sugim. フジチドリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia fujisanensis (Sugim.) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
5 Gymnadenia gracilis Miq. var. angustifolia Finet コアニチドリ⇒ニイタカヒトツバラン属(Hemipilia)
synonym Hemipilia kinoshitae (Makino) Y.Tang, H.Peng et T.Yukawa
synonym Amitostigma kinoshitae (Makino) Schltr.
6 Gymnadenia nigra(L.) Rchb.f. ギムナデニアニグラ
ノルウェー、スウェーデン原産。英名はblack vanilla orchid。
7 Gymnadenia odoratissima (L.) Rich.
ヨーロッパ原産。英名はshort-spurred fragrant orchid。 テガタチドリに似ているが、茎が短く、花が小さい。距ははるかに短い。
参考
1) Flora of ChinaGymnadenia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=114226
2) Plants of the World Online| KewscienceGymnadenia
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:60452048-2
3) World Flora OnlineGymnadenia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012430
4) Jepson eFlora: Taxon pageGymnadenia
http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=23256
5) World Checklist of Vascular PlantsGymnadenia
https://wcvp.science.kew.org/