ティーツリー
Flora of Mikawa
フトモモ科 Myrtaceae コバノブラシノキ属
別 名 | コバノブラシノキ (小葉の刷子木) |
英 名 | tea tree |
学 名 | Melaleuca alternifolia (Maiden & Betche) Cheel |
花 期 | 4~6月初旬 |
高 さ | 7m以下 |
生活型 | 低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産 |
撮 影 | 浜名湖ガーデンパーク 18.5.21 |
メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)はフトモモ科コバノブラシノキ属の高さ7m以下の低木。
オーストラリア産で英名はtea tree。葉から抽出されるティーツリー油が消毒、皮膚用に使われる。名前はオーストラリア大陸を発見したキャプテン・クックが木の葉をティーの代わりとして飲んだことに由来するといわれている。
低木、高さ7m以下。樹皮は紙質。葉は不規則につき、散在~輪生し、線形、長さ10~35mm×幅約1mm、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ3~5㎝、花が多数つき、花序軸に短い毛がある。花は各苞に単生し、白色。花弁は広楕円形、長さ2~3mm。 雄しべは各束に30~60本、爪部は長さ6~12mm。花柱は長さ3~4mm。果実は杯形、直径2~3㎜、開口部(orifice)は直径1.5~2.5㎜。咢片は落ちるが、ときに遅くなる。花期は春。
高木又は低木。葉は互生又は十字対生、又は不規則につき、葉柄は有又は無。葉身は革質、葉脈は3本又はそれ以上の縦脈がある。花は両性又は雌花が不稔、穂状花序又は頭状花序につき、偽頂生又は側生。花は5数性、白色、帯黄色、ピンク色、赤色、又はモーブ色。花托筒はほぼ球形又は鐘形。咢片は5個、小さく、三角形~半円形、早落性又は宿存性。花弁は5個、離生。雄しべは多数、花糸が基部で融合して5束になり、花弁に対生する。葯は背着、室は平行、多方向、縦に裂開する。子房は半下位、花托筒にわずかにつき、3室、先は明瞭。胚珠は室に数個~多数、直立。花柱は糸状。柱頭は単純又は頭状。果実は胞背裂開蒴果、半球形~球形、先が裂開する(まれに花托筒から突き出るものがある)。種子は線形、種皮は薄い。胚は真っすぐ。
世界に約280種あり、オーストラリア、カンボジア、ミャンマー、ニューカレドニア、ニューギニア、ソサエティ島、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアに分布する。
オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。英名はtea tree。別名はコバノブラシノキ(小葉の刷子木)。葉から抽出されるティーツリー油が消毒、皮膚用に使われる。
低木、高さ7m以下。樹皮は紙質。葉は不規則につき、散在~輪生し、線形、長さ10~35mm×幅約1mm、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ3~5㎝、花が多数つき、花序軸に短い毛がある。花は各苞に単生し、白色。花弁は広楕円形、長さ2~3mm。 雄しべは各束に30~60本、爪部は長さ6~12mm。花柱は長さ3~4mm。果実は杯形、直径2~3㎜、開口部(orifice)は直径1.5~2.5㎜。咢片は落ちるが、ときに遅くなる。花期は春。
2 Melaleuca bracteata F.Muell. メラレウカ・ブラクテアタ
オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、西オーストラリア州)原産。英名はblack tea-tree , river tea-tree , mock olive。
低木又は高木、高さ15m以下。樹皮は硬く、亀裂が入る。葉は互生、狭卵形~卵形、長さ10~28mm×幅1.5~3mm、5~11脈があり、先は鋭形~尖鋭形、無毛又はたまに毛がある。葉柄は無い。花序は穂状花序、長さ1.5~3.5 cm、花序軸に毛があり、花が少数~多数つく。花は単生又は各苞に3個束生し、 白色。花弁はほぼ円形、長さ1.5~2mm。雄しべは各束に16~25本、爪部は長さ3~4mm。果実はほ球形、直径2~3mm、開口部(orifice)は直径約2mm。咢片は有毛。花期は春。
品種) 'Golden Revolution' , 'Red Gem’, 'Revolution Gold
3 Melaleuca cajuputi Maton et Sm. ex R.Powell メラレウカ・カユプテ
オーストラリア(西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州)、カンボジア、ミャンマー、ニューギニア、スマトラ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。英名はcajuput , white samet。
常緑低木又は高木、高さ6~25(~40)m。樹皮はバフ色~白色のコルク質で薄い紙質の剥片に裂ける。小枝は細く、垂れ下がり、若いシュートは密に絹毛があり、細かい毛は長さ2㎜以下。葉は互生、平ら、絹毛があるか、無毛になる。葉柄は扁平~凹面・凸面形、長さ3~7(~11)㎜×幅1.1~2.3㎜、真っすぐ又は曲がる。葉身は楕円形~披針状楕円形、ときに斜めになり、長さ5~10(~12)㎝×幅1~2.5(~6)㎝、長さは幅の2~10倍、基部は漸尖形又はときに急に円くなり、先は鋭形又は狭い鈍形、しばしば短突起があり、薄い革質、鈍い緑色、細かく不明瞭な油腺点をもち、5~7脈があり、網状脈が明瞭。花序は穂状花序、頂生又は上部に腋生して1個又は2~3個つき、花がかなり密につき、長さ3.5~9㎝×幅2~2.5cm、花序軸は太さ1~1.3mm、花時に大きくなり、密に直軟毛がある。苞は卵形、条線があり、絨毛があり、早落性。小苞は無い。花は3個集合してつき、白色、緑白色、又はクリーム色。咢は筒状、長さ2.5~3mm、有毛。咢筒はほぼ円筒形、長さ1.2~1.9mm×幅1.5~2mm、基部が子房につく(果実に宿存する)。咢片は4個、三角形~半円形、長さ0.7~0.9mm×幅1.2~2mm、縁が薄い。花弁は5個、広倒卵状へら形、短い爪部があり、長さ2~2.7mm×幅1.8~2.3mm、弁部はほぼ円形、7本の細い枝分かれする脈と条線があり、腺がある。雄しべは多数、長さ7~10mm、白色、無毛、7~10本が束になり、束の爪部は長さ1~3.5mm。花糸は花弁爪部の上側の縁につき、分離部分は長さ8mm以下。葯は長さ0.4~0.55mm。子房は3室、長さ約1㎜。花柱は長さ6~9mm、柱頭は小さい。果実は蒴果、杯形~球形、長さ3~3.5mm×幅3.5~4mm、多数の種子をもつ。開口部(orifice)は直径1.5~2mm、薄いバルブをもつ。種子は線形、微細。2n= 22。
3-1 Melaleuca cajuputi subsp. cumingiana (Turcz.) Barlow メラレウカ・カユプテ・クミンギアナ
synonym Melaleuca leucadendron auct. non L.
カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は白千层 bai qian ceng。中国、台湾に帰化。
高木、高さ18m以下。樹皮は白色、厚く、柔らかく、剥離する。小枝は灰白色。葉は互生、芳香がある。葉柄はごく短い。葉身は短い楕円形~狭長円形、長さ4~10㎝×幅1~2㎝、革質、多数の油腺点があり、2次脈は3~5(~7)本、長い葉軸に平行になり、葉の両端は鋭形。穂状花序は偽頂生、長さ15㎝以下、花序軸に普通、短い毛状突起がある。花は白色。花托筒は卵形、長さ約3㎜、有毛又は無毛。咢片は5個、円く、長さ約1mm。花弁は5個、卵形、長さ2~3mm×幅約3mm。雄しべは長さ約1㎝、5束になる。花柱は線形、雄しべよりわずかに長い。蒴果はほぼ球形、直径5~7㎜。花期は年に数回。
4 Melaleuca fulgens R.Br. メラレウカ・フルゲンス
synonym Myrtoleucodendron fulgens (R.Br.) Kuntze
オーストラリア(ノーザン・テリトリー、南オーストラリア州、西オーストラリア州)原産。英名はscarlet honey myrtle。
低木、高さ0.4~2.6m。小枝は無毛。葉は対生し、葉身は普通、線形~卵形、長さ8~35㎜×幅0.4~1.5(5.5)mm。穂状花序はブラシ状、長さ3.5~7.5㎝、雄しべが目立つ花を多数(6~20個)つける。雄しべの束(staminal claws)は深紅色又は濃ピンク色、まれに白色、花糸は1束に22~80本。若い果実は長い宿存する花柱と頭状の柱頭をもつが、花期の段階では雄しべの間に隠れて見えない。果実は木質の蒴果、長さ4.2~7.2㎜、低い壺形、互生して茎に並ぶ。花期は冬下旬から夏。
品種) 'Hot Pink'
4-1 Melaleuca fulgens R.Br. subsp. fulgens
葉は線形~狭楕円形。雄しべの花糸は長さ16.5~27㎜。
4-2 Melaleuca fulgens subsp. corrugata (J.M.Black ex Eardley).
葉は狭く、長さ6~22㎜×幅0.5~3mm、縁が内側に曲がり、腺点が多い。花は淡ピンク色。果実は広つぼ形、1年以上宿存する。
4-3 Melaleuca fulgens subsp. steedmanii (C.A.Gardner) K.J.Cowley
葉は狭卵形。花糸は長さ12~18㎜。
5 Melaleuca linariifolia Sm. メラレウカ・リナリイフォリア
オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。英名はsnow-in-summer , narrow-leaved paperbark , flax-leaved paperbark。
低木又は小高木、高さ10m以下。樹皮は紙質。葉は対生~ほぼ対生、狭楕円形~線状披針形、長さ20~45㎜×幅2~3.5㎜、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ4㎝以下、花が多数つき、花序軸は無毛又はまばらに毛がある。花は各苞に1個つく。花弁は倒卵形~広楕円形、長さ約3mm。雄しべは30~60本が束になる。果実は円筒形~ほぼ球形、直径3~4mm、開口部(orifice)は直径約2mm、バルブの高さに開口部をもつ。咢片は遅れて落ちる。花期は春~夏。
品種) 'Seafoam'
6 Melaleuca pallida (Bonpl.) Craven メラレウカ・パリーダ
synonym Callistemon pallidus (Bonpl.) DC.
オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、ビクトリア州)原産。英名はlemon bottlebrush , yellow bottlebrush。
低木、直立し、高さ8m以下。樹皮は宿存する。葉は狭楕円形~倒披針形、長さ3~7㎝×幅9~15mm、革質、先には尖った微突があり、側脈はかすか、表面に腺点が目立ち、密にある。穂状花序は長さ3~7㎝、幅2.5~5㎝(主に約3.5㎝)。花托筒はほとんどに初めまばらに毛があり、後に無毛になる。雄しべは長さ10~15mm、花糸はクリーム色~黄色。葯は淡黄色。蒴果は長さ、幅4~6mm。花期は春~夏。
品種) 'Eleanor'(Lemon Bottlebrush)
7 Melaleuca thymifolia Sm. メラレウカ・ティミフォリア
オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。thyme-leaf honey-myrtle , thyme honey-myrtle , honey-myrtle 低木、高さ1m以下、まれに2mになり、樹皮はコルク質。茎はしばしば リグノチューバー(lignotuber:幹の地表近くにある萠芽再生のための肥大組織)から生じる。葉は対生~ほぼ対生、狭楕円形、主に長さ10~15mm×幅1~3㎜、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ1mm以下。花序は穂状花序、古い枝に側生し、花が少数つき、長さ2㎝以下、花序軸は無毛。花は各苞に1個つき、無柄、幅が広く、ピンク色~藤色(モーブ色)。花弁は卵形、長さ4~5mm。雄しべは40~60本、束になり、爪部は長さ4~6mm。果実は杯形又は樽形、直径3~5mm、開口部(orifice)は直径約2mm。咢片は果時に厚くなり、宿存する。
品種) 'White Lace'
8 その他ハイブリッド
品種) 'Golden Gem' , 'Little Beauty' , 'Snowstorm' , 'Ulladulla Beacon'
Melaleuca
Melaleuca linariifolia
Melaleuca
オーストラリア産で英名はtea tree。葉から抽出されるティーツリー油が消毒、皮膚用に使われる。名前はオーストラリア大陸を発見したキャプテン・クックが木の葉をティーの代わりとして飲んだことに由来するといわれている。
低木、高さ7m以下。樹皮は紙質。葉は不規則につき、散在~輪生し、線形、長さ10~35mm×幅約1mm、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ3~5㎝、花が多数つき、花序軸に短い毛がある。花は各苞に単生し、白色。花弁は広楕円形、長さ2~3mm。 雄しべは各束に30~60本、爪部は長さ6~12mm。花柱は長さ3~4mm。果実は杯形、直径2~3㎜、開口部(orifice)は直径1.5~2.5㎜。咢片は落ちるが、ときに遅くなる。花期は春。
コバノブラシノキ属(メラレウカ属)
family Myrtaceae - genus Melaleuca高木又は低木。葉は互生又は十字対生、又は不規則につき、葉柄は有又は無。葉身は革質、葉脈は3本又はそれ以上の縦脈がある。花は両性又は雌花が不稔、穂状花序又は頭状花序につき、偽頂生又は側生。花は5数性、白色、帯黄色、ピンク色、赤色、又はモーブ色。花托筒はほぼ球形又は鐘形。咢片は5個、小さく、三角形~半円形、早落性又は宿存性。花弁は5個、離生。雄しべは多数、花糸が基部で融合して5束になり、花弁に対生する。葯は背着、室は平行、多方向、縦に裂開する。子房は半下位、花托筒にわずかにつき、3室、先は明瞭。胚珠は室に数個~多数、直立。花柱は糸状。柱頭は単純又は頭状。果実は胞背裂開蒴果、半球形~球形、先が裂開する(まれに花托筒から突き出るものがある)。種子は線形、種皮は薄い。胚は真っすぐ。
世界に約280種あり、オーストラリア、カンボジア、ミャンマー、ニューカレドニア、ニューギニア、ソサエティ島、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアに分布する。
コバノブラシノキ属の主な種と園芸品種
1 Melaleuca alternifolia (Maiden & Betche) Cheel メラレウカ・アルテルニフォリア(ティーツリー)オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。英名はtea tree。別名はコバノブラシノキ(小葉の刷子木)。葉から抽出されるティーツリー油が消毒、皮膚用に使われる。
低木、高さ7m以下。樹皮は紙質。葉は不規則につき、散在~輪生し、線形、長さ10~35mm×幅約1mm、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ3~5㎝、花が多数つき、花序軸に短い毛がある。花は各苞に単生し、白色。花弁は広楕円形、長さ2~3mm。 雄しべは各束に30~60本、爪部は長さ6~12mm。花柱は長さ3~4mm。果実は杯形、直径2~3㎜、開口部(orifice)は直径1.5~2.5㎜。咢片は落ちるが、ときに遅くなる。花期は春。
2 Melaleuca bracteata F.Muell. メラレウカ・ブラクテアタ
オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、西オーストラリア州)原産。英名はblack tea-tree , river tea-tree , mock olive。
低木又は高木、高さ15m以下。樹皮は硬く、亀裂が入る。葉は互生、狭卵形~卵形、長さ10~28mm×幅1.5~3mm、5~11脈があり、先は鋭形~尖鋭形、無毛又はたまに毛がある。葉柄は無い。花序は穂状花序、長さ1.5~3.5 cm、花序軸に毛があり、花が少数~多数つく。花は単生又は各苞に3個束生し、 白色。花弁はほぼ円形、長さ1.5~2mm。雄しべは各束に16~25本、爪部は長さ3~4mm。果実はほ球形、直径2~3mm、開口部(orifice)は直径約2mm。咢片は有毛。花期は春。
品種) 'Golden Revolution' , 'Red Gem’, 'Revolution Gold
3 Melaleuca cajuputi Maton et Sm. ex R.Powell メラレウカ・カユプテ
オーストラリア(西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州)、カンボジア、ミャンマー、ニューギニア、スマトラ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。英名はcajuput , white samet。
常緑低木又は高木、高さ6~25(~40)m。樹皮はバフ色~白色のコルク質で薄い紙質の剥片に裂ける。小枝は細く、垂れ下がり、若いシュートは密に絹毛があり、細かい毛は長さ2㎜以下。葉は互生、平ら、絹毛があるか、無毛になる。葉柄は扁平~凹面・凸面形、長さ3~7(~11)㎜×幅1.1~2.3㎜、真っすぐ又は曲がる。葉身は楕円形~披針状楕円形、ときに斜めになり、長さ5~10(~12)㎝×幅1~2.5(~6)㎝、長さは幅の2~10倍、基部は漸尖形又はときに急に円くなり、先は鋭形又は狭い鈍形、しばしば短突起があり、薄い革質、鈍い緑色、細かく不明瞭な油腺点をもち、5~7脈があり、網状脈が明瞭。花序は穂状花序、頂生又は上部に腋生して1個又は2~3個つき、花がかなり密につき、長さ3.5~9㎝×幅2~2.5cm、花序軸は太さ1~1.3mm、花時に大きくなり、密に直軟毛がある。苞は卵形、条線があり、絨毛があり、早落性。小苞は無い。花は3個集合してつき、白色、緑白色、又はクリーム色。咢は筒状、長さ2.5~3mm、有毛。咢筒はほぼ円筒形、長さ1.2~1.9mm×幅1.5~2mm、基部が子房につく(果実に宿存する)。咢片は4個、三角形~半円形、長さ0.7~0.9mm×幅1.2~2mm、縁が薄い。花弁は5個、広倒卵状へら形、短い爪部があり、長さ2~2.7mm×幅1.8~2.3mm、弁部はほぼ円形、7本の細い枝分かれする脈と条線があり、腺がある。雄しべは多数、長さ7~10mm、白色、無毛、7~10本が束になり、束の爪部は長さ1~3.5mm。花糸は花弁爪部の上側の縁につき、分離部分は長さ8mm以下。葯は長さ0.4~0.55mm。子房は3室、長さ約1㎜。花柱は長さ6~9mm、柱頭は小さい。果実は蒴果、杯形~球形、長さ3~3.5mm×幅3.5~4mm、多数の種子をもつ。開口部(orifice)は直径1.5~2mm、薄いバルブをもつ。種子は線形、微細。2n= 22。
3-1 Melaleuca cajuputi subsp. cumingiana (Turcz.) Barlow メラレウカ・カユプテ・クミンギアナ
synonym Melaleuca leucadendron auct. non L.
カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は白千层 bai qian ceng。中国、台湾に帰化。
高木、高さ18m以下。樹皮は白色、厚く、柔らかく、剥離する。小枝は灰白色。葉は互生、芳香がある。葉柄はごく短い。葉身は短い楕円形~狭長円形、長さ4~10㎝×幅1~2㎝、革質、多数の油腺点があり、2次脈は3~5(~7)本、長い葉軸に平行になり、葉の両端は鋭形。穂状花序は偽頂生、長さ15㎝以下、花序軸に普通、短い毛状突起がある。花は白色。花托筒は卵形、長さ約3㎜、有毛又は無毛。咢片は5個、円く、長さ約1mm。花弁は5個、卵形、長さ2~3mm×幅約3mm。雄しべは長さ約1㎝、5束になる。花柱は線形、雄しべよりわずかに長い。蒴果はほぼ球形、直径5~7㎜。花期は年に数回。
4 Melaleuca fulgens R.Br. メラレウカ・フルゲンス
synonym Myrtoleucodendron fulgens (R.Br.) Kuntze
オーストラリア(ノーザン・テリトリー、南オーストラリア州、西オーストラリア州)原産。英名はscarlet honey myrtle。
低木、高さ0.4~2.6m。小枝は無毛。葉は対生し、葉身は普通、線形~卵形、長さ8~35㎜×幅0.4~1.5(5.5)mm。穂状花序はブラシ状、長さ3.5~7.5㎝、雄しべが目立つ花を多数(6~20個)つける。雄しべの束(staminal claws)は深紅色又は濃ピンク色、まれに白色、花糸は1束に22~80本。若い果実は長い宿存する花柱と頭状の柱頭をもつが、花期の段階では雄しべの間に隠れて見えない。果実は木質の蒴果、長さ4.2~7.2㎜、低い壺形、互生して茎に並ぶ。花期は冬下旬から夏。
品種) 'Hot Pink'
4-1 Melaleuca fulgens R.Br. subsp. fulgens
葉は線形~狭楕円形。雄しべの花糸は長さ16.5~27㎜。
4-2 Melaleuca fulgens subsp. corrugata (J.M.Black ex Eardley).
葉は狭く、長さ6~22㎜×幅0.5~3mm、縁が内側に曲がり、腺点が多い。花は淡ピンク色。果実は広つぼ形、1年以上宿存する。
4-3 Melaleuca fulgens subsp. steedmanii (C.A.Gardner) K.J.Cowley
葉は狭卵形。花糸は長さ12~18㎜。
5 Melaleuca linariifolia Sm. メラレウカ・リナリイフォリア
オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。英名はsnow-in-summer , narrow-leaved paperbark , flax-leaved paperbark。
低木又は小高木、高さ10m以下。樹皮は紙質。葉は対生~ほぼ対生、狭楕円形~線状披針形、長さ20~45㎜×幅2~3.5㎜、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ約1mm。花序は穂状花序、長さ4㎝以下、花が多数つき、花序軸は無毛又はまばらに毛がある。花は各苞に1個つく。花弁は倒卵形~広楕円形、長さ約3mm。雄しべは30~60本が束になる。果実は円筒形~ほぼ球形、直径3~4mm、開口部(orifice)は直径約2mm、バルブの高さに開口部をもつ。咢片は遅れて落ちる。花期は春~夏。
品種) 'Seafoam'
6 Melaleuca pallida (Bonpl.) Craven メラレウカ・パリーダ
synonym Callistemon pallidus (Bonpl.) DC.
オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、南オーストラリア州、ビクトリア州)原産。英名はlemon bottlebrush , yellow bottlebrush。
低木、直立し、高さ8m以下。樹皮は宿存する。葉は狭楕円形~倒披針形、長さ3~7㎝×幅9~15mm、革質、先には尖った微突があり、側脈はかすか、表面に腺点が目立ち、密にある。穂状花序は長さ3~7㎝、幅2.5~5㎝(主に約3.5㎝)。花托筒はほとんどに初めまばらに毛があり、後に無毛になる。雄しべは長さ10~15mm、花糸はクリーム色~黄色。葯は淡黄色。蒴果は長さ、幅4~6mm。花期は春~夏。
品種) 'Eleanor'(Lemon Bottlebrush)
7 Melaleuca thymifolia Sm. メラレウカ・ティミフォリア
オーストラリア(クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。thyme-leaf honey-myrtle , thyme honey-myrtle , honey-myrtle 低木、高さ1m以下、まれに2mになり、樹皮はコルク質。茎はしばしば リグノチューバー(lignotuber:幹の地表近くにある萠芽再生のための肥大組織)から生じる。葉は対生~ほぼ対生、狭楕円形、主に長さ10~15mm×幅1~3㎜、先は鋭形、無毛。葉柄は長さ1mm以下。花序は穂状花序、古い枝に側生し、花が少数つき、長さ2㎝以下、花序軸は無毛。花は各苞に1個つき、無柄、幅が広く、ピンク色~藤色(モーブ色)。花弁は卵形、長さ4~5mm。雄しべは40~60本、束になり、爪部は長さ4~6mm。果実は杯形又は樽形、直径3~5mm、開口部(orifice)は直径約2mm。咢片は果時に厚くなり、宿存する。
品種) 'White Lace'
8 その他ハイブリッド
品種) 'Golden Gem' , 'Little Beauty' , 'Snowstorm' , 'Ulladulla Beacon'
参考
1) Flora of ChinaMelaleuca
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=120051
2) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINEMelaleuca linariifolia
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Melaleuca~linariifolia
3) Plants of the World Online | Kew ScienceMelaleuca
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:27624-1