タツノツメガヤ 竜ノ爪茅

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Flora of Mikawa

イネ科 Poaceae タツノツメガヤ属

別 名 ミヤコジマオヒシバ、ヤンバルオヒシバ
中国名 龙爪茅 long zhao mao
英 名 crowfoot grass , Egyptian grass , Egyptian crowfoot grass
学 名 Dactyloctenium aegyptium (L.) Willd.
タツノツメガヤ花序5
タツノツメガヤ花序3
タツノツメガヤ花序4
タツノツメガヤの小穂
タツノツメガヤの未熟な果実
タツノツメガヤ
タツノツメガヤ花序拡大上
タツノツメガヤ花序拡大下
花 期 7~10月
高 さ 20~40㎝
生活型 1年草
生育場所 日当たりのよい道端、草地
分 布 帰化種  中国、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、西アジア、アフリカ原産
撮 影 吉良町  11.9.15
普通、マット状になる。葉は長さ15㎝以下、幅4~5㎜。花序は掌状に3~5個の枝をつけ、枝は長さ1~5㎝、幅7~15㎜、枝の先には小穂はつかず、先が尖る。小穂は無柄、枝の下側に密生して、2列につく。小穂は長さ約4㎜、幅約4㎜、3~4(5)個の小花があり、上方の小花は不稔。第1苞頴は長さ約1.5㎜、第2苞頴は竜骨の先が長い芒になり、長さ約3.5㎜。第2苞頴の先の芒が花軸の両側に出るよう左右対称の小穂が角度をずらして交互に重なって並ぶ。花軸は翼があり三角形の樋状になる。護頴は膜質、広卵形、竜骨がある。果実は長さ約1.3㎜の球形、赤褐色、表面にしわがある。2n = 20, 36, 40, 48

タツノツメガヤ属

  family Poaceae - genus Dactyloctenium

 一年草または多年草。稈は房状になり、ときに匍匐茎があり、扁平。葉身は線形、平ら、またはゆるく折りたたまれる。葉舌は膜質、しばしば繊毛がある。花序は対または掌状の穂状花序状の総状花序からなる。総状花序は線形~狭長円形、小穂は無柄で、2列につき、密に覆瓦状になり、最上部の小穂は不稔で、花序軸はむき出しの先の尖った延長で終わる。小穂は楕円形~卵形、側部が扁平、小花が数個つき、苞穎の上で関節離断(disarticulating)するが、普通は小花の間では離断しない。苞穎は護穎より短く、竜骨があり、1脈がある。第1苞穎は小さく、先が鋭形。第2苞穎は丈夫な斜めの芒をもち、広円形で凹形の先端のすぐ下に芒がつく。護穎は膜質、3脈があり、無毛、強く竜骨があり、先は鋭形~短い芒があり、しばしば先が反曲する。内穎はときに竜骨に翼がある。穀物は角張っており、装飾があり、分離する透明な果皮に包まれ、成熟すると果皮は破裂する。x=9, 10。
 世界に13種あり、主にアフリカからインドまで分布し、1種が広範囲に分布する。

タツノツメガヤ属の主な種と園芸品種

1 Dactyloctenium aegyptium (L.) P.Beauv. タツノツメガヤ 竜ノ爪茅
 中国、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、西アジア、アフリカ原産。中国名は龙爪茅 long zhao mao 。英名crowfoot grass , Egyptian grass , Egyptian crowfoot grass。別名はミヤコジマオヒシバ、ヤンバルオヒシバ。日当たりのよい道端、草地に生える。
 1年草、高さ20~40㎝。普通、マット状になる。葉は長さ15㎝以下、幅4~5㎜。花序は掌状に3~5個の枝をつけ、枝は長さ1~5㎝、幅7~15㎜、枝の先には小穂はつかず、先が尖る。小穂は無柄、枝の下側に密生して、2列につく。小穂は長さ約4㎜、幅約4㎜、3~4(5)個の小花があり、上方の小花は不稔。第1苞頴は長さ約1.5㎜、第2苞頴は竜骨の先が長い芒になり、長さ約3.5㎜。第2苞頴の先の芒が花軸の両側に出るよう左右対称の小穂が角度をずらして交互に重なって並ぶ。花軸は翼があり三角形の樋状になる。護頴は膜質、広卵形、竜骨がある。果実は長さ約1.3㎜の球形、赤褐色、表面にしわがある。2n = 20, 36, 40, 48。花期は7~10月。

2 Dactyloctenium radulans (R.Br.) P.Beauv. ヒメタツノツメガヤ 姫竜ノ爪茅
 オーストラリア原産。英名はfinger-grass , buttongrass。アメリカに帰化している。
 一年草または短命の多年草。稈は長さ5~20(50)cm、傾伏または斜上し、まれに直立し、普通、分枝する。葉鞘は無毛または基部がパピラの毛があり、わずかに竜骨がある。葉舌は長さ1㎜以下、膜質、切形、縁毛がある。葉身は平らで、基部に、パピラ状の基部の毛をもつ。円錐花序は枝が2~11個つき、長さ0.4~1.5㎝、ほぼ球形、小穂のほとんどは隣接する枝の小穂と接触する。枝の軸は上部の小穂を越えて長さ1~1.5㎜の点として伸びる。小穂は長さ3.5~5㎜、2~5個の小花がつく。苞穎は強く竜骨がある。第1苞穎は長さ1~2㎜、卵形、先は鋭形。第2苞鋭は長さ1.5~3㎜、長円状楕円形、先は尖鋭形、芒があり、芒は長さ0.5~2.5㎜。護穎は長さ3~4.3㎜、卵形、竜骨はザラつき、1脈があり、脈は約0.5㎜突き出し、先は尖鋭形~微突形。内穎は護穎より短い。葯は長さ0.2~0.8㎜、淡黄色穀粒(種子)は長さ約1.2㎜×幅約0.7mm、横方向の皺があり、褐色。 2n=不明。花期はオーストラリアでは2~4月。

参考

1) Flora of China
 Dactyloctenium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=109201
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Dactyloctenium
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:17849-1
3) World Flora Online
 Dactyloctenium
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000010635;jsessionid=2ACE6B73FC34AF1E36F63F54035DC6E0
4) World Checklist of Vascular Plants
 Dactyloctenium
https://wcvp.science.kew.org/
5) FNA - Flora of North America
 Dactyloctenium
http://floranorthamerica.org/Dactyloctenium
6) Flora of Victoria
 Dactyloctenium
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/70fc3147-9699-49f4-8fb0-0b84f2e9ff66