タチノウゼン 立凌霄

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Flora of Mikawa

ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae タチノウゼン属

別 名 キンレイジュ、キバナテコマ
英 名 yellow trumpetbush , yellow bells , yellow elder , ginger-thomas
学 名 Tecoma stans (L.) Juss. ex Kunth
タチノウゼンの花序
タチノウゼンの花
タチノウゼン花2
タチノウゼンの萼
タチノウゼン幹
タチノウゼン
タチノウゼン葉表
タチノウゼン3小葉
花 期 3~6月、10~12月
高 さ 2.5m以下(又は7~10m)
生活型 低木または小高木
生育場所 栽培種
分 布 外来種 南アメリカ原産
撮 影 豊橋市  16.4.26
タチノウゼンはノウゼンカズラ科タチノウゼン属の栽培種。
 高さ10m、d.b.h。25cm以下の低木または小高木で、樹皮は暗色、うねがある。小枝はふけ状鱗片があり(lepidote)、不規則にほぼ微軟毛ああり、多少、円柱形で、若いときは乾くと暗褐色、成熟すると薄褐色になる。葉(パナマでは)は、奇数羽状複葉で小葉が3~9個、新枝の葉の最初の対はしばしば1対または1小葉、小葉は対生し、鋸歯縁、披針形、先は鋭形、基部はくさび形、頂小葉はしばしば細くなり、長さ2.4~15㎝×幅0.8~6cm、上部で次第に大きくなり、両面ともややふけ状鱗片があり、中脈の両面に単純な微軟毛があり、しばしば二次脈の基部の下面に微軟毛があり、ときに葉の表面に微軟毛があり、特に脈腋にある。側小葉の小葉柄は無く、又は長さ2mm以下、頂小葉は長さ4~20㎜。葉柄は長さ1~9㎝、葉軸は無く(3小葉の葉では)~長さ8㎝以下、葉柄と葉軸はわずかにふけ状鱗片があり、小葉の基部に微軟毛がある。花序は頂生またはほぼ頂生の総状花序、花が20個以下、一度に開く花はわずかである。花柄と花序軸はふけ状鱗片がある。花はバニラに似た甘い芳香がある。萼は長い円蓋形、均等に5歯があり、歯は長さ約1mm、普通、短突起があり、長さ3~7㎜×幅3~4㎜、全体にややふけ状鱗片があり、縁毛があり、縁近くに沈んだ腺がある。花冠は黄色、喉部に7本の帯赤色の線があり、喉のうねの上部に2本のかすかな赤色の付加線があり、2個の上側の裂片の基部に短いかすかな線があり、狭い基部は長さ0.9~1.0㎝、上部は筒状鐘形、長さ3.5~5.8㎝×口部の幅1.2~2.4㎝、筒部は長さ3.0~4.3㎝、裂片は長さ1.0~1.6㎝、外側は無毛で腺のある表皮があり、内側は雄しべのつく高さの先端に腺のある毛状突起および切れ込みと喉のうねにある捻じれた毛状突起を除いて無毛。雄しべは2強雄しべ、葯は半葯が散開(divaricate)し、長さ3.5㎜、ねじれた単純な多細胞の毛状突起をもち、長雄しべの花糸は長さ2.1~2.4㎝、短雄しべの花糸は長さ1.5~1.8㎝。仮雄しべは長さ4~5㎜、花冠筒部の基部から8~9mmにつく。雌しべは長さ3.1~3.4cm。子房は狭円筒形、約・長さ3㎜×幅1㎜、腺のあるふけ状鱗片をもつ。胚珠は各室に2列につく。花盤は円蓋状クッション形、約・長さ1㎜×幅1㎜。蒴果は線形、両端が先細で、新鮮なときはほぼ円柱形、長さ7~21㎝×幅5~7㎜、表面は皮目状で、多少、無毛で、ときにわずかに目立たないふけ状鱗片がある。種子は長さ3~5 mm×幅2.4~2.7㎝、翼は透明で膜質で、種子の本体からはっきりと区別できる(Flora de Panama)。

タチノウゼン属

  family Bignoniaceae - genus Tecoma

 低木または小高木。葉は単葉、3小葉、または奇数羽状。小葉は鋸歯縁。花は頂生の総状花序または円錐花序につく。萼は円蓋状、浅く5裂する。花冠は黄色または橙赤色、筒状~鐘形、外側は光沢がある。雄しべは突き出ず、喉に届くか、やや突き出る。葯は散開~基部が散開、無毛または直軟毛がある。子房は狭い円筒形、胚珠は各室に2列につく。花盤は円筒形。果実は線形の蒴果、やや扁平、垂直に隔壁まで裂開する。種子は薄く、2枚の透明な膜質の翼をもつ。
 世界に約14種があり、主にアメリカの熱帯および亜熱帯に分布し、2種がアフリカに分布する。世界で広く栽培されている。

タチノウゼン属の主な種と園芸品種

1 Tecoma capensis (Thunb.) Lindl. ヒメノウゼンカズラ 姫凌霄花
  synonym Tecomaria capensis (Thunb.) Spach 南アフリカ
  synonym Ducoudraea capensis Bureau
 南アフリカ、アンゴラ、マラウイ、モザンビーク、スワジランド、タンザニア、ザイール原産。英名はCape honeysuckle , tecomaria 。
 低木または亜低木、枝は曲がりくねる。葉は対生し、羽状複葉。小葉は普通、7~11個、楕円形~ほぼ円形、先と基部は円形または急にくさび形、無柄、約・長さ1.5㎝×幅1.0㎝、鋸歯縁、膜質、少なくとも主脈に沿って微軟毛があり、普通、脈腋に枝分かれした毛状突起の房がある。花序は総状花序または総状花序状の円錐花序。萼は円蓋形、5歯があり、長さ5~7mm×幅4~5mm、多少、微軟毛があり、縁毛があり、上半分に板状の腺が散在する。花冠は橙色~橙緋色、筒状、曲がり、長さ3.5~5㎝、口部の幅0.6~0.7㎝、ほとんどが無毛、裂片に縁毛がある。雄しべは長さがほぼ等長、葯は突き出し、半葯は長さ約3mm、長さの約半分がわずかに散開し、細い花糸は半葯の融合した端から約1mmにつく。雌しべは長さ5.5~6.5㎝。子房は長円形、無毛。花盤は円蓋状クッション形。果実は中央アメリカではめったにできず、蒴果は線形、長さ5~11㎝×幅7~8mm。種子は2列につき、薄く、2翼があり、翼は透明な膜室。
品種) 'Apricot' , 'Aurea' , 'Buff Gold' , 'Coccinea' , 'Hammer's Rose' , 'Lutea' , 'Red Riot' , 'Salmonea'

2 Tecoma fulva (Cav.) G.Don テコマ・フルバ
 南アメリカ(アルゼンチン北西部、ボリビア、チリ北西部、ペルー)原産。英名はArgentine Yellow Trumpet。
2-1 Tecoma fulva subsp. fulva
 葉は小剛毛があり、小葉は11~21個、 広倒卵形、長さは幅とほぼ同じ、ほとんど1㎝未満。
品種) CHICKLET™ Orange Trumpet Bush
2-2 Tecoma fulva subsp. guarume (DC.) J.R.I.Wood
  synonym Tecoma guarume DC.
  synonym Tecoma alata DC.
 ペルー、チリ北北西部原産。英名はOrange Trumpetbush。
 半落葉性の低木、高さ1.2~3m。葉は対生、羽状複葉、長さ10~15㎝。小葉は5~9(まれに11)個つき、長さ約1~3 cm、幅0.5~1.5cm、無毛、倒卵形~倒卵状楕円形。頂小葉は側小葉より大きく、ときに分裂する。葉柄は長さ1~2㎝、葉軸に翼があり、葉縁は不明瞭な歯があり、枝は帯紫色。花序は頂生の総状花序、ときに基部で枝分かれし、円錐花序を作り、各総状花序には花が10~20個つく。花は高杯形の筒状、基部から規則的に広がる。花冠は長さ5~6.5㎝、赤橙色の花弁が融合して、長さ4.5~6.0㎝の筒部を作り、先は5裂し、裂片は長さ約0.5㎝、黄橙色。花は両性。雄しべは花冠筒部の口部まで伸び、花糸は等長。柱頭は幅2.2~2.5㎜、扁平な2裂片がある。萼は杯形、長さ3.5~6㎜×幅2~3mm、萼片は5個、鋭形。蒴果は2バルブがあり、長さ5.5~7㎝×幅6~8㎜。種子は薄く、2翼がある。
品種) 'Miami Sunrise' , 'Miami Sunset' , 'Tangelo'

3 Tecoma stans (L.) Juss. ex Kunth タチノウゼン 立凌霄
  synonym Stenolobium stans (L.) Seem.
 南アメリカ原産。英名yellow trumpetbush , yellow bells , yellow elder , ginger-thomas。別名はキンレイジュ、キバナテコマ。
 高さ10m、d.b.h。25cm以下の低木または小高木で、樹皮は暗色、うねがある。小枝はふけ状鱗片があり(lepidote)、不規則にほぼ微軟毛ああり、多少、円柱形で、若いときは乾くと暗褐色、成熟すると薄褐色になる。葉(パナマでは)は、奇数羽状複葉で小葉が3~9個、新枝の葉の最初の対はしばしば1対または1小葉、小葉は対生し、鋸歯縁、披針形、先は鋭形、基部はくさび形、頂小葉はしばしば細くなり、長さ2.4~15㎝×幅0.8~6cm、上部で次第に大きくなり、両面ともややふけ状鱗片があり、中脈の両面に単純な微軟毛があり、しばしば二次脈の基部の下面に微軟毛があり、ときに葉の表面に微軟毛があり、特に脈腋にある。側小葉の小葉柄は無く、又は長さ2mm以下、頂小葉は長さ4~20㎜。葉柄は長さ1~9㎝、葉軸は無く(3小葉の葉では)~長さ8㎝以下、葉柄と葉軸はわずかにふけ状鱗片があり、小葉の基部に微軟毛がある。花序は頂生またはほぼ頂生の総状花序、花が20個以下、一度に開く花はわずかである。花柄と花序軸はふけ状鱗片がある。花はバニラに似た甘い芳香がある。萼は長い円蓋形、均等に5歯があり、歯は長さ約1mm、普通、短突起があり、長さ3~7㎜×幅3~4㎜、全体にややふけ状鱗片があり、縁毛があり、縁近くに沈んだ腺がある。花冠は黄色、喉部に7本の帯赤色の線があり、喉のうねの上部に2本のかすかな赤色の付加線があり、2個の上側の裂片の基部に短いかすかな線があり、狭い基部は長さ0.9~1.0㎝、上部は筒状鐘形、長さ3.5~5.8㎝×口部の幅1.2~2.4㎝、筒部は長さ3.0~4.3㎝、裂片は長さ1.0~1.6㎝、外側は無毛で腺のある表皮があり、内側は雄しべのつく高さの先端に腺のある毛状突起および切れ込みと喉のうねにある捻じれた毛状突起を除いて無毛。雄しべは2強雄しべ、葯は半葯が散開(divaricate)し、長さ3.5㎜、ねじれた単純な多細胞の毛状突起をもち、長雄しべの花糸は長さ2.1~2.4㎝、短雄しべの花糸は長さ1.5~1.8㎝。仮雄しべは長さ4~5㎜、花冠筒部の基部から8~9mmにつく。雌しべは長さ3.1~3.4cm。子房は狭円筒形、約・長さ3㎜×幅1㎜、腺のあるふけ状鱗片をもつ。胚珠は各室に2列につく。花盤は円蓋状クッション形、約・長さ1㎜×幅1㎜。蒴果は線形、両端が先細で、新鮮なときはほぼ円柱形、長さ7~21㎝×幅5~7㎜、表面は皮目状で、多少、無毛で、ときにわずかに目立たないふけ状鱗片がある。種子は長さ3~5 mm×幅2.4~2.7㎝、翼は透明で膜質で、種子の本体からはっきりと区別できる(Flora de Panama)。

 低木、高さ2.5m以下、無毛。葉は対生し、羽状複葉、小葉は3~7個、楕円形~楕円状卵形。 花は短い頂生の±直立した円錐花序につき、明るい黄色、芳香がある。萼は筒状鐘形、長さ±4.5㎜、萼片は三角形で、尖鋭形、繊毛がある。花冠筒部は長さ32~33㎜、基部で急にくびれ、内部はまばらな毛があり、基部に向かって腺がある。花冠裂片はほぼ等長。雄しべは突き出ない。長雄しべの花糸は長さ約20mm、曲がり基部に腺がある。葯は2室、線形、毛がある。仮雄しべは糸状、5~6本あり、長さ約5mm。花盤は浅い円蓋形、5裂し、肉質。子房は長さ約3.5mm、細長く、微細なパピラがある。花柱は長さ18~20㎜。柱頭は2裂、裂片は楕円形~卵形、長さ約1.5mm。蒴果は長さ12~16㎝x幅0.7~0.8㎝。種子は円形、扁平、長さ約5mmx幅6~6.5㎜(翼幅16~18㎜)(Flora of Pakistan)。
品種) Bells of Fire™ , 'Butterscotch' , Gold Star , Lydia™ , 'Mayan Gold' , 'Tangerine' , ‘Tangerine Beauty’

4 その他ハイブリッド
品種) 'Coccinea' , 'Mnstapbe' , 'Orange Glow' , 'Orange Jubilee' , 'Red Hot' , 'Salmon' , 'Sparklette' , 'Sparky' , 'Sundance' , 'Sunrise'

参考

1) World Flora Online
 Tecomaria
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000004609;jsessionid=C635361D2FE67468D108782932490490
2) Flora of Pakistan @ efloras.org
 Tecomaria
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=132362
3) Plants of the World Online
 Tecomaria
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30001526-2
4) Flora Fauna Web. - NParks
 Tecoma fulva (DC.) J.R.I.Wood subsp. guarume
https://www.nparks.gov.sg/florafaunaweb/flora/6/6/6684