タヌキマメ 狸豆

Flora of Mikawa
マメ科 Fabaceae タヌキマメ属
| 中国名 | 野百合 ye bai he |
| 英 名 | rattlebox |
| 学 名 | Crotalaria sessiliflora subsp. sessiliflora synonym Crotalaria sessiliflora L. 広義 |





| 花 期 | 7~9月 |
| 高 さ | 20~70㎝ |
| 生活型 | 1年草 |
| 生育場所 | 日当たりのよい場所 |
| 分 布 | 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、パプアニューギニア |
| 撮 影 | 蒲郡市 01.8.19 |
ガクタヌキマメ Crotalaria calycina は東南アジア、アフリカ、オーストラリア、日本(石垣島、西表島)などに分布し、花が黄色である。
タヌキマメ属
family Fabaceae - genus Crotalaria草本または低木、しばしば短命で、まれに小高木。茎は円柱形または角(かど)がある。托葉は糸状~葉状または欠く。葉は単葉または3小葉、普通、葉柄がある、花序は頂生、葉に対生、またはときに腋生、総状花序、たまに密集して頭状になる。苞は普通ある。花は普通、小花柄があり、小苞は2個、まれに欠く。萼はほぼ鐘形、5萼片はほぼ等長、または2唇形で、下唇は狭い3裂片がある、上唇は広い2裂片があり、しばしば合着または部分的に合着する。花冠は普通、黄色、まれに白色、紫赤色、または暗紫青色。旗弁は普通、円形または長円形で、外側は無毛または毛状突起があり、基部にはほとんどの場合、内側に2つの付属体がある。翼弁は長円形または狭い楕円形。竜骨弁は円形~角(かど)があり、通常、よく発達した嘴に伸びる。雄しべは単体(monadelphous)、二形性(dimorphic)であり、普通、5本は短く、葯が長円形で底着、5本は長く、葯が卵形で背着し、それぞれ、互生する。子房は有柄または無柄、毛状突起は有又は無、2個~多数の胚珠をもつ。花柱は長く、基部が曲がり、または膝状に曲がり、ほとんどの場合、頂部に1本または2本の毛状突起の線がある。柱頭は小さく、斜め、まれに2裂する。豆果はほぼ無柄~長い柄があり、長円形、円柱形、卵状球形、またはまれに菱形で、普通、著しく膨らみ、まれに扁平になり、2個~多数の種子があり、柄は有または無。種子は斜めの心形~長円状腎形、明瞭なへそのくぼみがある。
世界に約700種あり、熱帯全体から亜熱帯にまで広がり、東部~南部の熱帯アフリカに最も多く分布する。
タヌキマメ属の主な種と園芸品種
1 Crotalaria acicularis Buch.-Ham. ex Benth. ヒメタヌキマメ 姫狸豆
中国(海南省、雲南省)、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は针状猪屎豆 zhen zhuang zhu shi dou。標高100~1700mの道沿い、斜面の藪の中に生える。草本植物、斜上し、高さ20~80cm。枝は密に褐色の開出する絹毛状の細柔毛がある。托葉は線形、長さ2~4mm。葉は単葉、葉柄は短い。葉身はほぼ円形~長円形、長さ1~2(~3)cm×幅1~1.5cm、膜質~紙質、両面にまばらに白色の開出する絹毛状の細柔毛があり、基部は狭~わずかに心形、先は鈍形~尖鋭形。総状花序は頂生し、花が5~30個つく。苞は披針形~針状(acicular)、長さ2~3mm。小花柄は長さ3~5mm。小苞は萼筒の基部または小花柄の先につき、針状である。萼は2唇形、長さ4~6mm、基部まで深裂し、密に褐色の開出する絹毛状の細柔毛がある。萼片は披針形。花冠は黄色。旗弁はほぼ円形~倒卵形で、長さ4~5mm。翼弁は狭楕円形、旗弁よりわずかに短い。竜骨弁はほぼ円形、先端には長く、捻じれた嘴がある。子房はほぼ無柄。豆果は円筒形、長さ約1cm、種子が10~12個あり、無毛。花期は8~11月。果期は12~2月。
2 Crotalaria alata Buch.-Ham. ex D.Don ヤハズマメ 矢筈豆
synonym Crotalaria alata H.Lév.
synonym Crotalaria alata Roxb.
synonym Crotalaria bialata Roxb. ハネタヌキマメ
synonym Crotalaria bidiei Gamble
synonym Crotalaria collettii Prain
synonym Crotalaria sagitticaulis Wall.
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖南省、四川省、雲南省)、台湾、インド、スリランカ、アッサム、ネパール、ブータン、マレーシア、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア(ジャワ、スマトラ島)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー、西オーストラリア)原産。中国名は翅托叶猪屎豆 chi tuo ye zhu shi dou。 アフリカ、マダガスカルで栽培され帰化している。別名はハギタヌキマメ。標高100~2000mの山地草原に生える。侵食防止や土壌改良に利用されてきた。
草本または低木、直立し、高さ5~100cm。枝はジグザグ、絹毛状の細柔毛がある。托葉は茎に幅広い翼状に沿下する。葉は単葉でほぼ無柄。葉身は楕円形~倒卵状楕円形、長さ3~8cm×幅1~5cm、両面に毛状突起があるが、下面はわずかに密、基部は漸尖形~楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は頂生または葉に対生し、花は2個または3個つく。苞は卵状披針形、長さ約3mm。小花柄は長さ3~5mm。小苞は萼筒の基部に生じ、苞に似る。萼は2唇形、長さ6~10mm。萼片は披針形、先は尖鋭形。花冠は黄色。旗弁は倒卵状円形、長さ5~8mm、外面の先に髭がある。翼弁は長円形、旗弁より短い。竜骨弁は卵形、先には長い捻じれた嘴を持つ。子房は無毛。豆果は長円形、長さ3~4cm、種子が30~40個あり、まばらに毛が生えるかまたは無毛、先にはわずかに湾曲した嘴を持ち、頸は長さ約3mm。種子は斜め心形、平滑。花期は6~8月。果期は9~12月。
3 Crotalaria albida B.Heyne ex Roth シロタヌキマメ 白狸豆
synonym Crotalaria albida var. albida
synonym Crotalaria albida var. gengmaensis (Z.Wei & C.Y.Yang) C.Chen & J.Q.Li
synonym Crotalaria gengmaensis Z.Wei & C.Y.Yangsynonym Crotalaria leiocarpa Vogel
synonym Crotalaria linifolia Willd.
synonym Crotalaria montana Roxb.
中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、太平洋諸島原産。中国名は响铃豆 xiang ling dou。別名はホザキタヌキマメ。標高200~2800mの開けた山地の森林、草地斜面、遊歩道沿いに生える。
草本植物、短命または多年生、直立~斜上し、高さ10~80cm。茎はときに基部より上で分枝し、たまに基部でのみ分枝し、伏軟毛~開出する細柔毛がある。托葉は針状、微細、脱落性で、ときに明らかに欠落する。葉は単葉、ほぼ無柄。葉身は倒披針形、楕円形、または倒卵形、長さ1~2.5cm×幅0.4~1.2cm、下面には伏剛毛があり(strigose)、上面は無毛、基部は楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は頂生し、しばしば側枝に付き、まれに葉に対生し、長さ20cmまで、花は20~30個つく。苞葉は糸状、長さ約1mm。小花柄は長さ3~5mm。小苞は萼筒の基部に挿入され、苞に似ている。萼は2唇形、長さ4~8mm、深裂する。外側の唇は3裂し、披針形、上側の唇は2裂し、幅が広く鎌形で、先はわずかに鈍形~尖鋭形。花冠は淡黄色。旗弁は楕円形、長さ5~8mm、基部に付属体があり、先は髭状。翼弁は長円形、旗弁とほぼ同長。翼弁は円形、中間から先端にかけて狭まり、捻じれた嘴に伸びる。子房はほぼ無柄。豆果は円筒形、長さ約1cm、萼片よりわずかに突出し、6~12個の種子があり、無毛。花期は5~9月。果期は9~12月。
Flora of Chinaでは2変種に分けているが。POWOでは認めていない。var. albidaは葉身が普通倒披針形で、上側の萼片の先端はわずかに鈍形。var. gengmaensisは葉身が楕円形で、上側の萼片の先端は尖鋭形。
【ヤエヤマタヌキマメとシロタヌキマメの類似性】
ヤエヤマタヌキマメ(クロタラリア・モンタナ)はシロタヌキマメ(クロタラリア・アルビダ)に最も近縁であり、混同されてきた。両種は、微細な脱落性の托葉、総状花序の先端、莢の大きさ、刻み目のある標準的な花弁、莢内の種子数、成熟した莢の色など、形態的に類似点がある。しかしながら、クロタラリア・モンタナとクロタラリア・アルビダは、それぞれ以下の相違があり、明確に区別できる。
匍匐性で斜上性 vs 直立性で傾伏性、葉が狭楕円形~倒披針形 vs 線状長円形~披針形、托葉の有 vs 無、葉が2形性 vs 葉が単形性、花序に5~10個の花が咲き、長さ8~10cm vs 花序に20~25個の花が咲き、長さ10~15cmである、旗弁はほぼ円形で裏面と先端に毛がない vs. 旗弁が倒卵状長円形で裏面と先端に毛がある、旗弁の先端は切れ込む vs 旗弁は丸い、 カルスは薄板状(callosite lamelliformis) vs カルスがうね状(callosite ridge)、竜骨弁は中間より上で捻じれる vs 中間より下で捻じれる、莢は黒色 vs 莢は褐色、莢あたりの種子数は4~8個 vs 8~10個、花柱毛は1列で螺旋状に並ぶ vs 花柱毛は1列で輪生状に並ぶ。
4 Crotalaria assamica Benth. コガネタヌキマメ 黄金狸豆
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、雲南省)、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は大猪屎豆 da zhu shi dou。英名はIndian rattlebox。別名はアッサムタヌキマメ。標高100~3000m以下の山岳草原、歩道沿いに生える。緑肥作物として栽培されたものが野生化し帰化している。
花や果実がクロタラリア・スペクタビリスによく似ている。葉が長さ7.8~16.5㎝、幅2.4~3.6㎝の長楕円形~倒披針形であり、葉表は無毛、葉裏に絹毛がある。葉柄は長さ4~6㎜。托葉は小さい短剣状。花は長さ18~25㎜。苞葉は長さ2.5~3.3㎜の狭三角状。小苞葉は苞葉に似て小さい。萼は短い軟毛が圧着し、筒部は長さ4.5~7㎜、裂片は長さ8~10㎜。花は黄色。旗弁は長さ15~16㎜、側弁は長さ12~13㎜、幅6~7.5㎜。竜骨弁は小さい。果実は長さ3.5~5㎝、暗褐色、短い柄があり、膨れ、約30個の種子が入る。種子は長さ4㎜以下、暗褐色、平滑。
5 Crotalaria breviflora DC. クロタラリア・ブレビフロラ
synonym Crotalaria breviflora var. pohliana (Benth.) Windler & S.G.Skinner
synonym Crotalaria breviflora var. riedelii Taub.synonym Crotalaria divergens Benth.
synonym Crotalaria ferruginea Scheele
synonym Crotalaria pohliana Benth.
synonym Crotalaria regnellii Benth.
ボリビア、ブラジル原産。英名はshortflower rattlebox , Short-flower crotalaria。別名はネコブキラーⅡ。根こぶ線虫対策の緑肥に使用され、ネコブキラーⅡと呼ばれる。
亜低木、茎は直立し、高さ1.5m以下、シュートは直立し、絹毛~軟毛があり、節間に狭い翼がある。托葉は無い。葉は単葉、葉柄は無く、葉身は楕円形~長円状楕円形。 花序に花が少数(pauciflorous)または多数(multiflorous)。総状花序は緩く、頂生または腋生。苞は宿存し、線形~披針形。萼は鐘形、2唇形。花冠は黄色。果実(莢)は長円形または倒卵形、黒色、無毛。種子は褐黄土色(brown ochrea)[Flora do Brasil 2020]。
6 Crotalaria calycina Schrank ガクタヌキマメ 萼狸豆
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は长萼猪屎豆 chang e zhu shi dou。英名はhairy rattlepod, silky-haired rattlepod, hairy crotalaria。標高100~2400m以下の、開けた森林の遊歩道沿いに生える。
1年草または短命の多年草、直立し、高さ30~80cm。枝は円柱形、密に粗い細柔毛がある。托葉は糸状で、長さ約1mm、宿存または脱落する。葉は単葉で、ほぼ無柄。葉身は長円状線形~線状披針形、長さ3~12cm×幅0.5~1.5cm、下面には密に帯褐色の細柔毛があり、上面は中脈上に細柔毛があり、基部は狭く、先は鋭形。総状花序は頂生し、普通は凝縮または頭状で、3~12個の花がつき、しばしば下部の腋生花は単生する。苞は披針形、やや卵状鎌形、長さ1~2cm。小花柄は長さ2~4mm、太い。小苞は萼筒の基部または小花柄の中間または先につき、苞に似ているが短い。萼は2唇形、長さ2~3cm、基部まで深裂し、外側に帯褐色の細柔毛がある。萼片は披針形。花冠は黄色で、萼に含まれる。旗弁は倒卵形~ほぼ円形、長さ1.5~2.5cm、基部に2個の付属体があり、先端に軟毛がある。翼弁は狭楕円形、長さは旗弁とほぼ同長。竜骨弁は長く真っすぐで短く捻じれた嘴がある。豆果は成熟すると黒色、ほぼ円筒形、長さ2~2.5cm、種子は20~30個、無毛。花期は6~9月。果期は10~12月。
7 Crotalaria chinensis L. タイワンタヌキマメ 台湾狸豆
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖南省、江西省、雲南省)、台湾、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は中国猪屎豆 zhong guo zhu shi dou。別名はアコウタヌキマメ。標高100~1000m以下の山地草原に生える。
草本植物、高さ15~60cm、豆果を除いて黄褐色の細柔毛がある。茎は円柱形、基部で分枝する。托葉はない。葉は単葉で、ほぼ無柄。葉身の形は変化に富み、普通は披針形、線状披針形、線形、または長円状線形、長さ2~3.5cm×幅0.4~1cm、下面には密に褐色の粗い細柔毛があるが、葉脈と縁にはより密にあり、上面は無毛またはまばらに細柔毛があり、基部は漸尖し、先は尖鋭形。総状花序は枝先に密集し、1~5個または葉腋に1~2個の花がつく。苞は披針形、長さ3~5mm。小花柄は長さ2~4mm。小苞は萼筒の基部に挿入され、苞に似ている。萼は2唇形、長さ8~10mm、基部まで深裂し、外側の唇は3裂し、線形~線状披針形、内側の唇は2裂し、広披針形。花冠は淡黄色、萼に含まれるか、ほぼ同長さ。旗弁は卵形~円形、長さ7~9mm、基部に2個の付属体がある。翼弁は長円形、長さ7~9mm。竜骨弁は中間から先端に向かって狭まり、ねじれた嘴に伸びる。子房はほぼ無柄。豆果は円筒形、長さ0.8~1.2cm、萼に含まれるか萼から突出し、15~20個の種子をつける。種子は心形、長さ約2.5mm、平滑。花期は6~10月。果期は9~12月。
8 Crotalaria incana L. コウシュンタヌキマメ 恒春狸豆
汎熱帯性、原産地不明。世界に分布する。中国名は圆叶猪屎豆 yuan ye zhu shi dou。別名はケタヌキマメ、インカタヌキマメ。標高100~2000m以下の歩道沿いのまばらな草原に生<える。br> 草本または低木、高さ1mまで。茎は褐黄色の開出する軟毛がある。托葉は針状、長さ2~3mm、遅く脱落する。葉は3小葉、葉柄は長さ3~5cm。小葉柄は長さ1~3mm。小葉は楕円状倒卵形、倒卵形、またはほぼ円形、長さ2~4cm×幅1~2cm、頂小葉は側小葉より大きく、薄く、下面に軟毛がある~ほぼ無毛、上面は無毛、中脈の両側に6~10本の二次脈がある。二次脈と三次脈は下面で明瞭だが上面では目立たず、基部は円形~広楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は頂生または葉に対生し、長さ10~20cm、花は5~15個つく。苞は長さ1~10mm、早落性。小花柄は長さ3~4mm。小苞は萼筒の基部につき、苞に似て、長さ2~3mm。萼はほぼ鐘形、長さ6~8mm、5裂し、軟毛がある。萼片は披針形、萼筒より長い。花冠は黄色で、萼を超えて突出する。旗弁は楕円形、長さ8~10mm、基部に付属体があり、先には普通細柔毛がある。翼弁は長円形、長さ8~10mm。竜骨弁は翼弁とほぼ同長、中間より下は急に丸くなり、嘴はよく発達し、内曲する。豆果は棍棒形、長さ2~3cm×幅0.7~1cm、先端はやや斜め、種子は20~30個、密に錆色の細柔毛がある。柄は長さ約2mm。花期は10~12月。果期は1~2月。
9 Crotalaria juncea L. コブトリソウ 瘤取草
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、江蘇省、陝西省、山東省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は菽麻 shu ma。英名はsunn hemp , Bengal hemp。別名はサンヘンプ、クロタラリア、サンマ、コヤシタヌキマメ。標高100~2000m以下の、登山道沿いのまばらな森林に生育する。茎から繊維を採るための繊維作物(「サンヘンプ」)として熱帯で栽培され、緑肥としても使用される。アフリカ、熱帯・亜熱帯アメリカ、アジア、オーストラリア、パプアニューギニアなどに広く帰化している。
1年草、直立し、高さ50~100㎝。 枝は円柱形、うねがあり、伏した絹毛がある。托葉は線形、長さ約2㎜、早落性。葉は単葉。葉柄は長さ3~5mm。葉身は長円形~線状披針形、長さ6~12㎝×幅0.5~2㎝、両面は直軟毛があるが、下面でより密になり、基部は漸尖し、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生、花が10~20個つく。苞は線形、長さ3~4mm。 小花柄は長さ5~8mm。小苞は萼筒の基部につき、苞より短く、密に毛がある。萼は2唇形、長さ1~1.5㎝、ほぼ基部まで深裂し、密にさび色の毛状突起があり、萼片は披針形、曲がる。花冠は黄色。旗弁は長円形、長さ1.5~2.5㎝、基部に2個の付属体がある。翼弁は倒卵状長円形、長さ1.5~2㎝。竜骨弁はほぼ角(かど)があり、翼弁よりわずかに長い、先は長いわずかに内曲した捻じれた嘴があり、萼を超えて突き出る。豆果はほぼ無柄、円筒形、長さ2~4㎝×幅1.2~1.7㎝、種子が10~15個、さび色の毛がある。種子は平滑か、へその周りにパピラがある。花期は8~12月。果期は1~5月。
10 Crotalaria leioloba Bartl. ナンバンタヌキマメ 南蛮狸豆
synonym Crotalaria ferruginea var. major Benth.
synonym Crotalaria ferruginea Graham ex Benth. 假地蓝 jia di lan
synonym Crotalaria chiayiana T.S.Liu et F.Y.Lu 红花假地蓝 hong hua jia di lan
中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、四川省、台湾、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、バングラデシュ、ブータン、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は假地蓝 jia di lan。標高400~2200mの開けた森林、山地草原に生える。草本植物、直立~斜上し、高さ20~60(~120)cm。枝は黄褐色の開出する細柔毛がある。托葉は披針形~三角状披針形、長さ5~8mm。葉は単葉、葉身は楕円形、長さ2~6cm×幅1~3cm、両面に細柔毛があるが、下面はより密に細柔毛があり、基部はわずかに楔形、先は鈍形~尖鋭形。総状花序は頂生、花が2~6個つく。苞は披針形、長さ2~4mm。小花柄は長さ3~5mm。小苞は萼筒の基部に付く。萼は2唇形、長さ1~1.2cm、基部まで深裂し、密に細柔毛がある。萼片は披針形。花冠は黄色。旗弁は狭楕円形、長さ8~10mm。翼弁は長円形、長さ約8mm。竜骨弁は翼弁とほぼ同長、中間から先端にかけて狭くなり、長く捻じれた嘴へと伸び、萼に含まれるか、またはわずかに突出する。子房はほぼ無柄。豆果は長円形、長さ2~3cm、種子は20~30個、無毛。花期は6~10月。果期は9~12月。
11 Crotalaria linifolia L.f. クロタラリア・リニフォリア
synonym Crotalaria caespitosa Roxb.
synonym Crotalaria diffusa Link
synonym Crotalaria pallida Blanco
synonym Crotalaria pumila Blanco
synonym Crotalaria linifolia var. stenophylla (Vogel) C.Y.Yang
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖南省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、ニコバル諸島、ブータン、ミャンマー、タイ、フィリピン、インドネシア(ボルネオ島、ジャワ島、小スンダ列島、マルク諸島、スラウェシ島)、ニューギニア、ビスマルク諸島原産。中国名は线叶猪屎豆 xian ye zhu shi dou。標高400~2500mの斜面、海岸の砂地、歩道沿いに生える。
1年草または短命の多年草、直立~斜上し、高さ0.5~1m。茎は円柱形で、密に絹毛の軟毛がある。托葉は小さく、脱落性。葉は単葉、葉柄は短い。葉身は線形~長円形、長さ2~5cm×幅0.3~1.5cm、両面に絹毛状の細柔毛があり、上面にはときに中脈に沿ってのみあり、基部は楔形~円形、先は尖鋭形~鈍形、微突形。総状花序は頂生し、長さ10~20cm、多数花がつく。苞は披針形、長さ2~3mm。小花柄は長さ最大2.5mm、小苞は苞に似て、萼の基部に生じる。萼は2唇形、長さ6~7mm、深裂し、密に錆色の細柔毛がある。花冠は黄色、濃色の脈がある。旗弁は長円形~ほぼ円形、長さ5~7mm、縁は基部に細柔毛があり、2個の付属体を持ち、先は微凹形。翼弁は長円形で、長さ6~7mm。竜骨弁は長さ約8mmで、基部付近は±鋭い角(かど)があり、縁には微細な洋毛状毛があり、先は長く伸び真っすぐな捻じれた嘴になる。豆果は菱形~卵形、長さ5~6mm、8~10個の種子があり、無毛、柄はほとんどない。花期は8~10月。果期は11~12月。
Flora of Chinaでは葉が短く先が鈍いもを変種var. stenophyllaとして分けているが、POWOでは認めず、synonmとしている。
12 Crotalaria medicaginea Lam. ミツバタヌキマメ 三葉狸豆
中国(広東省、広西チワン族自治区、四川省、雲南省)、台湾、アフガニスタン、バングラデシュ、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は假苜蓿 jia mu xu。標高100~2800m以下の海岸の砂地、草地斜面、歩道沿いに生える。
草本植物、亜低木、低木、匍匐~直立し、高さ1mまでになる。茎は細く、分枝し、伏した絹毛状の軟毛がある。托葉は糸状で、長さ2~3mm。葉は3小葉、葉柄は長さ0.2~2cm。小葉柄は長さ約1mm。小葉は倒披針形、倒卵状長円形、または卵状長円形で、長さ(1~)2~3cm×幅0.3~1.2cm、外面には密に絹毛があり、上面は無毛、基部は楔形、先は鈍形、切形、または微凹形。総状花序は頂生または葉に対生し、花は多数つく。苞葉は微細。小花柄は長さ2~3mm。萼はほぼ鐘形、長さ2~4mm、5裂し、萼片は広披針形。花冠は黄色。旗弁は楕円形~卵状長円形、長さ3~5mm、基部に2個の付属体があり、先には微細柔毛がある(pilosulose)。翼弁は長円形~倒卵形、長さ3~4mm。竜骨弁は翼弁とほぼ同長で、丸く、中央から先端にかけて狭まり、嘴は長くて捻じれる。子房は無柄。豆果は球形、直径3~5mm、萼に含まれるか、または萼からわずかに突出し、軟毛があり、2種子をもち、先端は短い嘴状。花期は8~10月。果期は11~12月。
12-1 Crotalaria medicaginea var. herniarioides (Wight & Arn.) Baker
synonym Crotalaria herniarioides Wight & Arn.インド原産。
茎は匍匐性。小葉は小さく、縦横比は約1:1。花序柄は短く、1~3個の花がつく。
12-2 Crotalaria medicaginea var. linearis A.E.Holland
クイーンズランド州に分布。季節湿地やユーカリの開けた林、特に小川の土手の砂質土壌に生える。
草本植物、直立し、細く、高さ最大60cm。茎は基部で通常1本。小葉は線形、長さ15~60mm×幅0.5~3mm、縦横比は13~35:1、先は鋭形。托葉は長さ0.5~2mm。総状花序は長さ24cmまで。苞は長さ1~2mm、小苞は長さ0.3~0.5mm。小花柄は長さ1.5~3mm。萼は長さ2~3mm。花は旗弁が卵形、鋭形、長さ5~7mm×幅約5mm。竜骨弁は長さ5~7mm。豆果(莢)は長さ3.5~4.5mm。
12-3 Crotalaria medicaginea var. luxurians (Benth.) Baker
synonym Crotalaria luxurians Benth.
インド、ミャンマー原産。大叶假苜蓿 da ye jia mu xu。標高700〜900mの草地の斜面に生える。
植物は強健、茎は長さ60~90cm。葉柄は1~2cm。小葉は卵状長円形、長さ1~2.5cm×幅1~1.2cm、先は通常、微凹形。総状花序は6~12個の花がつく。
12-4 Crotalaria medicaginea var. medicaginea
中国(広東省、広西チワン族自治区、四川省、雲南省)、台湾、インド、パキスタン、アフガニスタン、湾岸諸国、オマーン、スリランカ、アッサム、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア(ジャワ、小スンダ列島)、ニューギニア、オーストラリア(西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州)原産。中国名は假苜蓿 jia mu xu。標高100~1400m以下の海岸の砂地、歩道沿い、小川の土手、峡谷に生息し、通常は砂質または砂利質の土壌に生える。
草本植物、斜上し、高さ30cmまで。茎は基部近くから多数分枝する。小葉は倒卵形~倒披針形、長さ5~20mm×幅2~8mm、縦横比は2~6:1、先は鈍形、切形または凹形。托葉は長さ1~2mm。総状花序は長さ9cmまで。苞は長さ1~2mm。小苞は長さ0.5~1mm。小花柄は長さ1~2mm。萼は長さ2~3mm。旗弁は卵形、鋭形、長さ3~4.5mm×幅2.5~3.5mm。竜骨弁は長さ3~4.5mm。豆果(莢)は長さ3~4mm。花期と果期は2~9月。
12-5 Crotalaria medicaginea var. neglecta (Wight & Arn.) Baker
synonym Crotalaria neglecta Wight & Arn.synonym Crotalaria medicaginea var. angustata Domin
synonym Crotalaria medicaginea var. australiensis Domin
オーストラリア北部(西オーストラリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州)原産。主にユーカリやアカシアの開けた森林または草原、丘陵地に生える。
草本植物、強健、斜上~直立し、高さ1mに達する。茎は通常、基部で1本。小葉は倒卵形~倒披針形、長さ5~40mm×幅1~10mm、縦横比は2~15:1、先は鈍形、切形、または凹形。托葉は長さ1~5mm。総状花序は長さ最大35cm、花が6~9個つく。苞は長さ1~2.5mm。小苞は長さ0.5~1.5mm。小花柄の長さ1.5~5mm。萼は長さ2.5~4mm。旗弁は卵形~倒卵形またはほぼ円形、鋭形または円形、長さ5~8mm×幅4~6mm。竜骨弁は長さ4~8mm。豆果(莢)は長さ4~5.5mm。花期と果期は1年中。
13 Crotalaria micans Link アメリカタヌキマメ 亜米利加狸豆
synonym Crotalaria anagyroides Kunth
メキシコ、中央アメリカ、南アメリカ原産。中国名は三尖叶猪屎豆 san jian ye zhu shi dou。別名はキダチタヌキマメ。標高100~2400m以下の草原、斜面、歩道沿いに生える。中国南部以南~東南アジア、インド、オーストラリア、アフリカで栽培または帰化している。
草本または低木、高さ2mまで。茎は円柱形で太く、密に錆びた伏軟毛がある。托葉は針状で非常に小さく、宿存性または脱落性。葉は3小葉、葉柄は長さ2~5cm。小葉柄は長さ約2mm。小葉は楕円形~狭楕円形、長さ4~7(~10)cm×幅2~3cm、頂小葉は側小葉より大きく、薄く、両面の脈が明瞭、下面では中脈にまばらに細柔毛があり、上面は細柔毛があり、二次脈は中脈の両側に8~15本、基部は楔形、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生、長さ10~30cm、花が20~30個つく。苞は線形、長さ0.7~1.3cm、脱落性。小花柄は長さ5~7mm。小苞は苞に似ているが小さい。萼はほぼ鐘形、長さ7~10mm、5裂し、密に赤褐色の絹毛がある。萼片は広披針形、萼筒とほぼ同長。花冠は黄色、萼から突出する。旗弁は円形、直径約1.4cm、基部に2個の付属体があり、先は鈍形~微凹形。翼弁は長円形、長さ約1.3cm。竜骨弁は長さ約1cm、中間よりわずかに下で急に丸くなり、嘴はわずかに内曲する。豆果は長円形、長さ2.5~4cm×幅1~1.5cm、種子は20~30個あり、若いうちは密に毛があり、無毛になり、柄は長さ2~4mm。種子は成熟すると黒色になり、斜めの心形、ほぼ平滑である。花期は5~9月。果期は8~12月。
14 Crotalaria montana B.Heyne ex Roth ヤエヤマタヌキマメ 八重山狸豆 広義
synonym Crotalaria linifolia auct. non L.f.日本(久米島、石垣島、西表島)、台湾、インド、スリランカ、ブータン、アッサム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、ニューギニア、アンダマン諸島、オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、西オーストラリア州)原産。英名はMountain Rattlepod。
直立する高さ1mまでの1年草または多年草。茎は伏毛があるかまたはほぼ無毛。葉は単葉で、狭長円形または線形、長さ20~80mm×幅2~7mm、縦:横比は5~24:1。先は鋭形または鈍形、上面は無毛または両面に短い伏毛がある。葉柄は長さ2mmまで。托葉はない。総状花序は長さ10~60cm。花は7~35個つく。苞と小苞は線形、長さ1.5~2.5mm。小苞は萼に付く。小花柄は長さ2~5mm。萼は長さ5~7mm、やや2唇形で毛がある。上唇の萼片は先端近くまで結合する。花冠は萼と同長。旗弁はほぼ円形、先が凹形、長さ4.5~7mm×幅3~6mm、耳があり、淡黄色、脈は赤色を帯び、外面は中脈に軟毛がある。翼弁は長円形、長さ4~7mm、竜骨弁と同長または短い。竜骨弁は長さ5~7.5mm×幅2.5~3.5mm、嘴は捻じれる。豆果(莢)は無柄、ほぼ球形~円筒形、長さ5~12mm×幅4~5mm、無毛、種子が8~16個。種子は長さ1.3~2.7mm、黒色、褐色、または黄緑色。
オーストラリアには2つの変種がある。 14-1 Crotalaria montana var. exserta (Domin) A.E.Holland
synonym Crotalaria exserta Domin
オーストラリア(クイーンズランド州、ノーザンテリトリー)原産。
総状花序は長さ10~60cm。豆果(莢)は円筒形、萼の長さの約2倍あり、長さ8~12mm。
14-2 Crotalaria montana var. montana ヤエヤマタヌキマメ 八重山狸豆
synonym Crotalaria linifolia var. angustifolia Gagnep.synonym Crotalaria formosana Matsum.
synonym Crotalaria lamelliformis Sivaram., Yugandhar & L.J.Singh
synonym Crotalaria montana var. angustifolia (Gagnep.) Niyomdham ヤエヤマタヌキマメ
synonym Crotalaria naikiana Zate日本(久米島、石垣島、西表島)、台湾、インド、スリランカ、ブータン、アッサム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、ニューギニア、アンダマン諸島、オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、西オーストラリア州)原産。道端、荒地、草地などに生える
1年草、高さ30~70㎝。茎は細く、直立し、毛がある。葉は単葉、葉柄は短く、葉身は線形~狭長円状披針形、長さ2~3㎝×幅2~6㎜。花は長い総状花序に多数まばらにつく。花は黄色、長さ10mm以下。萼は長さ約5mm。豆果は広卵状楕円形、黒色に熟し、長さ5~7mm×幅約4㎜、無毛、種子を多数含む。種子は黒色、光沢がある。花期は7~12月。
総状花序は長さ4~30cm。豆果(莢)はほぼ球形~菱形、長さ5~8mm、萼よりわずかに長い。[オーストラリア]
Niyomdham (1978) は、タイ産の C. montana の2つの変種について報告している。a. var. montana は萼と旗弁拡大部は長さが8~9mm、b. var. angustifolia は萼と旗弁拡大部の長さが5~7mmである。この分類によれば、オーストラリア産の標本は C. montana var. angustifolia と正しく同定される。 草本植物は高さ40~80cm、直立する。若い枝は円柱形、褐色の毛がある。托葉は狭線形、長さ約1mm、脱落性。葉は単葉、長円形、倒卵形または倒披針形、長さ1.1~5.2cm×幅3~2.2cm、先は鋭形または円形、基部は鈍形、縁は全縁、上面は白色の微軟毛があり、下面は褐色の毛がある。葉柄は長さ0.5~2mm、側脈は目立たない。花序は頂生まれに腋生で、開いた総状花序であり、長さ4~11[4~30:オーストラリア]cm。花序柄は長さ7~8mm、褐色の毛がある。苞は狭線形、長さ2~3mm、宿存する。小苞は萼筒に挿入され、狭線形、長さ4~6mm、宿存する。小花柄は長さ1~2mm、褐色の毛がある。萼は長さ7~9mm、鐘形、2唇形。萼筒は長さ1~2mm、萼片は三角形、長さ6~7mm、内面は無毛、外面には褐色の軟毛がある。花冠は黄色、旗弁は倒卵形、長さ5~5.5mm×幅7~7.5mm、先は凹形、基部は鈍形、縁は無毛、爪部は長さ1~1.2mm、無毛、縁だけに白色の綿毛がある。翼弁は楕円形、長さ5.8~6mm×幅2.5~3mm、先は鈍形、基部は斜め、縁は無毛、爪部は長さ0.8~1mm、無毛。竜骨弁は披針形、長さ8~8.5mm×幅4~4.5mm、嘴はねじれ、先は漸尖し、基部は丸く、縁には白色の軟毛があり、爪部は長さ約0.5mm、無毛。雄しべは花糸が基部1.3~1.5mmで融合し、先端2~4mmは自由。葯は狭線形、長さ1~1.3mm、または長円形で長さ約0.1mm。子房は無柄、長円形、長さ2~2.2mm、無毛。花柱は長さ9~10mm、内側は白色の毛が先端縁に沿って一列に並び、外側は無毛。豆果(莢)は無柄、楕円形、長さ3~4[5~8:オーストラリア]mm×幅2.8~3mm、褐色~黒色、無毛。種子は腎形、長さ2~2.8mm×幅1.5~2.2mm、褐色。[e-Flora of Thailand]
15 Crotalaria pallida Aiton オオミツバタヌキマメ 広義
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖南省、山東省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、インド、アンダマン諸島、ニコバル諸島、コモロ、スリランカ、アッサム、パキスタン、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、アフリカ(アンゴラ、カメルーン、ギニア、ギニアビサウ、東ギニア湾、マリ、コートジボワール、ケニア、ベナン、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、チャド、ブルンジ、コンゴ民主共和国、赤道ギニア、スワジランド、エチオピア、ガボン、ガンビア、ガーナ、リベリア、マラウイ、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、スーダン・南スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ、モザンビーク、南アフリカ、マダガスカル、)原産。中国名は猪屎豆 zhu shi dou。別名はキバナハギ。標高100~1100mの草原、撹乱された砂地に生える。熱帯地域全域に生息する非常に有害な雑草であり、家畜に対して有毒である可能性が疑われている。
多年草。枝は円柱形で、うねがあり、密に伏毛がある。托葉は針状で非常に小さく、脱落性。葉は3小葉、葉柄は長さ2~4cm。小葉柄は長さ1~2mm。小葉は長円形~楕円形、長さ3~6cm×幅1.5~3cm、下面にはまばらに絹毛があり、上面は無毛、両面の脈は明瞭、基部は広楔形、先は鈍形~微凹形。総状花序は頂生、長さ約25cm、花が10~40個つく。苞は線形、長さ約4mm、脱落性。小花柄は長さ3~5mm。小苞は萼筒の基部に挿入され、苞に似ており、長さ約2mm。萼はほぼ鐘形、長さ4~6mm、5裂し、密に毛がある。萼片は三角形、萼筒とほぼ同長。花冠は黄色で、萼片から突出する。旗弁は円形~楕円形、直径約1cm、基部に2個の付属体がある。翼弁は長円形、長さ約8 mm、基部に縁毛がある。竜骨弁は長さ約1.2cm、やや浅く丸みを帯び、基部にわずかに細柔毛がある。嘴は細く、ほぼ突出している。子房はほぼ無柄。豆果は長円形、長さ3~4cm×幅0.5~0.8cm、種子数は20~30個、若いうちは細柔毛があるが無毛になる。花期は9~10月。果期は11~12月。
15-1 Crotalaria pallida Aiton var. obovata (G.Don) Polhill オオミツバタヌキマメ 大三葉狸豆
synonym Crotalaria falcata Vahl ex DC.synonym Crotalaria obovata G.Don
synonym Crotalaria trifoliastrum Willd.
synonym Crotalaria mucronata Desv.
台湾、インド、アンダマン諸島、ニコバル諸島、コモロ、ネパール、ブータン、ミャンマー、アフリカ(アンゴラ、ベナン、ブルンジ、コンゴ、コンゴ民主共和国、エチオピア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニア湾、コートジボワール、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ニジェール、セネガル、スーダン南スーダン、トーゴ、ザンビア)原産。海岸砂地、低木地、砂質土壌、山地森林、湖周辺の乾燥した砂浜に生える。
亜低木または低木、直立、枝分かれし、高さ1~2.5m。小枝はわずかに溝があるか円筒形、伏せた微細綿毛~微軟毛があり、毛は帯黄色。葉は複葉、3~4小葉。托葉は剛毛状(setaceous)で、長さ0.2~0.5(4)mm、脱落性。葉柄は長さ1~7cm、溝があり、伏した微軟毛がある。小葉は小葉柄を含めて、長さ1~3mm、綿毛~微細綿毛がある。葉身は倒披針形、倒卵形、基部は鋭い楔形、先は円形で小突起があるかまたは凹形、長さ2~7(10)cm×幅0.8~4.5(7)cm、紙質~ほぼ革質、上面は無毛、下面には顕著な微軟毛があり、葉脈と細脈はやや透明で拡大すると見え、下面では2次脈が目立つ。総状花序は頂生、対生し、長さ10~35cm、±密、花が多数あり、伏した綿毛がある。苞は糸状、長さ±4(7)mm、±早く脱落する。花は黄色またはわずかに褐色の条線があり、長さ1~1.5cm×幅約1cm。小花柄は長さ4~5(8)mm、軟毛がある。小苞は萼の基部に挿入され、糸状、長さ±1mm。萼は花冠より短く、軟毛~微軟毛がある。萼筒は基部で切形、長さ2~3mm。萼片は三角状披針形、狭い尖鋭形、長さ3~5mm。旗弁は竜骨弁より短く、楕円形、基部が切形、先は漸尖して円形で、長さ8~9mm×幅7mm、無毛、±褐色の条線があり、ほぼ球形の付属体があり、内側に綿毛のある長さ3mmの爪部がある。翼弁は竜骨弁より短く、長円状披針形、約・長さ7mm×幅3mm、わずかに湾曲し、無毛または腹側の縁には基部に向かって綿毛があり、長さ約5mmの、縁毛のある爪部がある。竜骨弁は長さ4mm、鎌状に湾曲し、長い嘴は約。長さ12mm×幅5mm、±条線があり、腹側の縁の下半分には綿毛があり、背側の縁には基部に向かって綿毛がある。嘴は捻じれず、先は鋭くわずかに湾曲している。雄しべは溝があり、長さ約5mm。花糸は長さ3~6mm。小さな葯は長さ0.6mm、大きな葯は長さ2~2.5mm。子房は長円形、長さ5mmで綿毛があり、綿毛のある中肋がある。柄は長さ3mm、無毛。花柱は湾曲し、長さ10~13mm。胚珠は42~50個。豆果は線状長円形、±湾曲し、長さ3~4.5cm×幅0.6~0.8cm、伏軟毛~無毛。柄は長さ2~3mm。種子は約25個、直径約2.5mm。[Flora of Central Africa Source]
15-2 Crotalaria pallida var. pallida
synonym Crotalaria brownei Bertero ex DC.
synonym Crotalaria fertilis Delile
synonym Crotalaria hookeri Arn.
synonym Crotalaria javanica Jungh.
中国(海南島)、台湾、インド、アンダマン諸島、ニコバル諸島、スリランカ、アッサム、パキスタン、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、アフリカ(アンゴラ、ベナン、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ民主共和国、コンゴ民主共和国、赤道ギニア、スワジランド、エチオピア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ諸島、コートジボワール、ケニア、リベリア、マラウイ、マリ、モザンビーク、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、スーダン・南スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ、マダガスカル)原産。中国名は猪屎豆 zhu shi dou。ネパール、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア、中央アメリカ、南アフリカなどに帰化している。別名はキバナハギ。標高0~1500mのサバンナ、道端、休耕地、耕作地、その他に生える。
直立する草本植物、高さ1~2.5m。茎はよく分枝する。托葉は早落性、糸状、長さ3mm以下、または無い。葉:葉柄は長さ20~85mm。小葉は3個つき、葉身は楕円形、長さ6~13cm×幅2.5~7cm、先は鋭形~円形、微突形、上面は無毛、下面には伏した微軟毛が散在する。花序は頂生または腋生の総状花序、長さ15~30cm、先端に向かってやや密生し、花序柄は長さ5~12cm。苞は開花前に脱落し、線形、長さ3mm以下。花:小苞は萼の基部につき、脱落性、長さ2~3mm。小花柄は長さ約7mm。萼は基部で切形となり、小花柄に対して反り返り、長さ6~7.5 mm、±密に毛がある。萼片は三角形で尖鋭形、萼筒と±同長またはそれ以上である。旗弁はほぼ楕円形、長さ12~15 mm、黄色で赤褐色の脈がある。翼弁は竜骨弁よりはるかに短く、竜骨弁は中央で湾曲し、長さ12~15 mm、嘴があり、黄緑色、褐色または紫色の脈が目立つ。豆果は短い柄があり、ほぼ円筒形で、長さ4~5cm×幅0.6~0.8cm、微軟毛がありまたは無毛になり、30~40個の種子を含む。種子は斜めの心形、長さ約2.5~3.5mm×幅約3mm×厚さ1.5mm、平滑またはパピラがあり、帯褐色。[Flora of Gabon]。
16 Crotalaria quinquefolia L. ハウチワタヌキマメ 葉団扇狸豆
synonym Crotalaria anisophylla Urb.
synonym Crotalaria ekmanii Windler & S.G.Skinner
synonym Crotalaria heterophylla L.f.
synonym Crotalaria urbaniana H.Senn
インド、スリランカ、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、スマトラ、スラウェシ、マルク諸島、レッサースンダ諸島)、ニューギニア、ビスマルク諸島、ソロモン諸島、オーストラリア(クイーンズランド州、西オーストラリア州、北部準州)原産。英名はfive-leaf crotalaria。標高1500mまでの常緑樹林に生える。
草本植物は高さ0.7~1.5m、直立する。若い枝は角張り、白色の毛が生える。托葉は狭線形、長さ2~4mm、宿存する。葉は掌状(4~)5小葉、葉柄は長さ1.5~5.7cm、褐色の毛が生える。小葉は長円形または倒披針形、長さ1.3~9cm×幅0.3~1.5cm、先は鈍形または凹形、基部は楔形、縁は全縁、上面は無毛、下面には銀色の毛が生え、側脈は4~10対で目立たない。小葉柄は長さ0.2~1mm。花序は頂生または腋生、開いた総状花序で長さ4~22cm。花序柄は長さ2~10cm、銀色の毛が生える。苞は後屈し、披針形、長さ8~1.2mm×幅1.8~2mm、宿存する。小苞は小花柄に付き、狭線形、長さ0.5~2mm、宿存する。小花柄は長さ7~10mm、無毛。萼は長さ9~11mm、鐘形、2唇形。萼筒は長さ5~6mm、萼片は三角形、長さ4~5mm、内面は無毛、外面には銀色の軟毛がある。花冠は黄色。旗弁は倒卵形、長さ14~15mm×幅15~17mm、先は円形、基部は楔形、縁は無毛、爪部は長さ2~3mm、上部と縁に沿って白い綿毛があり、下部は無毛。翼弁は楕円形または卵形、長さ12~14mm×幅9.5~10mm、先は鈍形、基部は斜め、縁は無毛、爪部は長さ5~6mm、先端には白色の綿毛があり、下面は無毛、縁には白色の微軟毛がある。竜骨弁は卵形、長さ10~11mm×幅8~8.5mm、嘴は捻じれ、先は漸尖し、基部は斜めで白色の綿毛があり、縁には白色の微軟毛があり、爪部は長さ4.5~5mm、上面と縁に沿って白色の綿毛があり、下面は無毛。雄しべ:花糸は基部10~13mmで融合し、先端5~8mmが遊離する。葯は狭線形、長さ2~2.5mm、または長円形で長さ0.8~1mm。子房は柄があり、長円形、長さ6.5~7mm、無毛。花柱は長さ12~13mm、上部の縁に2本の線状に白色の毛が生える。柄は長さ3~3.5mm。豆果は長円形、長さ4.7~5.5cm×幅1.5~2cm、褐色、無毛。柄は長さ7~10mm。種子は腎形、長さ4~5cm×幅3~3.5mm、褐色。
17 Crotalaria retusa L. クロタラリア・レテューサ
中国(広東省、海南省)、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、熱帯アメリカ、南西アジア、太平洋諸島原産。中国名は吊裙草 diao qun cao。英名はdevil-bean , rattleweed , shack shack , wedge-leaf rattlepod。山地の草原、海岸砂地に生える。
草本植物、直立性、高さ60~120cm。枝は円柱形で、毛がある。托葉は錐形、長さ約1mm。葉は単葉、葉柄は長さ2~4mm、葉身は長円形~倒披針形、長さ3~8cm×幅1~3.5cm、下面にはわずかに毛があり、上面は無毛、両面で脈は明瞭、基部は楔形、先は微凹形。総状花序は頂生し、花は10~20個つく。苞は披針形、長さ2~3mm。小花柄は長さ3~5mm。小苞は小花柄の先端部につき、糸状、極めて小さい。萼は2唇形、長さ1~1.2cm、まばらに毛がある。萼片は広披針形。花冠は黄色、旗弁はほぼ円形~楕円形、長さ1~1.5cm、基部に2個の付属体がある。翼弁は長円形、長さ1~1.5cm。竜骨弁は翼弁とほぼ同長、中央から先端にかけて細くなり、萼を超えて突出する長く捻じれた嘴へと伸びる。豆果は長円形、長さ3~4cm×幅1~1.8cm、種子は10~20個、無毛、柄は約2mm。花期は10~12月。果期は1~4月。
18 Crotalaria sessiliflora L. タヌキマメ 狸豆 広義
synonym Crotalaria brevipes Champion ex Bentham.
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、河北省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、遼寧省、山東省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、アッサム州、パキスタン、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(ジャワ、小スンダ諸島、マルク諸島、スラウェシ島、スマトラ島、)、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド州)原産。中国名は野百合 ye bai he。英名はrattlebox。低地の草地に生える。
1年草または短命の多年草、直立し、高さ(20~)30~100cm。茎は下部から分岐することが多く、円柱形で、密に粗毛がある。托葉は線形、長さ2~3mm、宿存または早落性。葉は単葉、葉柄はほとんどない。葉身は形が様々で、通常線形~線状披針形、長さ3~8[~15]cm×幅0.5~1cm、下面は密に絹毛があり、上面は無毛、基部は漸尖し、先は尖鋭形。総状花序は頂生または葉に対生、または枝先に密に密集して頭状、花は少数~多数、または葉腋に単生する。苞は線状披針形、長さ4~6mm。小花柄は長さ約2mm。小苞は萼筒の基部に挿入され、苞に似る。萼は2唇形、長さ1~1.5cm、著しく長い帯褐色の細柔毛がある。外側の萼片は披針形~三角状披針形、幅は2.5mm以下、長さの約1/4が合着する。内側の裂片は幅約4mmで、長さの約1/3で合着し、先端は長い尖鋭形。花冠は青色~紫青色または淡黄色、萼よりわずかに短い。旗弁は長円形、長さ7~10mm×幅4~7mm、外側は中脈に沿ってまばらに伏剛毛があり(strigose)、基部に2個の付属体があり、先は鈍形~微凹形。翼弁は長円形~線状長円形、旗弁より短い。竜骨弁は旗弁とほぼ同長、中間より下で鋭く曲がり、内側の縁は下部に羊毛状毛があり、先端は真っすぐで捻じれた嘴に伸びる。子房はほぼ無柄。豆果は次第に暗色になり、円筒形、長さ約1[~1.5]cm、萼にほぼ包まれ、10~15個の種子をもち、無毛。花期は5~11月。果期は10~2月。谷間の草原、歩道沿い。標高100~1600m以下。[Flora of Chinaの解説]
18-1 Crotalaria sessiliflora subsp. hazarensis Ali
インド、パキスタン、ネパール、アッサム原産。
葉が短く、長さ3.5cm以下。果実は長さ約1cm。萼に毛が少ない。花期は9月。[Flora of Pakistan]。
18-2 Crotalaria sessiliflora subsp. sessiliflora タヌキマメ 狸豆
synonym Crotalaria anthylloides Lam.
synonym Crotalaria brevipes Champ. ex Benth.
synonym Crotalaria burmanica Collett & Hemsl.
synonym Crotalaria eriantha Siebold & Zucc.
synonym Crotalaria inflata Buch.-Ham. ex Steud.
synonym Crotalaria napaulensis DC.
synonym Crotalaria nepalensis Link
synonym Crotalaria oldhamii Miq.
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、アッサム州、パキスタン、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(ジャワ、小スンダ諸島、マルク諸島、スラウェシ島、スマトラ島、)、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド州)原産。中国名は野百合 ye bai he。英名はrattlebox。
直立性の1年草、通常は分枝し、葉の上面を除いて伏した長い褐色の絨毛を持つ。茎は長さ20~70cm、円柱形。葉は1小葉(単葉)で、ほぼ無柄、広線形~披針形、長さ4~10cm×幅3~10mm、鋭形~鈍形。托葉は線形、長さ3~5mm。花は青色で、頂生の穂状花序につく。苞は線形、長さ5~8mm。萼は赤褐色(rusty-brown)の絨毛を持ち、花後に大きくなり、卵形、長さ10~15mm。花弁は長さ約10mm、萼よりわずかに短い。旗弁は円状倒卵形、爪部があり、拡大部には下半分の中央近くに濃色の条線があり、翼弁は水平。竜骨弁は白色で嘴は青色になり、背面の中央より下は凸面形、縁には帯褐色の絨毛があり、長さ7~8mm。花柱は真っすぐで、片側に短い伏毛がある。豆果は萼の中に包まれ、長円形で、長さ10~12mm、無毛、裂開する。花期は7~9月[Flora of Japan 1953]。2n=12, 14。
【Flora of Pakistanの解説】
1年草、高さ30~60cm。枝には軟毛があり、絹毛がある。葉は単葉で、長さ約4.6~15cm、線形~披針形、先は鋭形、上面は無毛、下面には薄く絹毛がある。托葉は微細。花序は総状花序、長さ25cmまで、花は2~20個つき、まれに単生する。苞と小苞葉は長く、剛毛状、。萼は長さ約10~13mm、褐色の絹毛があり、萼歯は鋭形。花冠は白色、突出しない。果実は長さ約1.5cm、無毛、無柄で、10~15個の種子がある。花期は9月
19 Crotalaria similis Hemsl. ガランビタヌキマメ
台湾原産。中国名は屏东猪屎豆 ping dong zhu shi dou。海岸付近の砂質土壌、または海面付近に生える。
草本植物、匍匐性、長さ5~20cm、絹毛状軟毛が密にある。托葉はない。葉は単葉、葉柄は非常に短い。葉身は卵形~楕円形、長さ3~8mm×幅2~4mm、下面に絹毛状の軟毛が密にあり、上面は無毛、基部は鈍形、先は鋭形。総状花序は頂生し、短く、(1~)3~5個の花がつく。苞は披針形。小花柄は長さ3~5mm。小葉は萼筒の基部につき、苞葉に似る。萼は2唇形、長さ約6mm、極密に、絹毛状の軟毛があり、外側の唇は3萼片が披針形、上側の唇は2萼片が広披針形。花冠は明るい黄色、旗弁は長円形~ほぼ円形、長さ約6mm、先には髭がある。翼弁長円形、長さは旗弁とほぼ同長。竜骨弁は旗弁よりわずかに長く、上向きに湾曲し、嘴はやや鈍い。子房はほぼ無柄。豆果は円筒形、長さ約1cm、種子は10~20個。花期は5月。
20 Crotalaria spectabilis Roth クロタラリア・スペクタビリス
synonym Crotalaria alatipes Raf.
synonym Crotalaria leschenaultii Macfad.
synonym Crotalaria lupiniflora Graham
synonym Crotalaria lupinifolia Steud.
synonym Crotalaria macrophylla Weinm.
synonym Crotalaria retzii Hitchc.
synonym Crotalaria sericea Retz.
中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、湖南省、江蘇省、江西省、雲南省、浙江省)、台湾、バングラデシュ、インド、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ原産。中国名は大托叶猪屎豆 da tuo ye zhu shi dou。英名はshowy rattlebox ,showy crotalaria。アフリカ、マダガスカルで栽培され、帰化している。別名はオオコガネタヌキマメ、オオバタヌキマメ、ネマキング。畑地、牧草地、荒地、道端に生える。栽培しているものが、道端に逸出する。センチュウ被害を抑制できる夏撒きの緑肥として使用される丸葉のクロタラリアであり、緑肥の品種にはネマキング、ネマクリーンがある。細葉のクロタラリアはサンヘンプ Crotalaria junceaであり、緑肥としての品種にコブトリソウ、ネコブキラーがある。
1年草。高さ(50~)60~150(~200)㎝。茎は無毛、直立して分枝し、枝は円柱形、無毛、緑色又は紫色を帯びることがある。托葉は卵状三角形、長さ長さ4~8(~10)㎜。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ2~8mm。葉身は長さ(5)7~15㎝×幅2~5cm、倒披針形~狭楕円形、薄く、下面に伏した絹毛があり、上面は無毛、基部は広楔形、先は鈍形で微突形。総状花序は頂生し、花が20~30個つく。苞は特徴ある卵状三角形、長さ7~12mm×幅5~9㎜。小花柄は長さ1~1.5cm。小苞は小花柄の中間または頂部に挿入され、長さ約1mmの線形。萼は2唇形、長さ1.2~1.5cm、無毛。萼片は広披針状三角形、萼筒より長い。花は蝶形花、派手(showy)で大きく幅約2.5㎝までになる。花冠は淡黄色~黄色。旗弁の基部に紫赤色~褐色の脈があり、ほぼ円形~長円形、長さ1~2(2.5)cm、基部には2個の付属体があり、先は鈍形~凹形。翼弁は倒卵形で長さ約2cm。竜骨は中央付近で丸みを帯び、萼から突き出るかなり短くわずかに内曲した捻じれた嘴を持つ。豆果は広長円形~長円形、長さ2.5~3(~5)cm×幅1.5~2cm、種子は20~30個、短柄で無毛、緑色で黒色の筋があり、熟すと褐色~黒色になり、中の種子が離れて振ると音がする。種子は平滑。花期は7~10月。果期は10~12月。
21 Crotalaria trichotoma Bojer アフリカタヌキマメ 阿弗利加狸豆
synonym Crotalaria zanzibarica Benth.
アフリカ東部原産。中国名は光萼猪屎豆 guang e zhu shi dou。英名はcurara-pea。中国、台湾、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、ベトナムに帰化している。標高100~2000mの草原、歩道沿いに生える。
草本または低木、高さ2mまで。枝は円柱形、うねがあり、毛がある。托葉は錐形、長さ約1mm。葉は3小葉、葉柄は長さ3~5cm。小葉柄は長さ約2mm。小葉は狭楕円形、長さ6~10cm×幅1~2(~3)cm、下面に毛があり、上面は無毛、基部は楔形、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生し、長さ約20cm、花が10~20個つく。苞は線形、長さ2~3mm。小花柄は長さ3~6mm。小苞は小花柄の上半分につき、形は苞に似ているが短い。萼はほぼ鐘形、長さ4~5mm、5裂する。萼片は三角形、萼筒とほぼ同長、無毛からまばらに毛がある。花冠は黄色で、萼を超えて突出する。旗弁は円形、直径約1.2cm、基部に2個の付属体があり、先には芒がある。翼弁は長円形、旗弁とほぼ同長。竜骨弁は長さ約1.5cm、わずかに丸く、中央から先にかけて狭まり、基部にわずかに毛があり、嘴はかなり長い。子房はほぼ無柄。豆果は円筒形、長さ3~4cm×幅0.7~1.2cm、種子を50~70個もち、無毛、花柱と萼は宿存する。種子は橙黄褐色(orangish buff)~素焼き色(terra-cotta-colored:赤褐色)、腎形、平滑。花期は4~8月。果期は9~12月。
22 Crotalaria triquetra Dalzell ミツカドタヌキマメ 三角狸豆
台湾、インド、インドネシア、スリランカ原産。中国名は砂地野百合 sha di ye bai he。標高300m以下の開けた草原、荒地に生える。
1年草、直立または斜上し、高さ50cmまでになる。枝は3角(かど)があり、毛がある。托葉は線状披針形、長さ約3mm、早落性。葉は単葉、葉柄は長さ約1mm、葉身は楕円状長円形、長さ2~3cm×幅0.7~1cm、上面には透明な細点があり、二次脈は中脈の両側に7または8本あり、基部は円形、先は鈍形。総状花序は頂生または葉に対生し、1~3個の花がつく。小花柄は萼とほぼ同長。萼は2唇形、長さの約1/2まで分裂し、毛がある。萼片は三角状披針形。花冠は淡黄色、長さ1~1.2cm、萼より長い。竜骨弁は翼弁とほぼ同長で、基部付近は角張り、嘴は真っすぐで捻じれる。豆果は円筒形、長さ約2cm、種子が約16個入り、軟毛がある。
23 Crotalaria uncinella Lam. エダウチタヌキマメ 枝打ち狸豆 広義
中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省)、台湾、南シナ海、インド、アンダマン諸島(インド領、ミャンマー領)、マレーシア、タイ、ベトナム、アフリカ(モザンビーク、タンザニア)、マダガスカル、レユニオン島(フランス領)原産。別名はダエンタヌキマメ。23-1 Crotalaria uncinella subsp. uncinella
synonym Crotalaria fischeri Taub.
synonym Crotalaria glabra Pers. ex Steud.
synonym Crotalaria madecassa R.Vig.
synonym Crotalaria splendens Vogel
synonym Crotalaria vachellii Hook. & Arn.
アフリカ(モザンビーク、タンザニア)、マダガスカル、レユニオン島原産。標高450~1100mの乾燥した草原、森林の縁、岩山、露頭に生える。
亜低木または低木。茎は褐色~淡褐色のビロード状の毛(短軟毛)が密生し、高さ0.5~3(~5)mになる。托葉は目立たず、しばしば毛に覆われる。小葉の大きさと被毛は多様。総状花序は花が密に多数つく。花は大きく、黄色から橙色に変わる。竜骨弁は長さ0.9~1.1㎝。豆果(莢)は長さ8~11㎜、1~2個の種子が入る。
23-2 Crotalaria uncinella Lam. subsp. elliptica (Roxb.) Polhill エダウチタヌキマメ 枝打ち狸豆
synonym Crotalaria elliptica Roxb.中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省)、台湾、南シナ海、アンダマン諸島、マレーシア、タイ、ベトナム原産。中国名は球果猪屎豆 qiu guo zhu shi dou。標高100~1100m未満の山地、山道沿いに生える。
草本植物、高さ2mまで、ときに這うまたは垂れ下がる。茎は円柱形、無毛。托葉は卵状三角形、長さ1~1.5mm。葉は3小葉、小葉柄は長さ約1mm。小葉は楕円形、長さ1~3cm×幅0.8~1.5cm、下面に毛があり、上面は無毛、中脈は下面に隆起し、基部は楔形、先は鈍形で微突形またはときに微凹形。総状花序は頂生または葉に対生し、花は10~30個以上つく。苞は卵状三角形、長さ約1mm。小花柄は長さ2~3mm。小苞は萼筒の基部に生じ、苞に似ている。萼はほぼ鐘形、長さ3~4mm、5裂し、密に毛がある。萼片は広披針形、萼筒とほぼ同長。花冠は黄色、萼より突出する。旗弁はほぼ円形~楕円形、長さ約5mm。翼弁は長円形、旗弁とほぼ同長。竜骨弁は長さ5~6mm、旗弁より長く、強く丸みを帯び、先には短くまっすぐな嘴を持つ。子房はほぼ無柄。豆果は卵形、長さ6~7mm、種子は2個、軟毛がある。種子は褐色。花期は8~10月。果期は11~12月。
24 Crotalaria verrucosa L. オオバタヌキマメ 大葉狸豆
中国(広東省、海南省)、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は多疣猪屎豆 duo you zhu shi dou。英名はblue-flower rattlepod 。アフリカ、南北アメリカに帰化している。標高100~200mの草原、まばらな森林に生える。
草本植物、直立性、高さ50~100cm。枝は4稜があり、無毛。托葉は葉状、卵状鎌形、長さ5~8mm。葉は単葉、葉柄は長さ3~5mm。葉身は卵形~楕円形、長さ10~15cm×幅3~5cm、薄い膜質、下面に密に毛が生え、上面は無毛、基部は広楔形、先は尖鋭形。総状花序は頂生し、花が10~20個つく。苞は線形、長さ約1mm。小花柄は長さ3~4mm。小苞は小花柄の中央から先端に挿入される。萼はほぼ鐘形、長さ8~10mm、5裂する。萼片は披針形、萼筒よりわずかに長い。花冠は淡黄色、白色、またはしばしば青みがかる。旗弁は円形~倒卵形、長さ1~1.8cm、基部に2個の付属体を持つ。翼弁は長円形、長さ1~1.6cm。竜骨弁は翼弁とほぼ同長、萼から突出し、丸く、内曲し、やや短い捻じれた嘴を持つ。子房はほぼ無柄で、先端部に細柔毛がある。豆果は長円形で長さ2~4cm、種子は10~12個あり、軟毛がある。種子はほぼ平滑~パピラがあり、光沢がある。花期は8~10月。果期は11~12月。
参考
1) Flora of ChinaCrotalaria
Crotalaria
Crotalaria
Crotalaria
Crotalaria
A review of Crotalaria L. (Fabaceae: Crotalarieae) in Australia
Crotalaria montana 313-324
Taxonomic notes and synonymy in Crotalaria montana (Fabaceae: Crotalarieae)