タイミンタチバナ 大明橘
Flora of Mikawa
サクラソウ科 Primulaceae タイミンタチバナ属
別 名 | ヒチノキ、ソゲキ |
中国名 | 密花树 mi hua shu |
学 名 | Myrsine seguinii H.Lév |
花 期 | (3~)4月 |
高 さ | 2~7(10)m |
生活型 | 常緑小高木 |
生育場所 | 山地の林内、林縁 |
分 布 | 在来種 本州(千葉県以西)、四国、九州、中国、台湾、ミャンマー、ベトナム |
撮 影 | 田原市 15.4.9(花) 13.12.11(果実) |
新分類(APG)ではヤブコウジ科はサクラソウ科へ含められた。
幹は紫色を帯びた灰褐色~灰青色、いぼ状の皮目がある。葉は互生し、長さ5~12(17)㎝、幅1~3(6)㎝の倒披針形~線状長楕円形、全縁、先は尖り、基部は楔形。葉表は革質で光沢があり、葉裏は淡緑色、主脈が隆起し、側脈は不明瞭。葉柄は長さ(2)9~15㎜。雌雄別株。葉腋又は葉痕腋に花を3~10個束生する。小花柄は長さ2~4(7)㎜。花冠は淡黄色、直径3~4㎜、5裂する。裂片は卵形、平開し、やや反り返り、しばしば赤紫色を帯び、暗紫色の斑点がある。雄花は雌しべが退化し、雄しべは5個、花糸は短く、葯が大きく目立つ。雌花は花柱が太く、柱頭は舌状。萼片は5個、長さ0.8~1㎜。果実は直径(4)5~6㎜の球形の核果、12月頃に黒紫色に熟し、春まで見られる。核は1個、直径約4㎜の球形、両端が小さく尖る。2n=46。
シマタイミンタチバナ Myrsine maximowiczii は小笠原諸島の固有種であり、雌しべの柱頭が卵形。
低木又は高木、雌雄同株又は雌雄異株[雌雄混株]、多肉では無く、[密に毛があり] 無毛。葉は常緑、互生し、単一形。葉柄がある。葉身は楕円形、長円形、倒卵形、又は倒披針形、基部は漸尖形~円形、縁は全縁、外巻き、先は鋭形~円形、しばしば凹毛、表面は無毛。花序は側生(腋生) 、密散花序(束生) [散形花序]、無柄又はほぼ無柄、葉柄より短い。花序柄は花後に大きくなり、短シュートを作る。苞は宿存性。花柄は有る[無い]。花は[両性] 単性。萼片は4~6個、緑色。萼片は三角径~卵形、±咢筒と同長。壁は[4~]5[~6]個、花冠は緑色~白色~ピンク色、盃形(cupuliform)~鐘形、花冠裂片は筒部より長く、先は鋭形。雄しべは4~6本。花糸は分離又は基部が合着(筒を作る)。仮雄しべがある。柱頭は円錐形、3~5裂。果実は核果、緑色~黒色、球形[類球形、楕円形、卵形、倒卵形、又は類卵形]、外果皮はやや肉質、内果皮は皮が硬く又は革質。種子は1個、白色~黒色、球形~中央が凹み、普通、胎座の膜質の残物で被われる。 世界に約300種があり、汎熱帯性。
中国(甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、南西アジア、アゾレス諸島(マカロネシア)、アフリカ原産。中国名は铁仔 tie zai。英名はAfrican boxwood。標高1000~3600mのまばらな混交林、開けた山の斜面、日当たりの良い乾燥した場所、低木地、野原、道端に生える。
低木、高さ50~100㎝。小枝は円柱形、直径0.5~2㎜、帯赤色の腺顆粒と微軟毛があり、頭状の毛状突起があり、しばしば無毛になる。葉柄はへりにつき、長さ1~2.5mm、強く沿下する。葉身は倒卵形~円形、長さ1~5㎝×幅0.7~1.6㎝、紙質又は革質、無毛、下面に小さな細点(punctate)があり、基部はくさび形、縁は鋸歯縁、先は鈍形~円形、側脈は不明瞭、縁脈は無い。花序は腋生、類散形花序又は密散花序(fascicled)、基部の鱗片は1列につく。花は黄白色、長さ2~2.5mm、4-数性。花柄は長さ0.5~1.5mm、無毛又は腺のある微軟毛がある。萼片は広がり、離生に近く、広卵形~楕円形、長さ0.3~0.5mm、平ら、無毛、縁は全縁、縁毛があり、先は鋭形~鈍形。花冠は長さ0.8~1㎜。少なくとも長さの1/2が統合し、外側は無毛、内側に微軟毛がある。花冠裂片は披針形、長さ0.8~1mm、密に細点(punctate)があり、縁は全縁、腺顆粒(glandular granuose)があり、先は鈍形~鋭形。雄しべは花弁より長い。花糸は基部で筒に統合し、花冠筒部につき、雄花では微軟毛がある。雌しべは球形。花柱は短い。柱頭は円盤形、縁は浅裂する。果実は赤色又は紫黒色、球形、直径約5mm、平滑。花期は2~6月。果期は11~1月。
低木又は高木、高さ約6m以下。樹皮は暗色、若い枝や小枝は赤色。葉はかなり強い葉柄があり、葉柄は長さ約5mm以下。葉身は約長さ3~6㎝×幅1·5~2.5㎝、皮革質、中脈の上以外は無毛、長円形~倒卵状長円形~広楕円形、先は鈍形、縁は強く波打ち、平ら、又はほぼ平ら。花序は 密につく密散花序=花が束生(fascicled)からなる。花は約直径1·5~2.5㎜、帯白色、単性、花柄は短い。萼片は4個又は無く、宿存する。花弁は4個、離生、外巻き。雄花は雄しべが4本、葯は大きく、子房は痕跡。雌花は葯が不稔。柱頭はほぼ無柄、へりが房状。果実は直径2~3㎜、熟すと暗褐色~黒色。花期は1~4月。果期は10~2月。
品種) 'Pinky'
3 Myrsine linearis (Lour.) Poir. ホソバタイミンタチバナ 細葉大明橘
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省)、ベトナム原産。中国名は打铁树 da tie shu。混交林、低木林、丘陵、野原、石灰岩の丘陵地に生える。
低木又は高木、高さ1~8(~30)m。小枝は基本的に円柱形で、縦のうねがあり、直径(2.6~)3~4㎜、腺顆粒があり無毛になる。葉柄は縁があり、長さ6~8㎜。葉身は倒卵状へら形、長さ3~7㎝×幅1.2~2.5cm、革質~ほぼ革質で無毛、脈上に密に細点があり、基部は楔形、縁は全縁、先は円形または切形、ときに不規則に裂け、中脈は上面で扁平、側脈は中脈の両側に8~10本、縁脈はない。苞は広卵形、縁にまばらに腺顆粒があり、先は鈍形。花は白色または帯緑色で、4(~6)個~多数つき、長さ2~2.5㎜。小花柄は長さ(2~)4㎜、無毛。萼は円盤形。萼片はほぼ離生、卵形、長さ0.8~1㎜、透明な細点があり、縁には腺顆粒があり、先は鈍形。花弁は長さの約1/3が統合し、楕円形または卵形、長さ2~2.2㎜、内側と縁に腺顆粒があり、まばらに細点があり、花冠筒部は無毛。雄しべは花冠の喉部に挿入され、葯は先端に微軟毛がある。子房は無毛。柱頭は舌形または分裂する。果実は紫黒色、球形、直径3~4㎜、しわがあり、透明な細点がある。花期は12~1月。果期は7~11月。
常緑小高木。高さ4~5m。雌雄異株。全体に無毛。葉は枝先に密集して互生し、葉柄は短く紫色を帯びる。葉身は革質で光沢があり、長さ3~7㎝×幅1~3㎝、葉形は変化が多く、普通、狭倒卵形、基部は漸尖し、縁は全縁、先は円形、葉脈は主脈が明瞭で上面で凹み、下面に隆起し目立ち、側脈は不明瞭。枝先の葉の下部の前年までの葉腋痕腋に多数の小さな花を束生する。花は直径約4mm。雌花は花冠が淡緑白色、5裂し、雌しべは1個、子房と花柱が大きく、柱頭は淡緑色、卵形、雄しべ5本がつくが不稔。雄花は淡黄白色、雌花より数多く、雄しべが5本、雌しべは退化する。核果は球形、直径約6㎜、黒紫色に熟す。花期は1~2月上旬。果期は花期の前後。
synonym Myrsine okabeana (Tuyama) E.Walker
高さ0.5~1.5mと小型。葉はやや小型で丸みがあり、先はときに凹形になる。花もシマタイミンタチバナより小型。花期は3~4月。果期は1~3月。
5 Myrsine seguinii H.Lév. タイミンタチバナ 大明橘
日本(本州の千葉県以西、四国、九州)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は密花树 mi hua shu。別名はヒチノキ、ソゲキ。 標高(~)700~2400mの山地の雑木林、低木地帯、道端、林内、林縁に生える。
常緑小高木、高さ2~7(10)m。幹は紫色を帯びた灰褐色~灰青色、いぼ状の皮目がある。葉は互生し、長さ5~12(17)㎝、幅1~3(6)㎝の倒披針形~線状長楕円形、全縁、先は尖り、基部は楔形。葉表は革質で光沢があり、葉裏は淡緑色、主脈が隆起し、側脈は不明瞭。葉柄は長さ(2)9~15㎜。雌雄別株。葉腋又は葉痕腋に花を3~10個束生する。小花柄は長さ2~4(7)㎜。花冠は淡黄色、直径3~4㎜、5裂する。裂片は卵形、平開し、やや反り返り、しばしば赤紫色を帯び、暗紫色の斑点がある。雄花は雌しべが退化し、雄しべは5個、花糸は短く、葯が大きく目立つ。雌花は花柱が太く、柱頭は舌状。萼片は5個、長さ0.8~1㎜。果実は直径(4)5~6㎜の球形の核果、12月頃に黒紫色に熟し、春まで見られる。核は1個、直径約4㎜の球形、両端が小さく尖る。2n=46。花期は(3~)4月。
低木、高さ約2m。小枝は円柱形、直径1~1.5(~2)㎜、無毛。葉柄は上面に溝があり、長さ5~8 mm。葉身は楕円形又は披針形、長さ6~8(~10)㎝×幅1.5~2.5(~3)㎝、紙質又は類革質、無毛、基部はくさび形、縁は全縁又はときに、中間を超えて1~2対の歯をもち、細点があり(punctate)、先は尖鋭形。側脈は不明瞭、密に脈の小さな区画があり(areolate)、縁脈は無い。花序は腋生又は葉のない小枝につき、散形花序又は密散花序(fascicled)、無柄、花が3又は4個つく。苞は矛形又は披針形、無毛。花は5数性、長さ1.8~2mm。花柄は長さ2~3㎜、無毛、1個の苞が基部につく。萼片は広がり、分離に近く、狭楕円形~長円形、長さ0.8-1㎜、平ら、無毛、明瞭な細点があり、先は鋭形~鈍形。花弁は統合してごく短い筒になり、外側は無毛、筒部を除いて内側に密に腺顆粒がある。花冠裂片は長円形、細点があり、先は鈍形。雄しべは花弁の長さの約1/2。花糸は分離、花弁の基部につく。葯は広卵形又は腎形、先は短突形。子房は無毛、細点がある。柱頭は短突起又は裂片がある。かじつは赤色、青黒色になり、球形、直径約5mm、無毛。花期は4~6月。果期は12~1月。
Myrsine
Myrsine
Myrsine australis (A.Rich.) Allan
Myrsine
幹は紫色を帯びた灰褐色~灰青色、いぼ状の皮目がある。葉は互生し、長さ5~12(17)㎝、幅1~3(6)㎝の倒披針形~線状長楕円形、全縁、先は尖り、基部は楔形。葉表は革質で光沢があり、葉裏は淡緑色、主脈が隆起し、側脈は不明瞭。葉柄は長さ(2)9~15㎜。雌雄別株。葉腋又は葉痕腋に花を3~10個束生する。小花柄は長さ2~4(7)㎜。花冠は淡黄色、直径3~4㎜、5裂する。裂片は卵形、平開し、やや反り返り、しばしば赤紫色を帯び、暗紫色の斑点がある。雄花は雌しべが退化し、雄しべは5個、花糸は短く、葯が大きく目立つ。雌花は花柱が太く、柱頭は舌状。萼片は5個、長さ0.8~1㎜。果実は直径(4)5~6㎜の球形の核果、12月頃に黒紫色に熟し、春まで見られる。核は1個、直径約4㎜の球形、両端が小さく尖る。2n=46。
シマタイミンタチバナ Myrsine maximowiczii は小笠原諸島の固有種であり、雌しべの柱頭が卵形。
タイミンタチバナ属
family Primulaceae - genus Myrsine低木又は高木、雌雄同株又は雌雄異株[雌雄混株]、多肉では無く、[密に毛があり] 無毛。葉は常緑、互生し、単一形。葉柄がある。葉身は楕円形、長円形、倒卵形、又は倒披針形、基部は漸尖形~円形、縁は全縁、外巻き、先は鋭形~円形、しばしば凹毛、表面は無毛。花序は側生(腋生) 、密散花序(束生) [散形花序]、無柄又はほぼ無柄、葉柄より短い。花序柄は花後に大きくなり、短シュートを作る。苞は宿存性。花柄は有る[無い]。花は[両性] 単性。萼片は4~6個、緑色。萼片は三角径~卵形、±咢筒と同長。壁は[4~]5[~6]個、花冠は緑色~白色~ピンク色、盃形(cupuliform)~鐘形、花冠裂片は筒部より長く、先は鋭形。雄しべは4~6本。花糸は分離又は基部が合着(筒を作る)。仮雄しべがある。柱頭は円錐形、3~5裂。果実は核果、緑色~黒色、球形[類球形、楕円形、卵形、倒卵形、又は類卵形]、外果皮はやや肉質、内果皮は皮が硬く又は革質。種子は1個、白色~黒色、球形~中央が凹み、普通、胎座の膜質の残物で被われる。 世界に約300種があり、汎熱帯性。
タイミンタチバナ属の主な種と園芸品種
1 Myrsine africana L. ミルシネ・アフリカーナ中国(甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、南西アジア、アゾレス諸島(マカロネシア)、アフリカ原産。中国名は铁仔 tie zai。英名はAfrican boxwood。標高1000~3600mのまばらな混交林、開けた山の斜面、日当たりの良い乾燥した場所、低木地、野原、道端に生える。
低木、高さ50~100㎝。小枝は円柱形、直径0.5~2㎜、帯赤色の腺顆粒と微軟毛があり、頭状の毛状突起があり、しばしば無毛になる。葉柄はへりにつき、長さ1~2.5mm、強く沿下する。葉身は倒卵形~円形、長さ1~5㎝×幅0.7~1.6㎝、紙質又は革質、無毛、下面に小さな細点(punctate)があり、基部はくさび形、縁は鋸歯縁、先は鈍形~円形、側脈は不明瞭、縁脈は無い。花序は腋生、類散形花序又は密散花序(fascicled)、基部の鱗片は1列につく。花は黄白色、長さ2~2.5mm、4-数性。花柄は長さ0.5~1.5mm、無毛又は腺のある微軟毛がある。萼片は広がり、離生に近く、広卵形~楕円形、長さ0.3~0.5mm、平ら、無毛、縁は全縁、縁毛があり、先は鋭形~鈍形。花冠は長さ0.8~1㎜。少なくとも長さの1/2が統合し、外側は無毛、内側に微軟毛がある。花冠裂片は披針形、長さ0.8~1mm、密に細点(punctate)があり、縁は全縁、腺顆粒(glandular granuose)があり、先は鈍形~鋭形。雄しべは花弁より長い。花糸は基部で筒に統合し、花冠筒部につき、雄花では微軟毛がある。雌しべは球形。花柱は短い。柱頭は円盤形、縁は浅裂する。果実は赤色又は紫黒色、球形、直径約5mm、平滑。花期は2~6月。果期は11~1月。
2 Myrsine australis (A.Rich.) Allan ミルシネ・オーストラリス
ニュージーランド原産。英名はmapau , red mapou , red matipo , mataira , matipou , takapou。森林の縁、低木林、海岸林に生える。低木又は高木、高さ約6m以下。樹皮は暗色、若い枝や小枝は赤色。葉はかなり強い葉柄があり、葉柄は長さ約5mm以下。葉身は約長さ3~6㎝×幅1·5~2.5㎝、皮革質、中脈の上以外は無毛、長円形~倒卵状長円形~広楕円形、先は鈍形、縁は強く波打ち、平ら、又はほぼ平ら。花序は 密につく密散花序=花が束生(fascicled)からなる。花は約直径1·5~2.5㎜、帯白色、単性、花柄は短い。萼片は4個又は無く、宿存する。花弁は4個、離生、外巻き。雄花は雄しべが4本、葯は大きく、子房は痕跡。雌花は葯が不稔。柱頭はほぼ無柄、へりが房状。果実は直径2~3㎜、熟すと暗褐色~黒色。花期は1~4月。果期は10~2月。
品種) 'Pinky'
3 Myrsine linearis (Lour.) Poir. ホソバタイミンタチバナ 細葉大明橘
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省)、ベトナム原産。中国名は打铁树 da tie shu。混交林、低木林、丘陵、野原、石灰岩の丘陵地に生える。
低木又は高木、高さ1~8(~30)m。小枝は基本的に円柱形で、縦のうねがあり、直径(2.6~)3~4㎜、腺顆粒があり無毛になる。葉柄は縁があり、長さ6~8㎜。葉身は倒卵状へら形、長さ3~7㎝×幅1.2~2.5cm、革質~ほぼ革質で無毛、脈上に密に細点があり、基部は楔形、縁は全縁、先は円形または切形、ときに不規則に裂け、中脈は上面で扁平、側脈は中脈の両側に8~10本、縁脈はない。苞は広卵形、縁にまばらに腺顆粒があり、先は鈍形。花は白色または帯緑色で、4(~6)個~多数つき、長さ2~2.5㎜。小花柄は長さ(2~)4㎜、無毛。萼は円盤形。萼片はほぼ離生、卵形、長さ0.8~1㎜、透明な細点があり、縁には腺顆粒があり、先は鈍形。花弁は長さの約1/3が統合し、楕円形または卵形、長さ2~2.2㎜、内側と縁に腺顆粒があり、まばらに細点があり、花冠筒部は無毛。雄しべは花冠の喉部に挿入され、葯は先端に微軟毛がある。子房は無毛。柱頭は舌形または分裂する。果実は紫黒色、球形、直径3~4㎜、しわがあり、透明な細点がある。花期は12~1月。果期は7~11月。
4 Myrsine maximowiczii (Koidz.) E.Walker シマタイミンタチバナ 島大明橘
日本固有種(小笠原)諸島)。山の稜線の乾性低木林内に生える。常緑小高木。高さ4~5m。雌雄異株。全体に無毛。葉は枝先に密集して互生し、葉柄は短く紫色を帯びる。葉身は革質で光沢があり、長さ3~7㎝×幅1~3㎝、葉形は変化が多く、普通、狭倒卵形、基部は漸尖し、縁は全縁、先は円形、葉脈は主脈が明瞭で上面で凹み、下面に隆起し目立ち、側脈は不明瞭。枝先の葉の下部の前年までの葉腋痕腋に多数の小さな花を束生する。花は直径約4mm。雌花は花冠が淡緑白色、5裂し、雌しべは1個、子房と花柱が大きく、柱頭は淡緑色、卵形、雄しべ5本がつくが不稔。雄花は淡黄白色、雌花より数多く、雄しべが5本、雌しべは退化する。核果は球形、直径約6㎜、黒紫色に熟す。花期は1~2月上旬。果期は花期の前後。
4-1 Myrsine maximowiczii Koidz. var. okabeana (Tuyama) Tuyama ex Toyoda マルバタイミンタチバナ 丸葉大明橘
synonym Myrsine maximowiczii auct. non (Koidz.) E.Walkersynonym Myrsine okabeana (Tuyama) E.Walker
高さ0.5~1.5mと小型。葉はやや小型で丸みがあり、先はときに凹形になる。花もシマタイミンタチバナより小型。花期は3~4月。果期は1~3月。
5 Myrsine seguinii H.Lév. タイミンタチバナ 大明橘
日本(本州の千葉県以西、四国、九州)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は密花树 mi hua shu。別名はヒチノキ、ソゲキ。 標高(~)700~2400mの山地の雑木林、低木地帯、道端、林内、林縁に生える。
常緑小高木、高さ2~7(10)m。幹は紫色を帯びた灰褐色~灰青色、いぼ状の皮目がある。葉は互生し、長さ5~12(17)㎝、幅1~3(6)㎝の倒披針形~線状長楕円形、全縁、先は尖り、基部は楔形。葉表は革質で光沢があり、葉裏は淡緑色、主脈が隆起し、側脈は不明瞭。葉柄は長さ(2)9~15㎜。雌雄別株。葉腋又は葉痕腋に花を3~10個束生する。小花柄は長さ2~4(7)㎜。花冠は淡黄色、直径3~4㎜、5裂する。裂片は卵形、平開し、やや反り返り、しばしば赤紫色を帯び、暗紫色の斑点がある。雄花は雌しべが退化し、雄しべは5個、花糸は短く、葯が大きく目立つ。雌花は花柱が太く、柱頭は舌状。萼片は5個、長さ0.8~1㎜。果実は直径(4)5~6㎜の球形の核果、12月頃に黒紫色に熟し、春まで見られる。核は1個、直径約4㎜の球形、両端が小さく尖る。2n=46。花期は(3~)4月。
6 Myrsine stolonifera (Koidz.) E.Wakler ツルマンリョウ 蔓万両
日本(本州の奈良県・山口県、屋久島)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾原産。中国名は光叶铁仔 guang ye tie zai。別名はツルアカミノキ、アカミノイヌツゲ。標高300~2100mの混合林、湿地に生える。低木、高さ約2m。小枝は円柱形、直径1~1.5(~2)㎜、無毛。葉柄は上面に溝があり、長さ5~8 mm。葉身は楕円形又は披針形、長さ6~8(~10)㎝×幅1.5~2.5(~3)㎝、紙質又は類革質、無毛、基部はくさび形、縁は全縁又はときに、中間を超えて1~2対の歯をもち、細点があり(punctate)、先は尖鋭形。側脈は不明瞭、密に脈の小さな区画があり(areolate)、縁脈は無い。花序は腋生又は葉のない小枝につき、散形花序又は密散花序(fascicled)、無柄、花が3又は4個つく。苞は矛形又は披針形、無毛。花は5数性、長さ1.8~2mm。花柄は長さ2~3㎜、無毛、1個の苞が基部につく。萼片は広がり、分離に近く、狭楕円形~長円形、長さ0.8-1㎜、平ら、無毛、明瞭な細点があり、先は鋭形~鈍形。花弁は統合してごく短い筒になり、外側は無毛、筒部を除いて内側に密に腺顆粒がある。花冠裂片は長円形、細点があり、先は鈍形。雄しべは花弁の長さの約1/2。花糸は分離、花弁の基部につく。葯は広卵形又は腎形、先は短突形。子房は無毛、細点がある。柱頭は短突起又は裂片がある。かじつは赤色、青黒色になり、球形、直径約5mm、無毛。花期は4~6月。果期は12~1月。
参考
1) Flora of ChinaMyrsine
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=121522
2) Flora of North AmericaMyrsine
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=121522
3) Flora of New ZealandMyrsine australis (A.Rich.) Allan
https://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Myrsine-australis.html
4) Plants of the World Online | Kew ScienceMyrsine
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:27339-1