スズメノハコベ属

　 family　 Plantaginaceae － genus　 Microcarpaea

　草本、小型、匍匐し、多数、分枝し、クッション状になる。葉は対生、小さい。花は腋生。咢は筒状鐘形、5角(かど)があり、5歯がある。花冠は類鐘形、4裂。下唇は3裂、開出する。上唇は全縁、短く、直立する。雄しべは2本、前側にある。蒴果はわずかに扁平、2溝があり、胞背裂開。種子は少数、卵状紡錘形、平滑。
　世界に2種だけ、東アジア、太平洋諸島、オーストラリアに分布する。

スズメノハコベ属の種

1 Microcarpaea minima (K.D.Koenig ex Retz.) Merr.　 スズメノハコベ　雀の繁縷
　　synonym　Microcarpaea muscosa R. Brown.
　　synonym　Paederota minima Retzius
　日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド、ミクロネシア原産。中国名は小果草 xiao guo cao 。英名はchickweed sparrow。別名はスズメハコベ
　1年草、茎はよく分枝して地を這い、長さ5～20㎝になる。葉は対生し、無柄、長さ2～5㎜、幅約1㎜の線状披針形～狭長楕円形、鈍頭、全縁。葉腋に1個ずつ、直径約2㎜の花をつける。花柄はない。花冠は淡紅色の筒状、先が5裂する。花冠は萼片とほぼ同長。萼は長さ約2.5（2.2～2.8）㎜の筒状鐘形、先が5裂し、毛が密生する。[咢歯は胚色～褐色]。雄しべ2個。雌しべ1個。蒴果は長さ約1.2㎜、長楕円形。種子は長さ約0.3㎜、黄褐色。花期は7～10月。
品種)　'Hippuroides'

2 Microcarpaea agonis A.R.Bean
　オーストラリア(クイーンズランド州)。　絶滅危惧種。
　地上生、草本、高さ5㎝以下、幅10㎝以下。茎は稜があり、無毛。葉は対生、節を横切って合着し、線形、長さ5～9㎜×幅0.3～0.5㎜。花は単生、腋生、小苞は無い。咢筒は卵形、長さ1.3～1.7㎜、白色、うねは無く又はかすかにうねがあり、まばらに毛がある。咢歯は緑色、縁毛がある。花冠筒部は長さ約3実落ち、2唇形、咢筒からわずかに突き出る。

参考

1) Flora of China
　Microcarpaea 　 2) Plants of the World Online | Kew Science
　Microcarpaea 　 　Microcarpaea minima (J.Koenig ex Retz.) Merr. 　 3）GRIN
　Microcarpaea 　 4）Microcarpaea agonis (Scrophulariaceae), a new species from south-eastern Queensland
　Austrobaileya 5(1):149-151 ・ January 1997 　 5）Approved Conservation Advice for Microcarpaea agonis