スノーフレーク 

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Flora of Mikawa

ヒガンバナ科 Amaryllidaceae スノーフレーク属

別 名 オオマツユキソウ(大待雪草)
スズランズイセン(鈴蘭水仙)
英 名 summer snowflake , giant snowflake
学 名 Leucojum aestivum L.
スノーフレークの花序
スノーフレークの雄しべ
スノーフレークの雄しべ2
スノーフレークの葉
スノーフレーク
スノーフレークの葉表
スノーフレークの葉裏
花 期 3~4月
高 さ 20~40㎝
生活型 多年草
生育場所 道端、草地
分 布 帰化種  地中海沿岸原産
撮 影 鳳来町   04.4.11
球根は長さ2~4㎝。茎は管状。葉は扁平、スイセンに似て、長さ30~50㎝、幅0.5~2㎝、先端はやや尖る。 花は長さ約3㎝、白色のスズラン形で、下向きに咲く。花被片は6個つき、長さ(10)13~22 ㎜、幅10~12㎜、縁に緑色の斑点がある。雄しべ6個。種子は長さ5~7㎜、黒色。2n= 22, 24
 アリウムトリケトラムは花が白色、花被片に緑色の筋がある。

スノーフレーク属

  family Amaryllidaceae - genus Leucojum
 
多年草、花茎がある。球根は球形~卵形、薄皮は褐色。葉は数個つく。葉身は線状舌形、基部に鞘がある。花茎は丈夫、中空[細く、中実]。花序は散形花序、花が2~5(~7)個つき、仏炎苞がある。仏炎苞の苞は2個、分離又は全体に片側につき、単葉に見える。花は下を向き、花被は鐘形。花被片は6個、分離、倒披針形~卵形、等長。雄しべは6本、分離。葯は底着、円錐形、花糸より長い、先は鈍く、頂部の孔から裂開する。子房は下位、緑色、球形、隔壁の蜜腺がある。花柱は糸状又はこん棒形、葯から突き出す。柱頭は小さい頭状。果実は蒴果、直立、ナシ形~類球形、胞背裂開。果皮はやや肉質。種子は多数、黒色、付属体は無い。x = 7, 8, 9, 10, 11, 12.。
 世界に約10種あり、ヨーロッパ南西部、アフリカ北西部、アジア南西部(アルメリア、クリミア半島)に分布する。
 スノーフレーク (Leucojum species) とスノードロップ (Galanthus species)はいずれもヒガンバナ科に属す。スノーフレーク は6枚の花被片が同長であり、スノードロップは内花被片が3枚の外花被片より短く、幅が広い。

スノーフレーク属の主な種と園芸品種

1 Leucojum aestivum L.  スノーフレーク 
  synonym Tulbaghia pulchella Ave-Lall.
 ヨーロッパ~イラン原産。英名はsummer snowflake , snowflake。道端、野原、荒地に生える。
 高さ30~60㎝。球根は長さ2~4㎝×幅2~3(~4)㎝。葉鞘は長さ3~6㎜、膜質。葉身は濃緑色、線形~舌形、長さ30~50(~70)㎝×幅0.5~2㎝、先は鈍形、光沢があり、花時によく発達する。花茎は丈夫で中空、2翼があり、扁平、長さ(20~)30~60㎝。仏炎苞の苞は単生、融着し、緑色、披針形、長さ3~5㎝。花被片は白色、緑黄色の斑点が先付近にあり、広卵形、長さ(10~)13~22㎜×幅10~12 ㎜。花糸は白色、細く、長さ2~5㎜。葯は長さ5~6㎜。子房は長円状卵形、長さ6~10㎜×幅5~8㎜。花柱はこん棒形、長さ5~10㎜、雄しべを超える。柱頭は切形、不明瞭。花柄は長さ2.5~7㎝、最も長いものは仏炎苞と同長又は超える。種子は黒色、長さ5~7㎜、種皮は緩く、各端にエアポケットをもつ。2n = 22, 24。花期は春~初夏。
品種) 'Gravetye' , 'Gravetye Giant' , 'Nancy Lindsay'

2 Leucojum vernum L. スプリング・スノーフレーク
 ヨーロッパ原産。英名は spring snowflake 。
 多年草、球根をもち、高さ15~35㎝。葉は花と同時に現れ、花期に伸び続け、普通、花の高さに届き、長さ10~25㎝×幅5~25㎜、線形、半円筒形。花茎は中空、狭い2翼をもつ。花は小さく、鐘形、垂れ下がり、普通、単生、まれに2個、散形状につく。花被片は6個、白色、先端のすぐ下に帯黄色又は帯黄色の斑紋をもち、長さ15~25㎜。種子は帯白色、長さ約7㎜。花期は3~4月、ときに冬にも咲く。
品種) 'Butter-churn' , 'Eva Habermeier' , 'Gertrude Wister' , 'Golden Bell' , 'Green Lantern' , 'Hoch die Tassen' , 'Janus' , 'Lothar' , 'Milly' , 'Null Punkte' , 'Podpolozje' , 'Tentacular' (d)
2-1 Leucojum vernum var. vernum
2-2 Leucojum vernum var. carpathicum Sweet
 カルパチア山脈(チェコ、ルーマニア、ウクライナ)に分布
 大型で花被に黄色の斑点をもつ。
品種) 'Gertrude Wister' (d) , 'Golden Bell' , 'Klara' , 'Podpolozje'
2-3 Leucojum vernum var. vagneri
ハンガリーの品種。強健でしばしば花を2個もつ。var. vernumの変異とされる。
品種) 'Greengotts' , 'Janus'

【類似属】

アキザキスノーフレーク属

  family Amaryllidaceae - genus Acis

 アキザキスノーフレーク属 Acis は以前はスノーフレーク属 Leucojumに含まれていた。Leucojumとは花被片に斑点が無く、花茎が中実。和名はアキザキが付されているが、春咲きもある。
 世界に9種があり、ヨ-ロッパ、北アフリカに分布する。

アキザキスノーフレーク属の主な種

1 Acis autumnalis (L.) Sweet アキザキスノーフレーク
  synonym  Leucojum autumnale Linnaeus (autumn snowflake)
 ポルトガル、スペイン、北アフリカ原産。英名はautumn snowflake
 多年草、球根をもつ。葉の高さ10~15㎝。夏には地上部は枯れ、休眠する。 葉は花後に現れ、幅0.5~2㎜、線形、樋状になる(canaliculate)。花茎は中実、高さ25㎝以下、細い。仏炎苞は1個。花は下向きに(1)2~4個つき、花柄は長く、細い。花被は円錐状の鐘形、幅約12㎜。花被片は白色、黄色や緑色の斑紋は無く、基部はピンク色を帯び、まれに全体がピンク色、長さ9~14㎜。外花被片3個には歯がある。種子は帯黒色、長さ1.5~2.5㎜、種沈は無い。花期は8~10月。
品種) 'Cobb's Variety' , 'Pink Tinge' , 'September Snow'

2 Acis ionica Bareka, Kamari & Phitos
  synonym Leucojum ionicum Kit Tan, Mullaj, Sfikas & Strid
 アルバニア、ギリシャ原産。
 球根は卵形、直径15~25㎜、薄皮は褐色。鞘は膜質、褐色、長さ (10~)15~ 25㎜。花茎は中実、長さ8~20(~25)㎝、細く、直立、わずかに溝があり、結実中に地面に曲がり、直径0.8~1.2㎜。 葉は2~3(~5)枚つき、花後に現れ、糸状、狭線形~糸状、長さ12~22㎝×幅2~3㎜。仏炎苞は2個、膜質、錐形、不等長、長さ17~28(~32)㎜、基部は幅1~1.5㎜。花序に花は(1~)2~4(~6)個、垂れ下がり、1個の頂生の片側性の散形花序の中につく。花柄は糸状、花時に長さ(10~)16~28(~35)㎜、果時に長さ(16~)28~40(~50)㎜、不等長、最も長いものは普通、仏炎苞を超えて、伸びる。 花被は円錐状の鐘形。花被片は白色、長さ(8~)9~13(~15) ㎜、外側の3個は長円形、微突形、幅3~4㎜、内側の3個は広倒卵形、幅 (3.5~)4.2~6.4(~7)㎜。花柱は糸状、長さ5.5~8㎜。花糸は白色、糸状、長さ1.5~3㎜。葯は長円形、明るい黄色、長さ4~5㎜。子房上の花盤が突出し、6裂する。裂片は淡緑色、広三角形、長さ0.7~0.8㎜×幅0.7~0.9㎜、花糸より短い。種子は黒色、長さ2.5~3㎜、種枕をもつ。花期は9~10月。2n = 16
品種) 'Harry Hay's Pink'

参考

1) Flora of North America
 Leucojum  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=118398
2) Flora of Victoria
 Leucojum aestivum  
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/37888b12-bd1f-4824-9916-657a023a4e7e
3) Plants of the World Online | Kew Science
 Leucojum  
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1529-1
 Acis Salisb.  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1325-1
4)Acis ionica (Amaryllidaceae), a new species from the Ionian area (W Greece, S Albania)  
https://www.researchgate.net/publication/235759420_Acis_ionica_Amaryllidaceae_a_new_species_from_the_Ionian_area_W_Greece_S_Albania
5)Alpine Garden Society - Plant Encyclopaedia
 Tulbaghia cominsii  
http://encyclopaedia.alpinegardensociety.net/plants/Tulbaghia/cominsii
6)Ferrer-Gallego & Crespo • Typifications in Leucojum 868 Version of Record
 TAXON 65 (4) • August 2016: 867–871
 Lectotypification of three Linnaean names in Leucojum (Amaryllidaceae)  
https://rua.ua.es/dspace/bitstream/10045/66072/1/2016_Ferrer-Gallego_Crespo_Taxon.pdf