シチョウゲ 紫丁花

mark

Flora of Mikawa

アカネ科 Rubiaceae シチョウゲ属

別 名 イワハギ
学 名 Leptodermis pulchella Yatabe
シチョウゲの花序
シチョウゲの花2
シチョウゲの咢
シチョウゲの茎
シチョウゲ
シチョウゲの花序2
シチョウゲの葉
花 期 7~9月
高 さ 20~70㎝
生活型 落葉小低木
生育場所 栽培種(川沿いの岩上)
分 布 在来種  本州(紀伊半島、兵庫)、四国(高知県
撮 影 浜名湖ガーデンパーク 19.9.19
シチョウゲはアカネ科シチョウゲ属の落葉低木。
 落葉低木。高さ20~70㎝。茎は細くよく分枝し、若枝に短毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ1~3mm。葉身は狭長楕円形~狭披針形、長さ1.5~3.5㎝×幅3~8mm、基部はくさび形、全縁、先は鋭形、下面の脈上だけに短毛がある以外は無毛。托葉は広三角形、長さ約2mm、先は尖鋭形。花は頂生及び腋生、1~10数個つく。花柄はごく短いか又はほぼ無。小苞は2個つき、互いに癒合し、先は2裂し、長さ約2mm。咢は筒状、咢歯は5個、三角形、先は鋭形。花冠は紅紫色、まれに白色、細長い漏斗形。花冠筒部は長さ1.5~2㎝、内面に長軟毛が密生する。花冠裂片は5個、広卵形、長さ約3㎜、先は凹形~切形で三角状の微突起があり、尖る。蒴果は長楕円形、長さ約5㎜、咢の拡大部は宿存し、先から裂開し、5バルブに縦に分かれる。種子は長円形、長さ約3㎜。花期は7~9月。

シチョウゲ属

  family Rubiaceae - genus Leptodermis

 低木、ときに低く又は縮小し、刺は無く、普通、短いシュートをもつ。束晶(raphides)がある。葉は対生し、見たところダニ室は無い。托葉は宿存し、葉柄間にあり、三角形、しばしば、芒~刺がある。花序は主茎に頂生と短いシュートに腋生し(腋生に見える)、頭状花序~密集した密散花序、又は集散花序で花が数個又はときに花が1個になる。苞があり、しばしば対に融合する。花は花柄が無又は短く、両性、異形花柱性(distylous)。咢片は(4~)5(~6)個。花冠は白色~ピンク色~紫色、漏斗形、内側は無毛~有毛。花冠裂片は(4~)5(~6)個、蕾中では敷石状又は内向敷石状。雄しべは(4~)5(~6)本、花冠ののど部につき、突き出すか又は突き出ない。花糸は短い。葯は背着。子房は5室、胚珠は各室に1個、基部につき、直立、 倒生。柱頭は(2~)3~5(~6)個、線形、突き出すか又は突き出ない。果実は蒴果、楕円形~卵形、先端の蓋(operculum)から裂開し、それから5バルブに縦に分かれ、軟骨質~木質。咢の拡大部は宿存する。仮種皮は網状、分離又は種子に密着する。種子は少数、中型、楕円形、真っすぐ、薄い種皮をもつ。子葉は円く、幼根は短く、下位。
 世界に約40種があり、ヒマラヤ~日本に分布する。

シチョウゲ属の主な種と園芸品種

1 Leptodermis oblonga Bunge  イワシチョウゲ 岩紫丁花
 中国、モンゴル原産。中国名は薄皮木 bao pi mu。英名はhorsefly's eye
 低木、高さ0.2~1m、又はわずかに高い。枝は細く、灰色~淡褐色、微軟毛がある。樹皮は薄く、古くなると普通、剥離する。葉柄は短く、長さ1~3㎜。葉身は紙質又は薄い革質、披針形~長円形、ときに楕円形~ほぼ卵形、普通、長さ0.7~2.5(~3)㎝×幅0.3~1(~1.7)㎝、上面はザラつくか又は不規則にしわがあり、まばらに剛毛があり、下面はほぼ無毛又は有毛、又は中肋に沿って剛毛があり、基部は漸尖形又はくさび形、縁は外巻き、先は尖鋭形、類鋭形、又は鈍形、側脈は約3対、両面で不明瞭。托葉は広三角形、長さ1.5~2㎜、尖頭形で硬い先端をもつ。花は花柄がなく、普通3個、束生し、枝先に頂生し、まれに小枝の上部に腋生する。小苞は透明、卵形、長さ3~4.5mm、1/2~2/3が合着し、外側に直軟毛がある。小苞の裂片はほぼ三角形、尖頭形で硬い先端をもち、咢の長さとほぼ同長。咢筒は長さ約2.5㎜。咢片はほぼ卵形、長さ約(0.7~)1.3~1.5mm、密に短い縁毛があり、先は鈍形~短い尖鋭形。花冠は紫赤色、漏斗形、長さ(9~)11~14(~0)㎜。花冠筒部は細く、しばしば曲がり、外側に微軟毛がある。花冠裂片はほぼ卵形、狭三角形、又は披針形、長さ2~4mm、先は内側に曲がる。短花柱花は雄しべがわずかに突き出し、葯は線形。花柱は突き出ない。長花柱花は雄しべが突き出ず、葯は線状長円形、花柱はわずかに突き出し、花柱は4から5個の線形の裂片の柱頭をもつ。種子は仮種皮が網状、種皮から分離する。花期は6~8月。果期は10月。

2 Leptodermis pulchella Yatabe  シチョウゲ 紫丁花
 日本固有種(本州の紀伊半島、兵庫県、四国の高知県)。別名はイワハギ。川沿いの岩上に生える。
 落葉低木。高さ20~70㎝。茎は細くよく分枝し、若枝に短毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ1~3mm。葉身は狭長楕円形~狭披針形、長さ1.5~3.5㎝×幅3~8mm、基部はくさび形、全縁、先は鋭形、下面の脈上だけに短毛がある以外は無毛。托葉は広三角形、長さ約2mm、先は尖鋭形。花は頂生及び腋生、1~10数個つく。花柄はごく短いか又はほぼ無。小苞は2個つき、互いに癒合し、先は2裂し、長さ約2mm。咢は筒状、咢歯は5個、三角形、先は鋭形。花冠は紅紫色、、まれに白色、細長い漏斗形。花冠筒部は長さ1.5~2㎝、内面に長軟毛が密生する。花冠裂片は5個、広卵形、長さ約3㎜、先は凹形~切形で三角状の微突起があり、尖る。蒴果は長楕円形、長さ約5㎜、咢の拡大部は宿存し、先から裂開し、5バルブに縦に分かれる。種子は長円形、長さ約3㎜。花期は7~9月。

3 その他ハイブリッド
品種) 'Baby Lilac' , 'Little Volcano' , 'Spilt Milk'

参考

1) Flora of China
 Leptodermis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118172
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Leptodermis
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:34830-1