シラキ 白木

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Flora of Mikawa

トウダイグサ科 Euphorbiaceae シラキ属

中国名 白木乌桕 bai mu wu jiu
学 名 Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser
Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm.
シラキの花序
シラキの果実
シラキの果実2
シラキの熟した果実
シラキ葉裏の腺
シラキの幹
シラキ
シラキの花序
シラキの種子
シラキ葉
シラキの葉裏
花 期 5~6月
果 期 10~11月
高 さ 4~6m
生活型 落葉小高木
生育場所 山地の林内
分 布 在来種  本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国
撮 影 豊田市(足助町)  06.6.4
属名はSapium(旧シラキ属)からNeoshirakia(シラキ属)に改められた。ナンキンハゼはSapiumからTriadica(ナンキンハゼ属)に変更された。和名は材質が白いことに由来する。
 幹は灰白~灰褐色、樹皮は滑らか。葉は互生し、長さ7~17㎝の卵状楕円形、全縁。葉の両面は無毛、質は柔らかく、葉裏の基部や葉脈の先に腺がある。強い臭いではないが、揉むといやな臭いがする。枝や葉を傷付けると白い乳液が出る。長さ6~8㎝の総状花序に黄色の小さい花をつける。上部に多数の雄花、下部に数個の雌花がつく。雌花が先に開花し、雄花が後から開花する。雄花は雄しべ2~3個。雌花は雌しべ1個、花柱3個、基部に2個の腺体がある。果実(蒴果)は幅約18㎜の三角状の扁球形、黒褐色に熟す。種子は直径約7㎜の球形。紅葉は柿に似る。

シラキ属

 familiy  Euphorbiaceae - genus Neoshirakia

 高木又は低木、雌雄同株又はときに、1性がなく、密毛は無い。乳液は白色。葉は互生、托葉は長く、目立ち、早落性。葉柄には腺が無い。葉身は縁が全縁、下面の下部に縁の腺の列をもつ。葉脈は羽状脈。花序は頂生又は腋生、長い総状花序状の密錘花序(thyrses)、分枝せず、無花弁、花盤は無く、苞は下面の基部に2個の大きな腺をもつ。雄花は黄色、各苞に3個つき、花柄がある。咢は膜質、杯形、3裂、雄しべは3本。花糸は離生。葯は2室、縦に裂開する。退化雌しべは無い。雌花は雄花より大きく、苞に1個ずつつき、花柄がある。咢は杯形、3深裂する。子房は3室、平滑、胚珠は室に1個。花柱は普通、3個、離生。柱頭は外巻き、全縁、腺は無い。果実は蒴果、果柄があり、球形、3バルブ、3室、胞間裂開。種子はほぼ球形、乾き、カランクル(caruncle)は無く、中央の果軸(columella)は宿存する。種皮は硬く、ワックス状の仮種皮はない。胚乳は肉質。子葉は広く、平ら。
 世界に2種あり、日本、朝鮮、中国に分布する。

シラキ属の主な種

1 Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser  シラキ 白木
  synonym Stillingia japonica Siebold & Zuccarini
  synonym Sapium japonicum (Siebold & Zuccarini) Pax & K. Hoffmann
  synonym Shirakia japonica (Siebold & Zuccarini) Hurusawa
 日本、朝鮮、中国原産。中国名は白木乌桕 bai mu wu jiu。 別名はアツバシラキ、オオバシラキ 。
 落葉小高木、高さ4~6(8)m。幹は灰白~灰褐色、密毛は無い。樹皮は滑らか。托葉は膜質、線状披針形、長さ約1㎝。葉は互生し、葉柄は長さ1.5~3㎝、両側が平らになり、漸尖形の翼になり、腺は無い。葉身は卵形~卵状菱形~楕円形、長さ7~16㎝×幅4~8㎝、紙質、基部は鈍形~切形、ときに浅い心形、普通、斜め、縁は全縁、葉の下面は無毛、縁付近の上半部にまばらに腺があり、下面の基部や葉脈の先に腺がある。中脈の基部に2個の蜜腺をもち、中脈は下面に隆起し、側脈は8~10対。強い臭いではないが、揉むといやな臭いがする。枝や葉を傷付けると白い乳液が出る。雌雄同株。花序は頂生、長さ4.5~11㎝の総状花序に黄色の小さい花をつける。上部(ときに、全体)に多数の雄花、下部に数個の雌花がつく。雌花が先に開花し、雄花が後から開花する。雄花は花柄が長さ1~2㎜。苞は卵形~卵状披針形、長さ2~2.5㎜×幅1~1.2㎜、縁は不規則な細鋸歯、基部の腺は卵形。花は各苞に3~4個、咢は杯形、3裂し、咢片は不規則な細鋸歯縁。雄しべは(2~)3本、普通、咢を超え、葯は球形、わずかに花糸より短い。雌花は苞がほとんど3深裂、裂片は披針形、長さ2~3㎜、普通、中央の裂片は長く、側裂片には1個ずつ腺がある。花柄は丈夫、長さ6~10㎜。咢片は3個、三角形、長さは幅とほぼ等しい。雌しべは1個。子房は卵形、平滑、3室。花柱は3個、基部で合着する。柱頭は3個、外巻き。蒴果は三角状扁球形、直径10~15(18)㎜、黒褐色に熟す。種子は扁球形、直径6~9㎜、黄褐色の斑点状の縞がある。花期は5~6(7)月。果期は7~9(10~11)月。

2 Neoshirakia atrobadiomaculata (F.P.Metcalf) Esser & P.T.Li
  synonym Sapium atrobadiomaculatum F. P. Metcalf.
 中国原産。中国名は斑子乌桕 ban zi wu jiu 。

参考

1)GRIN
 Neoshirakia
 http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=18328
2)Plants of the World Online | Kew Science
  Neoshirakia
  http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1001567-1
3) Flora of China
 Neoshirakia
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=317172