シラゲオニササガヤ 白毛鬼笹茅

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Flora of Mikawa

イネ科 Poaceae オニササガヤ属

英 名 Queensland blue grass , slender bluegrass, silky-bluegrass
学 名 Dichanthium sericeum (R.Br.) A.Camus
シラゲオニササガヤ花序
シラゲオニササガヤ花序拡大
シラゲオニササガヤの対の小穂
シラゲオニササガヤの葉舌
シラゲオニササガヤの果実
シラゲオニササガヤ
シラゲオニササガヤ無梗小穂
シラゲオニササガヤ有梗小穂
シラゲオニササガヤ葉
シラゲオニササガヤ節
花 期 5~6月
高 さ 30~80㎝
生活型 多年草
生育場所 道端
分 布 帰化種 マレーシア、パプアニューギニア、オーストラリア原産
撮 影 蒲郡市  11.6.9
束生し、直立する。草高30~60(30~80)㎝。稈は普通、細い。根がかなり弱く、束は大きくならず、普通、直径(10~15)㎝。茎は基部で密集して枝分かれし、しばしば節でも枝分かれする。茎は平滑、無毛、花序のすぐ下も無毛で、片側に溝がある。節には直立する白毛が環状につく。葉は平らで、長さ8~12(8~15)㎝、幅約2(2~4)㎜、しばしば青色がかった紫色になる。典型的なものは毛がなく、いくつかの品種は毛がある。葉鞘は丸く、茎に接し、節間を覆う。葉舌は膜質、縁は不整に細裂。花序は普通、1~5(2~4)個の柄の無い(柄の短い)直立する総をもつ。小穂は2個が対になる。稔性の無梗の小穂と不稔の有梗の小穂が対になっている。これらはすべて白毛をもち、花序に白い毛があるように見える。
<無梗の小穂> 無梗の小穂は長さ約4㎜、第1苞頴と同長の第2苞頴に包まれている。第1小花は不稔で、長さ約2.5㎜、幅約0.5㎜の白色の膜質の護頴がある。第2小花は両性、護頴は膜質部がなく、長さ約20(25)㎜の芒のみ。芒は上半部が黄色、下半部が暗褐色、捻じれて折れ曲がり、乾くと褐色になる。果実は長さ約1.7㎜の淡褐色。
<有梗の小穂>有梗の小穂は長さ1.4㎜の梗(柄)があり、長さは無梗の小穂とほぼ同じ。第1苞頴は左右から折れ曲がって腹面を覆う。内部に第1苞頴の約1/2長の薄膜があるだけである。
 港に近い道路の歩道のアスファルトの隙間に10株ほど見られた。()内に記載した数値はTropical ForagesのFactsheetsのデータ。
 カモノハシガヤ(Bothriochloa ischaemum)、ヒメオニササガヤ(Dichanthium annulatum)やオニササガヤ(Dichanthium aristatum)は苞頴の上部に長い白毛がない。外観が似ているムラサキヒゲシバは小穂が全く異なる。

オニササガヤ属

  family Poaceae - genus Dichanthium

 多年草、まれに1年草。 葉身はしばしば茎葉、、線形。葉舌は膜質。総状花序は単純またはほぼ掌状の総状花序、頂生または腋生、ときに仏炎苞がつく。総状花序は普通、1つ以上の同性(homogamous)の小穂の対を基部に持ち、小穂はしばしば覆瓦状になる。花序軸の節間と小花柄は細く、中実、ひげがあり、先は切形または斜めになる。無柄の小穂は背側が扁平。カルス(callus)は短く、鈍形。第1苞穎(lower glume)は紙質~軟骨質、広い凸面状からわずかに凹面状であり、ときに穴が開き、側面(flanks)が丸く、上向きに2竜骨になり、先は鈍形。 第2苞穎(upper glume)は舟形、背側に竜骨あり、芒は無い。下側の小花は空の透明な護穎に退化する。上側の護穎(upper lemma)は柄があり(stipitiform)、全縁、先に芒があり、芒は膝状に曲がり、無毛または微軟毛がある。雄しべは(2~)3個。小花柄のある小穂は無柄の小穂に似ており、雄性または不毛(barren)、芒は無い。
 世界に約20種あり、アフリカからインド、東南アジア、オーストラリアに分布する。

オニササガヤ属の主な種と園芸品種

1 Dichanthium annulatum (Forssk.) Stapf  ヒメオニササガヤ 姫鬼笹茅
 中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、アフリカ、太平洋諸島原産。中国名は双花草 shuang hua cao。英名はBrahman grass , Kleberg's Bluestem。アメリカ、オーストラリアに帰化。別名はマルボアブラススキ。
品種) 'Pretoria 90'

2 Dichanthium aristatum (Poir.) C.E.Hubb.  オニササガヤ 鬼笹茅
  synonym Dichanthium nodosum Willemet
 中国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア原産。中国名は毛梗双花草 mao geng shuang hua cao。英名はAngleton Bluestem。
品種) 'Gordo' , 'Medio'

3 Dichanthium sericeum (R.Br.) A.Camus  シラゲオニササガヤ 白毛鬼笹茅
 マレーシア、パプアニューギニア、オーストラリア原産。英名はQueensland blue grass , slender bluegrass, silky-bluegrass。  多年草。高さ30~80㎝。束生し、直立する。草高30~60(30~80)㎝。稈は普通、細い。根がかなり弱く、束は大きくならず、普通、直径(10~15)㎝。茎は基部で密集して枝分かれし、しばしば節でも枝分かれする。茎は平滑、無毛、花序のすぐ下も無毛で、片側に溝がある。節には直立する白毛が環状につく。葉は平らで、長さ8~12(8~15)㎝、幅約2(2~4)㎜、しばしば青色がかった紫色になる。典型的なものは毛がなく、いくつかの品種は毛がある。葉鞘は丸く、茎に接し、節間を覆う。葉舌は膜質、縁は不整に細裂。花序は普通、1~5(2~4)個の柄の無い(柄の短い)直立する総をもつ。小穂は2個が対になる。稔性の無梗の小穂と不稔の有梗の小穂が対になっている。これらはすべて白毛をもち、花序に白い毛があるように見える。
<無梗の小穂> 無梗の小穂は長さ約4㎜、第1苞頴と同長の第2苞頴に包まれている。第1小花は不稔で、長さ約2.5㎜、幅約0.5㎜の白色の膜質の護頴がある。第2小花は両性、護頴は膜質部がなく、長さ約20(25)㎜の芒のみ。芒は上半部が黄色、下半部が暗褐色、捻じれて折れ曲がり、乾くと褐色になる。果実は長さ約1.7㎜の淡褐色。
<有梗の小穂>有梗の小穂は長さ1.4㎜の梗(柄)があり、長さは無梗の小穂とほぼ同じ。第1苞頴は左右から折れ曲がって腹面を覆う。内部に第1苞頴の約1/2長の薄膜があるだけである。

参考

1) Flora of China
 Dichanthium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=109887
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Dichanthium
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328302-2
3) World Flora Online
 Dichanthium
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000011403
4) World Checklist of Vascular Plants
 Dichanthium
https://wcvp.science.kew.org/