シクンシ 使君子

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Flora of Mikawa

シクンシ科 Combretaceae シクンシ属

別 名 インドシクンシ
中国名 使君子 shi jun zi
英 名 Rangoon creeper
学 名 Combretum indicum (L.) DeFilipps
  synonym Quisqualis indica L.

  synonym Quisqualis indica L. var. villosa (Roxb.) C.B.Clarke

シクンシの花序
シクンシの花
シクンシの小花柄と子房
シクンシの幹
シクンシ
シクンシの葉
花 期 3~11月
高 さ 長さ6~8m
生活型 低木または蔓性植物
生育場所 栽培種
分 布 外来種  中国、台湾、インド、パキスタン、スリランカ、アッサム、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島、クリスマス島、オーストラリア、アフリカ(タンザニア)原産
撮 影 デンパーク 24.10.2
シクンシはシクンシ科シクンシ属の攀縁性低木または蔓植物。観賞用に栽培される。写真はヤエザキシクンシ。
  低木または蔓性植物、長さ(高さ)8mまで。小枝は褐黄色の毛がある。葉柄は長さ5~9(20)㎜で、基部近くに膨らんだ節はなく、若いときは褐色の細柔毛(pilose)が密生する。葉身は大部分が長円状楕円形形または楕円形で、長さ(4)5~18(18.5)㎝×幅(1.5)2.5~7(9)㎝、下面はときに褐色の細柔毛があり、上面は中脈にわずかに褐色の細柔毛があること以外は無毛、細かく白色の小疣があり[毛は単細胞で、細く、壁が厚く、尖った毛で、特徴的な基底細胞を持ち、シクンシ状毛(Combretaceous hairs)と呼ばれ、まれに両面に綿毛があり、基部は鈍形で、先は尖鋭形~短尾状、側脈は7~8対。穂状花序は長さ1.3~6[~12.5]㎝。苞は脱落性、糸状線形~卵形、長さ3~12㎜、褐色の細柔毛がある。花は芳香がある。萼筒(花托筒)は長さ5~9㎜、黄色の細柔毛がある。萼片は5個、三角形、長さ(1)2~3㎜、先は鋭形または短い尖鋭形だが尖頭形ではない。花弁は5個、八重咲きもあり、開くと白色、後に外側は帯黄色で、内側は帯赤色になり[初め白色、すぐに赤色になる]、倒卵形~倒披針形、長さ10~24㎜×幅4~10㎜、先は円形~鈍形。雄しべは長さ4~7.5㎜。花柱は長さ10~20㎜(花托筒に付着する部分は除く)。核果は若いうちは赤色、熟すと緑黒色または褐色になり、紡錘形または狭卵形、鋭い5うねがあり、長さ(2.5)2.7~4㎝×幅(0.8)1.2~2.3㎝、無毛またはまばらに腺毛があり、先は微突形。花期は3~11月。果期は6~11月。2n=22, 24, 26。

シクンシ属(広義のCombretum)

  family Combretaceae - genus Combretum

 攀縁性低木(scandentshrubs)または蔓植物(lianas)[低木、たまに高木]、気根(pneumatophores)は無い。茎は細長く、杖状(wandlike)、等長。小枝は毛があり、毛は短~長、シクンシ状毛(Combretaceous hairs:単細胞で、細く、壁が厚く、尖った毛で、特徴的な基底細胞を持つ)が有または無、短い柄があり、腺がある[盾状鱗片]。葉は宿存し、対生または亜対生で交差[輪生]。托葉なし。葉柄は宿存し、下部で分化[または分化せず]、成長すると刺状になり、蜜腺はない。葉身は紙質[~革質]、真曲行脈(eucamptodromous:脈は二次脈が葉縁で 曲がってつながらず、終わるもの)~環結脈(brochidodromous:二次脈が葉縁で 曲がってつながるもの)、先は尖鋭形~長尖鋭形、塩類分泌腺(salt-excreting glands)は無く、二次脈および中脈の腋に袋状ダニ室(pouch-domatia)は有または無。花序は頂生または腋生、穂状花序[総状花序または円錐花序、ときにほぼ頭状花序]、小苞はない。花は目立ち、苞腋につき、両性花。花托筒(hypanthium)は筒状、先端に向かってわずかに広がり[トランペット形、狭い鐘形、または杯形]、自由部は子房の先端から38~80㎜、外側にまばらで腺毛がある[または盾状鱗片および/または単純な腺のない毛がある]。萼片は[4]5個、緑色または淡緑色、三角形[卵形、ときにほぼ廃れ]、外側に腺毛[盾状鱗片]があり、単純な腺のない毛がある。花弁は[0, 4]5個、白色~ピンク色、その後赤色[緑白色、黄色、橙色、または紫色]になり 、卵形~わずかに倒卵形[ときに狭倒卵形、またはほぼ円形]、長さ9~25㎜、先は鈍形または円形[凹形]、腺のない軟毛がある[無毛または盾状鱗片がある]。雄しべは[4, 8]10本、含まれる[~突き出す]。蜜腺は花托筒の基部近くの内面にあり、無毛[軟毛がある]。子房は±円柱形。花柱はまっすぐで、花托筒の基部まで付着する[自由]。 胚珠は2~4[~6]個。核果は円柱形~楕円形または卵形[長円形]、肉質[乾き]、うねまたは翼は[4]5本あり、発達が不十分または良好。花序と萼は脱落する。
 世界に約285種あり、熱帯、熱帯全域に広く分布する。
 Flora of ChinaではCombretumとQuisqualisを別属に分け、この狭義のCombretum(ヨツバネカズラ属)は世界に約250種あり、中国には8種(1種は固有種)。Quisqualis(狭義のシクンシ属)は世界に約17種あり、中国にはQ. indicaと Q. conferta=C. densiflorumの2種あるとしている。POWOではこれを広義のCombretum(シクンシ属)に統合している。

シクンシ属(広義のCombretum)の主な種と園芸品種

1 Combretum indicum (L.) DeFilipps シクンシ 使君子
  synonym Quisqualis indica L.  [YList]
  synonym Quisqualis indica var. villosa (Roxb.) Kurz
  synonym Quisqualis indica var. villosa C.B.Clarke

  synonym Quisqualis indica L. var. villosa (Roxb.) C.B.Clarke

 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖南省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、インド、パキスタン、スリランカ、アッサム、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島、クリスマス島、オーストラリア、アフリカ(タンザニア)原産。中国名は使君子 shi jun zi。英名はRangoon creeper。別名はインドシクンシ。標高1500m以下の熱帯雨林、低木林、雑木林、生垣、山地、乾燥した丘陵、川沿い、道端、荒れ地、耕作地に生える。熱帯アフリカの他の地域、中南米に導入され、熱帯地方で広く栽培され、帰化している。中国で観賞用に栽培され、種子は腸内寄生虫を殺すための薬として使用される。
 低木または蔓性植物、長さ6mまで伸びる。葉柄は長さ5~20㎜、葉身は楕円形~長円形~やや倒卵形、長さ4~18.5㎝×幅1.5~9㎝、基部は鈍形~やや心形、上面はほぼ無毛~密に毛があり、毛はシクンシ状毛(Combretaceous hairs:単細胞で、細く、壁が厚く、尖った毛で、特徴的な基底細胞を持つ)で、散在し、不明瞭な短い柄があり、先端に腺がある。穂状花序は長さ1.3~6[~12.5]㎝。花は萼片が長さ1~3㎜。花は初め白色、すぐに赤色になる(Flora of Pakistan)。雄しべは長さ4~7.5㎜。花柱は長さ10~20㎜(花托筒に付着する部分は除く)。核果は赤色、長さ25~40㎜×幅7.5~14㎜、無毛またはまばらに腺毛がある。2n=22, 24, 26。花期は春~夏(Flora of North America)。
 高さ8mまでの蔓性植物。小枝は褐黄色の毛がある。葉柄は長さ5~9㎜で、基部近くに膨らんだ節はなく、若いときは褐色の細柔毛(pilose)が密生する。葉身は大部分が長円状楕円形形または楕円形で、長さ5~18㎝×幅2.5~7㎝、下面はときに褐色の細柔毛があり、上面は中脈にわずかに褐色の細柔毛があること以外は無毛、細かく白色の小疣状があり、まれに両面に綿毛があり、基部は鈍形で、先は尖鋭形~短尾状、側脈は7~8対。花序は緩く、苞は脱落性、糸状線形~卵形、長さ3~12㎜、褐色の細柔毛がある。花は芳香がある。萼筒は長さ5~9㎜、黄色の細柔毛がある。萼片は三角形、長さ2~3㎜、先は鋭形または短い尖鋭形だが尖頭形ではない。花弁は開くと白色、後に外側は帯黄色で、内側は帯赤色、倒卵形~倒披針形、長さ10~24㎜×幅4~10㎜、先は円形~鈍形。果実は若いうちは赤色、熟すと緑黒色または褐色になり、紡錘形または狭卵形、鋭い5うねがあり、長さ2.7~4㎝×幅1.2~2.3㎝、無毛、先は微突形。花期は3~11月。果期は6~11月(Flora of China)。

2 Combretum coccineum (Sonn.) Lam. コンブレツム・コキネウム

  synonym Cristaria coccinea Sonn.
  synonym Poivrea coccinea DC.
 ミャンマー、マダガスカル原産。パキスタンの平原で観賞用に栽培されているが、パキスタンでは果実は実らない。
 優美な外見のつる性無毛低木。葉は濃緑色、長さ8~13㎝×幅2.5~3.5㎝、楕円状披針形~長円状披針形、先は鋭形で、中脈が明瞭、葉柄は長さ1~1.75(~2) ㎝。総状花序は頂生および腋生、長さ5~15㎝。花は赤色、幅1.25~1.5㎝、長さ1~2㎜の小花柄がある。苞は線状披針形、長さ2~3㎜。萼筒は長さ4~5㎜、5 角(かど)は萼歯に互生する。拡大部は長さ3~4㎜、鐘形、萼歯は三角形、長さ2㎜x幅2㎜、外側にわずかに毛があり、内側に絨毛がある。花弁は5個、花托筒に付き、楕円状長円形。長さ5~6㎜×幅2㎜。雄しべは10本、突き出し、花托筒の喉部につき、長さ12~15㎜。葯は背着、長さ約1㎜。子房は線状長円形、長さ2~4㎜。柱頭は単純。花柱は錐形、糸状、長さ10~12㎜。果実は長円状楕円形、5個の紙質の翼をもつ。花期は3~9月(Flora of Pakistan @ efloras.org)。

3 Combretum densiflorum (Wall. ex Planch.) I.M.Turner コンブレツム・デンシフロールム

  synonym Quisqualis conferta (Jack) Exell
 中国(雲南省)、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(スマトラ)原産。中国名は小花使君子 xiao hua shi jun zi。標高400~1100mの密林、湿地に生える。
 小枝は褐色の軟毛がある。葉柄は長さ3~7㎜、基部近くに膨らんだ節があり、褐色の細柔毛(pilose)がある。葉身は長円形、長さ5~13㎝×幅2~5.5㎝、下面は中脈にまばらに細柔毛がある以外は無毛で、側脈の腋にはより密に毛がある。上面は無毛で細かい白色の疣があり、基部は円形、先は尖鋭形。花序は密。苞は葉状、披針形、長さ5~12㎜×幅2~4㎜、褐色の細柔毛があり、まばらになる。萼筒は長さ1.7~2.4㎝、褐色の細柔毛がある。萼片は三角状披針形、長さ約2㎜、先は尖頭形、尖端は糸状、長さ1~3㎜、しばしば反り返る。花弁は開き、暗赤色または帯赤色、長円状楕円形、約・長さ3.5㎜×幅2㎜。果実は熟すと光沢のある黒色になり、卵形、目立つ5本のうねがあり、長さ約2.5㎝、無毛。花期は1月。

4 Combretum grandiflorum G.Don コンブレツム・グランディフロルム

 アフリカ西部原産。英名はforest flame-creeper。
 つる植物(liana)または攀縁性の低木(scandent shrub)。花は、目立つ側生の穂状花序または穂状花序からなる総状花序、または穂状花序からなる頂生の円錐花序を形成し、ほとんどが長さ20~25㎜。上部の花托筒は狭い漏斗形、花弁は濃い鮮やかな赤色で無毛、よく突き出し、長さ約10~15㎜。雄しべは長く突き出し、花糸は赤色。果実には5個の広い翼がある(Flora Neotropica)。

5 Combretum paniculatum Vent. コンブレツム・パニクラツム
 アフリカ原産。burning bush or forest flame-creeper
 通常、旺盛な常緑つる植物、または支柱がないと這う低木(scrambling shrub)、たまに灌木(bush)になり、おそらく C. platypetalum との中間種または雑種である。樹皮は灰色~灰黒色。小枝は通常、最初は赤褐色で綿毛があるが、すぐに無毛になる。葉身は長さ12(18)㎝×幅8(9.5)㎝・以下、通常、幅の約1.5倍の長さで、褐色、長円形、通常無毛またはほぼ無毛、先は円形または尖鋭形、基部は鈍形~ほぼ心形、側脈は4~6(8)対。葉柄は長さ3㎝以下。花序は頂生または腋生の円錐花序につく。花序軸には通常、暗灰色または黄褐色の綿毛がある。花葉は対生。苞は長さ約4㎜、非常に狭い卵状楕円形。萼片は通常、短い歯に縮小し、ときに三角形になる。花弁は赤色、約・長さ2.5㎜×幅2.5㎜、ほぼ円形~卵形、最初は多少重なり、±重なり合う。花柱は長さ6~8㎜。花盤は目立たず、自由縁はない。雄しべの花糸は長さ7~8㎜、通常は赤色。葯は長さ0.9㎜、赤色または帯紫色。果実は翼が4個あり、長さ2~2.5㎝×幅1.5~2㎝、輪郭はほぼ円形~長円形、果体にまばらに毛が生え、頂部の突起は通常なく、翼は幅9㎜以下、薄く、柄は長さ5~10㎜(Flora Zambesiaca)。

6 Combretum racemosum P.Beauv. コンブレツム・ラケモスム
 アフリカ中部原産。
 蔓性または時には垂れ下がる低木。小枝は最初はわずかに絨毛があり、無毛になる。葉は対生またはほぼ対生、ときに三出複葉。葉身は長楕円形~卵形で、長さ16㎝×幅6㎝・まで、先端は短い尖鋭形、基部は円形~ほぼ心形、最初はわずかに細柔毛があり、無毛になり、側脈は6~10対、下面で中肋が目立つ。葉柄は長さ5mmまで。花茎は赤褐色で軟毛がある。花葉は長さ6㎝×幅2~5㎝・まで、葉に似ているが帯白色またはピンク色。花序は頂生および腋生の狭くなった総状花序。花序軸は赤褐色の毛がある。花は深紅色で、4 数性。萼片は短三角形で、尖鋭形、長さ0.5㎜。花弁は長円形、長さ 2~3㎜×幅0.1~2㎜、外側に密に暗灰色の毛がある。下部の花托は長さ3~4.5㎜、子房の上下がやや狭まり、通常軽く軟毛がある。上部の花托は鐘形で、長さ 5~6㎜×幅約3㎜、無毛またはほぼ無毛。花盤は目立たず、軟毛があり、自由部分の縁はない。雄しべの花糸は長さ12㎜。葯は長さ0.5㎜。果実は外形が倒三角形~倒卵形、長さ1.8~2.5㎝×幅1.7~2.5㎝、翼は膜質、無毛、先端の突起はないか小さく、果柄は長さ約3㎜。

7 Combretum rotundifolium Rich. コンブレツム・ロツンディフォリウム

 南アメリカ原産。英名はmonkey brush , monkey brush vine。
 高さ15mまでのつる植物または高さ4mまでの低木、または7mまでの高木、櫛状毛(非常にまばらなことが多い)と盾状鱗片がある。葉は対生し、紙質~ほぼ皮質、長さ4~17㎝× 2~11㎝、卵形~楕円形、ときに幅広または狭く、先は鋭形~尖鋭形、基部は楔形~円形またはほぼ心形、通常は無毛だが、ときに両面にまばらに軟毛があり、下面は中程度~密に帯赤色~金色の鱗片で覆われ(lepidote)、上面は多少、鱗片がなく~鱗片がまばら、葉脈はC. fruticosumと同様。葉柄は長さ0.3~1cm、無毛で、連続した赤色~金色の鱗片で覆われる。花序は分枝せず、丈夫、頂生または葉腋に単生または対生し、長さ3~18(~22)㎝、ときに頂生の総状花序に集まり長さ29cmまでになり、無毛またはまれにまばらに毛があり、密~連続した帯赤色の鱗片に覆われる。花は花序軸の周りに密集してつくが、自然界では全て多少水平な花序軸から垂直部分まで一掃され、長く突き出た雄しべをもち、ボトルブラシ状になり、4数性、大きさや形が非常に多様で、長さ11~20.3㎜、外側に毛がない。下部の花托筒は長さ3.3~4.3㎜、4角(かど)があり、基部は小花柄状で長さ0.6~1.5㎜、連続した帯赤色の鱗片に覆われる。上部の花托は6.3~16㎜×幅3.5~7㎜、形は様々、漏斗形から巻貝形(bucciniform)、基部(花盤下)が膨らんでいることが多く、先端(花盤上)は狭くなるが、先端近く(萼片下)は広がり、萼片を除いて長さ5.1~12㎜、下部は上部よりわずかに長い~わずかに短く、中程度~密に帯赤色の鱗片で覆われ、内側に疎~密に毛がある。萼片は長さ1.2~4.3㎜、直立し、鋭形~ほぼ鋭形、中程度~密に帯赤色の鱗片に覆われる。花弁は4個、長さ1.7~3.1㎜×幅0.8~1.2㎜、通常は萼片よりかなり短いが、ときにほぼ先端まで達し、楕円形、ほぼ鋭形~鋭形、基部に爪部はなく、無毛だが、ときに外面がまばらに鱗片に覆われる。雄しべは8本、突き出し、花糸は長さ18.5~29.5㎜。花盤の縁には密に直毛があり、自由な縁は長さ0.2~0.5㎜。花柱は長さ25.5~42㎜、雄しべの高さまで突き出し、無毛。胚珠は3~7個。果実は長さ2.2~3.9㎝×幅1.3~2.8㎝、長円形~楕円形または広楕円形で、基部は円形または切形~から微凹形(retuse)、非常に明瞭な長さ0.08~0.3㎝の狭い偽柄(pseudostipe)があり、先は円形または切形~微凹形でかすかに小突起があり、特に果体は中程度~密に帯赤色の鱗片の覆われ、翼が4個あり、幅0.6~1.1㎝。鱗片の直径は約70~250(~275) µmだが、その他はC. fruticosumと同じ。開花は主に7~1月だが、年間を通じてまばらに開花する。果期は主に8~5月(Flora Neotropica)。

8 Combretum tetralophum C.B.Clarke ヨツバネカズラ

  synonym Combretum tetragonocarpum var. tetralophum (C.B.Clarke) M.G.Gangop. & Chakrab.

  synonym Combretum wrayi King
 ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(ボルネオ島、ジャワ島、ニコバル諸島、スラウェシ島、スマトラ島)、ニューギニア、キャロライン諸島原産。川岸や道路沿いに稀に生える。
 蔓性低木。小枝は赤褐色で円柱形、若い時はさび色の綿毛が密生し、後に無毛になる。葉は対生し、単葉で、楕円形~卵状楕円形、長さ6~11㎝×幅3.5~5㎝、基部は楔形または円形、縁は全縁、先は鋭形~短い尖鋭形で短い微突形、膜質、暗褐色で無毛、上面はときにうろこ状、下面は緑褐色、無毛、まばらにうろこ状(scaly)、中脈は上面で平ら~突出、下面は顕著に隆起し、両側にさび色の綿毛が密生し、側脈は7~9対あり、上面では微弱、下面では目立ち、3次脈ははしご形(scalariform)。葉柄は長さ1㎝までで、さび色の綿毛がある。花序は腋生の穂状花序と頂生の円錐花序につく。穂状花序は長さ3.5㎝以下、ほぼ小頭状花序状(subcapituliform)。花序柄は長さ2㎝以下、さび色の軟毛がある。花は緑白色、無柄、4数性、長さ約6㎜。花托は先が杯形、長さ約2㎜×幅3㎜、密に鉄さび色の盾状鱗片がある。萼片は三角形、長さ約1.5㎜、鋭形、密に鉄さび色の鱗片がある。花弁は4個、倒披針形、長さ4㎜以下、無毛。雄しべは8本、花糸は長さ4㎜以下。花盤は密にひげがある。花柱は長さ約5.5㎜。花期は1~5月。

参考

1) Flora of China
 Dopatrium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
 Quisqualis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=127863
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Dopatrium
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331508-2
3) World Flora Online
 Dopatrium
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012430
4) Flora of Pakistan
 Dopatrium
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012430
5) ResearchGate
Combretum tetragonocarpum var. tetralophum (C.B.Clarke) M.G.Gangop. & Chakrab
https://www.researchgate.net/profile/Ladan-Rasingam/publication/311776128_Combretum_tetragonocarpum_Kurz_var_tetralophum_CBClarke_Gang_TChakrab_-_A_new_record_for_India_from_the_Nicobar_Islands/links/58873878aca272b7b44f8a94/Combretum-tetragonocarpum-Kurz-var-tetralophum-CBClarke-Gang-TChakrab-A-new-record-for-India-from-the-Nicobar-Islands.pdf