シコンノボタン・コートダジュール 紫紺野牡丹
Flora of Mikawa
ノボタン科 Melastomataceae シコンノボタン属
別 名 | スパイダーフラワー、ノボタン |
中国名 | 蒂牡花 di mu hua , 巴西野牡丹 |
英 名 | princess flower , purple glory tree , lasiandra; pleroma , Brazilian glorybush glory bush |
学 名 | Tibouchina urvilleana 'Cote d'Azur' |
花 期 | 7~11月 |
高 さ | 1~3m |
生活型 | 常緑低木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 ブラジル東南部原産 |
撮 影 | 西尾市 17.8.2 |
園芸種でノボタンと呼ばれるものにはノボタン科(Melastomataceae)のノボタン属 (Melastoma) のMelastoma candidum
とシコンノボタン属[ティボウキナ属] (Tibouchina) のTibouchina urvilleanaがある。この両珠を混同してノボタンと呼んでいることが多い。Tibouchina
urvilleanaは和名をシコンノボタンという。園芸種のほとんどがシコンノボタン系統のものであり、ハイブリッドもある。写真はよく見られる品種のコートダシュールであり、葉や花がやや小さく、雄しべや雌しべが白色になる。
常緑~半落葉低木。高さ3m以下(栽培するとときに、4~.6m程度になる)、全体に密に毛がある。若枝は四角形、綿毛があり、しばしば角(かど)に赤色の毛がある。葉は対生し、葉柄は短く、綿毛がある。葉身は長さ4.5~11㎝、幅2~5㎝、卵形~卵状楕円形、両面に絨毛があり、下面は緑白色、縦の(3~)5(~7)脈があり、細脈は羽状、全縁で赤色の縁毛があり(日陰を除く)、先は鋭形。苞は大きく、卵形、たいてい絨毛がある。花序は頂生。花は直径5~7.5(しばしば8~13)㎝、鮮やかな紫色~ローズ・パープル色(紅紫色~青紫色)。萼は無さ約2㎝、しばしば帯赤色になる剛毛があり、萼片は長さ6~8㎜、披針形。花弁は長さ2.5~3.5㎝、紫色、倒卵形。雄しべははっきり不等長、5長、5短。花糸はモーブ色(藤色)、短毛がある。葯は長さ約1.5㎝、紫色、細く、曲がり、カールすることもあり、先の孔から裂開する。花柱は長さ約3㎝、光沢のある紅藤色。蒴果は長さ10~12(15)㎜、幅約1㎝、5バルブ、つぼ形、剛毛があり、不規則な歯がある。花期は夏~秋。2n =56。
不稔であるためハイブリッドではないかと考えられている。DNA研究からTibouchina urvilleanaはTibouchina asperaとの、又は雌親として交雑した密接な種とのハイブリッドと考えられている。
小~中高木、低木、亜低木、ごくまれに草本又はつる性。普通、粗毛又は剛毛がある。葉は葉柄がある。葉身は長楕円形、3~7本の縦脈があり、最外側の脈は全縁の縁に接する。花序は頂生、円錐花序又は花が単生。萼は粗毛~剛毛があり、5裂する。花弁は5個、普通、かなり大きく、バイオレット色~紫色、普通、倒卵形。雄しべは10個、等長又は不等長、葯隔(connective)に付属体が有又は無、基部に2個の裂片又はいぼがある。
世界に約240種があり、メキシコ、西インド諸島、南アメリカに分布する。英名はglory bush , glorytree 。
ブラジル東南部原産。英名はprincess flower , purple glory tree , lasiandra; pleroma , Brazilian glorybush glory bush。
常緑~半落葉低木。高さ3m以下(栽培するとときに、4~.6m程度になる)、全体に密に毛がある。若枝は四角形、綿毛があり、しばしば角(かど)に赤色の毛がある。葉は対生し、葉柄は短く、綿毛がある。葉身は長さ4.5~11㎝、幅2~5㎝、卵形~卵状楕円形、両面に絨毛があり、下面は緑白色、縦の(3~)5(~7)脈があり、細脈は羽状、全縁で赤色の縁毛があり(日陰を除く)、先は鋭形。苞は大きく、卵形、たいてい絨毛がある。花序は頂生。花は直径5~7.5(しばしば8~13)㎝、鮮やかな紫色~ローズ・パープル色(紅紫色~青紫色)。萼は無さ約2㎝、しばしば帯赤色になる剛毛があり、萼片は長さ6~8㎜、披針形。花弁は長さ2.5~3.5㎝、紫色、倒卵形。雄しべははっきり不等長、5長、5短。花糸はモーブ色(藤色)、短毛がある。葯は長さ約1.5㎝、紫色、細く、曲がり、カールすることもあり、先の孔から裂開する。花柱は長さ約3㎝、光沢のある紅藤色。蒴果は長さ10~12(15)㎜、幅約1㎝、5バルブ、つぼ形、剛毛があり、不規則な歯がある。花期は夏~秋。2n =56。
不稔であるためハイブリッドではないかと考えられている。DNA研究からTibouchina urvilleanaはTibouchina asperaとの、又は雌親として交雑した密接な種とのハイブリッドと考えられている。
品種) 'Athens Blue' , 'Compacta' , 'Cote d'Azur'[コートダシュール] , 'Edwardsii' , 'Gruetib 01' , 'Gruetib 02' , 'Jazzie' , Little Angel [リトルエンジェル], 'Moonstruck' (PBR) , 'Nana' , 'Oosttrio' (PBR) , 'Oostsunny' (PBR) , 'Rich Blue Sun' , 'Variegata'
2 Tibouchina semidecandra (Schrank & Mart. ex DC.) Cogn. コバノシコンノボタン
ブラジル原産。英名はprincess flower, purple glory tree , glory bush , lasiandra。
常緑低木、不規則に広がる灌木。高さ3~4.5m。葉は長さ10~15㎝、灰緑色、ビロード状、縦の3本の平行脈が目立ち、しばしば縁が赤色になる。花序は頂生、円錐花序。花はロイヤルパープル色=貝紫色 (Royal purple=マゼンンダ色に近い紫色 #7f1184■)、大きく、直径13㎝以下。花期は4~1月。2n =54。
3 Tibouchina heteromalla Cogn
syn Tibouchina grandifolia Cogn.と同一種とする見解もある。
ブラジ、コスタリカ原産 Silver leafed Princess Flower , Glory Bush
常緑低木。高さ2.4~3m。葉は長さ10~15㎝、楕円形、先は鋭形、ビロード状、銀緑色、縦の5~7本の平行脈が目立ち、盛り上がる。古い葉はしばしば美しいオレンジ色に変わる。花は枝先の円錐花序に多数つき、つぼみは2個の苞に包まれる。花は5弁花、淡紅紫色~バイオレット色(青紫色)、直径4~5㎝。花期は夏~秋。
品種) 'Jules'
※Tibouchina grandifolia ホザキノボタン(オオバシコンノボタン、オオバノボタン)
英名はLarge-leaved Princess Flower, Velvet-Leaf , Grandifolia's leave
高さ1.8~1.2m。茎は4稜形。葉は大きくて、円形に近い楕円形、ビロード状で柔らか。密に光を反射する毛で覆われ、光で色が変わってみえる。寒さや水枯れで古い下部の葉は落ちる前にオレンジ色や黄色の変わる。花の盛期は晩夏~初秋。花は紫色( violet-purple)、中央に白色の小さな目がある。
4 Tibouchina sellowiana (Cham.) Cogn. ブラジル固有種
英名はpink glory bush
常緑低木~高木、高さ12m、幹の直径35㎝に達する。葉は対生、革質、長さ3~9㎝、幅1~4㎝。花は単生、多数つき、ローズ色、白色の花が同じ株につく。果実は蒴果、卵形、膜のある類似形(velateid subtype)。花期は12~4月(ブラジル)、日本では秋咲き。果期は4~10月(ブラジル)
5 Tibouchina organensis Cogn. ブラジル原産。
英名はnight princess flower , glory bush。
常緑低木、直立し、多数、分子し、高さ 1.5~6.1m、枝は四角形、有毛。葉は卵状長楕円形~楕円形、長さ15㎝以下、灰色の短毛で密に覆われ、ビロード状、灰緑色、地色は中間~濃い緑色、明るい場所で育つと葉が赤色を帯びる。円錐花序には葉が多数つく。花は 皿形、直径約10㎝、青紫色、サテン質。花糸は帯紫色。花期は夏~秋。
品種) 'Blue Moon' , 'Caribbean Princess' , 'Latin Princess' , 'Moonstruck' , 'Night Princess' , ‘Grue-TiB 01’, 'Gruetib 03' , 'Gruetib 04' , 'Paradise Princess' , 'Tropical Princess'
6 Tibouchina granulosa (Desr.) Cogn. ブラジル東部、ボリビア原産
英名はBrazilian Glorytree , Purple Glorytree , Princess Flower
常緑又は半落葉低木、高さ4.5~6m、大きくなると高さ8~12m、幹が直径20~40㎝になる。若枝は四角形。葉は単葉、卵形、長さ10~15~20㎝、ビロード状、細鋸歯縁、葉脈は縦の平行脈、数本あり、目立つ。花序は円錐花序、頂生。花は直径.5㎝以下、ロイヤルパープル色、花弁はビロード状。果実は球形、直径約1.3㎝以下、褐色。花期は4~7月。
品種) 'Gibraltar'
【ハイブリッド】
'Allure' , 'Athens Blue' (hybrid) , 'Compacta' (hybrid) , 'Cool Baby' , 'Fantasy Flowers'TM 'Peace Baby' , 'Fantasy Flowers'TM 'Imagine' , Hippie Dippie TibbiesR Groovy Baby , 'Illusion'
【ノボタン属】 family:Melastomataceae - genus Melastoma
灌木又は小灌木。茎は4面があり、又は円柱形に近く、しばしば鱗状の剛毛がある。葉は対生、葉柄がある。葉身は両面に毛があり、2次脈は中脈の両側に2叉3(又は4)対、縁は全縁。花は頂部又は枝先に単生、束生又は円錐花序につき、5数性、華やか。花托筒は球状つぼ形、有毛又は鱗状の剛毛がある。萼片は披針形~卵形、分裂が有又は無。花弁は普通、倒卵形、斜形。雄しべ10個、輪生、不等長。長い雄しべは葯が紫色、葯の基部に長い葯隔(connective)があり、2個のこぶがある。子房は半下位、卵形、5室、先に密に毛状突起がある。中軸胎座、ときに果実中で肉質になる。花柱は糸状、花弁と同長。果実は蒴果又はときに液果状、多孔質裂開又は中間で横裂、有毛又は鱗状剛毛がある。種子は多数、小さく、、渦巻形、密に斑点がある。
約22種が東南アジア、オーストラリア北部、太平洋諸島に分布する。中国名は野牡丹属( ye mu dan shu )
1 Melastoma candidum D.Don ノボタン 中国、台湾原産
syn. Melastoma malabathricum auct. non L.:Melastoma malabathricumでは無いとする見解。
syn. Melastoma septemnervium Lour
英名はAsian melastome , Indian rhododendron , Malabar melastome。
南西諸島(奄美大島以南)、中国南部、台湾、インドネシア、フィリピン
灌木、高さ0.5~1.5m、分枝多い。茎は鈍4稜形又は類円柱形、密に伏した鱗状剛毛があり、毛は扁平で房状の縁飾りがある。葉身は堅い紙質、卵形~広卵形、先は急に尖り、基部は浅い心形~類円形、長さ4~10㎝、幅2~6㎝、全縁、縦脈が7本、両面に剛毛と淡柔毛がある。葉の背面は基部の脈が隆起し、鱗状剛毛で覆われ、側脈は隆起し、密に長柔毛で覆われる。葉柄は長さ5~15㎜、密に鱗状剛毛と長柔毛で覆われる。散房花序は枝先に頂生し、類頭状、花が3~5個つき、まれに単生、基部に葉状の小総苞が2個つき、小総苞は披針形~狭披針形、密に伏した鱗状毛で覆われる。花柄は長さ3~20㎜、密に伏した鱗状毛で覆われる。萼は長さ約2.2㎝、伏した鱗状毛と長柔毛で覆われる。萼片は卵形~やや広卵形、萼筒と等長又はやや長く、先は次第に尖り、先端は尖り、両面ともに毛がある。花弁はローズレッド~ピンク色、倒卵形、長さ3~4㎝、先は円形、密に綿毛に覆われる。長い雄しべは葯隔の基部が長く伸び、湾曲し、先が2深裂する。短い雄しべの基部は葯隔が伸びない。葯室の基部に1対の小こぶがある。子房は半下位、密に伏した鱗状毛で覆われる。種子は肉質の胎座内にはめ込まれる。花期5~7月。果期10~12月(中国植物誌)
※ candidumはラテン語のcandidus 白色から名づけられている。
茎は円柱形、有毛。葉は対生、単葉、托葉は無い。葉柄は溝があり、長さ7~18㎜。葉身は広披針形、有毛、灰白色、長さ7~9.5㎝、幅4~5.5㎝、7本以下の縦脈がある。葉縁は反曲して波打ち、下面で3次脈は明瞭。花序は頂生、花は白色。果実は有毛、長さ約1.2㎝、幅約8㎜。(参考 Medicinal Plants of the Asia-Pacific;Drugs for the Future p294)
1-1 Melastoma candidum D.Don f. albiflorum J.C.Ou シロバナノボタン
沖縄、台湾などに分布。中国名は白花野牡丹
花が白色の品種。
1-2 Melastoma candidum D.Don var. alessandrense S. Kobay イオウノボタンタン
小笠原諸島北硫黄島固有種
花はピンク色。葉の表面に白毛が密生する。
2 Melastoma malabathricum L. コウトウノボタン
syn. Melastoma affine D.Don syn. Melastoma polyanthum Blume
syn. Melastoma malabathricum subsp. normale (D. Don) K.Mey 紅頭野牡丹
syn. Melastoma candidum D.Don ノボタンを同一とす見解(Flora of China)。
西インド諸島、台湾、インド、ネパール、ブータン、ラオス、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア
英名はIndian-rhododendron , Malabar melastome , Asian melastome。中国名は野牡丹 ye mu dan
灌木、高さ0.5~1(~5)m、直立。茎は4角形~円柱形、小枝は多数、平伏し、密に伏した鱗片で覆われる。葉柄は長さ0.5~0.9㎝。葉身は卵形~楕円形~楕円状披針形、長さ4~14㎝、幅1.7~3.5(~6)㎝、堅い紙質、密に剛毛と毛があり、葉の上面は密に剛毛がある。2次脈は中脈の両側に2(又は3)対、3次脈は多数で平行。葉の基部は円形~類心形、葉縁は全縁、葉先は尖鋭形。花序は類頭状花序~散房花序、頂生、花は3~7個つき、苞は基部に2個つき、葉状。花柄は長さ 2~8(~10)㎜、剛毛があり、頂点(花の基部)に2個の小苞がつく。小苞は披針形~錐形、長さ2~5㎜、 外側は密に剛毛があり、縁毛がある。花托筒は長さ5~9㎜、密に伏した剛毛があり、縁は長毛縁(fimbriate)。萼片は披針形~卵状披針形、先は尖鋭形、両面と縁に鱗状剛毛と毛がある。花弁は赤紫色、長さ2~3(~4) ㎝、縁は縁毛だけがあり、先は円形。長い雄しべは葯の基部に長く伸びた葯隔があり、曲がり、先は2裂する。短い雄しべは葯の基部に2個のいぼがあり、葯隔は伸びない。子房は半下位、剛毛が密生し、先に剛毛の輪がある。果実はつぼ状球形、長さ 6~15㎜、幅6~12㎜、多肉多汁、密に鱗状剛毛がある。花期は2~8月。果期は7~12月。
3 Melastoma sanguineum Sims ハリゲノボタン
syn. Melastoma decemfidum Roxb. ex Jack
4 Melastoma scaberrimum (Hayata) Yuen P.Yang et H.Y.Lu ケヒメノボタン
syn. Otanthera scaberrima (Hayata) Ohwi
Tibouchina Aubl.
Tibouchina urvilleana (DC.) Cogn.
http://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Tibouchina-urvilleana.html
2)EDIS FPS-581/FP581: Tibouchina granulosa Purple Glory Tree - UF's EDIS
Tibouchina granulosa Purple Glory Tree1
http://edis.ifas.ufl.edu/fp581
3) Tibouchina sellowiana (Cham.) Cogn. Aleluia, quaresmeira
Compendium Online Gerson Luiz Lopes
http://sites.unicentro.br/wp/manejoflorestal/8858-2/
4)Medicinal Plants of the Asia-Pacific: Drugs for the Future 書籍
Melastoma candidum D.Don
Division MAGNOLIOPHYTA p294
常緑~半落葉低木。高さ3m以下(栽培するとときに、4~.6m程度になる)、全体に密に毛がある。若枝は四角形、綿毛があり、しばしば角(かど)に赤色の毛がある。葉は対生し、葉柄は短く、綿毛がある。葉身は長さ4.5~11㎝、幅2~5㎝、卵形~卵状楕円形、両面に絨毛があり、下面は緑白色、縦の(3~)5(~7)脈があり、細脈は羽状、全縁で赤色の縁毛があり(日陰を除く)、先は鋭形。苞は大きく、卵形、たいてい絨毛がある。花序は頂生。花は直径5~7.5(しばしば8~13)㎝、鮮やかな紫色~ローズ・パープル色(紅紫色~青紫色)。萼は無さ約2㎝、しばしば帯赤色になる剛毛があり、萼片は長さ6~8㎜、披針形。花弁は長さ2.5~3.5㎝、紫色、倒卵形。雄しべははっきり不等長、5長、5短。花糸はモーブ色(藤色)、短毛がある。葯は長さ約1.5㎝、紫色、細く、曲がり、カールすることもあり、先の孔から裂開する。花柱は長さ約3㎝、光沢のある紅藤色。蒴果は長さ10~12(15)㎜、幅約1㎝、5バルブ、つぼ形、剛毛があり、不規則な歯がある。花期は夏~秋。2n =56。
不稔であるためハイブリッドではないかと考えられている。DNA研究からTibouchina urvilleanaはTibouchina asperaとの、又は雌親として交雑した密接な種とのハイブリッドと考えられている。
シコンノボタン属
family Melastomataceae - genus Tibouchina小~中高木、低木、亜低木、ごくまれに草本又はつる性。普通、粗毛又は剛毛がある。葉は葉柄がある。葉身は長楕円形、3~7本の縦脈があり、最外側の脈は全縁の縁に接する。花序は頂生、円錐花序又は花が単生。萼は粗毛~剛毛があり、5裂する。花弁は5個、普通、かなり大きく、バイオレット色~紫色、普通、倒卵形。雄しべは10個、等長又は不等長、葯隔(connective)に付属体が有又は無、基部に2個の裂片又はいぼがある。
世界に約240種があり、メキシコ、西インド諸島、南アメリカに分布する。英名はglory bush , glorytree 。
シコンノボタン属の主な種と園芸種
1 Tibouchina urvilleana (DC.) Cogn. シコンノボタンブラジル東南部原産。英名はprincess flower , purple glory tree , lasiandra; pleroma , Brazilian glorybush glory bush。
常緑~半落葉低木。高さ3m以下(栽培するとときに、4~.6m程度になる)、全体に密に毛がある。若枝は四角形、綿毛があり、しばしば角(かど)に赤色の毛がある。葉は対生し、葉柄は短く、綿毛がある。葉身は長さ4.5~11㎝、幅2~5㎝、卵形~卵状楕円形、両面に絨毛があり、下面は緑白色、縦の(3~)5(~7)脈があり、細脈は羽状、全縁で赤色の縁毛があり(日陰を除く)、先は鋭形。苞は大きく、卵形、たいてい絨毛がある。花序は頂生。花は直径5~7.5(しばしば8~13)㎝、鮮やかな紫色~ローズ・パープル色(紅紫色~青紫色)。萼は無さ約2㎝、しばしば帯赤色になる剛毛があり、萼片は長さ6~8㎜、披針形。花弁は長さ2.5~3.5㎝、紫色、倒卵形。雄しべははっきり不等長、5長、5短。花糸はモーブ色(藤色)、短毛がある。葯は長さ約1.5㎝、紫色、細く、曲がり、カールすることもあり、先の孔から裂開する。花柱は長さ約3㎝、光沢のある紅藤色。蒴果は長さ10~12(15)㎜、幅約1㎝、5バルブ、つぼ形、剛毛があり、不規則な歯がある。花期は夏~秋。2n =56。
不稔であるためハイブリッドではないかと考えられている。DNA研究からTibouchina urvilleanaはTibouchina asperaとの、又は雌親として交雑した密接な種とのハイブリッドと考えられている。
品種) 'Athens Blue' , 'Compacta' , 'Cote d'Azur'[コートダシュール] , 'Edwardsii' , 'Gruetib 01' , 'Gruetib 02' , 'Jazzie' , Little Angel [リトルエンジェル], 'Moonstruck' (PBR) , 'Nana' , 'Oosttrio' (PBR) , 'Oostsunny' (PBR) , 'Rich Blue Sun' , 'Variegata'
2 Tibouchina semidecandra (Schrank & Mart. ex DC.) Cogn. コバノシコンノボタン
ブラジル原産。英名はprincess flower, purple glory tree , glory bush , lasiandra。
常緑低木、不規則に広がる灌木。高さ3~4.5m。葉は長さ10~15㎝、灰緑色、ビロード状、縦の3本の平行脈が目立ち、しばしば縁が赤色になる。花序は頂生、円錐花序。花はロイヤルパープル色=貝紫色 (Royal purple=マゼンンダ色に近い紫色 #7f1184■)、大きく、直径13㎝以下。花期は4~1月。2n =54。
3 Tibouchina heteromalla Cogn
syn Tibouchina grandifolia Cogn.と同一種とする見解もある。
ブラジ、コスタリカ原産 Silver leafed Princess Flower , Glory Bush
常緑低木。高さ2.4~3m。葉は長さ10~15㎝、楕円形、先は鋭形、ビロード状、銀緑色、縦の5~7本の平行脈が目立ち、盛り上がる。古い葉はしばしば美しいオレンジ色に変わる。花は枝先の円錐花序に多数つき、つぼみは2個の苞に包まれる。花は5弁花、淡紅紫色~バイオレット色(青紫色)、直径4~5㎝。花期は夏~秋。
品種) 'Jules'
※Tibouchina grandifolia ホザキノボタン(オオバシコンノボタン、オオバノボタン)
英名はLarge-leaved Princess Flower, Velvet-Leaf , Grandifolia's leave
高さ1.8~1.2m。茎は4稜形。葉は大きくて、円形に近い楕円形、ビロード状で柔らか。密に光を反射する毛で覆われ、光で色が変わってみえる。寒さや水枯れで古い下部の葉は落ちる前にオレンジ色や黄色の変わる。花の盛期は晩夏~初秋。花は紫色( violet-purple)、中央に白色の小さな目がある。
4 Tibouchina sellowiana (Cham.) Cogn. ブラジル固有種
英名はpink glory bush
常緑低木~高木、高さ12m、幹の直径35㎝に達する。葉は対生、革質、長さ3~9㎝、幅1~4㎝。花は単生、多数つき、ローズ色、白色の花が同じ株につく。果実は蒴果、卵形、膜のある類似形(velateid subtype)。花期は12~4月(ブラジル)、日本では秋咲き。果期は4~10月(ブラジル)
5 Tibouchina organensis Cogn. ブラジル原産。
英名はnight princess flower , glory bush。
常緑低木、直立し、多数、分子し、高さ 1.5~6.1m、枝は四角形、有毛。葉は卵状長楕円形~楕円形、長さ15㎝以下、灰色の短毛で密に覆われ、ビロード状、灰緑色、地色は中間~濃い緑色、明るい場所で育つと葉が赤色を帯びる。円錐花序には葉が多数つく。花は 皿形、直径約10㎝、青紫色、サテン質。花糸は帯紫色。花期は夏~秋。
品種) 'Blue Moon' , 'Caribbean Princess' , 'Latin Princess' , 'Moonstruck' , 'Night Princess' , ‘Grue-TiB 01’, 'Gruetib 03' , 'Gruetib 04' , 'Paradise Princess' , 'Tropical Princess'
6 Tibouchina granulosa (Desr.) Cogn. ブラジル東部、ボリビア原産
英名はBrazilian Glorytree , Purple Glorytree , Princess Flower
常緑又は半落葉低木、高さ4.5~6m、大きくなると高さ8~12m、幹が直径20~40㎝になる。若枝は四角形。葉は単葉、卵形、長さ10~15~20㎝、ビロード状、細鋸歯縁、葉脈は縦の平行脈、数本あり、目立つ。花序は円錐花序、頂生。花は直径.5㎝以下、ロイヤルパープル色、花弁はビロード状。果実は球形、直径約1.3㎝以下、褐色。花期は4~7月。
品種) 'Gibraltar'
【ハイブリッド】
'Allure' , 'Athens Blue' (hybrid) , 'Compacta' (hybrid) , 'Cool Baby' , 'Fantasy Flowers'TM 'Peace Baby' , 'Fantasy Flowers'TM 'Imagine' , Hippie Dippie TibbiesR Groovy Baby , 'Illusion'
類似種
園芸種でノボタンと呼ばれるものにはノボタン科(Melastomataceae)のノボタン属 (Melastoma) のMelastoma candidum とシコンノボタン属[ティボウキナ属] (Tibouchina) のTibouchina urvilleanaがある。この両珠を混同してノボタンと呼んでいることが多い。Tibouchina urvilleanaは和名をシコンノボタンという。ノボタンは学名がMelastoma candidumとされているが、Melastoma malabathricum と別種とする見解と同一とする見解がある。【ノボタン属】 family:Melastomataceae - genus Melastoma
灌木又は小灌木。茎は4面があり、又は円柱形に近く、しばしば鱗状の剛毛がある。葉は対生、葉柄がある。葉身は両面に毛があり、2次脈は中脈の両側に2叉3(又は4)対、縁は全縁。花は頂部又は枝先に単生、束生又は円錐花序につき、5数性、華やか。花托筒は球状つぼ形、有毛又は鱗状の剛毛がある。萼片は披針形~卵形、分裂が有又は無。花弁は普通、倒卵形、斜形。雄しべ10個、輪生、不等長。長い雄しべは葯が紫色、葯の基部に長い葯隔(connective)があり、2個のこぶがある。子房は半下位、卵形、5室、先に密に毛状突起がある。中軸胎座、ときに果実中で肉質になる。花柱は糸状、花弁と同長。果実は蒴果又はときに液果状、多孔質裂開又は中間で横裂、有毛又は鱗状剛毛がある。種子は多数、小さく、、渦巻形、密に斑点がある。
約22種が東南アジア、オーストラリア北部、太平洋諸島に分布する。中国名は野牡丹属( ye mu dan shu )
1 Melastoma candidum D.Don ノボタン 中国、台湾原産
syn. Melastoma malabathricum auct. non L.:Melastoma malabathricumでは無いとする見解。
syn. Melastoma septemnervium Lour
英名はAsian melastome , Indian rhododendron , Malabar melastome。
南西諸島(奄美大島以南)、中国南部、台湾、インドネシア、フィリピン
灌木、高さ0.5~1.5m、分枝多い。茎は鈍4稜形又は類円柱形、密に伏した鱗状剛毛があり、毛は扁平で房状の縁飾りがある。葉身は堅い紙質、卵形~広卵形、先は急に尖り、基部は浅い心形~類円形、長さ4~10㎝、幅2~6㎝、全縁、縦脈が7本、両面に剛毛と淡柔毛がある。葉の背面は基部の脈が隆起し、鱗状剛毛で覆われ、側脈は隆起し、密に長柔毛で覆われる。葉柄は長さ5~15㎜、密に鱗状剛毛と長柔毛で覆われる。散房花序は枝先に頂生し、類頭状、花が3~5個つき、まれに単生、基部に葉状の小総苞が2個つき、小総苞は披針形~狭披針形、密に伏した鱗状毛で覆われる。花柄は長さ3~20㎜、密に伏した鱗状毛で覆われる。萼は長さ約2.2㎝、伏した鱗状毛と長柔毛で覆われる。萼片は卵形~やや広卵形、萼筒と等長又はやや長く、先は次第に尖り、先端は尖り、両面ともに毛がある。花弁はローズレッド~ピンク色、倒卵形、長さ3~4㎝、先は円形、密に綿毛に覆われる。長い雄しべは葯隔の基部が長く伸び、湾曲し、先が2深裂する。短い雄しべの基部は葯隔が伸びない。葯室の基部に1対の小こぶがある。子房は半下位、密に伏した鱗状毛で覆われる。種子は肉質の胎座内にはめ込まれる。花期5~7月。果期10~12月(中国植物誌)
※ candidumはラテン語のcandidus 白色から名づけられている。
茎は円柱形、有毛。葉は対生、単葉、托葉は無い。葉柄は溝があり、長さ7~18㎜。葉身は広披針形、有毛、灰白色、長さ7~9.5㎝、幅4~5.5㎝、7本以下の縦脈がある。葉縁は反曲して波打ち、下面で3次脈は明瞭。花序は頂生、花は白色。果実は有毛、長さ約1.2㎝、幅約8㎜。(参考 Medicinal Plants of the Asia-Pacific;Drugs for the Future p294)
1-1 Melastoma candidum D.Don f. albiflorum J.C.Ou シロバナノボタン
沖縄、台湾などに分布。中国名は白花野牡丹
花が白色の品種。
1-2 Melastoma candidum D.Don var. alessandrense S. Kobay イオウノボタンタン
小笠原諸島北硫黄島固有種
花はピンク色。葉の表面に白毛が密生する。
2 Melastoma malabathricum L. コウトウノボタン
syn. Melastoma affine D.Don syn. Melastoma polyanthum Blume
syn. Melastoma malabathricum subsp. normale (D. Don) K.Mey 紅頭野牡丹
syn. Melastoma candidum D.Don ノボタンを同一とす見解(Flora of China)。
西インド諸島、台湾、インド、ネパール、ブータン、ラオス、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア
英名はIndian-rhododendron , Malabar melastome , Asian melastome。中国名は野牡丹 ye mu dan
灌木、高さ0.5~1(~5)m、直立。茎は4角形~円柱形、小枝は多数、平伏し、密に伏した鱗片で覆われる。葉柄は長さ0.5~0.9㎝。葉身は卵形~楕円形~楕円状披針形、長さ4~14㎝、幅1.7~3.5(~6)㎝、堅い紙質、密に剛毛と毛があり、葉の上面は密に剛毛がある。2次脈は中脈の両側に2(又は3)対、3次脈は多数で平行。葉の基部は円形~類心形、葉縁は全縁、葉先は尖鋭形。花序は類頭状花序~散房花序、頂生、花は3~7個つき、苞は基部に2個つき、葉状。花柄は長さ 2~8(~10)㎜、剛毛があり、頂点(花の基部)に2個の小苞がつく。小苞は披針形~錐形、長さ2~5㎜、 外側は密に剛毛があり、縁毛がある。花托筒は長さ5~9㎜、密に伏した剛毛があり、縁は長毛縁(fimbriate)。萼片は披針形~卵状披針形、先は尖鋭形、両面と縁に鱗状剛毛と毛がある。花弁は赤紫色、長さ2~3(~4) ㎝、縁は縁毛だけがあり、先は円形。長い雄しべは葯の基部に長く伸びた葯隔があり、曲がり、先は2裂する。短い雄しべは葯の基部に2個のいぼがあり、葯隔は伸びない。子房は半下位、剛毛が密生し、先に剛毛の輪がある。果実はつぼ状球形、長さ 6~15㎜、幅6~12㎜、多肉多汁、密に鱗状剛毛がある。花期は2~8月。果期は7~12月。
3 Melastoma sanguineum Sims ハリゲノボタン
syn. Melastoma decemfidum Roxb. ex Jack
4 Melastoma scaberrimum (Hayata) Yuen P.Yang et H.Y.Lu ケヒメノボタン
syn. Otanthera scaberrima (Hayata) Ohwi
参考
1) Nz FloraTibouchina Aubl.
Tibouchina urvilleana (DC.) Cogn.
http://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Tibouchina-urvilleana.html
2)EDIS FPS-581/FP581: Tibouchina granulosa Purple Glory Tree - UF's EDIS
Tibouchina granulosa Purple Glory Tree1
http://edis.ifas.ufl.edu/fp581
3) Tibouchina sellowiana (Cham.) Cogn. Aleluia, quaresmeira
Compendium Online Gerson Luiz Lopes
http://sites.unicentro.br/wp/manejoflorestal/8858-2/
4)Medicinal Plants of the Asia-Pacific: Drugs for the Future 書籍
Melastoma candidum D.Don
Division MAGNOLIOPHYTA p294