シバナ 塩場菜
Flora of Mikawa
シバナ科 Juncaginaceae シバナ属
別名] | ウミニラ |
中国名 | 海韭菜 hai jiu cai |
英名] | arrow-grass, sea arrow-grass |
学 名 | Triglochin asiatica (Kitag.) A. et D.Love Triglochin maritima L. subsp. asiatica Kitag. ...[basionym] Triglochin maritima auct. non L. Triglochin maritimum L. ・・・広義 |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 10~40㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 河口付近の塩湿地 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、西アジア、中央アジア、(ヨーロッパ、北アメリカ) |
撮 影 | 豊橋市 06.9.10 |
シバナ(広義)は北半球に広く分布する。日本産のものを関東地方以北に分布するマルミノシバナ(オオシバナ)Triglochin maritimaと西日本に多いシバナTriglochin
asiaticaに分ける説がある。また、広義にシバナTriglochin maritimaとする見解もある。
塩湿地性でやや塩分の低い河口付近で見られる。全国では絶滅危惧種Ⅱ類、愛知県では準絶滅危惧種。
地下茎は太く、群生する。葉は長さ10~40㎝、幅1.5~5㎜、断面は半円形、肉質で柔らかく、先端は鋭形の鈍端、下部には白い葉鞘がつく。葉鞘の先に長さ3~5㎜の葉舌がある。花茎を伸ばし、先に長さ5~15㎝の穂状花序をつけ、多数の淡黄緑色の花をつける。雄しべは6個、3個ずつ2輪につく。葯は無柄、淡緑色の大きな葯隔がある。花被片は6個、雄しべを包むように3個ずつつく。雌性先熟。花柄は長さ1.5~3㎜、果時には長さ2.5~5㎜になる。果実は分離果、長さ3.5~4.4㎜の長楕円形。2n= 24, 28, 36, 48, 80, 120
多年草又は1年草、沼地に生え、短く丈夫な茎をもつ。根茎は節から密に根を出す。花は両性、葉のない花茎の総状花序につく。花被片は6個、雄しべ6個、心皮は6個、又は3個だけが稔性、合着する。柱頭は羽毛状。果実は集合果。
世界に約15種があり、温帯と寒帯地域に広く分布する。gher elevations.
synonym Triglochin maritima auct. non L.
synonym Triglochin maritima L. var. asiatica (Kitag.) Ohwi
synonym Triglochin maritima L. subsp. asiatica Kitag.
【狭義のシバナTriglochin maritima=Triglochin asiatica】
日本(西日本に多い)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ネパール、パキスタン、カザフスタン、キルギスタン、北半球の温帯、寒帯に広く分布。(Flora of Cnina)
別名はウミニラ
多年草、強健。根茎は短く、丈夫、古い葉の鞘により覆われる。葉は長さ(4~)7~30㎝、幅1~4㎜。花茎は直立し、丈夫、総状花序は密に花をつける。花は短柄、長さ約1㎜(花後は長さ2~4㎜)。花被片は緑色、円形~卵形、長さ約1.5㎜。心皮はすべて稔性。果実は斜上、花茎に伏せず、長楕円状卵形、長さ3~5㎜、幅約2㎜、基部は丸い。花期、果期は6~10月。2n=24, 28, 36, 48, 80, 120。
【広義のシバナ】
地下茎は太く、群生する。葉は長さ10~40㎝、幅1.5~5㎜、断面は半円形、肉質で柔らかく、先端は鋭形の鈍端、下部には白い葉鞘がつく。葉鞘の先に長さ3~5㎜の葉舌がある。花茎を伸ばし、先に長さ5~15㎝の穂状花序をつけ、多数の淡黄緑色の花をつける。雄しべは6個、3個ずつ2輪につく。葯は無柄、淡緑色の大きな葯隔がある。花被片は6個、雄しべを包むように3個ずつつく。雌性先熟。花柄は長さ1.5~3㎜、果時には長さ2.5~5㎜になる。果実は分離果、長さ3.5~4.4㎜の長楕円形。2n= 24, 28, 36, 48, 80, 120
2 Triglochin maritima L. マルミノシバナ
日本(北海道、関東地方以北の本州)、韓国、中国、モンゴル、ロシア、インド(シッキム)、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン原産。広義の扱いでは北アメリカ、メキシコ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布。中国名は海韭菜 hai jiu cai 。英名はarrow-grass , sea arrow-grass , seaside arrow-grass。別名はオオシバナ、ヒロハノミサキソウ
高さ3.5~61.5㎝、基部に古い葉の繊維状の残片がある。葉は鞘から直立し、ほとんど花茎より短い。葉は長さ2.2~11.5㎝、葉鞘は長さ0.4~2.5㎝、幅1~1.8㎜、葉舌はたまに、フード状になり、先が2裂し、その葉身は幅0.9~1.4㎜、先は鈍形~円形。花序は花茎がしばしば基部付近が紫色になり、ほとんど葉から突き出る。花茎は長さ1~16.5㎝、幅0.5~1㎜。総状花序は長さ6~45㎝、幅1.5~7㎜。花柄は長さ1~4㎜、幅0.2~0.3㎜。花は花被片が楕円形、長さ1.3~1.7㎜、幅0.6~1.4㎜、先は鋭形、雌しべ6個、すべて稔性。果実は果托(fruiting receptacle)、翼は無い。分離果( schizocarp)は線状倒卵形、弱い尾根があり、長さ1.5~3.5㎜、幅0.7~1㎜、嘴が直立~反曲、長さ約0.2㎜。 2n=12, 24, 36, 48, 120。花期は夏~秋。海岸や山の湿地、湿ったアルカリ性の牧草地。北アメリカ、メキシコ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布する。この分類群は葉舌の裂片と大きさの違いによりTriglochin concinnaとTriglochin maritimaに分けられる。Triglochin concinnaはこれらが小さい。地域的にはこの分類は正当と思われる。しかしながら、アメリカのTriglochin maritima複合体の試験により連続的な変化であることが明らかにされた。小さい、広い場所の植物は分裂しない葉舌をもち、大きい叢生する植物は葉舌が分裂しない。含められた植物はこれらの特性のすべての組み合わせをもつ。(Flora of north America)
3 Triglochin palustris L. ホソバノシバナ 細葉の塩場菜
日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、モンゴル、ロシア、インド(シッキム)、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン原産。広義ではユーラシア、北アメリカ、南アメリカに分布。中国名は水麦冬 shui mai dong 。英名はmarsh arrow-grass。 別名はミサキソウ。
淡水の湿原、池沼の縁に生える多年草。高さ9~42.5㎝。植物の基部に古い葉の繊維状の残片がある。地下茎は短く、走出枝を出す。葉は根生し、花茎より短く、長さ6~24.5㎝[Flora of China:約20㎝]、鞘は長さ3.5~5㎝×幅1.5~5㎜[Flora of China:約1㎜]、葉舌はフード状にならず、分裂しない。葉身は柔らかく、細く、幅0.8~2.9㎜、先は鋭形。花茎は基部付近がしばしば紫色になり、ほとんどが葉を超え、長さ5.5~27.2㎝×幅1~2.1㎜。総状花序は長さ5.1~21.4㎝×幅2~5㎜。花柄は長さ0.4~4.5㎜×幅0.1~0.5㎜。花被片は楕円形、長さ1.1~1.6㎜×幅0.7~0.9㎜[Flora of China:長さ2~2.5㎜]、先は円形。雌しべは6個。3個は稔性、3個不稔。果時の花托は翼をもち、分離果(schizocarp)は線形、長さ7~8.3㎜×幅0.8~1.2㎜。分果(mericarps linear)は線形、外側に弱いうねがあり、長さ6.5~8.5㎜×幅0.5~1.5㎜、嘴は直立し、長さ0.3㎜。2n = 24 , 48.。花期と果期は6~10月。
Triglochin
Triglochin
Triglochin
Triglochin
塩湿地性でやや塩分の低い河口付近で見られる。全国では絶滅危惧種Ⅱ類、愛知県では準絶滅危惧種。
地下茎は太く、群生する。葉は長さ10~40㎝、幅1.5~5㎜、断面は半円形、肉質で柔らかく、先端は鋭形の鈍端、下部には白い葉鞘がつく。葉鞘の先に長さ3~5㎜の葉舌がある。花茎を伸ばし、先に長さ5~15㎝の穂状花序をつけ、多数の淡黄緑色の花をつける。雄しべは6個、3個ずつ2輪につく。葯は無柄、淡緑色の大きな葯隔がある。花被片は6個、雄しべを包むように3個ずつつく。雌性先熟。花柄は長さ1.5~3㎜、果時には長さ2.5~5㎜になる。果実は分離果、長さ3.5~4.4㎜の長楕円形。2n= 24, 28, 36, 48, 80, 120
シバナ属
family Juncaginaceae - genus Triglochin多年草又は1年草、沼地に生え、短く丈夫な茎をもつ。根茎は節から密に根を出す。花は両性、葉のない花茎の総状花序につく。花被片は6個、雄しべ6個、心皮は6個、又は3個だけが稔性、合着する。柱頭は羽毛状。果実は集合果。
世界に約15種があり、温帯と寒帯地域に広く分布する。gher elevations.
シバナ属の主な種と園芸品種
1 Triglochin asiatica (Kitag.) A. et D.Love シバナ 塩場菜synonym Triglochin maritima auct. non L.
synonym Triglochin maritima L. var. asiatica (Kitag.) Ohwi
synonym Triglochin maritima L. subsp. asiatica Kitag.
【狭義のシバナTriglochin maritima=Triglochin asiatica】
日本(西日本に多い)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ネパール、パキスタン、カザフスタン、キルギスタン、北半球の温帯、寒帯に広く分布。(Flora of Cnina)
別名はウミニラ
多年草、強健。根茎は短く、丈夫、古い葉の鞘により覆われる。葉は長さ(4~)7~30㎝、幅1~4㎜。花茎は直立し、丈夫、総状花序は密に花をつける。花は短柄、長さ約1㎜(花後は長さ2~4㎜)。花被片は緑色、円形~卵形、長さ約1.5㎜。心皮はすべて稔性。果実は斜上、花茎に伏せず、長楕円状卵形、長さ3~5㎜、幅約2㎜、基部は丸い。花期、果期は6~10月。2n=24, 28, 36, 48, 80, 120。
【広義のシバナ】
地下茎は太く、群生する。葉は長さ10~40㎝、幅1.5~5㎜、断面は半円形、肉質で柔らかく、先端は鋭形の鈍端、下部には白い葉鞘がつく。葉鞘の先に長さ3~5㎜の葉舌がある。花茎を伸ばし、先に長さ5~15㎝の穂状花序をつけ、多数の淡黄緑色の花をつける。雄しべは6個、3個ずつ2輪につく。葯は無柄、淡緑色の大きな葯隔がある。花被片は6個、雄しべを包むように3個ずつつく。雌性先熟。花柄は長さ1.5~3㎜、果時には長さ2.5~5㎜になる。果実は分離果、長さ3.5~4.4㎜の長楕円形。2n= 24, 28, 36, 48, 80, 120
2 Triglochin maritima L. マルミノシバナ
日本(北海道、関東地方以北の本州)、韓国、中国、モンゴル、ロシア、インド(シッキム)、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン原産。広義の扱いでは北アメリカ、メキシコ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布。中国名は海韭菜 hai jiu cai 。英名はarrow-grass , sea arrow-grass , seaside arrow-grass。別名はオオシバナ、ヒロハノミサキソウ
高さ3.5~61.5㎝、基部に古い葉の繊維状の残片がある。葉は鞘から直立し、ほとんど花茎より短い。葉は長さ2.2~11.5㎝、葉鞘は長さ0.4~2.5㎝、幅1~1.8㎜、葉舌はたまに、フード状になり、先が2裂し、その葉身は幅0.9~1.4㎜、先は鈍形~円形。花序は花茎がしばしば基部付近が紫色になり、ほとんど葉から突き出る。花茎は長さ1~16.5㎝、幅0.5~1㎜。総状花序は長さ6~45㎝、幅1.5~7㎜。花柄は長さ1~4㎜、幅0.2~0.3㎜。花は花被片が楕円形、長さ1.3~1.7㎜、幅0.6~1.4㎜、先は鋭形、雌しべ6個、すべて稔性。果実は果托(fruiting receptacle)、翼は無い。分離果( schizocarp)は線状倒卵形、弱い尾根があり、長さ1.5~3.5㎜、幅0.7~1㎜、嘴が直立~反曲、長さ約0.2㎜。 2n=12, 24, 36, 48, 120。花期は夏~秋。海岸や山の湿地、湿ったアルカリ性の牧草地。北アメリカ、メキシコ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布する。この分類群は葉舌の裂片と大きさの違いによりTriglochin concinnaとTriglochin maritimaに分けられる。Triglochin concinnaはこれらが小さい。地域的にはこの分類は正当と思われる。しかしながら、アメリカのTriglochin maritima複合体の試験により連続的な変化であることが明らかにされた。小さい、広い場所の植物は分裂しない葉舌をもち、大きい叢生する植物は葉舌が分裂しない。含められた植物はこれらの特性のすべての組み合わせをもつ。(Flora of north America)
3 Triglochin palustris L. ホソバノシバナ 細葉の塩場菜
日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、モンゴル、ロシア、インド(シッキム)、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン原産。広義ではユーラシア、北アメリカ、南アメリカに分布。中国名は水麦冬 shui mai dong 。英名はmarsh arrow-grass。 別名はミサキソウ。
淡水の湿原、池沼の縁に生える多年草。高さ9~42.5㎝。植物の基部に古い葉の繊維状の残片がある。地下茎は短く、走出枝を出す。葉は根生し、花茎より短く、長さ6~24.5㎝[Flora of China:約20㎝]、鞘は長さ3.5~5㎝×幅1.5~5㎜[Flora of China:約1㎜]、葉舌はフード状にならず、分裂しない。葉身は柔らかく、細く、幅0.8~2.9㎜、先は鋭形。花茎は基部付近がしばしば紫色になり、ほとんどが葉を超え、長さ5.5~27.2㎝×幅1~2.1㎜。総状花序は長さ5.1~21.4㎝×幅2~5㎜。花柄は長さ0.4~4.5㎜×幅0.1~0.5㎜。花被片は楕円形、長さ1.1~1.6㎜×幅0.7~0.9㎜[Flora of China:長さ2~2.5㎜]、先は円形。雌しべは6個。3個は稔性、3個不稔。果時の花托は翼をもち、分離果(schizocarp)は線形、長さ7~8.3㎜×幅0.8~1.2㎜。分果(mericarps linear)は線形、外側に弱いうねがあり、長さ6.5~8.5㎜×幅0.5~1.5㎜、嘴は直立し、長さ0.3㎜。2n = 24 , 48.。花期と果期は6~10月。
シバナとマルミノシバナ
狭義のシバナの果実は長さ3.5~4.4㎜、マルミノシバナ(オオシバナ)の果実は長さ1.5~3.5㎜。Flora of Chinaは広義のシバナの見解であり、海韭菜(hai jiu cai)Triglochin maritimaの果実は長さ3~5㎜であり、狭義のシバナTriglochin asiaticaを指している。アメリカ産はマルミノシバナである。参考
1) Flora of ChinaTriglochin
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=133624
2) Flora of North AmericaTriglochin
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=133624
3) Plants of the World Online | Kew ScienceTriglochin
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328070-2
4) GRINTriglochin
http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=12358