サワトウガラシ 沢唐辛子

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Flora of Mikawa

オオバコ科 Plantaginaceae サワトウガラシ属

中国名 泽番椒 ze fan jiao
学 名 Deinostema violaceum (Maxim.) Yamazaki
Deinostema violacea (Maxim.) T. Yamazaki
サワトウガラシの花
サワトウガラシの花
サワトウガラシの花と葉
サワトウガラシ
サワトウガラシ葉
花 期 8~10月
高 さ 5~20㎝
生活型 1年草
生育場所 水田、湿地
分 布 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシア
撮 影 幡豆町 05.9.11
学名はFlora of China ではDeinostema violacea としている。新分類ではゴマノハグサ科からオオバコ科へ移動された。
 茎は分枝し、基部はやや這い、先は斜上する。葉は無柄、対生し、長さ5~10㎜、幅1~2㎜の線状披針形、先が尖り、全縁。花は茎頂付近の葉腋に単生し、幅約5㎜の紅紫~青紫色の唇形、長い花柄がある。下唇は3裂し、中央裂片が大きく、前に突き出る。茎の下部の葉腋に閉鎖花をつける。萼や花柄に毛がある。
 愛知県の準絶滅危惧種に指定されている類似のマルバノサワトウガラシ Deinostema adenocaulum は全体に小形で、葉が卵円形。

サワトウガラシ属

  family Plantaginaceae - genus Deinostema

 1年草。葉は対生、無柄。花は単生、腋生。小苞は無い。咢はほとんど基部まで5裂。咢片は蕾中で敷石状。 花冠は明瞭な2唇形。下唇は3(又は4)裂し、開出する。上唇は2裂、下唇より短い。稔性の雄しべは2本、後ろ側につく。花糸は先がゆがむ。葯は毛がある。仮雄しべは2本、後ろ側につき、ほとんど完全に減ずる。蒴果は胞軸裂開(septifragal)。種子は楕円形、種皮に網目がある。
 世界に2種があり、日本、朝鮮、中国、ロシアに分布する。

サワトウガラシ属の主な種と園芸品種

1 Deinostema adenocaulum (Maxim.) T.Yamaz.  マルバノサワトウガラシ 丸葉の沢唐辛子
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は有腺泽番椒 you xian ze fan jiao。
 愛知県の準絶滅危惧種に指定されている。水田、湿地に生える。
 1年草、高さ7~15㎝。茎は単純又は基部で分枝し、多肉質、基部はほぼ無毛、先はまばらに頭のある腺(capitate glandular)がある。葉は卵状円形~卵形、長さ5~10㎜×3~8㎜、枝の上では小さく、無毛、基部は類抱茎、縁は全縁、先は鋭形~鈍形、脈は5~9本、明瞭又は不明瞭。花柄はほとんど真っすぐ、細く、長さ0.6~1.5㎝、頭のある腺がある。咢は長さ2~2.5㎜、無毛。咢片は線状披針形。花冠は青色、長さ約5mm、2唇形、下唇の中裂片は2裂する。花柱は短い。蒴果は卵形、咢よりわずかに短く、初め2胞背裂開し、後に4バルブになる。種子は楕円形、網目がある。花期は8月。

2 Deinostema violaceum (Maxim.) T.Yamaz.  サワトウガラシ 沢唐辛子
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は泽番椒 ze fan jiao。水田、湿地に生える。
 1年草、高さ5~20㎝。茎は分枝し、基部はやや這い、先は斜上する。葉は無柄、対生し、長さ5~10㎜、幅1~2㎜の線状披針形、先が尖り、全縁。花は茎頂付近の葉腋に単生し、幅約5㎜の紅紫~青紫色の唇形、長い花柄がある。下唇は3裂し、中央裂片が大きく、前に突き出る。茎の下部の葉腋に閉鎖花をつける。萼や花柄に毛がある。花期は8~10月。

参考

1) Flora of China
 Deinostema
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=109485
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Deinostema
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:37579-1