サトイモ 里芋

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Flora of Mikawa

サトイモ科 Araceae サトイモ属

中国名 芋 yu , 野芋 ye yu
英 名 taro , wild taro , Elephant's Ear , dasheencocoyam , dasheen , eddo
学 名 Colocasia esculenta (L.) Schott
サトイモの葉芽
サトイモの葉芽2
サトイモの葉
サトイモ
花 期 8~9月
高 さ 25~80㎝
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 外来種 中国、台湾、アッサム、バングラデシュ、東ヒマラヤ、インド、ラオス、マラヤ、ミャンマー、ネパール、スマトラ原産
撮 影 西尾市  21.4.4
サトイモはタロイモの一種であり、タロイモは世界中で食用に栽培されている根菜類である。サトイモはイモだけでなく、葉柄も食べられる野菜でもある。サトイモは狭義にはColocasia esculentaを指し、原産地不明の栽培種である。原産地はインド~中国、東南アジアの一部、太平洋諸島、オーストラリアなどと推定されている。日本でも各地で自生が確認されているが、日本の自生種は全て3倍体であり、国外で栽培されていたものが、日本へ持ち込まれたものと考えられている。日本のサトイモは種子ができず、花もほとんど見られない。現在では多くの品種が日本各地で栽培され、3倍体品種だけでなく、2倍体品種もある。
 根茎は垂直~水平、塊茎は直径は3~5㎝又はそれ以上(15㎝以下)。匍匐茎は長い又は無い。葉は2又は3枚又はそれ以上。葉柄は緑色、長さ25~80㎝、鞘は長さの1/3~2/3。葉身は上面が艶のないワックス状で防水(水がときに水銀滴状になり)、長円状卵形~ほぼ円形、長さ13~45㎝×幅10~35㎝、基部は浅い心形(湾入は1~4㎝)、先は短い尖頭。花序柄は普通、単生、長さ16~26㎝。仏炎苞は筒部が緑色、長さ3.5~5㎝×幅1.2~1.5㎝。拡大部は下部が開き、クリーム色~黄金色、披針形又は楕円形、長さ10~19㎝×幅2~5㎝、先は尖鋭形。肉穂花序は雌ゾーンが円錐形、長さ3~3.5㎝×幅約1.2㎝。子房は直径1~3mm。柱頭はほぼ無柄、子房の先より幅が狭い。不稔のゾーンは狭い円筒形、長さ3~3.3㎝。不稔の花(雌しべ)は細長い上部から見られ、直径約0.5mm。雄ゾーンは円筒形、長さ4~6.5㎝×幅約7mm。花序付属体(appendix)は狭円錐形、長さ15~45mm×幅約2mm。液果は緑色、長さ約4mm。種子は少数。集葯雄しべは高さ約1mm、直径約0.8mm。花期は8月下旬~9月上旬頃。

サトイモ属

  family Araceae - genus Colocasia

 多年草、休眠期があるか又は常緑、小型、中型、又は巨大、乳液をもつ。茎は地下性で類球形又は類円筒形の塊茎、又はほとんど地上生で大型。葉は数枚、無茎植物ではロゼットになり、樹枝状の種では頂部が樹冠状になる。葉柄は無毛、ときに著しく粉白を帯び、まれに有毛、葉鞘はかなり長い。葉身は盾状、卵状心形~ 矢じり状心形、下面は無毛、粉白を帯び、白粉で覆われ、まれに直軟毛があり、後の裂片は円く、短く~ほぼ全体が合着し、基部の肋はよく発達する。1次側脈は羽状、亜葉縁脈を作り、1又は2本の葉縁脈があり、2次及び3次側脈は広角度で1次脈から生じて葉縁に向かって強くアーチ状になり、不明瞭な1次葉縁脈(interprimary collective veins)を形成する。高次の葉脈は網状。花序は各花の仮軸(floral sympodiu)ごとに1個~多数つき、葉をつける。花序柄は葉柄よりほとんど短い。仏炎苞(spathe)は筒部と拡大部の間でくびれ、ときに肉穂花序(spadix)の上に弱い2次のくびれをもつ。筒部は果時に宿存して大きくなり、その後先から不規則に裂けて開き、巻き込んだ縁をもち、普通、拡大部よりかなり短く、卵形又は長円形。拡大部は花時に直立して残り、±巻かれ、又はそれから後屈し、その後脱落し、白色又は黄色、ごく狭い披針形~長円形~舟形。肉穂花序は無柄、仏炎苞より短い。雌性ゾーンは短く、不稔の雄花の狭いゾーンにより別れ、又は雄ゾーンに隣接する。雄ゾーンは円筒形~紡錘形。頂部の花序付属体(appendix)は直立し、±平滑、狭い円錐形~紡錘形~錐形、ときに減じて小さい微突形の突起になり又は欠く。花は単性、裸か。子房は卵形又は長円形、1室。胚珠は多数、半直交性(hemiorthotropous)。珠柄(funicles)は比較的、長い。胎座は2~5個、側膜胎座。花柱の領域は短く、狭く又は狭くなく、ときに±欠く。柱頭は円盤状頭状又は弱く分裂。雌しべ内仮雄しべ(interpistillar staminodes:肉穂花序の雌花に見られる仮雄しべ)はいくつかの種にあり、弱いこん棒形、関連する雌しべと等長。不稔の花(synandrodes=sterile flowers)はあれば凹んだ倒ピラミッド形、側部が扁平、切形。雄花は3~6雄しべ(androus)。雄しべは合着し、±切形の集葯雄しべ(synandrium)となる。半葯は側着、長円状線形、先の穴から裂開する。花序は直立又は花序柄が曲がって低くなる。果実は帯緑色~帯白色、又は鈍い橙色、倒円錐形又は長円形、強い果実臭のある液果、多数の種子をもつ。柱頭の残物が宿存する。種子は小さく、卵形~楕円形、種皮は厚く、肋がある。胚は軸状、円筒形、胚乳は豊富。
 世界に約20種あり、熱帯、亜熱帯のアジアに分布する。英名はtaro , dasheen

サトイモ属の主な種と園芸品種

1 Colocasia affinis Schott コロカシア・アフィニス
 中国(雲南省南部)、バングラデシュ北部、インド北東部、ミャンマー、ネパール原産。中国名は卷苞芋 juan bao yu。英名はElephant Ear。標高800~1400mの森林や林縁の湿った日陰、石灰岩地帯の丘陵地に生える。
 多年草、地上生、匍匐茎といぼ状突起を持つ。匍匐茎は水平に這い、淡緑色、細く、長さ3.7~40㎝×幅約4㎜、分枝し、節間は円筒形、長さ2.7~9㎝、疣状突起がある。疣状突起は三角形または卵形、直径約2㎝。葉は3~7枚つく。葉柄は淡緑色または緑白色、紫色の横線はなく、円筒形、長さ20~45㎝。葉身は下面が淡緑色、上面が緑色または淡緑色、4~6対の大きな紫色の斑点がある(非常に日陰の環境で生育すると薄くなる)、盾形、卵状心形で、長さ(5~)16~21㎝×幅(4.7~)13~16㎝、膜質、主側脈は3対または4対で、縁の脈は目立たない。花序は1~3個つく。花序柄は淡緑色、円筒形、葉柄よりかなり短く、長さ6.4~15㎝。仏炎苞は狭く、筒部は包旋形(convolute:巻き込む)、緑色、ほぼ円筒形、長さ1.3~2.7㎝×幅0.6~1.8㎝。拡大部は開花時に通常反り返り、黄色、緑白色、または帯黄色、長円状披針形、長さ4.2~7.8㎝×幅1.6~3.3㎝。肉穂花序は無柄で仏炎苞より短い、雌性ゾーンは円筒形、短く、長さ0.9~1.7㎝×幅3~8㎜、雌花は緑色、子房は卵形、胚珠は約30個、珠柄は長い。側膜胎座 。雌性ゾーンと雄性ゾーンの間に不稔ゾーンは無く、またはクリーム色、長さ0.5~0.8㎝×幅0.8~2㎜。雄花は黄色、淡ピンク色、またはクリーム色、長さ1~1.7㎝×幅2.5~5㎜。雄花は6~8個の雄しべをもつ。雄しべは合着して、集約雄しべ(synandrium)になり、黄色。付属体は赤紫色、緑白色、または淡黄色、下部は円筒形だが上部は円錐形、長さ1.7~5.1㎝×幅1.5~6㎜。若い果実は緑色。花期は6~8月。果期は7~10月。2n=28。
品種)  'Jenningsii' , 'Roquefort'

2 Colocasia antiquorum Schott ヤマサトイモ 山里芋

  synonym Colocasia esculenta (L.) Schott var. antiquorum (Schott) C.E.Hubb. et Rehder

 中国、インド、ラオス、ミャンマー、タイ原産。中国名は滇南芋 dian nan yu。英名はArabian cocoa root。POWOではサトイモに含めている
 多年草、地上生、匍匐茎(ストロンのランナー)をもち、根茎は普通、直立する。根茎は長さ120~135㎝×幅12~18㎝。匍匐茎(ストロンのランナー)は6~12本、水平に這い、淡緑色~淡紫色、単純で細く長さ70~80㎝×幅約0.5㎝。節間は円筒形、長さ15~25㎝、塊茎は無い。葉は4~8枚、集まってつく。葉柄は薄緑色~赤紫色、長さ55~140㎝、基部の1/2に鞘がある。葉身は下面が淡緑色~黄緑色、ときに縁が紫色。上面は緑色~黄緑色、光沢があり、可湿性(水が均一にコーティングされる)、盾状、卵状心形~矢じり状心形、長さ30~80㎝×幅18~70㎝、膜質。一次側脈は5~9本、淡緑色又は紫色、一次内脈は不明瞭。花序は3~5(6)個。花序柄は緑色又は紫色、円筒形又は類3稜形、葉柄より短く、長さ40~70㎝×幅1.5~2㎝。仏炎苞は筒部と拡大部の間でくびれる。筒部は黄緑色又は紫色、長円形、長さ4~12㎝幅1.4~4.5㎝、ほぼ円筒状。拡大部は基部が巻き込み、ほぼ直立~後屈し、山吹色(golden yellow)、ときに縁が紫色になり、長円形、長円状卵形、又は倒卵形、長さ7~24㎝×幅4~14㎝、先は鈍形又は鋭形。肉穂花序は無柄、仏炎苞より短い。雌ゾーンは山吹色、円筒形、長さ2~3㎝×幅0.3~0.75㎝ 、肉穂花序の長さの約1/2cm、少数の雌しべ内仮雄しべ(interpistillar staminodes)をもつ。雌花は倒卵形。子房は1室。胎座は2個。柱頭は無柄又はほぼ無柄、円盤状、6裂。不稔ゾーンは帯白色、円筒形、長さ1~5㎝×幅0.3~1.8㎝。不稔の花(synandrodes)は凹んだ倒ピラミッド形。雄ゾーンは黄色、円筒形、長さ3.5~14㎝×幅0.4~1.5㎝。集葯雄しべ(synandria)は雄しべが3~10個(androus)、黄色、長さ1~2mm。花序付属体(appendix)(ppendix)は無いか又は狭い円錐形、長さ約5㎝。果実は見られない。花期は5~9月。2n=28。

2-1 Colocasia antiquorum Schott var. toonoimo T.Itô  トウノイモ 唐芋

  synonym Colocasia tonoimo Nakai
 京野菜の1つ。別名は京芋。いもの形がエビのように曲がる。
品種) エビイモ(海老芋) , 海老芋赤茎 , 赤カラトリ , 白カラトリ , 仁芋

3 Colocasia esculenta (L.) Schott サトイモ 里芋
  synonym Colocasia konishii Hayata  サトイモモドキ 
  synonym Colocasia formosana Hayata  サトイモモドキ
  synonym Colocasia antiquorum Schott ヤマサトイモ(eddoe)

  synonym Colocasia esculenta var. stolonifera (Haines) H.B.Naithani

 中国、台湾、アッサム、バングラデシュ、東ヒマラヤ、インド、ラオス、マラヤ、ミャンマー、ネパール、スマトラ原産。中国名は芋 yu , 野芋 ye yu。英名はtaro , edible taro , wild taro , Elephant's Ear , dasheencocoyam , dasheen , eddo。茎の地下の塊茎(いも)と葉柄(ずき)を食用にする。世界中で栽培されている。
【Flora of Chinaの解説】
 中国各地、台湾がおそらく原産地であり、世界中の熱帯、亜熱帯で広く栽培されている。
 根茎は垂直~水平、塊茎は直径は3~5㎝又はそれ以上(15㎝以下)。匍匐茎は長い又は無い。葉は2又は3枚又はそれ以上。葉柄は緑色、長さ25~80㎝、鞘は長さの1/3~2/3。葉身は上面が艶のないワックス状で防水(水がときに水銀滴状になり)、長円状卵形~ほぼ円形、長さ13~45㎝×幅10~35㎝、基部は浅い心形(湾入は1~4㎝)、先は短い尖頭。花序柄は普通、単生、長さ16~26㎝。仏炎苞は筒部が緑色、長さ3.5~5㎝×幅1.2~1.5㎝。拡大部は下部が開き、クリーム色~黄金色、披針形又は楕円形、長さ10~19㎝×幅2~5㎝、先は尖鋭形。肉穂花序は雌ゾーンが円錐形、長さ3~3.5㎝×幅約1.2㎝。子房は直径1~3mm。柱頭はほぼ無柄、子房の先より幅が狭い。不稔のゾーンは狭い円筒形、長さ3~3.3㎝。不稔の花(雌しべ)は細長い上部から見られ、直径約0.5mm。雄ゾーンは円筒形、長さ4~6.5㎝×幅約7mm。花序付属体(appendix)は狭円錐形、長さ15~45mm×幅約2mm。液果は緑色、長さ約4mm。種子は少数。集葯雄しべは高さ約1mm、直径約0.8mm。花期は春~晩秋、2~4月(中国南部)又は8~9月(中国北部)。2n=26, 28, 30, 36, 38, 42, 44, 46, 48, 52, 58, 84, 116。

【Flora of North Americaの解説】
Colocasia antiquorum Schotをsynonymとする。
北アメリカ、メキシコ、西インド諸島、中央アメリカ、南アメリカ、アジア、アフリカ、太平洋諸島、オーストラリアで栽培されている。
 球茎は地下にあり、でんぷん質。ストロンは長く、表面やその近くに節をもち、水平に広がる。葉柄は緑色、しばしば、先が紫色になり、長さ30~80(~180) ㎝、スポンジ状で隙間は空気で満たされる。葉身は上面が緑色~暗緑色、又は粉白を帯びた青緑色、普通、葉柄の接合点に赤色又は紫色の斑点をもち、盾状、長さ17~70㎝×10~40㎝、1次側脈は平行、2次側脈は網状、1次側脈の間に集団脈(collective vein)を作り、先は微突形。仏炎苞は長さ20~35㎝、筒部は緑色。拡大部は外側が橙色、筒部より3倍以上長く、花期に基部が開き、先が後屈し、肉穂花序を露出する。肉穂花序は長さ9~15㎝。雌花は豆緑色(pea green)、白色の退化した雌しべを散在する。子房は1室。胚珠は36~67個。不稔の花は白色~淡黄色。雄花と不稔の先端は淡橙色、雄しべは3~6本、合着する。果実は橙色。種子は長さ1~1.5mm、野生では観察されない。2n = 28, 42(東半球)。花期は晩春~晩秋。
品種)  'Bikini-tini' , 'Black Beauty' , 'Black Coral' (Royal Hawaiian Series) , 'Black Magic'ブラックマジック , 'Black Marble' , 'Black Ruffles' , 'Black Runner'ブラックランナー , 'Black Sapphire Gecko' , 'Bloody Mary' , 'Blue Hawaii' (Royal Hawaiian Series) , 'Bun Long' , 'Burgundy Stem' , 'Chiba-maru' , 'Chicago Harlequin' , 'Chinese Eddoe' , 'Coal Miner' , 'Diamond Head' (Royal Hawaiian Series) , 'Eddoa' , 'Elena' , 'Elepaio' , 'Elepaio Keiki' (v) , 'Emerald' , 'Euchlora' , 'Fontanesii'フォンタネシー(Black Stem Elephant Ear) , 'Fukugashira' , 'Globulifera' , 'Hawaiian Eye' (Royal Hawaiian Series) , 'Hawaiian Punch' (Royal Hawaiian Series) , 'Hilo Bay' (Royal Hawaiian Series) , 'Hilo High Colour' , 'Illustris' イラストリス =Colocasia esculenta var. antiquorum 'Imperial Taro'(0.9-1.5m), 'Imperial Taro'インペリアルタロ , 'Jack's Giant' , 'Japanese Cranberry' , 'Kakakura ʻUlaʻula' , 'Kalo' , 'Kona Coffee' (Royal Hawaiian Series) , 'Lemon Lime Gecko' , 'Lemonade' , 'Lime Aide' , 'Little Black Magic' , 'Luyutou 1' , 'Madeira' , 'Maea' , 'Mammoth' , 'Maui Gold' (Royal Hawaiian Series) , 'Maui Lehua' , 'Maui Magic' (Royal Hawaiian Series) , 'Mayugwa' , 'Midnight' , 'Midori Sour' , 'Miranda' , 'Mojito' (v)モヒート , 'Nancy's Revenge' , 'Ngeruuch' , 'Nigrescens' , 'ʻOene' , 'ʻOhe' , 'ʻOʻopukai' , 'Paʻakai' , 'Paʻakala' , 'Painted Black Gecko' , 'Palau Keiki' , 'Pa'lehua' , 'Papapueo' , 'Pauakea' , 'Piʻiʻaliʻi' , 'Piko ʻEleʻele' , 'Piko Kea' , 'Piko Keʻokeʻo' , 'Piko Uaua' , 'Piko Uliuli' , 'Pineapple Princess' (Royal Hawaiian Series) (v) , 'Pink China' , 'Pink Princess' , 'Purple Stem' , 'Putih' , 'Red Eyed Gecko' , 'Rhubarb' , 'Rosea' ズイキ , 'Royal Cho' , Royal Hawaiian® Black Coral , Royal Hawaiian® Blue Hawaii , Royal Hawaiian® Diamond Head , Royal Hawaiian® Hawaiian Eye , Royal Hawaiian® Hilo Bay , Royal Hawaiian® Kona Coffee , Royal Hawaiian® Maui Gold , Royal Hawaiian® Maui Magic , Royal Hawaiian® Morning Dew , Royal Hawaiian® Pineapple Princess , Royal Hawaiian® Royal Hilo , Royal Hawaiian® Tropical Storm , Royal Hawaiian® White Lava , 'Ruffles' , 'Sangria' , 'Silver Splash' , 'Surf City' , 'Tea Cup' , 'Tiger Stripe' , 'Timba' , 'Uahiapele' , 'ʻUlaʻula Kumu' , 'Ulaula Kumu-oha' , 'ʻUlaʻula Moano' , 'ʻUlaʻula Poni' , 'Ventura' , 'Violet Stem' , 'Wehiwa' , 'Xcintho' (PBR) , 'Yatsugashira' , 'Yellow Splash'

和品種 3倍体


1 蘞芋(えぐいも)系
 'Eguimo'エグイモ , 大土垂(おおどだれ)
2 土垂(どだれ)系
 海老芋白茎(えびいもしろぐき), 台湾白 , 土垂丸(どだれまる), 三州(さんしゅう), 台湾乙女 , 早生芋(わせいも), 愛知早生 , 大野芋 , 親責(おやぜめ)
3 蓮葉芋系(茎が白く白芋ともいわれる)
 女早生(おんなわせ), 女芋(めいも), 弥市(やいち), 早生蓮葉芋(わせはすばいも), 相馬
4 石川早生系
 石川早生(いしかわわせ)、愛媛早生(えひめわせ), 文久早生(ぶんきゅうわせ) , ふたごいも ,
5 黒軸系
 烏播(うーはん), 浜北(はまきた)
5 赤芽系
 セレベス , 赤芽奄美 , 赤芽 , 正月まん
6 その他
 味間いも , 帛乙女 , 大和早生

和品種 2倍体


 みがしき , 八つ頭(親芋と子芋がくっつ)=赤ズイキ , 筍芋(たけのこいも)=京芋[明治時代に台湾から渡来。京いもともいわれる。]

3-1 Colocasia esculenta (L.) Schott var. aquatilis (Hassk.) Kitam. ex M.Hotta ミズイモ 水芋

 南西諸島で栽培されている。水田で栽培され、田芋ともいわれる。

4 Colocasia gigantea (Blume) Hook.f. ハスイモ 蓮芋
 中国、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は大野芋 da ye yu。英名はgiant taro , giant elephant ear , Indian taro。東南アジアで広く栽培されている。
 多年草、大型~超大型、常緑。茎は地上性、大きく丈夫。葉は非常に大きく、葉柄は淡緑色、著しく白粉で覆われ、長さ2.5m以下、下半部は鞘になる。葉身は下面が白色の白粉で覆われ、特に未熟なときに覆われ、上面は緑色又は淡緑色、卵状心形、長さ25~250㎝×幅17~150㎝、膜質、基部は心形、盾状、縁は波打ち、先は短い尖鋭形。花序は5~13個、葉腋から生じる(実際にはシュートの上に頂生し、新しいシュートに置き換えられる)。花序柄は白粉に覆われ、円筒形、長さ30~80㎝×幅1~2㎝、花序柄の長さとほぼ等しい膜質の鱗片葉(cataphyll)をもつ。仏炎苞は長さ12~24㎝。筒部は緑色、楕円形、長さ3~6㎝×幅1.5~2㎝。拡大部は直立、白色、長円状舟形、明瞭にくびれ、長さ8~19㎝×2~3㎝。肉穂花序は長さ9~20㎝。雌ゾーンは白色又はクリーム色、円錐形。不稔ゾーンは長さ3~4.5㎝、細い。雄ゾーンは長さ5~14㎝。花序付属体(appendix)は非常に短く、長さ1~5mm、先は鋭形。液果は長円形、長さ約5mm。種子は多数、紡錘形、多数の明瞭な縦の条線をもつ。花期は4~6月。果期は9月。2n=28。
品種) 'Thailand Giant'

5 Colocasia fallax Schott コロカシア・ファラックス
  synonym Colocasia heterochroma H.Li & Z.X.Wei
 中国(雲南省、西蔵)、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、タイ原産。中国名は假芋 jia yu。英名はsilver leaf elephant ear。標高700~1400mの密林、湿った森林の縁、森林内の湿った苔むした岩面、谷間の低木、小川沿いの湿った日陰の場所に生える。
小型からやや頑丈な草本で、匍匐茎を持つ。根茎は直立し、長さ7㎝以下×幅1~1.5㎝。匍匐茎は淡緑色または淡紫色で、直立または這い、ほとんどが単純、長さ5~60㎝×幅6㎜以下、節間は長さ0.5~1.5㎝、直径3.5㎝までの卵形または円筒卵形のいぼ状突起を持つか、または持たない。葉は3~8枚つく。葉柄は緑色、ときに紫色の横線が入り、円筒形で長さ12~57㎝、長さのほぼ半分が鞘で覆われる。葉身は下面が淡色またはわずかに粉白色、上面は緑色または主脈間に暗紫色のパッチがあり、心状盾形、卵状心形、または狭長円状卵形、長さ8~36㎝×幅3.3~29㎝、膜質、先は小突起形、1次側脈は5~7本。花序は1~5個一緒につく。花序柄は緑色、円筒形、長さ4~23cm、細い。仏炎苞は筒部と拡大部の間で狭くくびれ、またはくびれない。筒部は緑色、漏斗形またはほぼ円筒形、長さ1.7~4.2㎝×幅0.7~1.7㎝、縁は巻く。開花時の拡大部は基部で大きく開き、上部で巻き込み、直立し、ときに開花後にわずかに反り返り、基部は橙黄色、黄金色、または帯黄色、先は紫色、狭披針形~長円状披針形、長さ5~11.2㎝× 幅2.7~4.8㎝、先は長い尖鋭形。肉穂花序は無柄で長さ6.5㎝まで、仏炎苞より短い。雌ゾーンは黄色、淡黄色、または緑色、円錐形または円筒形、長さ1~2.6㎝×幅4~6㎜、基部に帯白色または黄色の仮雄しべが4~6列ある。子房は緑色、白い斑点があり、ほぼ球形または卵形~長円形、長さ約1㎜、1 室、胎座は3個、柱頭は無柄またはほぼ無柄、基部は円盤形頭状または円盤形で、上部は細くなり、先端は長さ0.5㎜線形になる。雌ゾーンと雄ゾーンの間に不稔ゾーンがある。雄ゾーン黄色、円筒形、長さ1.1~4.6㎝×幅3~6㎜、集葯雄しべ(synandria)は黄金色、多角形、6~12個の雄しべをもつ。上部の不稔ゾーン(雄ゾーンと付属体の間)はクリーム色、円筒形、長さ0.5~1.2㎝×幅1~3㎜、白色の毛がある。毛は開花時に10~15㎜あり、乾くと消失する。集約仮雄しべ(synandrodes)は広楕円形~凹んだ卵形または凹んだ倒ピラミッド形で、先は切形またはほぼ切形。付属体はないかまたは帯黄色、円筒形または狭円錐形、長さ2.5~4.5㎝×幅1~2.5㎜、鱗片状で粗く、基部は明瞭に狭まるかまたは狭くなく、先は鋭形。果実は熟すと黄色、卵形、長さ約2㎜。花期は3~9月。果期は7~10月。2n=28。
品種) 'Dark Shadows' , 'Silver Dollar'

6 Alocasia macrorrhizos (L.) G.Don コロカシア・マクロリーゾス
 フィリピン、インドネシア(ボルネオ、スラウェシ、マルク州)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストリア(クイーンズランド州)、ソロモン諸島原産。中国名は热亚海芋 re ya hai yu。中国では海抜800mまでの農地や荒れ地の溝や湿地、人の手が入らない場所に生える。明らかに先史時代には自給作物として熱帯アジアに広く分布しており、現在では観賞用として導入されて、東南アジア、アフリカ、南アメリカなど広く熱帯全域に分布している。英名はGiant taro, Upright elephant ears, Greater alocasia, Birah negeri, Giant alocasia。別名はクワズイモ。有毒でイモは食べられない。
 大型の多年草、高さ4mまでになり、常緑、乳液はわずかに乳白色。茎は直立し、最大約1.5m、傾伏する。葉は数枚一緒につき、大型植物では茎の先端に密集する。葉柄は長さ1.3m以下、基部の1/3~1/2が鞘に覆われる。葉身は両面とも明るい緑色、卵状矢じり形、鈍い三角形、長さ120㎝×幅50㎝、以下、±直立し、縁は全縁からごくわずかに湾曲し、後裂片は前裂片の1/3~1/2の長さでやや丸みを帯び、しばしば重なり合い、成熟植物では凹面がなく、幼植物では弱い盾状である。一次側脈は前裂片の両側に約9本あり、腋生の腺が明瞭で、2次脈は1次側脈の間に集合脈(collective veins)を形成しない。花序は葉の基部の間に対になってつき、膜質の鱗片葉が基部につく。開花時に花序柄は鱗片葉をわずかに越える。仏炎苞は長さ13~35㎝、基部から約1/6のところで狭くなる。仏炎苞の基部は緑色、卵形。開花時には拡大部は頭巾状(cowl-like)で、後に反り返り、その後潮解性(deliquescent)となり、淡黄色、広長円状披針形、長さ10.5~29㎝。肉穂花序は仏炎苞よりわずかに短く、短い柄がある。雌性ゾーンは円錐状円筒形、長さ1~2㎝×幅約1.5㎝。雌しべは淡緑色、直径約3㎜。柱頭は黄色、無柄、3~5裂する。不稔ゾーンは雌性ゾーンとほぼ等しく、帯白色、圧縮された不稔花(synandrodes)は帯白色、円筒形で、長さ3~7㎝×幅約2㎝。葯が癒着した雄しべ(synandria)は5~9数性、菱状六角形、先端は凸型、直径約 2 mm。付属体は帯黄色、わずかに先細り、肉穂花序の長さの少なくとも1/2の長さである。果時の仏炎苞は緑色、長円形、長さ約8㎝。果実は深紅色、楕円形、約・長さ12㎜×幅8㎜。[Flora of China]

 根茎性の多年草、地上性、高さ12m以上になる。茎は基部で傾伏し、後に直立し、強く、気根があり、直径が4~10㎝以上になる。雌雄同株。葉は根生葉、矢じり状卵形、長さ25~80㎝×幅15~55㎝、ほぼ直立し、葉柄と同じ平面にあり、その後わずかにアーチ形になり、上面の脈は多少、同色、下面は淡入り、1次側脈は4~7対、基部脈は5~6本、先端に向かってほぼまっすぐに伸びた後に肋で結合する。後ろ側の肋は無毛ではない。葉柄は長さ74~140㎝、基部に広い鞘があり、長さの30~60%が鞘に覆われる。花序は直立し、腋に数個が開花するが、めったに開花せず、花序柄は長さ15~20㎝。仏炎苞は長さ18~25㎝、基部がかなり巻き込まれ、顕著に筒部の上で狭まり、筒部は長円形、長さ3.5~8㎝、直径15㎝、薄緑色、拡大部(弁部)は舟形(naviculiform)、長さ12~18㎝、幅5~8㎝、先は尖頭形、白色。肉穂花序は長さ14~21㎝、仏炎苞より短く、基部に雌性ゾーン、付属体部分、稔性~不稔の雄生ゾーンからなる。稔性の雌性ゾーンは長さ2~3㎝、雌しべは密集し、3~4室があり、側膜胎座 、1室あたり多数の胚珠を持つ。雄花は統合し、集葯雄しべになる(synandrum)。不稔の雄性ゾーンは長さ2.5~3㎝、一般に雌しべ部分よりもはるかに狭く、圧縮された不稔花(synandrodes)は腋に向かって伸びる。稔性の雄性ゾーンは長さ4~6㎝、花は不規則に丸く、4~6の側面がある。不稔の付属体は先端が鈍形に先細り、長さ5~14㎝、帯白色。果実は卵形、長さ8~1㎜、帯白色。[Flora de Nicaragua]

7 その他ハイブリッド
品種) 'Big Dipper' , 'Bikini-tini' , 'Black Ripple' , 'Black Swan' , 'Blackwater' , 'Coffee Cups' , 'Cranberry' , 'Dark Star' , 'Distant Memory' , Dragon Heart Gigante , 'Electric Blue Gecko' , 'Emerald' , 'Fierce Gigante' , 'Heart of the Jungle' , 'Himalayan Dragon' , 'Imperial Gigante' , 'Kachhu' , 'Madeira' , 'Maximus Gigante' , 'Noble Gigante' , Royal Hawaiian® Aloha , Royal Hawaiian® Hawaiian Punch , 'Sangria' , 'Smiley Face' , 'Trao' , 'Victorious Gigante'

日本のサトイモ

 サトイモの遺物は現在まで世界中で全く発見されていないので、考古学的にはサトイモの起源や日本へ渡来した時期も不明であり、文献の記載などから推定されているものである。サトイモは紀元前3000年ごろにはインドで栽培されていたと推定され、紀元前 200~100 年の中国の史記に記載がある。日本では927年に成立した『延喜式』や奈良時代の風土記に作物として記載がある。サトイその品種を記載した日本最古の書物は918年の『本車和名』であり、芋と記載された19品種が載せられ、このうちのいくつかは17世紀の農業書などに記載が残っている。これ以前の文献記載はないが、5世紀以降には新羅や百済との交易があったことから、少なくとも10世紀初め頃にはいくつかの品種が渡来し、日本で栽培が行われていたと推定される。日本各地で自生のサトイモが確認されている。これらは全て3倍体(2n=42)であり、古来に渡来した品種が野生化したものと考えられている。長野県小県郡青木村沓掛に自生しているサトイモ(弘法芋)は縄文早期末から中期初頭に渡来したサトイモではないかと推察されている。このほか、佐賀県鳥栖市(鳥栖自生芋)、山梨県甲府市羽黒町、鳥取県東伯郡関金町、島根県松江市大野町、東京都八丈島、高知県、麗児島県、沖縄県に自生が報告されている。日本の古からの栽培品種の中に蘞芋(えぐいも)品種群(青芋、ゑごいも、ゑごりいも、いごいも、はなさき、花いも、鴎芋、霜芋など)があり、自生種はこれにあたるものと考えられている。特徴は葉が他の品種と比べて青味を帯びた濃繰色であり、イモの蘞味(えぐみ)が強い。他の品種より開花し易く、花期は8月下旬~9月上旬。
 日本の栽培品種は3倍体の他に2倍体もあり、ヤマサトイモ(Colocasia antiquorum)系統のトウノイモ(唐芋)、ハスイモ(Colocasia gigantea)系統のハスイモ(蓮芋)などは2倍体である。Colocasia antiquorumはサトイモ(Colocasia esculenta)に含める見解もある。

 クワズイモ属(Alocasia)はサトイモ属(Colocasia)は何度も混同されたことがある。外形はよく似ており、違いは、胚珠数がクワズイモ属では少数で基底胚珠、サトイモ属では多数で側膜胎座。葉柄がクワズイモ属では縁につき、サトイモ属では盾状につくことが多い。

クワズイモ属 Alocasia

  family Araceae - genus Alocasia

 常緑の草本、まれに季節的に休眠し、乳液があり、中型からまれに樹枝状で巨大になる。茎は太く、しばしば地下茎で、ときに匍匐茎や球根があり、地上茎は通常直立し、後に傾伏し、まれに長く這う。葉は先端の冠に少数~数枚あり、まれに散在し、ときに各葉に鱗片葉がある。葉柄は長く[ときにわずかに粗面、わずかに軟毛、または腺毛がある]、鞘は比較的長い。葉身はときに下面に軟毛があり、幼若葉は盾形、成熟すると通常矢じり形で、まれに±矛形または心形になるが、種によっては盾形のままで、縁は全縁または波状[または浅く~深く羽状中裂]、後部の裂片は卵形または三角形、基部の肋はよく発達し、一次側脈と中脈の腋に蝋腺(wax glands)がある。一次側脈は羽状で、亜縁集合脈(submarginal collective vein)を形成し、1または2つの隣接した縁脈も存在する。二次、三次側脈は一次葉脈から広い角度で発生し、葉縁に向かって強くアーチ状になり、ときに一次間脈を形成し、高次の脈は網状である。花序は各花の仮軸に1または2個から多数ある。花序柄は通常葉柄より短い。仏炎苞は宿存し、直立、回旋状で、基部のみ開き、筒部と葉身(blade)の間で強く狭くなるが、まれに狭まらず、筒部は回旋状の縁を持ち、拡大部より短く、卵形または長円形で宿存し、果時には不規則に分裂する。拡大部は長円形、通常、舟形で、まれにアーチ状になり、花時には最初は直立し、次に反り返り、後に通常脱落する。肉穂花序は無柄、ときに短柄があり、まれに苞に斜めに付生し、苞より短い。雌花ゾーンは円錐状円筒形で短く、雄花ゾーンとは非常に狭い不稔花ゾーンで区切られている。雄花ゾーンは通常円筒形。付属体は円錐形~円筒形で、不規則な迷路状の亀裂網がある。花は単性で裸である。雌しべは卵形または長円形、先端が1室または部分的に3~4室、胚珠は6~10個、直向性(orthotropous)、半直向性(hemiorthotropous)、半倒向性(hemianatropous)、または倒向性(anatropous)。珠柄は短い。基底胎座。花柱部(stylar region)は短い。柱頭は凹んだ頭状、±明瞭に3裂または4裂する。雄花は3~12(~36)個の雄しべをもち、雄しべは合着して倒ピラミッド形、ほぼ六角形、切形、まれに線形、集葯雄しべ(synandria)。半葯は長円形~線状長円形、側着、先端の孔で裂開する。集葯仮雄しべ(synandrodes)は浅い、倒ピラミッド形、圧縮され、切形。果実は帯赤色、楕円形または倒円錐状楕円形またはほぼ球形で、無臭の液果で、種子は1~5個。柱頭の残余物は宿存する。種子はほぼ球形~楕円形、かなり大きい。種皮は厚く、平滑またはざらつく。胚は広円錐形、広円筒形または細長い。胚乳は豊富。
 世界に89種あり、アジア東南部、南太平洋諸島、オーストラリアに分布し、日本にも3種自生する。
 クワズイモ属は栄養学的にはサトイモ属に似ているが、葉の裏側にある主側脈と中脈の腋にワックス腺があることと、成熟した果実が橙色または赤色で無臭で、大きな種子が少数(1~5個)入っていることで簡単に区別できる。これは、果実が目立たない色で臭いがあり、ぬるぬるした粘液の中に小さな種子が多数あるサトイモ属とは大きく異なる。さらに、胎座はクワズイモ属では基底胎座、サトイモ属では側膜胎座。花序のつき方が異なり、サトイモ属では花序が一般に対になり、各対が茎に対して±接線方向に向いているのに対し、クワズイモ属は多数の花序が茎に対して遠心方向に放射状に生じていることで区別できる。

クワズイモ属の主な種

1 Alocasia atropurpurea Engl. ヤエヤマクワズイモ
  synonym Alocasia gageana auct. non Engl. et Krause
 日本(沖縄、八重山諸島)、フィリピン原産
2 Alocasia cucullata (Lour.) G.Don シマクワズイモ
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、アッサム、スリランカ、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム原産
 POWOでは日本を分布域から除外している。
3 Alocasia cuprea K.Koch キッコウダコ
 インドネシア(ボルネオ)原産。

4 Alocasia lindenii Rodigas シロスジクワズイモ⇒Homalomena lindenii (Rodigas) Ridl.

  synonym Homalomena lindenii (Rodigas) Ridl.
 ニューギニア原産。
5 Alocasia longiloba Miq. カブトダコ
 中国、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(スラウェシ島、ボルネオ島、スマトラ島、ジャワ島、小スンダ諸島)原産。
6 Alocasia longiloba Miq テイオウハイモ
  synonym Alocasia lowii Hook.f.
 フィリピン、インドネシア(ボルネオ、スラウェシ、マルク)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストラリア(クイーンズランド州)、ソロモン諸島原産。
7 Alocasia macrorrhizos (L.) G.Don インドクワズイモ
 フィリピン、インドネシア(ボルネオ、スラウェシ、マルク)、ニューギニア、ビスマルク諸島、オーストラリア(クイーンズランド州)、ソロモン諸島原産。
8 Alocasia odora (G.Lodd.) Spach クワズイモ

  synonym Alocasia odorum (G.Lodd.) Spach クワズイモ [YList]綴り違い

  synonym Alocasia macrorrhizos auct. non (L.) G.Don
  synonym Colocasia odora (G.Lodd.) Brongn.
 日本、中国、台湾、インド、アッサム、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア(ボルネオ)原産。
9 Alocasia sanderiana Bull コウライダコ
 フィリピン原産。
10 Alocasia x mortefontanensis André  アマゾンダコ
 栽培種。テイオウハイモとコウライダコの雑種。
11 Alocasia x okinawensis Tawada アイノコクワズイモ
 クワズイモとシマクワズイモの雑種。
12 Alocasia zebrina K.Koch et Veitch トラフイモ
 フィリピン原産。

参考

1) Flora of China
 Colocasia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=107697
2) Flora of North America
 Colocasia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=107697
3) GRIN
 Colocasia
http://www.narc.gov.jo/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=2816
4) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Colocasia
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=291500
5) 愛媛県農林水産研究所 HP
 サトイモ品種の起源
https://www.pref.ehime.jp/h35118/1707/siteas/11_chishiki/documents/11_satoimo1_298_1.pdf
6) 佐賀大学幾学部業報第71号 (19号1) 113-122 (1991)
 佐賀県鳥機市に自生しているサトイモについて
https://core.ac.uk/download/pdf/59165198.pdf
7) 佐賀大幾重量 (Bull.Fac. Agr., Saga Univ.) 72: 1 ~36 (1992)B
江戸時代の農書及び本草書類に記載されているサトイモの品種及び品撞群について
https://core.ac.uk/download/pdf/59165281.pdf