サカキカズラ 榊葛

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Flora of Mikawa

キョウチクトウ科 Apocynaceae サカキカズラ属

別 名 マサキカズラ
中国名 鳝藤 shan teng
学 名 Anodendron affine (Hook. et Arn.) Drucei
サカキカズラの花
サカキカズラの花の毛
サカキカズラの花横
サカキカズラの果実
サカキカズラの種子
サカキカズラの蔓
サカキカズラ
サカキカズラ花序
サカキカズラの裂開した果実
サカキカズラ葉表
サカキカズラ葉表2
サカキカズラ葉裏
花 期 4~6月
高 さ つる性(4~10m)
生活型 常緑蔓性低木
生育場所 山野、林下
分 布 在来種 本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄、中国、台湾、インド、ベトナム
撮 影 田原市  14.5.20
枝は淡灰色。葉は長さ3~14㎝、幅1~2.5㎝の狭長楕円形~狭卵形、全縁、葉先は尖り、基部は楔形、全縁、側脈は6~12対、紙質~革質で光沢がある。葉裏は淡緑色、側脈は薄く見えるが、細脈が不明瞭。葉柄は長さ0.5~2㎝。集散花序に淡黄色の花が多数つく。花冠は直径8~10㎜の高杯形、筒部は長さ3~4.5㎜、先が5裂し、裂片が捻じれて幅が狭く見える。萼片は長さ2~3㎜の卵形。果実(袋果)は長さ8~13㎝、幅1.6~3㎝の細い円錐形、2個が基部でつながり、水平に開く。種子は長さ1.5~2㎝、幅6~10㎜、扁平、先端に長さ約6㎝の種髪(長毛)がある。
 テイカカズラ Trachelospermum asiaticum は葉幅がやや広く、葉裏の緑色の細脈が明瞭に見える。花冠が白色、裂片の幅がやや広い。袋果は細長く、二又に垂れ下がり、裂開してからは捻じれる。種子が細い。
 チョウセンテイカカズラ T. asiaticum var.glabrum は無毛品であり、変種として分類されている。変化が連続的であり、区別が難しい。
 チョウジカズラ T. asiaticum var. majus は海岸に生え、葉と花が大きい。花は直径3㎝以上になる。
 ケテイカカズラ T. jasminoides は葉裏や萼などに毛が多く、萼片が5~6㎜と長い。花冠が白色、基部が黄色。

サカキカズラ属

  family Apocynaceae - genus Anodendron

 つる性木(lianas)、ラテックスをもつ。葉は対生、側脈は普通、上面でしわになる。集散花序は円錐花序になり、頂生又は腋生。花は小さい。咢は深く分裂し、内側の基部に腺がある。花冠は高杯形、筒部は円筒形、雄しべのつく位置でわずかに広がり、のど部はくびれ、咽頭の鱗片は無い。裂片は右に重なり、捻じれる。雄しべは突き出ず、花冠筒部の中間のすぐ下につく。花糸は短い。葯は矢じり形、輻合し、雌しべの頭に付着し、細胞は基部に距がある。花盤は環状又は杯形、先は切形又は短く5裂する。子房は2個、離生し、わずかに花盤より高い。胚珠は各子房に多数。花柱は短い。雌しべの頭部は太く、基部には輪状の膜がある。袋果は散開し、太く、狭卵形、先は尖鋭形。種子は扁平、卵形~長円形、嘴の先に長い種髪をもつ。
 世界に約16種があり、アジアの熱帯、亜熱帯に分布する。

サカキカズラ属の主な種と園芸品種

1 Anodendron affine (Hook. et Arn.) Druce  サカキカズラ  榊葛
  synonym Stephanotis japonica Makino
 日本(本州(千葉県以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ベトナム原産。中国名は鳝藤 shan teng 。別名はマサキカズラ。
 つる性木(藤本)、常緑、長さ4~10m。枝は淡灰色。葉は長さ3~14㎝、幅1~2.5㎝の狭長楕円形~狭卵形、全縁、葉先は尖り、基部は楔形、全縁、側脈は6~12対、紙質~革質で光沢がある。葉裏は淡緑色、側脈は薄く見えるが、細脈が不明瞭。葉柄は長さ0.5~2㎝。集散花序に淡黄色の花が多数つく。花冠は直径8~10㎜の高杯形、筒部は長さ3~4.5㎜、先が5裂し、裂片が捻じれて幅が狭く見える。萼片は長さ2~3㎜の卵形。果実(袋果)は長さ8~13㎝、幅1.6~3㎝の細い円錐形、2個が基部でつながり、水平に開く。種子は長さ1.5~2㎝、幅6~10㎜、扁平、先端に長さ約6㎝の種髪(長毛)がある。花期は4~6月。果期は9~11月。
2 Anodendron benthamianum Hemsl.  オオサカキカズラ 大榊葛
 台湾原産。中国名は台湾鳝藤 tai wan shan teng 。
 つる性木、花以外は無毛。枝は暗褐色、小枝は淡灰色。葉柄は長さ0.5~1.5㎝。葉身は狭長円形~狭卵形、長さ5~14㎝×幅1~5㎝、革質、先は鈍形~鋭形、側脈は5~7対。集散花序羽は頂生、長さ5~15㎝×幅8~9㎝、花が20個つく。咢片は卵形、3~4個つく、長さ約3㎜。花冠筒部は長さ1.5~2.5㎝、内側に軟毛がある。花冠裂片は長円形、長さ1.5~2.5㎝。雄しべは花冠筒部の基部につく。花盤は杯形、先は波打つ。子房は無毛。袋果は狭長円形~卵状円筒形、長さ6~12㎝×幅約1.5㎝。種子は長さ約2㎝×幅約5㎜、嘴は長さ約2.5㎜、種髪は長さ約2㎝。花期は3~6月。

2 Anodendron parviflorum (Roxb.) I. M. Turner
  synonym Anodendron paniculatum (Roxb.) A. DC.
 インド、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。英名はtwin-net 。
 大型のつる性木。ラテックスは水っぽい。樹皮は褐色。葉は十字対生、長さ8~22㎝×4~8㎝、楕円状長円形~楕円状倒卵形、基部は円形、先は鈍い鋭形、類皮革質、側脈は10~13対、平行。葉柄は長さ2㎝以下。花は小さく、腋生又は頂生の緩い円錐花序状の集散花序につく。花柄は長さ4㎜以下。咢片は5個、長さ約1㎜、卵形、先は鋭形、5個の小さい腺の鱗片が互生する。花冠は黄白色、幅約8㎜、高杯形、筒部は長さ約1.5㎜、雄しべを超えて膨れる。花冠裂片は5個、長さ約4㎜、わずかにかま形、右に重なる。雄しべは5個、突き出ない。葯は矢じり形、基部に距があり、先は微突形、柱頭の周りに、集まる。子房は2個、離生、縁につく。花柱は長さ約1㎜。柱頭は倒円錐形。袋果は散開し、長さ9~14㎝×幅2~3㎝、円柱形、先に向かって先細になる。種子は長さ2~2.5㎝、倒卵形、扁平、嘴があり、先に種髪がある。

参考

1) Flora of China
 Anodendron  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101896
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Anodendron  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:2205-1
3)GRIN
 Anodendron  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=722
4)India Biodiversity Portal
 Anodendron paniculatum  
https://indiabiodiversity.org/species/show/249078